小島彗星 その3

< 作用素の定理G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx >
G(x)=-log(2sin(x/2))-cosxに作用素の定理3を適用、2π代入
G(x)=-log(2sin(x/2))-cosxに作用素の定理3を適用、π代入
G(x)=-log(2sin(x/2))-cosxに作用素の定理3を適用、π/2代入
G(x)=-log(2sin(x/2))-cosxに作用素の定理3を適用、π/3代入
< 付録 >
< まとめ >



2009/3/15          < 作用素の定理G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx >

 この「その3」ではフーリエ級数の公式
  -log(2sin(x/2))=cosx/1 + cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・    ----@
                                      ( 0 < x < 2π)
に、作用素の定理(定理3)を適用することにする。

 今回は、2π代入-->π代入-->π/2代入-->π/3代入の順番で見ていく。
まずは2π代入から見る。



2009/3/15   < G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx に作用素の定理3を適用、代入>

定理3
  G(x)は、べき級数展開したとき収束半径がrである関数とすると、その半径内のxにおいて、次が成り立つ。

     e^x∫e^(-x)G(x)dx(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)

 ここで∫の積分範囲はすべて0〜xである。

(注意)右辺は∫G(x)dx+∫∫G(x)dxdx+∫∫∫G(x)dxdxdx +・・を略した書き方である。∫^2は∫∫の2回積分、∫^3は∫∫∫の3回積分・・など
   の重回積分を表す。


[計算(2π代入)]
フーリエ級数の公式
  -log(2sin(x/2))=cosx/1 + cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・       ----@
                                   ( 0 < x < 2π)
に定理3を適用する。
 いつものように、はじめに一工夫加える。@の右辺のcosx/1を左辺に移項して次の形にする。
  -log(2sin(x/2)) - cosx/1=cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・           ----A

 @でなくAの形にしたのは@で定理3を適用したのでは途中で特異点的な状況が発生するので((1-1+1-1+・・)のよう
なことが起こる)、それを避けるためである。こうしておけば安心である。

まずAの右辺をG(x)と見て、定理3の式の右辺側を計算する。

(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)
=(∫+∫^2+∫^3+・・・)(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)
=∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dx + ∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dx dx
    +∫∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdxdx + ・・・

 この右辺を一つづつ計算しよう。∫の積分範囲はすべて0〜xである。
∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dx
=(sin2x/2^2 + sin3x/3^2 + sin4x/4^2 + ・・)

∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdx
=(-cos2x/2^3 - cos3x/3^3 - cos4x/4^3 - ・・) + (ζ(3)-1)

∫∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdxdx
=(-sin2x/2^4 - sin3x/3^4 - sin4x/4^4 - ・・) + (ζ(3)-1)x

∫∫∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdxdxdx
=(cos2x/2^5 + cos3x/3^5 + cos4x/4^5 + ・・) + (ζ(3)-1)x^2/2!- (ζ(5)-1)

∫∫∫∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdxdxdxdx
(sin2x/2^6 + sin3x/3^6 + sin4x/4^6 + ・・) + (ζ(3)-1)x^3/3!- (ζ(5)-1)x

∫∫∫∫∫∫(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)dxdxdxdxdxdx
(-cos2x/2^7 - cos3x/3^7 - cos4x/4^7 - ・・) + (ζ(3)-1)x^4/4!- (ζ(5)-1)x^2/2! + (ζ(7)-1)
     ・
     ・
上の左辺ばかり、右辺ばかりを縦に足し算して整理すると次のようになる。

(∫+∫^2+∫^3+・・・)(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・}
       + e^x・{(ζ(3)-1) - (ζ(5)-1) + (ζ(7)-1) - (ζ(9)-1) + ・・ }                 -----B

 ここで例えば∫^3は∫∫∫の意味である。dx・・dx等は略した。
また
(ζ(3)-1) - (ζ(5)-1) + (ζ(7)-1) - (ζ(9)-1) + ・・
  =1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・
が簡単な計算でわかるので、Bをこの右辺で置き換えて次を得る。

(∫+∫^2+∫^3+・・・)(cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・)
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }              ----B-2

 @よりB-2の左辺を書き換えると、次のようになる。

(∫+∫^2+∫^3+・・・)(-log(2sin(x/2))-cosx)
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }               -----C

