その16も長くなったので頁を新たにして「その17」をはじめたい。その前に、その16を少しだけおさらいしたい。16は非常
に”重たい話題”を扱ったと思っている。一つ一つの密度が濃かった印象である。ネサーンのソマチッド、加藤清氏の粉ミルク療 法、Gorge Oshawa Cycle、船瀬氏の「食べなきゃ治る」、千島博士の断食論などを紹介した。中でも印象に残るのは、加藤清 氏の粉ミルク療法である。粉ミルク療法の復活を祈りたい。
ジャーナリスト船瀬俊介氏の< 食べなきゃ治る! まとめ >では、ファスティング(断食)がありとあらゆる病気を治していく
ことを見た。病気は、薬を飲まなくても食べなきゃ治るのである。こんな単純なことを人間は忘れている。千島喜久男博士らも 指摘するように、古来から断食の効用は知られていた。いまこそ先人の知恵を見直す必要があろう。
さて、「常温核融合は本当だった!」シリーズでは、これまで、常温核融合、千島学説、生体内元素転換を主に扱ってきた。
最近は生体内元素転換のことをあまり書いていない。この(その17)ではそれにも触れていきたい。どこまで書けるか自信が
ないが、いつも気になっているものである。”生体内元素転換”は、”生物学的元素転換”とも呼ばれるが、植物や動物の体内 で、元素転換が行われていることを示す学説である。
さて、ケルヴランが提示した4つの規則(ループ)をまず書いておきたい。過去紹介してきたものだが、生体内元素転換を理解
する上で基本になると思っている。
例えば、アルカリ・ループのMg-O-Caやジオ・ループのSi-C-Caの所は、次のような元素転換を示す。
Mg + O = Ca ---@
Si + C = Ca ---A
Aの式は、Si(珪素)がでC(炭素)と結びつき、Ca(カルシウム)に元素転換することを示している。これは妊娠した動物が土を食
べる行為や妊婦が土を食べたがる行為にも関係があると思っている(赤ちゃんには丈夫な骨が必要!)。これらは過去に説明 してきた。
Aに関してはまだ言い忘れていることがあって、それはケルヴランの著書「生物学的元素転換」(C・ルイ・ケルヴラン著、高下
徹訳、朔明社)で書かれていることだが、次の個所である。昔から気になっている所である。
「生物学的元素転換」(C・ルイ・ケルヴラン著、高下徹訳、朔明社) p.54〜p.55から引用。
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(5)珪酸から石灰への変質
私たちは微生物の作用によって石灰質になっている珪酸岩に言及した。これはほんの一例に過ぎない。私たちはこれまでの
著作の中で、この特性は長い間知られてきており利用されてきたことを指摘しておいた。古代においてさえ、珪酸の豊富なス ギナ(トクサ属)は再石灰化のために使われていたのである。昔それは肺の空洞の石灰化を促進するために結核患者に与え られていたのだが、これは珪酸が石灰分をもたらしたのである。
カルシウムを与えた後よりスギナから得られた有機珪酸の抽出物を投与した後の方が、ラットの骨の破砕がずっと急速に治
癒されたことをX線写真は示している。無機カルシウムは残留物であり、有機体によって同化されない。人間と高等動物におい てそれは最終形で存在しているが、植物と微生物はその逆の反応を行ないカルシウムを利用しているのである。したがって再 石灰化には無機カルシウムは投与されるべきではない。・・・
図9. 有機珪酸による再石灰化作用。大腿骨を骨折したラットの17日後のX線写真。
写真2・3 通常量のカルシウムを含む餌を与えたラット。
写真4・5 有機珪酸のサプリメントを投与されたラット。ほぼ完全に接合している。
接合部の仮骨は他の部位よりも石灰分濃度が高く、黒く造影している。
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図(写真)をお見せできないのは残念だが、要するに、ラットの骨折を治すのに、カルシウムと与えた場合より、珪酸を与
えた場合の方が治るスピードが格段に早い!ということを示しているのである。これなどは本当に見直されるべき研究だ。
昨今、粘土食などが健康食として利用されているのも、Aの式に関係があると思っている。
「カルシウムが不足しているからカルシウムをとろう!」という現代栄養学はおそらく間違っている。
次のような研究からも、珪素Siが骨を強くしていることがわかる。
上記サイトから引用。
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2004.04.16
ケイ素はカルシウムより骨を強くする、米英共同の「フラミンガム研究」から解明 骨を強くするミネラルと言えば、誰しも思い浮かべるのがカルシウム。しかし、最新の研究で、ケイ素はカルシウム以上に骨を 強くする可能性が高いことがわかった。 米国の代表的な疫学研究の一つに、「フラミンガム研究」と呼ばれるものがある。1940年代からスタートした、長期間の地域 コホート研究だ。 地域コホート研究は、同一地域に住む人を対象にした追跡調査研究のこと。食生活や血圧、血清脂質値などを調べた上で、 長期間にわたり健康状態の変化を追跡調査している。 フラミンガム研究から、血圧や血清脂質値が高い人、肥満の人、たばこを吸う人は、心臓病で死ぬリスクが高いことがわか り、心臓病の診療を大きく進歩させた。 このフラミンガム研究に当初参加した人の子供を対象とした「フラミンガム子孫研究」(Framingham Offspring Study)も、1970 年代からスタートしている。 今回、ケイ素摂取量と骨の強さ(骨密度:BMD)に密接な関係があることが明らかになったのは、この子孫研究のデータによ る。 米国と英国の共同研究グループは、フラミンガム子孫研究の参加者2846人(30〜87歳、男性1251人、女性1596人)の食生 活を調査。 同時に、背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨けい部)のBMDを測り、食事からのケイ素摂取量とBMDとの関連を調べた。 ケイ素摂取量を4グループに分けて比較すると、男性や閉経前の女性では、ケイ素摂取量が多いほど大腿骨頚部のBMDが 高いことが判明した。 最もケイ素摂取量が多いグループ(1日40mg以上)は、最も摂取量が少ないグループ(1日14mg未満)より、BMDが10%近く 高いことが明らかになった。 ちなみに、カルシウム摂取による同様の研究では、摂取量が最も多いグループと最も少ないグループのBMDの差はたかだ か5%だった。 「食事からのケイ素摂取量の差がBMDに及ぼす影響は、カルシウムよりも大きい」と研究グループはみている。 ケイ素はこれまで、人の健康に対する影響がはっきりとはわかっていなかった。ケイ素を含まない食事で育てたマウスは、骨 の生育が不十分とのデータがあり、おそらく骨の健康維持に大切なミネラルだろうと考えられていたが、人を対象にした大規模 な疫学研究で密接な関係が示されたのは初めて。 これまで人への作用に対するデータがなかったこともあり、今のところケイ素の栄養所要量は定められていない。 しかし今回、“カルシウム以上に効く”とのデータが発表されたことで、状況ががらりと変わる可能性が出てきた。 ケイ素はほかのミネラルと同様に、食品から摂取しても体内に吸収されにくいことがわかっている。 例えば、バナナはケイ素が豊富な食品の一つだが、食べても含まれるケイ素の5%程度しか体内に取り込まれない。 ただし、ケイ素の吸収率は食品の種類や加工法によって大きく変わる。 ケイ素は穀物の皮にも多く含まれているが、全粒粉から作ったシリアルや、大麦を皮ごと使って作るビールの場合、含まれる ケイ素の4〜8割と高い割合で吸収される。 ケイ素を添加して吸収率を高めた機能性食品は、次のトクホ(特定保健用食品)の狙い目かもしれない。 ケイ素とBMDとの関連を示したフラミンガム子孫研究の論文タイトルは、「Dietary Silicon Intake Is Positively Associated With Bone Mineral Density in Men and Premenopausal Women of the Framingham Offspring Cohort」。アブストラクトは、こち らまで。(内山郁子) ************************************************************
ケルヴランの「生物学的元素転換」(C・ルイ・ケルヴラン著、高下徹訳、朔明社)は、重要な考察が多く行われている。
次の箇所では、甲殻類の殻の形成から元素転換に迫っている。
「生物学的元素転換」(C・ルイ・ケルヴラン著、高下徹訳、朔明社) p.69〜p.70から引用。
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甲殻類
甲殻類の殻の形成にも一つの謎、それどころかいくつも存在していた。それは明らかに、海水中の石灰分をそれらの動物が
「固定する」のであると、相変わらず根拠のない説明がなされていた。しかしその現象を研究していた専門家たちは、当惑した ままだったのである。
ある日私の幼い孫が、ちょうど脱皮していてその殻を脱ぎ捨てたカニを私の所に持ってきた。それは柔らかい塊で、生かして
おくために塩水の入ったボウルに入れられていた。次の日、すでにそれは一昼夜で完成されたより硬い殻を身に付けていた。 30時間のうちにカニはその殻を形成することができるのである。それは仮におよそ17×10cmの寸法とすると約350gの重さ になる。この新しい殻の総重量には、はさみ、甲羅、そして各節部の中の水分が含まれている。海水中の石灰分の量はかなり 低いもので、平均してカルシウムは0.0042%しかない。甲殻類の再生するその殻は他の海生動物から得ることはできず、そ れは傷つきやすい状態で隠れたまま食物を探すことはない。その体の分析の示すところによると、肝臓と膵臓だけが脱皮の前 にわずかな石灰分を貯蔵できるという。しかしその殻はこれらの器官より40倍も多い石灰分を含んでいるのである。---という ことは?
私たちは海水中に存在するマグネシウム(およびカリウム)がカルシウムをもたらしうることを知っている(マグネシウム塩は
0.5%、カリウム塩は0.05%)。そして本質的にマグネシウムは甲殻類がその殻を作るのに利用されているのである。私た ちは海水中にわずかしか含まれていないため、珪素は無視している。(0.0001%)
ロスコフの海洋生物学研究所では、全ての石灰分が沈殿によって除去された海水のタンクにザリガニが入れられていた。そ
れでもやはりその殻は形成されたのである。
殻の分泌作用を行っている動物の組織学的切片の研究によると、化学分析でカルシウムが見出される膜組織の外部面には
石灰分が形成されていることがわかっている。一方その内面、すなわち、動物質の入っている側には石灰分は存在しない。こ の事実は専門家たちを当惑させたのだった。
同じような状況は骨の形成にも当てはまる。真摯な専門家たちは骨の形成(あるいは甲殻類の殻)は一つの謎と受け止めた
のだった。彼らは石灰分のみを探していたのであり、他のものを探そうとは思いつかなかったのである。
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ケルヴランは、石灰分のない状況でもカニの甲羅や動物の骨が形成されるという生物学における謎を鋭く指摘している。
Caが極めて少ない状況下でも動物や生物はCaから成る殻や骨を急速に形成していく。それはなぜなのか?
