知りたくなかった。
とか。
知らなければ良かった。
とか。
なんて思いたくないと思った。
「ごきげんよう」
「ごきげんよう、リリーナ様」
優雅に帰りの挨拶が交わされる。
今まではこれが当たり前だと思ってた。
対岸の火事のようにニュースを読み、そのことを触るように互いの会話に交えてそのことを体験したように話す。
でも、私は知ってしまった。
それが夢物語などではなく現実のことだと言うことを。
彼らがガンダムに乗る理由。
それが当たり前のようにある世界。
外務次官だったお父様と共に動いても画面の中に見えていた世界。
でも、全てが変わった。
そして知ってしまった。
私の世界が変わった意味を。
私の世界が違う意味を。
「ヒイロ、私の手をとって」
「何故」
「言ったでしょう?せめてダンスが終わるまではここに居てと」
私の言葉にヒイロは頷かない。
断ると返事もしない。
ただ黙ってそこにいる。
貴方が行くというのなら、私に貴方を止める力はあるのかしら?
貴方が行くというのなら、私は貴方を止めたいの。
戦いに行くと言うこと。
それがどれだけ苛酷かだなんて私は知るよしもない。
でも、戦いに行くという強い思いだけは私も理解が出来る。
戦わなくてはならない。
今、私はそれが近いの。
でもまだ勇気がもてない。
だから、せめて力を持つまで私のそばにいて。
それすらも言う事なんて出来ないけれど。
「ヒイロ、私の手を取って。私とダンスを踊って」
優雅に手を向ける。
「………」
何も言わずヒイロは私の手を取る。
パーティーの会場で私はヒイロとワルツを踊る。
初めてあったときのヒイロと今のヒイロは違う。
少しずつ変わっていくヒイロ。
私の世界も少しずつ変わっていく。
未来に何があるか分からないけれど。
私が強くあれるように、貴方の力を私にください。
ん〜〜〜〜って考えに考えて、最初はまじ快で書こうかなって思ってたんだけど、出だし書いたら、というか「ごきげんよう」って書いたらリリーナ様が出てきた。
「ごきげんよう」までまじ快だった(しかも紅子様の台詞だった)。
というわけで、ヒイリリ、パーティーナイト。