 -log(2sin(x/2))-cosx をG(x)とみて左辺に定理3を適用するとCは次のようになる。

e^x∫(0〜x) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }             -----D

両辺をe^xで割った式のxに2πを代入するとDは次となる。

(0〜2π) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
  =(1- e^(-2π))・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・}    ----E

 さて、左辺で計算できるところは計算してしまうと左辺は次のようになる。

 E左辺(0〜2π) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
      =-(0〜2π) {e^(-x)log(sin(x/2)}dx - {1-e^(-2π)}/2 - log2・(1-e^(-2π))

よって、Eは次のようになる。
 -(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx
  = log2・(1-e^(-2π)) + {1-e^(-2π)}/2
       + (1- e^(-2π))・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・}

 さらに、右辺をまとめると(1/2=1/(1(1^2+1))であるから)、次式を得る。

-(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx
 ={1-e^(-2π)}・{log2 + 1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・} ----F

以上。

 Fというきれいな式が導出できた。これはζ(3)と同じ心をもつ式であり、明示的には表示できないものである。
念のため、左辺と右辺の数値的な一致の検証も行ったがOKであった。(左辺はBearGraphというフリーの計算ソフトで、
右辺はExcelを用いて計算した。)
 今回の結果は、「スワン彗星 その4」の結果ともすこし関係している。

作用素の定理3から導出

 -(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx
  ={1-e^(-2π)}・{log2 + 1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx={1-e^(-2π)}・{log2 + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))}
 




2009/3/17   < G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx に作用素の定理3を適用、π代入>

 次にπ代入を調べる。

定理3
  G(x)は、べき級数展開したとき収束半径がrである関数とすると、その半径内のxにおいて、次が成り立つ。

     e^x∫e^(-x)G(x)dx(∫+∫^2+∫^3+・・・)G(x)

 ここで∫の積分範囲はすべて0〜xである。

(注意)右辺は∫G(x)dx+∫∫G(x)dxdx+∫∫∫G(x)dxdxdx +・・を略した書き方である。∫^2は∫∫の2回積分、∫^3は∫∫∫の3回積分・・など
   の重回積分を表す。


[計算(π代入)]
 2π代入での場合と途中まで同じであるので、2π代入でのD式から出発する。

e^x∫(0〜x) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }             -----D

両辺e^xで割った式にπを代入すると次となる。

(0〜π) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
  =- e^(-π)・{1/(2(2^2+1)) - 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) - 1/(5(5^2+1)) + ・・・}
            + {1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・}    -----E

左辺で計算できるところは計算してしまってまとめるとEは次となる。

-∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・}
       + e^(-π)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) - ・・・}  -----F

 途中で1/2=1/(1(1^2+1))などとして形を整えた。萩L号でも表しておく。

-∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1)) + e^(-π)・(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1))  ----G

以上。

 π代入ではF(G)という式が出たわけである。右辺に二つの級数が現れているが、Fをよく見ると一番目の{}の級数は
2π代入で出た級数と同じものである。

作用素の定理3から導出

 -∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
       + e^(-π)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1)) + e^(-π)・(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1))
 




2009/3/21   < G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx に作用素の定理3を適用、π/2代入>

 次にπ/2代入を調べる。

[計算(π/2代入)]
 2π代入での場合と途中まで同じであるので、2π代入でのD式から出発する。

e^x∫(0〜x) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }             -----D

両辺e^xで割った式にπ/2を代入すると次となる。

(0〜π/2) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
  =- e^(-π/2)・{-1/(2(2^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) - 1/(6(6^2+1)) + 1/(8(8^2+1)) - ・・・}
      + e^(-π/2)・{-1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) - 1/(7^2+1) + 1/(9^2+1) - ・・・}
            + {1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・}    -----E

左辺で計算できるところは計算してしまってまとめるとEは次となる。

-∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/2)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
     + e^(-π/2)・{1/(1^2+1) - 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) - 1/(7^2+1) + ・・・}
        + e^(-π/2)・{1/(2(2^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + 1/(6(6^2+1)) - 1/(8(8^2+1)) + ・・・}      -----F

 途中で1/2=1/(1(1^2+1))などとして形を整えた。萩L号でも表しておく。

-∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/2)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
     + e^(-π/2)・{(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/((2n-1)^2+1) + (n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(2n((2n)^2+1))} ----G

