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トム・プロジェクト企画制作


四季シリーズ番外編
また、あした。
−藤山寛美物語−

作・演出 山崎哲
(戯曲「せりふの時代」掲載)


ポスター・チラシ

初演
2002年5月24日〜6月2日

新宿シアター・トップス


6/7 広島アステールプラザ中ホール(広島市)
6/9 日和佐町コミュニティホール(徳島県)
6/11 西鉄ホール(福岡市)
6/12 諫早文化会館大ホール(諫早市)
6/13 八千代座(熊本県)
6/15 三股町立文化会館(宮崎県)
6/17 姫路キャスパホール(姫路市)
6/18 近鉄小劇場(大阪市)
6/19 東海テレビ テレピアホール(名古屋市)
6/21 カメリアプラザ カメリアホール(江東区)
6/22 セシオン杉並(杉並区)
6/24 かめありリリオホール(葛飾区)


出演
柄本明
大久保鷹

スタッフ
美術・濃野壮一  照明・海藤春樹
照明操作・中村葉子 菊田悦子(クラフト)
音楽・半田充  衣装・蟹江杏  衣装製作・名村多美子
写真・福井健二  舞台監督・武川喜俊
舞台スタッフ・鷲北裕一 高木啓吾 長沼久美子
舞台協力・村山好文 長嶺安奈 村田麗薫
プロデュース・岡田潔  企画制作・トムプロジェクト
協力・東京乾電池オフィス クルージン
聖護院八ツ橋総本舗


 
稽古風景

私は役者が好きである。
正確に言うと、役者を
自分の間近に見ているのが好きなのである。
たぶん幼少体験のせいだろう。
娯楽の少ない昭和二十年代のことだが、
私の父は自宅の庭で近在の人たちを相手に
よく映画を上映したり、
九州を巡演している一座を呼んで
興行をおこなったりした。
私はそれを母の
膝のうえで観ながら育ったのである。

その中でいまだに鮮烈な映像として残っているのは、
一座の役者たちが
丸太と板でこしらえた仮設小屋を壊し、
トラックに積み、村を去っていく
その「うしろ姿」である。
小走りに追っかけ、立ち止まり、
「あのひとたちはこれからどこへ行くのだろう」などと、
子ども心に思いながらよく見送ったものだが、
いまではかれらが帰っていく場所も
わかるような気がする。
かれらは間違いなく他国からやってきて、
またその他国へと帰っていくのだ。
この作品は、
私がいまもっともその他国の匂いをかんじる
役者・柄本明と大久保鷹にあてて書いた、
故・藤山寛美さんの物語である。
(山崎哲「パンフレット」より)


いま、
表のふたりの俳優の顔を眺めている。
ふだんはいつも近くにいるので
よくわからないのだとおもうが、
こうやって改めて眺めてみると、
ふたりともほんとうにいい顔をしているなあと、
泣きたくなるほど感動する。
テレビに映し出される
アフガニスタンの人々の表情を見たとき、
わたしたち日本人はもうこうした
陰影にとんだ表情は不可能だと愕然としたものだが、
このふたりの俳優の顔を見ていると、
もしかしたら日本人も
まだ捨てたものではないのかもしれない、
と錯覚したくなるほどである。
ほんとうに、いまは亡き
名優・志村喬を彷彿とさせるほどの、
いや、それを凌ぐ「名顔」だ。
と、まあ、これくらい褒めておけば、
稽古場でふたりに
張り倒されることはないかもしれないと、
すこし安心する。
甘いかもしれないが、
こうした「名顔」は、とほうもない狂気によってしか
保たれないことを経験的に知っているからだ。
ましてわたしが書いた物語は、
たわいないコント芸人の、
じつにたわいない楽屋話なのである。
やはり、いつでも
ふたりの狂気の洗礼を浴びるまえに
逃げ出せるよう、少しずつ
荷物をまとめておいたほうが利口だろうか……?
(山崎哲「チラシ」より)