ケルヴラン(1901-1983)が活躍した当時、このような問いに専門家はまとも答えることができなかった。それは現代でも同じ
である。学者は当惑し、だんまりを決め込み、見ないようにしている。教科書をいったん信じればそこから抜け出せないのであ る。教科書が聖書になっていてそれに反することは思考をストップする。それは宗教であって科学ではない。その理論に矛盾し た現象が見つかれば”その理論を即座に捨てる”というのが科学である。
上記のような状況は、現代の科学全般に言える。千島学説やネサーンのソマチッドの周辺ではiPS細胞、STAP細胞を絡めて
生命科学の欺瞞を存分に見てきた。
さらに、それは物理学の現代宇宙論にもそのまま当てはまる。宇宙論学者はビッグバンに矛盾する現象が次々と見つかって
いるのにその学説を捨てられないのである。それは見ていて滑稽であり、哀れである。
彼らは石灰分のみを探していたのであり、他のものを探そうとは思いつかなかったのである。 ケルヴラン
「荒田吉明先生が逝去された」との連絡が一昨日JCFから届いた。
たいへんご高齢であったので心配はしていたが、突然の連絡に驚いた。そして、先生がなされた偉大な足跡がぐるぐると頭の
中をを駆け巡った。高橋亮人先生からもご冥福を祈る連絡が届いた。享年94歳。心より、ご冥福をお祈りします。
荒田先生で最も思い出に残っているのは、2008年5月に阪大で行われた常温核融合の公開実験の成功である。これは私も
見学させてもらい、その翌日に記事にしたので非常に印象に残っている。
こんなにわくわくどきどきしたことはなかった。
ここから一挙に話題沸騰して、常温核融合の存在が知れ渡るところとなった。そしてこの公開実験は海外にも発信され、世界
中で話題となった。cold fusion跳躍のきっかけとなった実験であったことは間違いない。荒田先生が始められたナノ金属と重 水素ガスの固体反応の実験手法「荒田方式」は世界中で行われる標準的な方法となっていった。現在、cold fusionでは電気 分解ではなく、荒田方式類似の実験が多く行なわれているのも、先生の影響が非常に大きい。
2007年の同志社大学での先生の特別講演も印象に残っている。「こんなすごい先生がいたのか!」と度肝を抜かれたのを
覚えている。ここで先生は、翌年の公開実験を示唆され、それを実現されたのである。
<JCF8の報告>
同志社大学講演は、文化勲章を受けられた後である。ふつうは文化勲章を受けたような学者は実験したりしない。後は余生
をのんびり・・となるのが普通である。
先生は違った。そこから公開実験を行って世界に影響を与え、その後も実験を続けられた。こんな学者はいまい。高橋亮人
先生(大阪大学名誉教授)は、著書「常温核融合2008」(工学社、高橋亮人著)で、荒田先生について次のように語っている。
「教授になって、50歳にでもなったら研究はやめて、東京で政治活動に没頭したり、授業だけこなすことで毎日をむさぼる・・こ
れが、我が日本の標準的研究者の姿だ。だから、荒田先生のような存在は、余りにもまぶしい。」
最後まで研究者を続けられた荒田吉明先生に敬意を表したい。
先日、次のニュースが流れたが、これは千島学説に一歩近づいた結果だと思った。
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イモリの再生、目・脳・心臓も 高い能力の秘密は赤血球
日本に生息する両生類のアカハライモリは生涯にわたって尾だけでなく、目や脳、心臓の一部を切り取っても再生する。ほか
の動物にない高い再生能力に、赤血球が深く関わっていることを筑波大などの研究チームが明らかにした。再生に必要な物質 を運ぶ「薬のカプセル」のように働き、再生を促すらしい。 アカハライモリは、本州や四国、九州地方に広く生息する日本の固有種。研究チームは、成体になっても再生能力を失わな いのは、進化の過程で獲得した遺伝子が関係しているとみてイモリの脚の再生過程を調べた。 その結果、切断された脚の組織に含まれる未成熟な赤血球で、これまで知られていなかったイモリなどに特有の遺伝子「Ne wtic1」が働いていることを突き止めた。この未成熟な赤血球は、脚の傷口に無数に集まって集合体をつくり、組織の再生に必 要な酵素や、筋肉などに分化した細胞を未分化の状態に戻す作用に関わる物質を分泌していることがわかったという。 筑波大の千葉親文(ちかふみ)教授は「イモリの赤血球は酸素を運ぶだけでなく、薬のカプセルのように再生に関わる様々な 物質を運んでいるようだ。今後の再生医療研究に生かしたい」と話した。 英科学誌サイエンティフィック・リポーツに研究成果(https://www.nature.com/articles/s41598-018-25867-x別ウインドウ で開きます)が掲載された。(杉本崇) ************************************************************
赤血球が細胞の再生、分化に関わっていることがわかった、としているが、しかしこんなことは千島学説を知るものから見れ
ば、なにをいまさら寝ぼけたことを!というくらいにレベルの低いことを言っているのである。ジャーナリストの船瀬俊介氏らがこ のニュースを見ると、あきれて笑い飛ばすであろう。
赤血球こそが細胞の分化に最も深く関係していることは、千島喜久男博士が70年も前に発見していたことである。そして、そ
れがiPS細胞やSTAP現象などに関わっていることは何度も述べてきた。 このサイトの読者なら、耳にタコができているはず だ。(iPSやSTAPは千島学説の枝葉的な現象にすぎない)
上記は、赤血球が細胞新生のための物質を運んでいるようだ・・との見解だが、じつは赤血球そのものが細胞へと分化(変
化)しているのである。また細胞から赤血球への逆分化も起こる。それは、千島喜久男や森下敬一博士らによって実証済みで ある。
「細胞は細胞のまま!赤血球は赤血球のまま!」というのは、生物学の中心原理である。いまではiPS細胞などでややくずれ
気味とはいえるが、まだ中心原理であることは間違いない。しかしそれは完全に間違っている。
いまこそ千島喜久男博士の業績を見直すときである。
千島学説を紹介してきて以来、生物学の変遷を眺めていると、千島学説の正しさを確信するニュースばかりである。いかに
千島が主張してきたことが的を得ていたかを確信するばかりだ。
どんどんと現代医学は、千島学説へと近づいている。
にもかかわらず、いまだに千島学説を弾圧し嘲笑し、黙殺、だんまりを決め込んでいる生物学・医学という学問はいったいな
んなのか。科学者は実験事実より聖書(教科書)を大事に守る聖職者なのだろうか。
『隠された造血の秘密』(酒向猛著、Eco・クリエイティブ)で、千島学説に詳しい外科医の酒向博士が語っている言葉を再度
引用したい。
私が現代医学に対して感じていることをこれほど的確に語った言葉はない。
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結局、最新の研究による結論は千島の学説に回帰することになる。
すべての幹細胞の研究は、結局は、 千島というお釈迦様の手の平の中を飛び回っていただけであった、 ということになりそうである
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気付けば、常温核融合国際会議ICCF21が終わっていた。
詳細に調べる時間がないため、箇条書きに思うことだけ書きたい。
●プログラム内に、Iwamura, Takahashi, Kasagi, Hioki, Tanabe, Kitagawa, Yoshimura, Mizunoという日本人の名前が見える。
水野先生は出られたようだ。水野先生は過剰熱。岩村-高橋ラインもナノ粒子を使った過剰熱の研究のようだ。笠木先生も過
剰熱。京大の田辺先生は理論を発表。プラズモン効果?
●私は、Transmutation(元素転換)の方に目が行く。常温核融合で最も重要なのは、過剰熱ではなく、元素転換である。何度
も言ってきたが、これこそ科学におけるコペルニクス的転回である。
A. Nikitin らの発表「Impact of Effective Microorganisms on the Activity of 137Cs in Soil from the Exclusion Zone of
Chernobyl NPP」が気になる。
グーグル翻訳では「チェルノブイリNPP排除区域の土壌における137Csの活性に及ぼす有効微生物の影響」と出た。微生物に
よって放射性元素の元素転換が起こり、非放射性元素に元素転換されたという内容か。
J.-P. Biberianの「Anomalous Isotopic Composition of Silver in a Palladium Electrode」も非常に大事。
グーグル翻訳では「パラジウム電極中の銀の異常同位体組成」。これらも大森博士らの元素転換実験を彷彿とさせる。
●ハンガリーの科学者Egely (イーグリー)の論文が出ている!