以上。

 π/2代入ではF(G)という式が出た。右辺に三つの級数が現れている。Fでは一番目の{}の級数は2π代入で出た
級数と同じものである。
左辺と右辺の数値的な一致の検証も行ったがOKであった。

作用素の定理3から導出

-∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/2)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
     + e^(-π/2)・{1/(1^2+1) - 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) - 1/(7^2+1) + ・・・}
        + e^(-π/2)・{1/(2(2^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + 1/(6(6^2+1)) - 1/(8(8^2+1)) + ・・・}

 萩L号で表現すると次となる。

-∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/2)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
     + e^(-π/2)・{(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/((2n-1)^2+1) + (n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(2n((2n)^2+1))}
 




2009/3/21   < G(x)=-log(2sin(x/2))-cosx に作用素の定理3を適用、π/3代入>

 次にπ/3代入を調べる。

[計算(π/3代入)]
 2π代入での場合と途中まで同じであるので、2π代入でのD式から出発する。

e^x∫(0〜x) e^(-x)・(-log(2sin(x/2))-cosx) dx
 ={sin2x/(2^2+1) + sin3x/(3^2+1) + sin4x/(4^2+1) + sin5x/(5^2+1) + ・・・}
     - {cos2x/(2(2^2+1)) + cos3x/(3(3^2+1)) + cos4x/(4(4^2+1)) + cos5x/(5(5^2+1)) + ・・・}
       + e^x・{1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + 1/(5(5^2+1)) + ・・・ }             -----D

両辺e^xで割った式にπ/3を代入し、左辺で計算できるところは計算してしまってまとめるとEは次となる。

-∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/3)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
    + (√3/2)e^(-π/3)・{1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) - 1/(5^2+1)
                       + 1/(7^2+1) + 1/(8^2+1) - 1/(10^2+1) - 1/(11^2+1) + ・・・}
     -(1/2)e^(-π/3)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
        + (3/2)e^(-π/3)・{1/(3(3^2+1)) - 1/(6(6^2+1)) + 1/(9(9^2+1)) - 1/(12(12^2+1)) + ・・・}   ----E

 途中で1/2=1/(1(1^2+1))など他様々な変形を行って形を整えた。萩L号でも表しておく。

-∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/3)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
   + e^(-π/3)・{(√3/2)(n=0〜∞) (-1)^(n+2)・(1/((3n+1)^2+1) + 1/((3n+2)^2+1))
             - (1/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1)) + (3/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(3n((3n)^2+1))}   ----F

以上。

 π/3代入ではE(F)という式が出た。右辺に四つの級数が現れている。
Eでは一番目と3番目の{}の級数はそれぞれ2π代入、π代入で出た級数と同じものである。
念のため、左辺と右辺の数値的な一致の検証も行ったがOKであった。(左辺はBearGraphというフリーの計算ソフトで、
右辺はExcelを用いて計算した。)

作用素の定理3から導出

-∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/3)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
    + (√3/2)e^(-π/3)・{1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) - 1/(5^2+1)
                       + 1/(7^2+1) + 1/(8^2+1) - 1/(10^2+1) - 1/(11^2+1) + ・・・}
     -(1/2)e^(-π/3)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
        + (3/2)e^(-π/3)・{1/(3(3^2+1)) - 1/(6(6^2+1)) + 1/(9(9^2+1)) - 1/(12(12^2+1)) + ・・・}


 萩L号で表現すると次となる。

-∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/3)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
  + e^(-π/3)・{(√3/2)(n=0〜∞) (-1)^(n+2)・(1/((3n+1)^2+1) + 1/((3n+2)^2+1))
            - (1/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1)) + (3/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(3n((3n)^2+1))}

 





2009/3/21                   < 付録 >

 π/3代入での式を再掲する。

-∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
 =log2・(1-e^(-π/3)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
    + (√3/2)e^(-π/3)・{1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) - 1/(5^2+1)
                       + 1/(7^2+1) + 1/(8^2+1) - 1/(10^2+1) - 1/(11^2+1) + ・・・}
     -(1/2)e^(-π/3)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
        + (3/2)e^(-π/3)・{1/(3(3^2+1)) - 1/(6(6^2+1)) + 1/(9(9^2+1)) - 1/(12(12^2+1)) + ・・・}


 ここで一寸面白い状況が生じていることを指摘する。
(√3/2)がかかる級数をAとすると、

A=1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) - 1/(5^2+1) + 1/(7^2+1) + 1/(8^2+1) - 1/(10^2+1) - 1/(11^2+1) + ・・・

