**HEAVENS HELL:music by Cocco / BLEACH
「…済まぬ…恋次…」
恋次の胸に顔を埋めて言う。
あまりの事に泣き出しそうだ。
「馬鹿野郎、謝るところじゃねぇよ」
そう、恋次は私の頭上で言う。
「…ありがとう」
「…礼を言うところでもねぇよ…」
そういう恋次の言葉はあまりにも優しくて涙が出てきた。
卯ノ花隊長率いる四番隊のおかげで、傷ついた人は癒されつつある。
私が招いた事態か…。
十三番隊の隊舎にて浮竹隊長を見舞った後、兄様が休んでいる救護舎へと向かいながらそのことを思い浮かぶ。
一護達は明日、戻るという。
穿界門の完成が明日だと言う。
「何、しけたツラしてんだ?」
「うぉっ。恋次、いきなり顔を見せる奴があるかっ」
「さっきから俺は呼んでたぞ?」
「そうであったか?それは済まぬ」
恋次の声も聞こえぬほど、私は思考の海に入っていたと言うわけか…。
「ルキアのせいじゃねぇ」
「恋次、いきなり何を」
「どうせ、そんなこと思ってんだろうと思ったんだよ」
「私はおまえに思考を読まれるほど単純ではないぞ?」
「ばぁーか、何年一緒にいたって言うんだよ」
何もかも知った風に恋次は言うから、頭にくる。
これは一つ嫌みでも言ってやらねば気が済まない。
「たかだか十年。離れていた時期は四十年と長いがな。計算すれば四倍だな。その短い時間も面白眉毛副隊長殿は長年居たというのか。おもしろいな」
「面白眉毛っつーな。…嫌みでも、何でも言えよ。全部聞いてやっから」
「いきなり何を言い出す」
「…言えてた時期あったか?甘えられてた時期っつーか、素直になれてた時期は…あったかもしれねぇがな。俺は、そう言うとき、そばに居てやらなかったから」
そう言って恋次は足を止め、視線を違うところにはわせる。
「謝ることに意味があるとはおもわねぇ。この四十年間、そばにいなかったのは事実だ」
「恋次…」
「何も言うなよ。おまえの手を離したのは俺だ。おまえを結果的に突き放しちまったのも俺だ。それでも…俺は、あの人を超える。超えて堂々と、おまえを迎えに行こうと思ったんだ。昔のように一緒にいられるように。相手は四大貴族だぞ?流魂界出身の俺が行ったからって門前払いにされるのがオチだからな…。隊長格ぐらいにならなきゃ話にならねぇだろうしな?」
恋次…お前も…耐えていたのだな…。
「……双極に行く寸前に、誰のだか判別できぬほど、大きな霊圧を感じた…。最後にお前だとわかったのだが…、強くなったのだな」
「副隊長だしな。卍解できるようになったんだぜ」
その言葉で思わず以前聞いたことを思い出した。
「ホントか?見たい、見たいぞ。恋次の卍解!始解も見たい。始解は動物だと聞いたぞ」
どのような動物なんだろうな。
恋次に似合わずかわいい動物だったら迷わず笑ってやろう。
「………………」
「どうしたのだ?恋次」
「お前、それ誰に聞いた?」
「………言わぬとだめか?」
「…そりゃあ、まぁ、お前には内緒にして一気に見せてやろうと思ったんだけどさぁ…」
恋次の言葉にどこか震えがある。
…殺気?
魂魄にはまだ、あまり霊力が戻ってきてる訳でもないのだから…恋次の霊圧の状態をあまり知れぬのだが…。
いや、それでも一応は幼い頃からともに居たわけだし…。
とりあえずは素直に話しておこうか。
「十一番隊の綾瀬川殿だ」
「…………っっ!!!!!!!!!」
やっぱり殺気だ!!
「れ、恋次?綾瀬川殿は私が恋次と幼なじみだと言うことを知って親切で教えてくれたのだ。お前の斬魄刀の力までは知らぬぞ。ホントだぞ」
「基本的に、十一番隊の斬魄刀は斬撃系って決まってるんだよ。特殊な能力なんざねぇよ」
「そうか」
つまらぬなぁ。
「お前ねぇ、つまんねぇって顔するなよ」
「良いではないか。で、どんな動物なんだ」
「え?いや、それは」
「狼か?獅子か?まさか、兎ではあるまいな。兎だったらおもしろすぎるぞ!」
「だからな少し、落ち着けよルキア」
「白雪とどちらがかわいいのだろうなぁ」
あぁ、どんなのだろう。
爆笑できるのがいい。
「…俺の斬魄刀はお前にとって笑いのツボかよ」
うなだれる恋次の姿が面白くて笑ってしまう。
こんな時間が戻るとは思わなかった。
また恋次と笑い会えるときがくるとは思わなかった。
六番隊の牢屋で会ったときは昔のように話せたか不安だった。
何も恋次には想いなんて残ってないように、悪態ついて突き放した。
でも、お前は放してくれなかったな。
うれしかったよ、すごく。
「私が戻りたいと思ってたのは、お前と過ごした時間だ」
と…。
そういえる時まで、少しお預けだな。
まだまだ、共に何もかも不安なんて無いような時間を過ごせるのは先のようだ。
「うーん」
何事か考えている恋次を見ながら私は空を見上げる。
ここは魂の住む世界だと言うのに現世の空と同じように透き通るような青い空だった。
恋次の胸に顔を埋めて言う。
あまりの事に泣き出しそうだ。
「馬鹿野郎、謝るところじゃねぇよ」
そう、恋次は私の頭上で言う。
「…ありがとう」
「…礼を言うところでもねぇよ…」