Egelyの研究は異色であるが、Oshawaサイクルにおける元素転換を証明するというきわめて重大なものである。Egleyのことは
当サイトで紹介したが、ICCF21の研究もそれに関連したものではなかろうか。彼の研究は真に独創的だ。 以上。
先日JCFから次回JCF19年会の連絡が来たので、お知らせします。
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下記のようにCF研究会第19回年会(JCF19)を開催します。 日時: 2018年11月9-10日 会場: 岩手大学 銀河ホール 発表アブストラクト締切:2018年10月15日(月) 詳細については添付ファイルまたはJCFのホームページ http://www.jcfrs.org/ でご確認ください。 ************************************************************
今度のCF研究会第19回年会(JCF19)は上記の通り岩手大学で開催されます。東北の人はチャンスです。
この年会ですが、これはJCF学会の先生方による研究発表会であり1〜2年に一度開催されています。次は第19回になる
のですね。私がはじめて参加したのが2005年のJCF6(東工大)だったので、月日のたつはやさに驚きます。
毎回いいますが、事前の申込みなど不要です。直接会場にいって受付で5千円払えばOKです。だれでも(研究者でなくとも)
聴講可能です。
最先端の常温核融合研究の発表を日本語で聴けます。ぜひ気楽に参加してください。
上記サイト中の”最新情報、EVENT”をクリックしてください。
岩手大学は、初期からの常温核融合の日本における重要拠点です。
これまで北大や阪大や神戸大などがクローズアップされてきましたが、岩手大は隠れた?常温核融合のメッカです。1990年
代から岩手大では山田先生が活躍されてきました。そして、現在では山田先生のお弟子さんの成田先生がCold fusion研究を 引っ張っておられます。
岩手大の今後の研究に期待したいところです。
先日北海道で震度7の巨大地震が発生した。断水やら大規模停電も発生し、被災地は本当にたいへんな状況に陥った。懸
命な救助活動がいまも続いている。
地震の前、巨大台風が関西を襲った。こちらも関西を中心に大きな災害をもたらした。
地震も台風・・どちらも怖い。
しかし地震と台風とどっちが怖い?と問われたら、どう答えるであろうか。
地震の方が怖い、と元北海道大学教授で地震学の権威・島村英紀氏(武蔵野学院大学特任教授)は言う。
なぜなら、地震は突然やってくる。台風はだんだんと来る。台風は心の準備ができる。地震は身構える暇もない!というのが
その理由である。
なるほど!と思った。
その島村氏について、JCF会員でもあった技術ジャーナリスの故・山本寛氏は、著書で「不都合な真実」と題し、非常に興味
深い記事を書いている。『「仮説」巨大地震は水素核融合で起きる!』(山本寛著、工学社)から引用する。
『「仮説」巨大地震は水素核融合で起きる!』(山本寛著、工学社) p.225〜p.227(色は杉岡がつけました)
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不都合な真実
2007年1月1月12日、島村英紀(しまむらひでき)元北海道大学教授に対し、海底地震の共同研究をしていたノルウェーの大学
教授に国有の海底地震計を売ると持ちかけ、その代金を個人口座に振り込ませた罪により、懲役3年・執行猶予4年の有罪判 決が下された。
島村被告は北海道大学・地震火山観測センター長、國際人工地震学会会長を歴任した、地震学の権威である。それと同時
に、文筆にも優れ、現代の寺田寅彦とでも表現するのがふさわしいと筆者は評価している。
島村被告は無罪を主張していた。その根拠の一つは、海外からの送金の場合、「個人口座に送金させる」というのが北海道
大学の通例になっていたからである。これは一般の読者には理解しにくいことであるが、海外との金銭のやり取りを行ったこと のある人には十分説得力がある。
では、なぜこのような些細なことで島村先生は被告人になってしまったのであろうか。
その理由は、彼の著作にあると筆者は推測する。
彼は彼の才知をもってしても地震のメカニズムの解明が進んでいないことを正直に認識した上で、国が進める地震に対する
原子炉安全宣言の根拠のなさを文筆活動を通して啓発したからと推測する。
その例を「地震学がよくわかる」(彰国社、2002年)から引用する。
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『しかし、いずれにせよ、阪神・淡路大震災では地震予知ができなくて、大きな被害を出した。
(途中略)
この反応を見た官僚の反応は素早かった。政府の地震調査研究推進本部は国の地震研究の方針を転換したのである。そ
れまでは地震予知を声高に謳っていたのだが、地震予知という看板をあっという間に下ろして、震災予測と活断層調査を大き な柱に据えたのである。
地震調査研究本部の看板のひとつは、「きめ細かい震度予測」である。
(途中略)
しかし、実際には「きめ細かい震度予測」は政府が思うほど簡単ではないのではないかと思っている地震学者も多い。
まず第一の問題は、それぞれの地域に想定される大地震というものに定説がないことだ。活断層のないところでは内陸では
マグニチュード6.5を超える地震はないという、現在の地震学では間違った想定のもとに原子力発電所がつくられるなど、将来 の大地震の想定には、まだまだ、いろいろな問題がある。p.225-226』
と、活断層調査の無駄を指摘した返す刀で、
『しかし、たとえば、静岡県にある浜岡原子力発電所の1,2号機は最大450ガルの加速度までしか想定していないし、あとから
できた3,4号機でも最も重要な機器で600ガル、非常用炉心冷却装置などは450ガルまでしか想定していないという。原子力 発電所は岩盤の上に設置してあるから、地震の揺れも小さく、どんな揺れにも耐えられるという政府の説明は、最近のデータ からは否定されつつある。
(途中略)
阪神・淡路大震災は大地震に十分耐えられると言われていた新幹線の高架橋や高速道路と同じで、次の大地震が来るま
で、彼らが実際に正しいかどうかはわからない。だとしたら、今度は今までの震災よりもモルモットの数が圧倒的に多い「実験」 をやっていることになる』
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と地震学の主流派、行政当局に「不都合な真実」を突きつけている。
出る杭は打たれる日本の社会では、このような場合どのような事態が起きるかは自明である。
モルモットの一匹になりたくなければ、自分で声を上げなければならない!
そうはいっても失うものを多く持つ人はなかなか危険を犯せない。著者のように「失うものは何もない」人間が頑張らねばと思
う今日このごろである。
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反骨あふれる面白い文章であり、さすが山本氏である。
私はこの記事で、島村英紀という優れた科学者の存在を知ることができた!
島村氏は本当に早くから、東日本大震災がおこるはるか前から、地震のよる原発の脆弱性を指摘していたのである。
さて、今回の地震を地震学会は予知しただろうか。島村氏のいう通りしなかった(できなかった)ではないか。なぜ、ふだん
は地震予知の可能性を叫びながら、今回の地震についてマスコミはその点をまったくつかないのか? あまりにも静かすぎる。 不可解なことである。
現代の寺田寅彦たる島村先生のサイトで、地震学の現状や地球物理を知り、来たる地震に備えよう。
その中の先生の新聞コラム。非常に面白い!
久しぶりにブラウンガスのことを書きます。
沖縄で活躍されている雑誌編集者・渡久地(とぐち)明さんから、ブラウンガスに関する非常に重要な情報をもらったので紹介
します。
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先日、富士山の麓にあるEnecoというの工場見学ツアーに参加したところ、
HHOガスを低コストで生産する手品のような発明を見ました。 6月に東京で新技術として記者発表したところ 取り上げたのはスポーツ紙ばかりで 全国紙は全く盛り上がりませんでした。 杉岡さんのホームページでブラウンガスについてだいぶ前から知っており、同じものだと直感してツアーに参加したところ、 まさにブラウンガスそのものでした。電気分解の一万分の一のコスト水素酸素ガスを発生できるそうです。 スポーツ紙に何本か掲載されています、ご存じでしょうが、改めてお知らせします。 サンスポの記事↓ https://www.sanspo.com/geino/news/20190626/eco19062605010002-n1.html Enecoのプレスリリース↓ https://www.eneco-hd.co.jp/media/2019/06/25/13?gclid=EAIaIQobChMIm_zQ6IKa5AIV0KuWCh1cpAO_EAAYASAAEgIMi_D _BwE 沖縄観光速報社「観光とけいざい」 編集・発行人 渡久地明
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これには驚きました!
ここまで実用化が進んできているということに驚きの念を禁じ得ません。日本の企業が先端を走っている感じであり、この日
本の技術が、海外からも注目を集めている様子がわかります。
ブラウンガスは本当にふしぎなガスで、超ハイテクノロジーであり、常温核融合とともに私もよくブラウンガスを紹介してきまし
た。<放射能除去装置U=ブラウンガス> http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page287.htm トーチから噴き出るブラウンガスを鉄板に当てるととろとろに溶け簡単に切断できるのに、その炎を人間の腕に当てても火傷 しないという摩訶不思議なものです。
上記メール文中のEnecoのサイトを見ると、これはまさしくブラウンガスです!
「・・・Enecoガスを点火させても純水素に近い燃え方をしますが、炎を手の平の上で横切らせても燃えないどころか熱くもありま
せん。しかし、鉄の板等に当てると化学反応がおき、あっという間に溶け出し切断が可能です。」とあり、ブラウンガスの性質が 書いてあります。
ブラウンガスを開発したユル・ブラウンが、このガスを使って鋼鉄をとろとろに溶かす前にノズルから噴き出るブラウンガスを自
分の腕に数秒当て「しかしどうもない」ということを示した動画が、前にYouTubeにあったのですが(今はもうないはず)、それが 非常に印象に残っています。
貴重な情報を送っていただき、そして公開を許可してくださった渡久地さんに感謝します。
水面下で様々な企業が常温核融合の周りで動き始めているようである。「常温核融合」で検索をかけると次のニュースが飛
び込んできた。
期待高まる「常温核融合」、三浦工業もベンチャーに出資
三浦工業はボイラーを作っている会社のようだが、常温核融合に目をつけるとはセンスがよい。以前当サイトで紹介した常温
核融合を推進するベンチャー企業クリーンプラネットに出資しているようである。
常温核融合では、日本が世界を引っ張ってきたことは、このサイトでもずっと見てきた。そしていかに日本人研究者が大きな
発見をなしつづけて来たかを見てきた。
水野博士、大森博士の元素転換(核変換)の発見、また荒田先生の公開実験・・
荒田先生の実験は世界に衝撃を与え、それ以降、固体系の発熱(過剰熱)を中心とした実験に大勢が移っていったように思
える。そしてその傾向は現在まで続いている。
1990年代は、常温核融合研究では溶液系の電気分解実験が主流であり、そこでは水野博士、大森博士らの元素転換(核
変換)の報告が相次いでなされた。電気分解で過剰熱ももちろんあったが・・。
独断と偏見でいえば、元素転換こそ科学の革命であり、最重要テーマである。
それは教科書を書き換えるものだけにデリケートでもあるが、これも地下深くで多くの企業が研究を行っていることは容易に
想像できる。
上の大森唯義博士の元素転換発見のドラマは何度読んでも感動する。
昨日偶然に気づいたので、お知らせしたい。
なんと、ただいま現在、常温核融合国際会議ICCF22が開催中である。今回はイタリアで、9月8日〜13日での開催である。
日本人研究者も多数参加している!
上記のプログラムに、Iwamura, Takahashi, Kasagi, Naritaという名前が見える。
岩村先生(東北大)、高橋先生(阪大名誉教授)、笠木先生(東北大名誉教授)、成田先生(岩手大)であろう。
Uchikoshi、Konagaya、Kobayashiも日本人と思われる。新しい研究者も出てきているようで喜ばしい限りである。
外国人でもHagelstein、Vysotskii、Celani、McKubreなど昔からの研究者もいる一方、それ以外はやはり新しい人がどんどんと
Cold fusionへ参入してきているように見える。
上記サイトに”Celebrating 30 Years of Breakthrough Science 1989-2019 ”の文字が躍っている。
フライシュマン-ポンズの大フィーバーから30年が経過したことを言ったものと思うが、あれからもう30年!
歴史が積み重なってきた感がある。
暗黒時代を経て、様々な研究者の努力で常温核融合が甦ってきているというところであろう。
ICCF22での発表は、元素転換(核変換)と過剰熱ではどちらが多いのか気になり、プログラムの発表タイトルを調べたのでお
伝えしたい。
元素転換はTransmutationで、過剰熱はExcess HeatまたはHeatで上記ページ内を検索した。結果は次の通り。
Transmutation⇒12件
Excess Heat⇒3件
Heat⇒7件
このようになった。(同じ人が2回発表したりしていても考慮に入れず、機械的に数を数えた。)
元素転換が多い! 私は、てっきり過剰熱ばかりが研究されていると思ったので、これは意外であった!
