ポツポツと大きい音がテント内に響き渡る。
外を見なくても分かる雨。
テントが故に余計に分かる。
「伍長いる?」
「なんだ、冬樹」
「姉ちゃん、まだ帰ってきてないんだ。多分まだ学校だと思う。迎えに行ってもらえないかな」
「なんだ、夏美は傘を持って行ってないのか」
「うん。天気予報は、雨ふるって言ってなかったからね。置き傘いつもはしてあると思うんだけど、一昨日降って、まだ乾いてなかったから姉ちゃん持ってて無いと思うんだ」
「しょうがないな」
冬樹の言葉にオレは渋々腰を上げた。
雨が降る。
我々ケロン人にとって雨は喜ぶものだが、夏美達ペコポン人にとっては雨はいやがられる物だ。
全天候完備されているケロン星にはもちろん突然の雨など無い。
だが、突然の雨に喜ぶのも悪くないし、驚くのも悪くないと思ったのはペコポンに来てからだ。
いや、夏美と出会ってからだ。
もし、夏美に出会わなければ…俺たちはペコポンを侵略し、制圧し、意気揚々とケロン星へと帰還していただろう。
本当ならば。
だが、出会ってしまった。
逢わなければ良かったと誰もが思うかも知れない。
ケロン星にいた頃のオレすらそう思うだろう。
だが、オレは夏美に出会ってしまった。
そして、夏美にこ、恋をしてしまった。
オレは、オレがそれを喜んでいることを知っている。
学校の校門では傘を持たない者が昇降口の所で雨宿りをしているのが見えた。
「ギロロ?」
ペコポン人スーツに身をまとい、傘を持ってきたオレに夏美は不思議そうに声を掛ける。
「夏美、傘を持ってきたぞ」
「わざわざありがとう。小雪ちゃんに入れて貰おうと思ってたんだけど、ギロロが迎えに来てくれたんじゃ、大丈夫ね」
小雪!!!!
そうだ、夏美のそばにはあの小娘が居たんだっっ。
「ギロロどうしたの?人の話聞いてる?」
「聞いている。お前はあの小娘と共に帰るのだろう?」
「小雪ちゃんと?ギロロが迎えに来てくれたんでしょ?ギロロと帰るわよ」
「オレと!!!」
「何驚いてるのよ。ほら、ギロロ、傘。って、あんた傘は?」
傘?
傘ならあるではないか。
「どこにあるのよ、アタシの傘!ギロロが差してる1本しか無いじゃない」
はぁっっ。
夏美を迎えに行くことに舞い上がって…傘を忘れた。
「まぁ、良いわ。その傘に入れて、一緒に差していきましょ」
「あぁ、仕方ないなそれしかないのなら」
そう言って夏美に傘を差し出す。
「何してるの、ギロロ、早く入って。せっかく大きくなってるんだから、相合い傘出来るでしょ?」
あ、相合い傘!!!!
「ギロロ?」
「う、す、済まない。傘はオレが持とう」
「そう?お願い」
夏美から傘を受け取り夏美が濡れないように傘を差す。
「ギロロ、ありがとね」
「いや、これくらいなら別に構わない」
「そう?そうだ、この後ひどくなりそうだったら、家の中に入っても良いわよ」
「済まない、夏美」
「良いのよ。迎えに来てくれたお礼」
そう言って夏美はオレの方を見て微笑む。
「夏美」
「何?」
「いや、なんでもない」
オレは夏美を護る。
たとえ、ケロロ達と相対することになっても。
そう、決意を新たにした。
その前ぐらいにみたアニメが確かギロ夏だったきが…。
インスピレーション勝負なんです、「iTuneで小説を書こう」は
歌詞聴いてたら銀魂でも良かったかなぁなんてね。か、ブリーチ(ギン乱)でも。