常温核融合は本当だった! その1


常温核融合の真実
常温核融合−東北大学グループの成果
水野忠彦先生とJCFのサイト
水野先生からのメールとビッグニュース!
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2004/10/18                 <常温核融合の真実>

 常温核融合が、近年再び注目を集めはじめています。
1980年代末の大フィーバーから一転間違いではないか・・と思われていた時期が長く続いていましたが、近年
確かに起こっていることがわかってきました。

 常温核融合とは、もちろん常温で起こる核融合のことですが、実際には、核融合とともに核分裂も起こっており、
よって「核変換」と呼ばれているようです。「まさか・・」と思われるかもしれませんが多くの実験によって確められている。
(通常の核融合のように、1億度以上の温度を必要とせずとも、核融合が常温で起こるということです)

 北海道大学の水野博士の「核変換」(水野忠彦著、工学社)という本を読んで驚愕を覚え(この本は素晴らしい!)
いろいろ調べているうちに、次の大阪大学の高橋亮人氏の驚くべき論文にぶちあたりました。

 騙されたと思って、ぜひ一度お読みください。超一流の物理学者が集結しているのには驚きます。
 http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/No75-06.pdf

 「非熱核融合」とか「凝集体内核融合」などと呼ばれいるものもみな「常温核融合」と同類のものです。
常温での核反応は確実に起こっている。

 今年2004年、水野忠彦博士は、岩村康弘博士(三菱重工)とともに国際的なPreparata賞を受賞!されました。
心より、お祝い申し上げます。
 水野氏らは偏見に満ちた目で見られてきた時期も長かったようですが、長年の着実な成果が認められたことは
わがことのようにうれしいです。

 いままた大きな変革が起ころうとしています。相対論問題とともに・・




2004/11/15      <常温核融合−東北大学グループの成果>

 2003年に、常温核融合に関連した次の注目すべき論文が日本物理学会誌(Vol.58, No.3, 2003)に掲載されました。

固体金属中の核融合--金属は核反応の特殊環境か?--
                笠木治郎太<東北大学大学院理学研究科原子核理学研究施設>
                結城秀行  <東北大学大学院理学研究科原子核理学研究施設>」

 これは非常に興味深い内容をもつ論文で、Pd(パラジウム)などのある特定の金属中では、D+D核融合やLi+D核
融合が異常に促進されるという実験結果を示したものです。
一つ上で紹介した水野忠彦博士(北大)や高橋亮人博士(阪大)らの結果と並ぶ、驚くべき内容の論文といっても
過言ではありません。
 もちろん、まだ「なぜそうなるのか?」の理由はよくわかっていません。これから様々な理論的な考察がなされていく
ものと期待されます。
理由はわからずとも、そのような面白い現象が実際に起こっていることを提示することが科学では大事です。
「現象の発見」がまずあり、理屈はあとからついてくる、ということですね。

日本物理学会が常温核融合の論文を受理し掲載したということは非常に意味深いことであり、喜ぶべきことでしょう。

 ただ、アメリカなどでは研究がすでにかなり進んでおり、特許も多く出願されているそうです。
状況からいえば日本はかなり遅れているのではないかと危惧します。
また、水野氏の「核変換」(工学社)には、ロシアがじつは常温核融合を古くから独自の方法で研究しており多くの深
い結果をえていることが紹介されていてびっくりしますが、ロシアの懐の深さを思わずにはおれません。

 上の論文は、大学や研究機関の図書館等にいけば簡単に手に入るでしょう。ぜひ一度目を通してみてください。
 上記論文の後半には、ウプラサ大学の池上氏の「液体リチウム標的の重陽子照射におけるLi+D反応の異常増大」
という興味深い結果も紹介されています。

 常温核融合においては、まだまだ多くの発見がしばらくつづいていくものと思われます。

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追記2004/11/20
 静岡大学名誉教授・小島英夫博士も常温核融合の分野では、非常に著名な方のようです。
次は,小島博士の常温核融合研究のサイトです。興味深いサイトのようです。
http://www.geocities.jp/hjrfq930/




2004/11/25         <水野忠彦先生とJCFのサイト>

 北大の水野忠彦先生にメールを打ったところ、丁寧なお返事をいただくことができました。
世界的な水野博士からメールをいただき、感激してしまいました。

 上でも紹介した先生の著書「核変換」(水野忠彦著、工学社)を読んで、私は感動してしまったのです。
と、同時に、いまだに「常温核融合」と聞くだけで、あやしげなものなどというレッテルをはりたがる人が多いこと
も知り、腹立たしいおもいにもかられました。

 上記書は科学とはどんな姿勢でのぞむべきものか深く考えさせてくれる名著中の名著。サイエンスを志す人は、
一度、手にとっていただきたいものです。

 先生より、日本の常温核融合(Cold Fusion)研究者が活発に活躍し、多くの論文を発表している組織JCF(Japan CF-
research Society)を紹介いただきました。そのJCFのサイトは次の通り。
http://jcfrs.org/

米国の常温核融合(CF)に関するホームページも紹介頂きました。
http://www.lenr-canr.org/
多くの文献が載っています。

 いまCF研究は、たいへんなスピードで発展しています。
 「上記本を出版した頃に比べ、常温核融合の研究は驚くほど進んでいます。多くの論文が発表できるようになり、
学問的には以前とは比較にならないくらい、しっかりとしています。」という状況にまで進展しているのだそうです。

 水野先生のご研究のますますの発展をお祈りいたします。




2005/2/26      <水野先生からのメールとビッグニュース!>

 常温核融合研究の第一人者・水野忠彦博士からお便りをいただきました。
日本のサイエンスの将来をうらなう意味において非常に貴重な内容となっており、掲載に関し水野博士の快諾を得
ましたので、ここに紹介させていただきます。
(ICCF11とは、第11回常温核融合国際会議のことです)