やはり、元素が別の元素に転換する元素転換(核変換)は科学者にとって興味の的なのである。
タイトルだけ眺めて私が気になったのは、Stankovic氏の
”Nuclear Transmutation with Carbon and Oxyhydrogen Plasma”
である。
Plasmaという言葉が気になった。Google翻訳では”炭素および酸水素プラズマによる核変換”となる。
私は以前から、元素転換とプラズマには密接な関係があると思っている。
以前見たハンガリーの科学者Egely(イーグリー)氏の研究は大事である。やはりプラズマが関わっている。
北大の大森博士が発見したプラズマ電解(電気分解)でも元素転換が起こることが示されている。
< プラズマ電解の発見 >
これらから「元素はプラズマ状態におかれると元素転換が起こりやすい(別元素に転換しやすい)のではないか」という仮説が
自然に出てくる。
別にプラズマ電気分解でなくても、普通の電気分解でも多くの元素転換が確認されていることは、Cold fusionの歴史を見れ
ば明らかである。
プラズマや電気が関わるところで元素転換が起こりやすいことは疑い得ない。
どうも気になるので、一つ上で伝えたStankovic氏の
”Nuclear Transmutation with Carbon and Oxyhydrogen Plasma”
のAbstractを読んでみた。
https://iscmns.org/iccf22/program/ ⇒Stankovic氏の発表のp43をクリック
難しい内容だが、ごく簡単にいえば、「Oshawa, Monti, Sundaresan and Bockris, Ransfordが過去様々な実験で確認してきた
炭素での元素転換を再確認した。炭素棒(グラファイトロッド)を酸水素プラズマで処理した結果、SiやAlが測定前の初期値量に 比べ2,3倍以上に増えていた。これはケルヴラン効果によって説明できる。」ということになろう。
このように炭素(C)の元素転換に着目した実験報告と分かる。
ケルヴラン効果(“Kervran Effect”)という言葉が出てくるのにまず驚いた。
The quantity augmentation of these elements could be explained by the “Kervran Effect”, named after the scientist
Corentin Louis
生体内元素転換を研究したケルヴラン(1901-1983)は、私が最も重要視する科学者の一人であり、当サイトでも何度も取り
上げてきたのでご存知の方も多いであろう。
なお、第一著者のStankovic氏はスイスのOxyhydrogen Energy (SOHE)社の人である。あと二人の共著者は米国人であり、
一人のStewart K. Kurtz名誉教授は米国ノースカロライナ州Kill Devil Hills社に属し、あと一人のAndy Mayer氏は米国ペンシル ベニア州立大学の所属である。
赤字のOshawaは、ジョージ・オーサワのOshawaであろう。
ジョージ・オーサワこと桜沢如一氏(さくらざわ ゆきかず, 1893-1966)は、日本よりも海外で知られた人物である。食文化運動
で有名であるが、元素転換実験も自身で行っていた。その成果はGorge Oshawa Cycle(ジョージ・オーサワ・サイクル)と いう軽元素における元素転換規則に結実している。
このような素晴らしい成果が過去になされているにもかかわらず、現在ほとんど忘れ去られたようになっていることは非常に
残念である。
たしかに、このGorge Oshawa Cycleを見ると、C⇒Siが見える。またC⇒Alもある。
Stankovic氏らは、ジョージ・オーサワらの結果を再度確認したかったのであろう。
JCFから、JCF20(日本CF研究会第20回年会)開催案内の連絡が入ったので、お知らせしたい。
JCF20は12月13日(金)〜12月14日(土)に九州大学で開催される。詳細案内は次のJCFサイトを参照されたい。
今回で20回目になるというのは感慨深い。といっても私が参加したのは4回だけなので、えらそうなことはいえない。この研究
会年会は日本人研究者の常温核融合(Cold fusion)の研究発表会である。
第6回のJCF6(東工大)にはじめて私が参加したのが2005年4月であるから、あれから14年も経ったことになる。
JCF年会はCold fusion研究者のいる大学を順番に回っているわけだが、2004年当時は、北大、岩手大、東工大、静岡大、
大阪大、神戸大などが中心であった。
研究者も徐々に変化があって、いまの主体は、岩手大、東北大、京大、九州大といったところになる。
九州方面の方は気楽に参加されるとよい。事前連絡など不要で、一般でも、受付で5千円払えば日本の常温核融合の状況
を日本語で聴くことができる。
10/19
訂正 JCF参加に関し、上で「一般でも、受付で5千円払えば」と書いたが、案内をよく読むと、一般の人は1万5千円になって
いる。昨年から変更になったようである。注意されたい。http://www.jcfrs.org/NEW.HTML
ICCF22(Cold fusion国際会議)までの開催国をまとめておきたい。こうすると常温核融合つまり凝縮系核科学の情勢の流れ
が把握できて便利である。日本は青字とした。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ
2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C.
2009 ICCF15 イタリア、ローマ
2011 ICCF16 インド、チェンナイ
2012 ICCF17 韓国
2013 ICCF18 アメリカ/ミズーリ大学
2014 ICCF19 イタリア パドヴァ
2016 ICCF20 日本/仙台 (サテライト開催 中国/アモイ)
2018 ICCF21 アメリカ/コロラド州立大学
2019 ICCF22 イタリア/アッシジ
開催の回数を見ると、アメリカ6回、イタリア5回、日本4回である。2010年を過ぎた頃からインドや韓国が割って入ってきてい
ることに注意したい。
これを見ると、常温核融合はアメリカ、イタリア、日本が中心になって進められてきたことが一目瞭然でわかる。
じつはロシアも昔から独自に常温核融合の研究を行っていることが「格変換」(水野忠彦著、工学社)などを読むとわかるが、
地下深くで独自にやっている印象がある。近年はICCFなどで盛んにロシアの研究者が発表してきているように見受けられる。
日本のJCF年会を1回から20回までまとめておきたい。次のJCFサイトの情報を参照した。
ICCFはこれまでまとめを更新し続けてきたが、JCFまとめは今回がはじめてである。JCF年会はほぼ毎年行われている日本
人常温核融合研究者の研究発表会である。
1999 JCF1 大阪大学
2000 JCF2 北海道大学
2001 JCF3 横浜国立大学
2002 JCF4 岩手大学
2003 JCF5 神戸大学
2005 JCF6 東京工業大学
2006 JCF7 鹿児島大学
2007 JCF8 同志社大学
2009 JCF9 静岡で(静岡大学関連)
2010 JCF10 東京工業高等専門学校
2010 JCF11 岩手大学
2011 JCF12 神戸大学
2012 JCF13 愛知県で(豊田中央研究所関連)
2013 JCF14 東京工業大学
2014 JCF15 北海道で(北海道大学/水野先生関連)
2015 JCF16 京都大学
2017 JCF17 東京工業高等専門学校
2017 JCF18 東北大学
2018 JCF19 岩手大学
2019 JCF20 九州大学(2019/12月に開催予定)
このように整理すると、日本における常温核融合研究の歴史の流れが見えて興味深い。前半と後半で、開催された大学の
変化、つまり研究者の変遷を感じる。JCF13の豊田中央研究所にも着目したい。
ちなみに私が参加したのは、JCF6(東京工業大学)、JCF8(同志社大学)、JCF9(静岡大関連)、JCF12(神戸大学)であ
る。
JCF8のとき荒田先生は80歳を過ぎておられて「こんな高齢で!」と驚いていたが、その後、常温核融合の潮流を変えてしま
う実験を行ったのだから、まさに先生は超人であった。
すなわち三菱地所という巨大企業が常温核融合を推進するベンチャー・クリーンプラネットに出資しているのである。
これでもって日本のCold fusion研究は推進力を得たといえるのではないか。
クリーンプラネットHPの下部のPR & Mediaにある。
直接的には、次の日経の記事である。
@では
『・・同社では、相対的にコストの安いニッケルと銅、軽水素を主体にした反応系での実用化を目指している。今後、数年内に
は、熱電素子と組み合わせた100W程度の発電モジュールのほか、既存の蒸気ボイラーを前提にした大型の発熱デバイスなど のデモ機を完成させ、2022年頃には国内外のエネルギーインフラとの連携を目指している。 ・・』とある。
これは荒田氏の研究やそれを受けてのテクノバ(高橋・北村)の研究、あるいは北大・水野氏の研究などを連想させる。東北
大学(岩村氏)も、これに参画しているはずである。
記事中にもテクノバが出ている。テクノバはトヨタ系の研究機関である。
さらに@に
『・・クリーンプラネットが「新水素エネルギー」と呼ぶ技術は、微小な金属粒子に水素を吸蔵させ一定の条件下で刺激を加える
ことで、投入熱量を上回るエネルギーを放出する反応システムを指す。この際の放熱量は、通常の燃焼反応(化学反応)と比 べて、水素1g当たり数桁以上も大きくなるとの報告が相次いでいる。現在の物理理論では説明しきれないものの、何らかの核 変換(元素変換)が起きていることが推察され、研究者の間では、「凝縮系核反応」「金属水素間新規熱反応」などとも呼ばれ る。 ・・』とある。
表向きは、核変換(元素転換)を利用しての過剰熱取り出しがメインのようであるが、本当に重要なのは元素転換技術そのも
のであり、それも同時に狙っているはずである。
さらに熱・電気エネルギー技術財団(TEET)という財団もあって、この動きもいつも気になる。TEETは常温核融合(凝集系核科
学)を積極的に推進している財団であるが、サイト内容からテクノバや通産省、NEDOなども関係しているようである。今年の研 究助は、常温核融合関連では東北大学・岩村氏、京都大学・田辺氏に出たようだ。
なお、クリーンプラネットやテクノバなどの研究の中心は、大きくは故・荒田吉明先生の研究の方向であると考えられる。
A.RossiのE-Catも基本的にはその方向の技術であると思う。次はE-Cat QXのデモの動画である。
⇒E-Cat QXは、ニッケル、アルミニウム、水素、リチウムを使っている。放射線は出ない。
⇒E-Catの歴史を紹介した動画。まったく素晴らしい!E-Catを知るにはまずこれ。
なお、上記で見た研究は、1990年代に盛んに行われた水の電気分解での研究とは違った方向のものであることに注意して
おきたい。日本では現在その方面の研究があまりなされていない感じがあって、それが残念である。電気分解もまだまだ多く の宝が眠っているはずである!
< JCF20は九州大学 >で「一般でも、受付で5千円払えば」と書いたが、案内をよく読むと、一般の人は1万5千円になって
いる。昨年のJCF19の時からから変更になったようである。注意されたい。http://www.jcfrs.org/NEW.HTML
昔は一般でも5千円で気楽に参加できたのに・・。
さて、一つ上で見たE-Catのビデオに関して。
************************************************************
⇒E-Cat QXは、ニッケル、アルミニウム、水素、リチウムを使っている。放射線は出ない。
⇒E-Catの歴史を紹介した動画。まったく素晴らしい!E-Catを知るにはまずこれ。
************************************************************
このように紹介したが、前者のビデオにはE-Catの開発者A.Rossiその人も登場している! カツラをつけているようで分かり
にくいが、ビデオでの説明pptにもある通り、やはりA.Rossiその人である。
E-Catが登場し世間を騒がせ始めた2011年当時、私は<E-Catの検証実験 >で次のように述べた。
===============================
それにしても「数ヶ月すれば、製品が世に出るであろう」とは!
早ければ年内にE-Catは正式に発売されるのかもしれません。
そして、それは本当に常温核融合の原理に基づいた装置となっているのか?