そういう恋次の言葉はあまりにも優しくて涙が出てきた。
******
双極の丘の一件から数日。卯ノ花隊長率いる四番隊のおかげで、傷ついた人は癒されつつある。
私が招いた事態か…。
十三番隊の隊舎にて浮竹隊長を見舞った後、兄様が休んでいる救護舎へと向かいながらそのことを思い浮かぶ。
一護達は明日、戻るという。
穿界門の完成が明日だと言う。
「何、しけたツラしてんだ?」
「うぉっ。恋次、いきなり顔を見せる奴があるかっ」
「さっきから俺は呼んでたぞ?」
「そうであったか?それは済まぬ」
恋次の声も聞こえぬほど、私は思考の海に入っていたと言うわけか…。
「ルキアのせいじゃねぇ」
「恋次、いきなり何を」
「どうせ、そんなこと思ってんだろうと思ったんだよ」
「私はおまえに思考を読まれるほど単純ではないぞ?」
「ばぁーか、何年一緒にいたって言うんだよ」
何もかも知った風に恋次は言うから、頭にくる。
これは一つ嫌みでも言ってやらねば気が済まない。
「たかだか十年。離れていた時期は四十年と長いがな。計算すれば四倍だな。その短い時間も面白眉毛副隊長殿は長年居たというのか。おもしろいな」
「面白眉毛っつーな。…嫌みでも、何でも言えよ。全部聞いてやっから」
「いきなり何を言い出す」
「…言えてた時期あったか?甘えられてた時期っつーか、素直になれてた時期は…あったかもしれねぇがな。俺は、そう言うとき、そばに居てやらなかったから」
そう言って恋次は足を止め、視線を違うところにはわせる。
「謝ることに意味があるとはおもわねぇ。この四十年間、そばにいなかったのは事実だ」
「恋次…」
「何も言うなよ。おまえの手を離したのは俺だ。おまえを結果的に突き放しちまったのも俺だ。それでも…俺は、あの人を超える。超えて堂々と、おまえを迎えに行こうと思ったんだ。昔のように一緒にいられるように。相手は四大貴族だぞ?流魂界出身の俺が行ったからって門前払いにされるのがオチだからな…。隊長格ぐらいにならなきゃ話にならねぇだろうしな?」
恋次…お前も…耐えていたのだな…。
「……双極に行く寸前に、誰のだか判別できぬほど、大きな霊圧を感じた…。最後にお前だとわかったのだが…、強くなったのだな」
「副隊長だしな。卍解できるようになったんだぜ」
その言葉で思わず以前聞いたことを思い出した。
「ホントか?見たい、見たいぞ。恋次の卍解!始解も見たい。始解は動物だと聞いたぞ」
どのような動物なんだろうな。
恋次に似合わずかわいい動物だったら迷わず笑ってやろう。
「………………」
「どうしたのだ?恋次」
「お前、それ誰に聞いた?」
「………言わぬとだめか?」
「…そりゃあ、まぁ、お前には内緒にして一気に見せてやろうと思ったんだけどさぁ…」
恋次の言葉にどこか震えがある。
…殺気?
魂魄にはまだ、あまり霊力が戻ってきてる訳でもないのだから…恋次の霊圧の状態をあまり知れぬのだが…。
いや、それでも一応は幼い頃からともに居たわけだし…。
とりあえずは素直に話しておこうか。
「十一番隊の綾瀬川殿だ」
「…………っっ!!!!!!!!!」
やっぱり殺気だ!!
「れ、恋次?綾瀬川殿は私が恋次と幼なじみだと言うことを知って親切で教えてくれたのだ。お前の斬魄刀の力までは知らぬぞ。ホントだぞ」
「基本的に、十一番隊の斬魄刀は斬撃系って決まってるんだよ。特殊な能力なんざねぇよ」
「そうか」
つまらぬなぁ。
「お前ねぇ、つまんねぇって顔するなよ」
「良いではないか。で、どんな動物なんだ」
「え?いや、それは」
「狼か?獅子か?まさか、兎ではあるまいな。兎だったらおもしろすぎるぞ!」
「だからな少し、落ち着けよルキア」
「白雪とどちらがかわいいのだろうなぁ」
あぁ、どんなのだろう。
爆笑できるのがいい。
「…俺の斬魄刀はお前にとって笑いのツボかよ」
うなだれる恋次の姿が面白くて笑ってしまう。
こんな時間が戻るとは思わなかった。
また恋次と笑い会えるときがくるとは思わなかった。
六番隊の牢屋で会ったときは昔のように話せたか不安だった。
何も恋次には想いなんて残ってないように、悪態ついて突き放した。
でも、お前は放してくれなかったな。
うれしかったよ、すごく。
「私が戻りたいと思ってたのは、お前と過ごした時間だ」
と…。
そういえる時まで、少しお預けだな。
まだまだ、共に何もかも不安なんて無いような時間を過ごせるのは先のようだ。
「うーん」
何事か考えている恋次を見ながら私は空を見上げる。
ここは魂の住む世界だと言うのに現世の空と同じように透き通るような青い空だった。
**後書き:書き直そうかなって…思ったんだけど。
そのときに浮かんだ話を書け!一発勝負!っていうのが、iTuneでお題。の目的であるために、このまま乗せることに決定。
突発の方にも書いたけど、ルキアの斬魄刀はやっぱ女の人だよね…。
そのときに浮かんだ話を書け!一発勝負!っていうのが、iTuneでお題。の目的であるために、このまま乗せることに決定。
突発の方にも書いたけど、ルキアの斬魄刀はやっぱ女の人だよね…。