であるが、このAはじつは次のゼータ関数Bの心をもったものなのである。

B=1- 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・

AとBでは+と−の出方がぜんぜん違うように見えるが、なぜ赤字のようなことが言えるのか?
これは「ゼータ惑星」で行っていた変形にも関係するが、いま次のようなAと+,−の出方をあわせたB2があったとしよう。
(AとB2の+と−の出方が同じであることに注目)

B2=1+ 1/2^s - 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s + 1/8^s - 1/10^s - 1/11^s + ・・

これは次のように変形することができる。
B2=1+ 1/2^s - 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s+ 1/8^s - 1/10^s - 1/11^s + ・・
 =1- 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・
   + (2/2^s - 2/4^s + 2/8^s - 2/10^s +・・・)
 =1- 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・
   + 2/2^s(1 - /2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・)
 =1- 1/2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・
   + 1/2^(s-1)・(1 - /2^s + 1/4^s - 1/5^s + 1/7^s- 1/8^s + 1/10^s - 1/11^s + ・・)
 =B + 1/2^(s-1)・B
 =(1 + 1/2^(s-1))・B

 このように変形できるため、B2は本質的にBに等しいのである。
「この事実」と「AとBの形の類似」から先に「Aはじつは次のゼータ関数Bの心をもったもの」と言った意味がわかっていた
だけると思う。
ちなみにBは虚2次体Q(√-3)のゼータ関数であり、またはディリクレのL関数L(χ,s)の特別な場合に当たるものでもある。

その類似の視点から見れば、π/2代入で出た

 1/(1^2+1) - 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) - 1/(7^2+1) + ・・・

などは、L(s)ゼータの心をもっていることが容易にわかる。

 L(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s - 1/7^s +・・・




2009/3/23                   < まとめ >

 本頁の2π代入,π代入,π/2代入,π/3代入の結果をまとめておく。

作用素の定理3から導出した式

   -log(2sin(x/2))=cosx/1 + cosx/1 + cos2x/2 + cos3x/3 + cos4x/4 + ・・・
                                      ( 0 < x < 2π)

 定理3を上のフーリエ級数に適用して次式を導出した。

[2π代入]
 -(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx
  ={1-e^(-2π)}・{log2 + 1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -(0〜2π) e^(-x)・log(sin(x/2) dx={1-e^(-2π)}・{log2 + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))}



[π代入]
 -∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
       + e^(-π)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -∫(0〜π) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1)) + e^(-π)・(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1))



[π/2代入]
 -∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/2)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
     + e^(-π/2)・{1/(1^2+1) - 1/(3^2+1) + 1/(5^2+1) - 1/(7^2+1) + ・・・}
        + e^(-π/2)・{1/(2(2^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + 1/(6(6^2+1)) - 1/(8(8^2+1)) + ・・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -∫(0〜π/2) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/2)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
     + e^(-π/2)・{(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/((2n-1)^2+1) + (n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(2n((2n)^2+1))}



[π/3代入]
 -∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/3)) + {1/(1(1^2+1)) + 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) + 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
     + (√3/2)e^(-π/3)・{1/(1^2+1) + 1/(2^2+1) - 1/(4^2+1) - 1/(5^2+1)
                       + 1/(7^2+1) + 1/(8^2+1) - 1/(10^2+1) - 1/(11^2+1) + ・・・}
      -(1/2)e^(-π/3)・{1/(1(1^2+1)) - 1/(2(2^2+1)) + 1/(3(3^2+1)) - 1/(4(4^2+1)) + ・・・}
        + (3/2)e^(-π/3)・{1/(3(3^2+1)) - 1/(6(6^2+1)) + 1/(9(9^2+1)) - 1/(12(12^2+1)) + ・・・}

 萩L号で表現すると次となる。

 -∫(0〜π/3) e^(-x)・log(sin(x/2)) dx
  =log2・(1-e^(-π/3)) + (n=1〜∞) 1/(n(n^2+1))
    + e^(-π/3)・{(√3/2)(n=0〜∞) (-1)^(n+2)・(1/((3n+1)^2+1) + 1/((3n+2)^2+1))
            - (1/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(n(n^2+1)) + (3/2)(n=1〜∞) (-1)^(n+1)/(3n((3n)^2+1))}






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