ユーザーに支持され、エネルギーの革命を起こしていくのか?
早晩、忘れ去られていくようなことになるのか?
現時点では誰にもわからないというしかありません。
===============================
人騒がせな装置として終わるのでは?ともすこし思っていたが、あれから8年経った今、上記の動画を見ると、様々な改良を
経て完成度の高い装置として紹介されていることは、驚くべきことである。
常温核融合の原理に基づいた装置となっているかなどは、誰もわからないだろう。
だいたい常温核融合の原理とはなにか?さえ誰もわかっていないのだから、それは当然である(笑)。
E-Catでなんらかの巨大なエネルギーが取り出されていることは間違いないと考えられる。
新型コロナウイルスが猛威をふるっている。そんな状況下だからこそ、免疫力をアップさせ、感染しないようにしたいもので
ある。
古来から、断食や小食が、病気をはねのける一番の方法であることが言われてきた。
3年前の< 食べなきゃ治る! まとめ >では、小食がありとあらゆる病気を治していくことを見た。食を減らすだけで驚異
的に免疫力がアップし、病気にかからないようになる。こんな単純なことを人間は忘れている。千島喜久男博士らも指摘するよ うに、古来から小食の効用は知られていた。いまこそ先人の知恵を見直す必要がある。
真実は単純なのではないか。
往々にして人間はものごとを複雑化して、迷路をさまようことになりやすい。
足元にあることは気付きにくい。 近くを見よ、足元を見よ。
新型コロナウイルスのニュースを見ていて、いつも不満に思うことがある。
それは感染者数のことで、ニュースでは「感染者数は本日〇〇人でした」としか言わないのが不満である。
上記は、よい言い方ではない。科学的な判断を国民に提供するためには「総検査数〇〇件のうち、〇〇人の感染者があった」と
言わなければならない。
マスコミはどうして分母(総検査数)を言わないのか。感染者数だけでは正確に状況を判断できない。
感染者数とともに陽性率を言っている場合もある。それはまだましだが、しかしその陽性率もまだまだ不十分だ。 例えば、10人検査して1人陽性で、陽性率10%となる。 10万人検査で、1万人陽性でも、陽性率10%である。 同じ10%でも前者と後者では信頼性がまるで違う。前者はゆらぎが大きく信頼できず、後者は全体を判断(推測)するに 十分である。 統計学的に、ある程度の分母の絶対数を確保することが非常に重要である。にもかかわらず、日本では分母を増やすという ことが、あまりなされていない。(検査技術者などの不足もあるのだろうが) 1億人の日本を判断するに10万でも少ないのでは?と読者は思われるだろうか。じつは十分である。統計学を勉強されたし。 統計学的に、全体の状況を正確に判断するために分母の絶対数をもっと増やさないといけない。 それが無理なら、せめてニュースでは「〇〇人検査して感染者が、〇〇人でした」と言わなければならない。 (「正確な検査人数が把握できていないから・・」というなら、おおよその数でもOK) 現行の報道の仕方では、国民に誤ったイメージを与える危険性がある。 以上から「本日の感染者数は・・」を繰り返すテレビ情報では、状況を正確につかめないと分かってもらえたかと思う。 マスコミは伝え方を変えるべきである。
追記
海外は、日本の感染者数が少ないことを不思議に思っている。その理由は単純である。検査数が少ないからである。
その指摘はすでにされているが、例えば(一日10人しか検査していないのに)感染者数1人/日だけでした。日本は少ないの
ね!すごい!!」と言って喜ぶのと同じレベルである。
東京都の一日の検査数は超おおざっぱに100人/日である。
東京都のサイト、「検査実施人数」のグラフを参照。https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/
グラフから東京都の検査数はだんだん減っていっているようだ。 検査数が減れば、感染者数も減る・・・
サイトの更新は1年ぶりである。
更新できていないことが気になりつつも、興味が数学の方にシフトしており、こうなってしまった。が、突然、常温核融合のこと
が気になった。常温核融合のベンチャー・(株)クリーンプラネットで新しい記事が出ていたので紹介する。
PRの中のMedia(メディア)の記事リンクの記事である。
クリーンプラネットは量子水素エネルギーの生成に向け、東北大学の岩村教授とタッグを組んで、目標に向かって突き進んで
いる様子がわかる。それにしても吉野氏の力強い言葉には感動する。この人ならば、どれほどの困難があろうとも硬い壁をも つきやぶって進んでいかれるような気がする。成功を祈りたい。
「人類の歴史をくつがえす可能性を感じ・・」とは、まさにその通りである。常温核融合(Cold Fusion)が科学の革命であること
は間違いない。
以下、私の独断と偏見も含め、常温核融合に関し想うところをすこし述べたい。離れていたこともあって若干間違いが含まれ
るかもしれない。
●クリーンプラネットは”量子水素エネルギー”という言葉を使いはじめたようである。
これは常温核融合の一側面をとらえた言葉と思う。元北大の水野先生らの水素エネルギーの研究とも関係しているはずであ
る。常温核融合という言葉は、印象が悪いためか最近ではあまり使われない。(使っているのは私くらい?)
凝集系核反応とか凝集系核科学などという言葉もよく使われてきた。
●上の記事は、MITSUBISHI ESTATEという三菱地所(株)関連が運営しているwebコンテンツのようである。クリーンプラネット
のPR&Medianoの頁に「日本経済新聞 『三菱地所、新水素エネルギーの実用化に向けクリーンプラネット社に出資』」とある。
三菱地所は、常温核融合の進展を後押ししているのだ!
●常温核融合には過剰熱と元素転換という二つの現象がある。近年は環境やエネルギーへの関心もあって、前者を主に研究
している学者&研究者が多いように思う。
科学の革命という点でいえば、元素転換の方がはるかにインパクトがある。そのあまりにも信じがたい現象があるためか、
「常温核融合はウソである」とか言われてきたのだが、それは間違いである。常温核融が本当であることは、Cold Fusion研究 者の幾多の発表が証明している。
●PR&Mediaには、”日経”または”日本経済新聞”という言葉がよく出てくる。
過去の報道からいっても、積極的にCold Fusionを取り上げているのは、マスメディアの中では日本経済新聞だけである。
●JCF21は昨年末にオンラインで開催された。当サイトで紹介することができずに終わってしまった。京大の田辺先生の主催。
その内容に関しては、JCFサイト内の”JCF21(CF研究会第21回年会)開催御案内”をご覧いただきたい。
現在、常温核融合を研究する日本の大学は、東北大、九州大、岩手大、京大あたりと思う。
●上記JCFサイトにあるように、ICCF23は中国のXiamen大学で2021年6月に開催される。第23回となる常温核融合の国際会
議は、中国での開催となった。
Cold Fusion研究が盛んな国は、イタリア、アメリカ、日本、フランス、韓国、中国、インド、ロシアあたりだろう。もっと増えている
かもしれない。国際会議はそれらの国を持ちまわっているという感じである。
以上。
一つ上で、次回の常温核融合国際会議ICCFの開催国は中国に決まったと述べた。ここで、ICCF1〜ICCF23までの開催国を
まとめておきたい。日本は青字とした。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ
2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C.
2009 ICCF15 イタリア、ローマ
2011 ICCF16 インド、チェンナイ
2012 ICCF17 韓国
2013 ICCF18 アメリカ/ミズーリ大学
2014 ICCF19 イタリア パドヴァ
2016 ICCF20 日本/仙台 (サテライト開催 中国/アモイ)
2018 ICCF21 アメリカ/コロラド州立大学
2019 ICCF22 イタリア/アッシジ
2021 ICCF23 中国/Xiamen大学
これを見ると、常温核融合研究はアメリカ、イタリア、日本が中心になって進められてきたことがわかる。中国は2016年のサテ
ライト開催も含めると、3回目ということになる。
改めて眺めると、1990年に既に第1回が開催されていることに驚く! 1989年のフライシュマンとポンズのニュースが世界を駆
け巡った翌年に行われているとは、すごいことである。
常温核融合の歴史も約30年ということになるが(ロシアではもっと前から研究されていたようだが)、最初の10年間はその現象の複雑さと
奇妙さ、そして再現性を得ることの困難さから、大混乱を極めた時期であったといえる。その大混乱の時期に、常温核融合の 教科書ともいえる本が、日本から1999年に発売されている。
16年前に<常温核融合界の現況--T氏より-->で紹介した
「固体内核反応研究 No.1」(工学社、高橋亮人、沼田博雄、山田弘、岩村康弘、大森唯義、水野忠彦、秋本正 著)
である。
T氏は、これを世界で唯一の教科書と呼んだ。まえがきの一部を引用しよう。
「・・しかし、ここにきて研究はまったく新しい展開を見せはじめている。はじめはこの反応を、”室温で起こる核融合反
応”すなわち「常温核融合」という呼び名で表わしてきた。ところが、研究を進めるうちに、その名では現象を正確に言 い表わしていないことが、徐々に明瞭となってきたのである。ここでは便宜上、この現象を総称して「固体内核反応」と 呼ぶことにする。
この現象が、発表されてからすでに10年も経過した。当初、この反応はすぐに理論も分かり、簡単な装置でエネルギ
ーが取り出せ、制御することも容易にできると考えられていたが、反応機構は極めて複雑であった。・・・・」
この反応が従来の核反応とはまったく異なる特異なものであることが記されている。
著者の一人である水野忠彦先生(当時、北海道大学)は、8章と9章を担当している。その8章のまえがきを引用しよう。
「電気化学反応で生じた反応生成元素の同位体分布に着目,従来のよく知られた核反応の結果とは明らかに異なる