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2004年フランス マルセイユ、ICCF11の会議

11月1日から5日まで、フランス第二の都市、マルセイユで11回目の会議が開かれた。この
会議で特徴的なことは核変換に関する発表が1/3以上を占めるまでになったことであ
る。さらにこの会議にはノーベル賞受賞者のジョセフソンが全日程で参加し、常温核融
合の研究に対し大きな期待とこれからの発展を確信するとの表明がなされたことであ
る。ジョセフソンは特に病理科学について講演し、今までの革新的な科学発表が歴史的
にどのような扱いを受けたかをウェゲナーの大陸移動説などの例を挙げて詳しく解析
したのであった。
さらに常温核融合を初めに発表したフライシュマンが今まで核変換に関しては、全くコ
メントしてこなかったのであったが、この会議で初めて認める発言をしたことが印象的
なことであった。
ただし斬新なアイデアで行われた実験的な発表がポスターに回され、いわゆる会議の重
鎮が相変わらず代わり映えのしない、古いデーターを口頭発表で長々と行っていたので
あった。これは会議の編成に問題が残り、若い研究者の妨げとなるのが分かるために、大
きな改革がここでも必要なことであった。
この会議には特にヨーロッパから実験を主とした若手の研究者の参加が目立ってお
り、これからの常温核融合の研究に大きな期待を持たせるものであった。次回のICCF12
の会議は日本で開催されることが決まり、この研究の進展にはどうすれば良いかの重要
な転換期に来ていることを認識させられるのであった。

2004年12月1日 DoEのレビュー
この日米国DoEのレビューが発表された。その内容は明確なものではなかった。はっきり
言って期待はずれといっても良かろう。相変わらず政治的な判断が働いたようだ。
例えば、荷電粒子を評価した審査員の2/3は、低エネルギー核反応にとって、これらは
証拠が決定的であると判断しなかった。ただし、残りの審査員は、説得力を認めた。
審査員の多くは、実験デザインが貧弱だ、書類が不備だ、バックグラウンドのコント
ロールが問題だ、などと同様を示した。これは多くの室温核融合研究者が持っている問
題である。
審査員はクレームが本当かどうか、研究が基金を与える価値があるかについては断定
を避けたのであった。
DoEは、室温核融合の実在と価値を評価するように科学の様々な分野の18人の科学者御
に依頼したのであった。しかしほとんどの審査員はこの点について無関心であった。
この無関心は審査員の能力の無さを示している。
例えば、ほとんどの審査員は過剰エネルギーの発生について説得性を判断できなかっ
たのだ。過剰エネルギーが全実験期間中、起きなかったので、この実験事実を認めな
いと判断した。
また審査員は、過剰エネルギーに対し核起源を認めなかった。核起源のための1つの重
要な証拠は、過剰エネルギーが測定されると、必ずヘリウムガス中に融合反応と一致し
た量で検出されるという事実だ。しかし多くの実験結果が、測定されたヘリウム濃度
が空気中の濃度より遙かに少ないという理由で、審査員はこのヘリウムを認めなかった。
彼らは、装置への漏出がヘリウムの源であるかもしれないと示唆した。しかし、実験結
果は明らかにそのようなヘリウムの漏出が起きていないことを示しているのにもかか
わらずである。そして、過剰なエネルギーが測定されるときだけ、ヘリウムは測定され
るのだ。また空気中にはアルゴンがより多くあるにもかかわらず検出されていないのだ。
結局、DoE調査会は何を達成したのだろうか?
彼らは、常温核融合が評価する価値があるということを世界に示した。そして、報告書
が適切なら、資金を供給するべきだと結論した。ただし、普通の評論家はその提案を公
正に評価するのを望まないであろうことも示した。

このような判断をDoEが下すことは予想していたので、別に驚くことでもなかった。何も
外部から評価を下されることではないであろう。研究者が十分なデーターを示してい
き、発表していけば、いずれだれにも分かることである。
この年の12月には三菱重工の岩村の研究が日経新聞に載った。日本のこれからの革新的
な研究課題20選の第三位にランクされたのであった。これは大変大きな評価を受けたと
いえる。いよいよ日本でも核変換の重要性が認識されるまでになったのである。これか
らの研究の将来の明るさがやっと見えてきたのである。

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註:色は杉岡が入れました。
註2:DoEとは米国エネルギー省のことです。

 素晴らしい内容のお便り、ありがとうございます。
とくに、最後のところに驚きました!
なんと、日経新聞で、これからの革新的 な研究課題20選の第三位にランクされるとは!
ついに、日本でもここまで来たのですね!
(三菱重工の岩村康弘氏は、水野忠彦博士とともに2004年国際的なPreparata賞を受賞された方です。)

 ただ、エネルギー関係という現実的な問題にもかかわっているためか、相変わらず政治的な抵抗もはたらい
ているようで、予想されるとはいえその点が気にかかります。
しかし、現実は徐々にではあれ着実に前進している感じをうけます。

 ジョセフソンが常温核融合に関心を抱いているのはなんともうれしいことです。
ノーベル賞学者のジョセフソンは、私も、科学者にあってはかなり柔軟な思考のできる人だと以前より思って
いましたが、そのジョセフソンが常温核融合に多大な興味をいだいているのは心強い限りです。

 大きな岩がやっと動きはじめたような印象を受けます。
まだまだたいへんかと思いますが、水野先生のご研究の発展を心よりお祈りいたします。




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