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トム・プロジェクト企画制作
蟹江敬三の風船おじさん
−風船おじさん−
作・演出 山崎哲
蟹江敬三
初演
1997年4月4日〜4月13日
新宿シアタートップス
出演
蟹江敬三
スタッフ
美術・加藤ちか 照明・海藤春樹 音響・長柄篤弘
舞台監督・武川喜俊 宣伝美術・ミックジョンクラブ
プロデューサー・岡田潔
協力・S&A企画
ペンキがはげかかった古びたゴンドラから、
「風船おじさん」本人だという中年男が立ち上がり、
観客に向かって話し出す。
実は飛行中に墜落したところを漁船に救われ、
ひそかに東京の家族のもとで暮らしている、というのだ。
蟹江敬三が演じるこの男はしょぼくれているがアクが強く、エキセントリック。
批判には猛然と反発する。その男が、“太平洋の消えた冒険者”という人々の
期待に背いて帰還してしまったいきさつをユーモラスに語っていく。
何よりも蟹江の熱気と愛きょうのある演技が見ごたえがある。
男は過剰なまでに、自分の声が客に聞こえていないのではないかと心配する。
そこからやがて、この男の存在をめぐる劇的な仕掛けが浮かびあがる。
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