現象であることを示す。実験では、放射線の発生も放射性物質もほとんど検知できない機構で生成物が得られてい る。これは新しい核反応の仕組みを示唆するが、従来の常識や理論では説明困難な特異な核反応であると考えられ る。ここでは、電解によって生ずる種々の生成物について、実験的に明らかになってきたことをまとめる。」
このように水野先生は、この現象がいかに従来の常識から逸脱したものであるかを語っている(注記:”電解”とは電気分解
実験のこと)。
実験系にはまったくなかった元素が、実験後に忽然と出現するというあまりにも異様な現象(元素転換)が起こっているので
あった。
従来の教科書では説明不可能なその異様さを前に、ほとんどの研究者は、とまどい、研究をやめる人が続出することになる。
1990年代は、溶液系の電気分解実験が主流であった。2000年代に入り、荒田実験などの衝撃もあって、だんだんと固体系・
パウダー系の実験が主流になっていく。研究テーマも、元素転換(核変換)から過剰熱(過剰エネルギー)取り出しの方に徐々 にシフトしていったように見える。
そのような歴史の中であきらめずに研究を続けた人たちと、この現象を面白いと思い途中から参画した猛者たち?によって、
研究は続けられており、今年、ICCF23が開催される。
ICCFに続いて、今回は日本のJCF年会をまとめておきたい。JCF年会はほぼ毎年行われている日本での常温核融合研究者
の研究発表会である。 1999 JCF1 大阪大学
2000 JCF2 北海道大学
2001 JCF3 横浜国立大学
2002 JCF4 岩手大学
2003 JCF5 神戸大学
2005 JCF6 東京工業大学
2006 JCF7 鹿児島大学
2007 JCF8 同志社大学
2009 JCF9 静岡で(静岡大学関連)
2010 JCF10 東京工業高等専門学校
2010 JCF11 岩手大学
2011 JCF12 神戸大学
2012 JCF13 愛知県で(豊田中央研究所関連)
2013 JCF14 東京工業大学
2014 JCF15 北海道で(北海道大学/水野先生関連)
2015 JCF16 京都大学
2017 JCF17 東京工業高等専門学校
2017 JCF18 東北大学
2018 JCF19 岩手大学
2019 JCF20 九州大学
2021 JCF21 京都大学
このように見ると、JCFの歴史は約20年ということになる。開催される大学も以前と近年で変化が見られて面白い。
ざっとおもいつくままに浮かんだことを述べていきたい。
第1回が大阪大学であるのは、当初から日本のCold Fusion研究を引っ張ってこられた高橋亮人(あきと)先生のおられた大学 が阪大だったからであり、当然といえば当然であった。テクノバに移られてからも精力的な研究をされているのは、よく知られ ているところである。 ちょっと異色なのは、JCF13が豊田中央研究所主催であることである。豊田中研は私が参加したJCF8でも発表していたし、 すこし前まで精力的に研究を行っていた。 トヨタ系のアイシン精機が1990年代に日本ならびに世界の常温核融合研究者に支援をし、研究を積極的に後押ししたのは、 よく知られている事実である。それと豊田中研とがなにか関係があるのかどうかわからないが、とにかくトヨタは深く絡んできて いる。TEETというCold Fusion研究を陰で支える熱・電気エネルギー技術財団もトヨタ系である。高橋先生や北村先生のおら れるテクノバもトヨタ系である。 近年では、NEDOで日産自動車と九州大学が共同でCold Fusion研究を行っていたと思うが、自動車系列はCold Fusionに関 心があるのだと思う。 私がJCFにはじめて参加したのは2005年のJCF6である。技術ジャーナリストの故・山本寛氏はもっと早くから参加しておら れたが(発表もされていた)、氏によると、初期のJCFにはホンダも参加していたそうである。自動車メーカーが常温核融合に関 心を示すのは、やはりエネルギー取り出しと核変換(元素転換)に興味があるからであろう。 北海道大学は水野&大森という両エースがおられた。東京工業大学は沼田先生がおられた。が、若い人が出ないと続いて いかないかもしれない。この三人の先生は一つ上で触れた「固体内核反応研究 No.1」の執筆者である。 岩手大学はベテランの山田先生のお弟子さんの成田先生ががんばっておられる。岩手大学は、日本の常温核融合研究の拠 点の一つである。山田先生も「固体内核反応研究 No.1」の執筆者の一人である。 以上。
Kさんから次の面白い情報をもらったので、お伝えしたい。ついに常温核融合が動きはじめたようである。
************************************************************ ところで、こんなのを見つけましたが、これは本当でしょうか? 教えてください。 https://youtu.be/59m303MiYV0 Science | CLEAN PLANET Inc. <https://www.cleanplanet.co.jp/science/#science02> ************************************************************
昨年クリーンプラネットが量子水素エネルギー装置の開発に向けて突き進んでいることを紹介したが、それがさらに実用化一
歩手前まできたことを伝える動画である。
ものすごい進展である!
上記のクリーンプラネットのサイトでは試作機まで紹介されている。
クリーンプラネットは私がもっとも期待していたベンチャーである。東北大、北大などと手を組んでやっているその成果といえ
る。着々と成果を出し続けている様子がよくわかる。 常温核融合は「ニセ科学」とか「トンデモ」とかさんざん言われてきたが、私に言わせれば、そんなこという者こそセンスゼロで ある。
18年前に水野先生の「核変換」(工学社、水野忠彦著)を読んで感動し即座に本物を感じたのだが、その本の副題に”常温
核融合の真実”とある。その副題がなかったら、私は書店で本を手に取ることはなかった。
エネルギーはもちろん大事である。国は、常温核融合を国家プロジェクトとして推進すべきである。
常温核融合は、元素転換も確認されていて、こちらの方はもっと大事である。
水系の電気分解やプラズマ電解では、水野、大森先生はじめ幾多の研究者が、元素転換を確認してきた。上書の「核変換」と
は元素転換のことである
JCFから連絡がきて分かったが、次回のJCF年会(CF研究会第23回年会)は、なんと早稲田大学で開催されるとのこと!
第1回から23回までの分をまとめておきたい。
1999 JCF1 大阪大学
2000 JCF2 北海道大学
2001 JCF3 横浜国立大学
2002 JCF4 岩手大学
2003 JCF5 神戸大学
2005 JCF6 東京工業大学
2006 JCF7 鹿児島大学
2007 JCF8 同志社大学
2009 JCF9 静岡で(静岡大学関連)
2010 JCF10 東京工業高等専門学校
2010 JCF11 岩手大学
2011 JCF12 神戸大学
2012 JCF13 愛知県で(豊田中央研究所関連)
2013 JCF14 東京工業大学
2014 JCF15 北海道で(北海道大学/水野先生関連)
2015 JCF16 京都大学
2017 JCF17 東京工業高等専門学校
2017 JCF18 東北大学
2018 JCF19 岩手大学
2019 JCF20 九州大学
2021 JCF21 京都大学
2022 JCF22 岩手大学
2023 JCF23 早稲田大学
以上。
JCFサイトに案内が掲載されている。内容を見ると、第23回目のJCF年会(JCF23)が2023年3月4日〜3月5日で、西新宿の
早稲田大学で開催される。
早稲田大というのは、常温核融合(cold fusion)では、新規参入というかそんな新鮮な印象がある。
以前は、JCF年会(常温核融合研究の発表会議のこと)は、日本ではcold fusion研究者のいる大学の間をぐるぐる回ってい
た。しかし何年か前に、京大(田辺先生)が参入してきた。そして今回、早稲田大学(内藤先生)が新たに加わった!ということ で、非常に期待がもてる。
クリーンプラネット社の実用化に向けた大活躍もあって、常温核融合に注目する研究者が少しずつ増えているのではなかろう
か。とにかく新しい大学が加わるのは、うれしいことである。
今年7月に行われた常温核融合国際会議ICCF24のサイトを見ると、気になる記事がいくつもある。前に見ていて気になって
いたが、まだ紹介していなかった。気になる点だけ、箇条書きで述べていく。
ICCF24は、米国シリコンバレーで今年2022年7月に開催された。
●どうもNASAが、常温核融合を研究しているようである。
IEEE Spectrum - NASA’s New Shortcut to Fusion Power
核融合には近道がある!として、格子間での核融合を研究している模様。それは常温核融合に近いものと推測される。
宇宙船などのエネルギー源として利用することが目的であろう。
Google Research も資金提供の面で関わっているようである。Googleもcold fusionに関心があるのだろう。
●Sponsorsに注目。なんと、クリーンプラネット社がGoldでトップに掲げられている!
これはICCF24を最も資金的に支援したのは、日本のクリーンプラネット社ということだろう。開催地が、シリコンバレーになった
のも、多少は同社の意向が働いたのではないか。クリーンプラネットは戦略的にcold fusionを推進しているような気がする。
●Speakersに日本人が3人もいる!!
ICCFを代表する人たちと思われるが、Speakersに日本人が3人もいるというのはちょっと驚きである。Hayashi氏は、クリーン
プラネット社の人である。
以上。
ICCF(常温核融合国際会議)の変遷をまとめておきたい。日本は青字とした。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ
2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C.
2009 ICCF15 イタリア、ローマ
2011 ICCF16 インド、チェンナイ
2012 ICCF17 韓国
2013 ICCF18 アメリカ/ミズーリ大学
2014 ICCF19 イタリア パドヴァ
2016 ICCF20 日本/仙台 (サテライト開催 中国/アモイ)
2018 ICCF21 アメリカ/コロラド州立大学
2019 ICCF22 イタリア/アッシジ
2021 ICCF23 中国/Xiamen大学
2022 ICCF24 アメリカ/シリコンバレー
変遷はこのようになる。
これまで大学を中心に開催されてきたが、ここにきてシリコンバレーで行われたというのは、なにか潮流の変化が出てきたこ
とを暗示しているような気がする。
一つ上で、NASAやGoogleがcold fusionに参入し始めてきていることを述べたが、日本では三浦工業やクリーンプラネット社
などが実用化を進めており、海外でもたくさんの企業が研究しているはずである。そんな空気感があって、シリコンバレーでの 開催となったのかもしれない。
国別に見ると、やはりアメリカが多い。日本とイタリアもそれに次いで多い。今後は、まったく別の国が出てくる可能性もあり、
それを期待したところである。
もし順番通り行われるのであれば、数年以内に日本で開催されるはずである。その場合は大学ではなくクリーンプラネット社
が主催するということを期待したい。そうなれば、世界に大きなインパクトを与えることになるだろう。
「常温核融合は本当だった!」をはじめたのは、2004年10月であり、もう18年も前のことになる。
<常温核融合の真実>
そのきっかけとなったのは、水野忠彦先生の「核変換」(工学社、水野忠彦著)を読んだことである。
この書を読み、驚き、感動し、これはたいへんなことになった!と思い、高橋先生の論文を読み確信を深め、スタートしたので
あった。
同書は絶版になっているはずであるが、常温核融合に興味をいだく人はぜひ読んでほしい書である。
こんなにも常温核融合の現象を生々しく伝えた本はちょっとなく、何度読んでも感動する。手に取るだけで、ぶるぶると身体が
震える・・
「核変換」は英訳され世界中で読まれていると聞いたが、広まってほしいと思う。日本では再販されることを期待したい。
この本で私がもっとも興味をいだいた箇所は、本シリーズで紹介してきた。
それは科学に興味ある人は驚くに違いない所であった。本の「まえがき」もまた味わい深いものがある。下記に引用したい。
************************************************************
まえがき
今から8年前の1989年3月。アメリカで電気化学者のフライシュマンとポンズが、「電解によって誘起される重水素の低温核融
合」、すなわち常温核融合を発表した。パラジウムと白金を電極として重水中で電気分解したら大量の熱が出た、というのだ。 これが本当ならば、≪究極のエネルギー≫として、数十年も何の成果もなく研究されてきた熱核融合は何だったのか、というこ とになる。
しかし、その後、世界各国の研究者が常温核融合に取り組んできたが、反応の機構の解明や制御はおろか、再現さえできず
にいる。
ただ、実験すると、確かに中性子やトリチウム(三重水素)が生じ、発熱現象も観測された。そればかりではない。どうやら常
温核融合の本質は別なところにあるらしい。それは「核変換」である。
というと、錬金術かと思う人がいるかもしれない。確かにある意味ではそうである。しかし、ことはそう簡単ではない。本書をじ
っくりと読んでいただきたい。そこには思っても見なかった世界が見えてくる。
************************************************************
静かな名文である。
この後、教科書を聖書のよう重んじる人たちには想像できない「思っても見なかった世界」が明かされていく。
常温核融合国際会議ICCF24のサイトを見ていると、Cold Fusionの世界に様々な企業が参入してきている様子が見え、興味
が尽きない。
https://www.iccf24.org/のNewsではBrillouin Energy社が、独自のHYDROGEN HOT TUBE (HHT)という新技術を開発し、過
剰熱発生による新動力源を開発した様子が伝えられている。回転運動を連続して実現しているデモ動画が出ていて面白い。
簡単に要約すると、以下となる。
************************************************************
カリフォルニア州バークレー - Brillouin Energy Corp. は、ICCF24 エネルギー サミットでデモンストレーションを行った。
開発した可搬型HYDROGEN HOT TUBE (HHT) システムによる電力供給、定常運転、水加熱などの画期的な性能を発表し
た。過剰熱比は、内部触媒ロッド レベルで 3 倍を超えている。 デモンストレーションの短いビデオは、ここで見ることができ る。 ************************************************************
たしかにビデオを見ると、ゆっくりとした回転運動が連続で実現されている。この装置がICCF24の会場で展示されていたので
あろう。
おそらく”HYDROGEN HOT TUBE (HHT)”という名称から、水素を使った常温核融合的な反応から過剰熱発生を実現した技
術であろうと推測される。
クリーンプラネット社と東北大の開発した量子水素エネルギーに少し近いものなのかもしれないが、詳細はわからない。
ICCF24のSponsorsのページを見ると、Brillouin Energy社はSilverで掲げられており、クリーンプラネット社についで資金面で
ICCFをサポートしたことがわかる。
2023/1/10 URLのミスを訂正
Brillouin Energy社は、クリーンプラネット社とともに常温核融合で最も注目すべき企業の一つと思う。
”Brillouin Energy”は、日本語でどう読めばよいのか。機械翻訳では”ブリルアンエネルギー”と訳されるので、とりあえずそん
な感じでよいのではと思う。
ここにはLENR(Low Energy Nuclear Reaction)という常温核融合とほぼ同義語といえる言葉が頻出している。よって、
同社が開発した、HYDROGEN HOT TUBE (HHT)システムは、明らかに常温核融合かあるいはそれに近い技術であると考え られる。
記事から気になった箇所だけ訳して拾うと以下となる。
************************************************************
ICCF24(常温核融合国際会議24)で、HHTシステムのデモンストレーションを行いました。そこでHHTは、過剰熱発生、安定
運転、水加熱の画期的な性能を発揮しました。
可搬型 HHTは、小型スターリングエンジンを実行しながら、1.25 倍の過剰熱比で250 ワットを超える熱を生成することを実証
しました
新世代の科学者、エンジニア、投資家、企業経営者が、新しい固体核融合エネルギーデバイスの研究、開発、投資を行って
います。 Brillouin Energy は、実績のあるHHTシステムによりこの分野の最有力候補となっています。
HHTでは、特許取得済みのQ-Pulse 技術を使用して熱出力を制御しています。
Brillouin Energyは、米国エネルギー省のLENRのARPA-E チーミングパートナー リストに参加する予定です。
この無公害、低コスト、再生可能エネルギー技術は、複数の商用製品アプリケーション用の熱エネルギーを生成することがで
きます。
************************************************************
ざっとこんなところである。略したところも多いので、詳細は読者自ら読んでいただきたい。
私が感じたことを思いつくまま述べていく。
●HHTは、簡単に言えば「常温核融合関連の原理をつかった過剰熱発生装置」ということになるだろう。
熱さえ発生させれば、その熱をそのまま利用するもよし、熱を使って回転運動を起こし電気を発生させるもよし、ということであ
ろう。
●「Brillouin Energyは、米国カリフォルニア州バークレーに本拠を置くクリーン テクノロジー企業です。」と最後に書かれてい
る。日本のクリーンプラネット社とすこし似た感じの企業と思う。両者は、今後、競合になっていくのではないか。
●「米国エネルギー省のLENRのARPA-E チーミング パートナー リストに参加する予定」が気になる。
ARPA-E という言葉はcold fusion関連で最近よく目にする。
少し調べたところ、ARPA-Eは、2007年に設立された米国エネルギー省の組織であり、エネルギーのイノベーションを目的に、
ハイリスクであるが、ハイインパクトな成果を上げることを目的としているようである
⇒なるほど。それなら、こういう技術に興味を示すのもわかる(笑)。
●「可搬型 HHT」とある。
可搬型というのはとてもよい。どこにでも持ち運び出来てすぐにエネルギーを取り出せるというのは、非常に便利である。
●特殊な材料を用いずエネルギーが生成できるならば、それが一番よい。
輸入に頼らざるを得ない材料を用いるようなものは、なにかと国際紛争の火種になり、よくない。
HHTが、どんな原理によっているか明かではないが、おそらくありふれた材料しか使っていないのではないか(技術は別とし
て)。「無公害、低コスト・・」とあるので、そんな気がする。
身近な材料で、エネルギーが作れるというのが一番よい。そういうものが国際平和にも貢献する。
以上。
ARPA-Eは、米エネルギー省の組織で、それが常温核融合にも関わってきていることを一つ上で示唆した。そのARPA-Eは、
2021年に日米の常温核融合に関わる企業を集めてワークショップ会議を開催している。下記サイトにその模様が掲載されてい る。
これを見ると、常温核融合に参入している日米の企業・団体が手に取るようにわかるではないか!
常温核融合の世界の流れのようなものが読み取れ、重要なサイトであると思う。
Brillouin Energy社も呼ばれている。日本からは岩手大学とクリーンプラネット社が参加している。
NASAやGoogleも呼ばれている。とくにNASAは3回(3人)と多くの公聴がなされている。Googleは2回。ARPA-Eは両者を
重要視しているに違いない。
おそらく米エネルギー省は、常温核融合を最重要テーマと位置づけ、この会議で関連する団体に聞き取り調査をした(勉強会
を開いた)ということだと思う。 米国と日本は、足並みをそろえて常温核融合を進めようとしているように見える。
<追記>
Brillouin Energy社はなんと2016年に既にHHTシステムを開発していたことが分かった。先日、浅学氏の「素人が知りたい常
温核融合」での報告を見つけ気づいた。
同社は、その技術に磨きをかけ、満を持してICCF24(第24回常温核融合国際会議)でHHTを発表したのだと思う。
Kさんより下記の情報をいただいたので紹介します。貴重な情報をありがとうございます。
************************************************************
ご紹介頂きました
https://arpa-e.energy.gov/news-and-media/press-releases/us-department-energy-announces-10-million-study-low- energy-nuclear DOE がLENRの確認に$10 million を拠出したと昨年の9月に発表していたんですね。・・・
************************************************************
内容を要約すると、次のようになります。
===============================
2022 年 9 月 13 日
米国エネルギー省は、低エネルギー核反応の研究に最大 1,000 万ドルを拠出することを発表。 ARPA-E は、リスクを冒し、他の人が行けないところを探索することを目的としている。 この資金は、この分野での研究の膠着状態を打破することを目的とした高等研究計画エージェンシー (ARPA-E) LENR Exploratory Topic の一部である。
===============================
これは、すごい情報である!
ある程度の見通しがないとこれだけのお金は出せないはずであり、かなりの確信をもって資金を投入したのだと思う。
米国は表向きは過去cold fusionを否定してきたわけであるが、その一方で米国は、日本、イタリアとともにもっとも常温核融
合を推進してきた国であり、二面的な態度をとってきた国といえるだろう。
この30年の常温核融合の研究結果を見れば、常温で核反応(核融合 or 核分裂)が起こっているのは確実であり、そんなこ
とはcold fusionの歴史を見れば一目瞭然である!
教科書を妄信する学者が、理論的にあり得ない!と言って否定してきたわけであるが、現に実験前にはなかった元素が忽
然と実験後に現れる元素転換が夥しい数確認されてきている。その事実は否定しようがない。
科学は事実が先である。
人間の底の浅い想像力で作った理論など、自然の前にあってはあっけなく否定されていく。
私は以前、原子核モデルを調べたことがあったのだが、現代においても様々な原子核モデルが提示されていて明確には確
定してないことがわかり驚いたことがあった。それほど人間はミクロの世界などなにもわかっていない。
「やはり、今年はなにかありそうです。」 Kさん
二つ上で見た米エネルギー省のARPA-Eのワークショップに参加した企業や大学が気になる。
このページに参加した企業や大学が載っている。これを眺めるだけで、日・米で常温核融合を研究する機関・企業や大学が
一目瞭然でわかる。
下記に米エネルギー省関係者を除く参加者を拾った。気になったものだけ、私のコメントを<コメント>として一言加えた。
===============================
●Summary of LENR research in Japan Dr. Shinya Narita, Professor, Iwate University (25+5) <コメント>日本から岩手大学の成田先生が参加されている。岩手大は日本における常温核融合研究の拠点の一つであり、 cold fusionが話題になった初期のころから研究が続けられている。 ●Experimental status of LENR Dr. David Nagel, Research Professor, George Washington University (25+5) ●Toward a LENR reference experiment Dr. Florian Metzler, Research Scientist, MIT (15+5) <コメント>MIT(マサチューセッツ工科大学)は初期の頃から常温核融合に深く関わってきている。 ●Brillouin's LENR Reactor and System Identification Dr. Fran Tanzella, Brillouin Energy
<コメント>Brillouin Energy社はcold fusionで現在最も注目すべき企業というべきか。
●Lattice Confinement Fusion Gas Cycling Experiments Dr. Theresa Benyo, NASA Glenn Research Center ●Condensed Matter Nuclear Reactions in Nano-Materials Mr. Larry Forsley, NASA, Global Energy Corporation
<コメント>Nano-Materialsとあるので、NASAは過剰熱エネルギー取り出しの方に興味があるのだろう。
●High-Resolution Calorimetry for Probing Reactions of Nanopowders with D_2 Dr. Pramod Reddy, Professor, U. Michigan ●Pd/D Co-Deposition Dr. Pam Mosier-Boss, Global Energy Corporation
<コメント>Mosier-Bossという名は、cold fusionではよく目にする。
●Low-Energy Nuclear Reactions: An Electrochemical Engineering Perspective Mr. Bertrand Neyhouse, MIT <コメント>Electrochemical とあるので、MITは電気分解の方面をやっているのだろう。MITはcold fusionでは電気分解実験 を精力的に推し進めてきた歴史(経緯)がある。 ●Calorimetry for LENR Dr. David Fork, Google
●New Technology for Accurate LENR Measurements and Materials
Dr. Robert Duncan, Professor, Texas Tech <コメント>Robert Duncanという名もcold fusionではよく目にする。 ●Our Quest for a Reference Experiment Dr. Michael McKubre (retired), SRI International (25+5) <コメント>Michael McKubre という名もよく目にする。SRI Internationalは昔から米国における常温核融合研究の拠点だった はず。 ●HIVER Electrochemistry Energy Project Update Dr. Oliver Barham, Mechanical Engineer and Project Manager, Naval Surface Warfare Center Indian Head (25+5) <コメント>Navalとある。海軍は昔から米国における常温核融合研究の中心的拠点である。 ●Lessons learned from Project Charleston Mr. Matt Trevithick, Senior Program Manager, Google Research (20+5) ●Lattice Confinement Fusion Mr. Leonard Dudzinski, Chief Technologist, Planetary Science Division, NASA ●Clean Planet’s path and plans Ms. Masami Hayashi, Global Strategy Office Manager, Clean Planet <コメント>日本のクリーンプラネット社はここで登場する。 ●Mr. Thomas Darden, CEO, Industrial Heat <コメント> Industrial Heat 社は記憶がある。かなり前に調べたような。。RossiのE-CATとも関連があったかもしれない。 ●Brillouin Energy Corporation (video/external link) Mr. Robert Godes, CTO, Brillouin Energy ●LENRIA as a partner in LENR development and commercialization Mr. Steve Katinsky, Director, LENRIA ●Limitless Space Institute Overview Dr. Harold “Sonny” White, Director, Advanced R&D, Limitless Space Institute ●Solid State Fusion Prize Mr. Carl Page, President, Anthropocene Institute
===============================
以上。
ざっとコメントを加えたが、間違っているものもあるかもしれない。その場合は、指摘いただければ幸いである。
JCFの高橋先生からの連絡でわかったのだが、次回の常温核融合国際会議のICCF25は、ポーランドで開催されるとのことで
ある。
上記ICCF25のサイトを見ると、2023年8月27〜31の日程で開かれる。
ポーランドでの開催ははじめてとなる。
「意外な国が出てきた・・」というのが、メールを受けとったときの印象であった。ポーランドにどんな研究者がいて、どんな研究
がなされてきたかなど、まったく知らない。
University of Szczecin.という大学が主催するようだが、なんと読めばよいのか。”シュチェチン大学”と読むようである。
いずれにしても新しい国が出てくるのはうれしいことである。いまの常温核融合の勢いを見ていると、今後は、加速度的に
cold fusionに興味を示す国が増えていくはずである。
サイトの文を見ると、
「・・クリーンエネルギー生産を日常の現実にするために必要な新しい科学的結果、開発、およびアプリケーションを提示するこ
とにより、固体核融合研究における国際協力を強化する絶好の機会を提供します。」
とあり、下記の議題が並んでいる。
Main topics
Heat Production
Transmutations Electrochemical Experiments
Engineering Applications
Hot Gas Experiments
Plasma Experiments Instrumentation Beam Experiments Material Studies Theoretical and Computational Studies Other
やはり私が注目するのは、Transmutations(元素転換)である。あと、Plasma Experimentsというのが気になる。これは
なんだろうか。
過去の幾多のcold fusion実験では、プラズマ状態に物体がさらされると、元素転換が起こることが多いような気がしている。
電気と元素転換は密接に関係があるはずである。よってPlasma Experimentsも元素転換に関係のあるものではなかろう か。
プラズマということで思い出すのは、大森先生・水野先生のプラズマ電解。ここでも多くの元素転換が見出されてきた。
< Dusty Plasmaによる元素転換 >のハンガリーの科学者Egely(イーグリー)氏の元素転換実験なども思い浮かぶ。
来年のICCF25(常温核融合国際会議)の開催国がポーランドに決まったので、ここでICCFの変遷をまとめておきたい。
日本は青字とした。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ
2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C.
2009 ICCF15 イタリア、ローマ
2011 ICCF16 インド、チェンナイ
2012 ICCF17 韓国
2013 ICCF18 アメリカ/ミズーリ大学
2014 ICCF19 イタリア パドヴァ
2016 ICCF20 日本/仙台 (サテライト開催 中国/アモイ)
2018 ICCF21 アメリカ/コロラド州立大学
2019 ICCF22 イタリア/アッシジ
2021 ICCF23 中国/Xiamen大学
2022 ICCF24 アメリカ/シリコンバレー
2023 ICCF25 ポーランド/シュチェチン大学
変遷はこのようになる。
このように見ると、ICCFもものすごい歴史を積み重ねてきているという印象がある。以前も述べたが、世界を震撼させたフライ
シュマンとポンズの実験の年(1989)のその翌年(1990)に開催されているということに驚いてしまう。それから既に33年も経過し たわけだが、25回目の会議はポーランドに決まった。
次回がポーランドになったということから、それが他国への刺激になって「それならわが国でも!」という手をあげる国が増え
てくるような気がする。そうなると、日本での開催はすこし遅れることになるかもしれない。しかし、新規参入の国がどんどんと増 えてくるというのは、非常に喜ばしいことである。
五つほど上のBrillouin Energy社の記事で、私は次のように述べた。
************************************************************
●特殊な材料を用いずエネルギーが生成できるならば、それが一番よい。
輸入に頼らざるを得ない材料を用いるようなものは、なにかと国際紛争の火種になり、よくない。
HHTが、どんな原理によっているか明かではないが、おそらくありふれた材料しか使っていないのではないか(技術は別とし
て)。「無公害、低コスト・・」とあるので、そんな気がする。
************************************************************
Brillouin Energy社のHHT技術は低コストと書いていることから、おそらく希少な元素(材料)を使ってはいないだろう。日本の
クリーンプラネット社の量子水素エネルギーを見ても、原料は水素と銅とニッケルが主体で、これも希少で高価な材料を使って いるという印象はない。ニッケルはレアメタルにはなるようだが、ニッケルの産出国はそんなに大きなかたよりはないようだ。
なぜこんな話を持ち出したかというと、常温核融合は世の中の平和の実現にも貢献しそうに思えるからだ。エネルギー問題
は、世界の秩序を維持する上での喫緊の課題である。
ニッケルも、いまはニッケルでしかたないかもしれないが、研究を重ねることで、鉄とかマグネシウムとかもっとありふれた元
素に置き替わる可能性も十分にある。
事実、本サイトで紹介してきた元素転換実験を見ても、多彩な実験で様々な元素が生み出されてきていることから、そう思
う。組み合わせの可能性は無数にある。
cold fusionにおける過剰熱発生と元素転換という二現象には関連があると思う。過剰熱発生(エネルギー生成)の研究に、
過去の元素転換の結果や蓄積が有効に働くはずである。
そしてケルヴランの元素転換規則はそれらの研究によいヒントを与えてくれるのではなかろうか。冒頭の一部を転載。
例えば、アルカリ・ループのMg-O-Caやジオ・ループのSi-C-Caの所は、次のような元素転換を示す。
Mg + O = Ca ---@
Si + C = Ca ---A
さらにまたGorge Oshawa Cycle(ジョージ・オーサワ・サイクル)も常に気になっているものである。その16から転載。
===============================
EgelyはGorge Oshawa Cycle(ジョージ・オーサワ・サイクル)という軽元素における元素転換の規則グラフ(論文中Figure 2)と
もいうべきものを実験で証明しているようだ。これは凄いことだ。Gorge Oshawa Cycleは次のものである。
Gorge Oshawa Cycle(Egely氏論文”Transmutation by Dust Fusion”から引用)
Gorge Oshawa CycleはN, C, Oから次々により重い元素が作られていくさまを示すわかりやすいグラフである。そしてこの規
則が正しいことをEgely氏は実験で証明したようである(一部検出されなかった元素もあるようだ)。これはGorge Oshawa Cycle が元素転換において基本形となっている可能性を示唆するものともいえる。
C12 + O16 = Si28
C12 + C12 = Mg24
Mg24 + O16 = Ca40
O16 + O16 = S32
・・・・・・
などが成り立つことが上記サイクルから分かる。(数値は質量数)
これは常温核融合における軽元素(周期表前半)の元素転換規則といえるかもしれない。ジョージ・オーサワこと桜沢如一は
ケルヴランの生体内元素転換にも傾倒していたので、その筋で発見された可能性もある。ということは、生体内元素転換とも関 係があるのだろうか。
全くわからないが、Gorge Oshawa Cycleは”元素転換”という現代の錬金術の秘密をとく鍵を握っているのかもしれない。
桜沢はどういう経緯でこのサイクルにたどり着いたのか?興味が尽きない。
===============================
更新は久しぶりである。
来年のICCF26(常温核融合国際会議)の開催国は日本(盛岡)に決まった。ICCFの変遷をまとめておきたい。
日本は青字とした。
1990 ICCF1 アメリカ/ソルト・レーク・シティ
1991 ICCF2 イタリア/コモ湖
1992 ICCF3 日本/名古屋
1993 ICCF4 アメリカ/ハワイ
1995 ICCF5 モナコ/モンテカルロ
1996 ICCF6 日本/北海道・洞爺湖(とうやこ)
1998 ICCF7 カナダ/バンクーバー
2000 ICCF8 イタリア/レリチ
2002 ICCF9 中国/北京
2003 ICCF10 アメリカ/マサチューセッツ州ケンブリッジ
2004 ICCF11 フランス/マルセイユ
2005 ICCF12 日本/横浜
2007 ICCF13 ロシア/ソチ
2008 ICCF14 アメリカ・ワシントンD.C.
2009 ICCF15 イタリア、ローマ
2011 ICCF16 インド、チェンナイ
2012 ICCF17 韓国
2013 ICCF18 アメリカ/ミズーリ大学
2014 ICCF19 イタリア パドヴァ
2016 ICCF20 日本/仙台 (サテライト開催 中国/アモイ)
2018 ICCF21 アメリカ/コロラド州立大学
2019 ICCF22 イタリア/アッシジ
2021 ICCF23 中国/Xiamen大学
2022 ICCF24 アメリカ/シリコンバレー
2023 ICCF25 ポーランド/シュチェチン大学
2025 ICCF26 日本/盛岡
第26回目のICCFは日本の盛岡に決まった。
次のLenrフォーラムサイトでもアナウンスされているし、すこし前にJCFからも連絡が来ていて気になっていた。
盛岡ということで、岩手大学かその周辺で開催されることになると思われる。
岩手大学は、日本の常温核融合研究において、1990年代から中心的に関わってきた大学であり、それは現在も続いている。
ICCF26は、その岩手大学が世話役という形で行われることになるのだと考えられる。 |