ワータネン彗星 その3

テイラーシステムで、Sin[s=s、π/4代入、π/2テイラー]の条件を調べた。L2(1)、L2(3)、L2(5)を求めた。
現代数学で不明とされるL2(2)を求めた。
テイラーシステム Sin[s=s,π/4代入,π/2テイラー]
L2(1)を求める
L2(3)、L2(5)、L2(7)を求める
L2(2)を求める



2008/3/8        < テイラーシステム Sin[s=s,π/4代入,π/2テイラー] >

「その2」ではcos級数をやったので、ここでは
 f(x)=(sinx)/1^s + (sin2x)/2^s + (sin3x)/3^s + (sin4x)/4^s ・・・
のSin級数を調べる。
条件Sin[ s=s, π/4代入, π/2テイラー]をみる。
 この条件ではゼータ関数L2(s)が出てくる。このL2(s)をζ(s)やL(s)で表現する形になるのだが、これまで何度か出て
きたL2(s)ゼータがどんなものかを再び示しておく。
L2(s)は次で定義される。
  L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s ) + ・・・  ----@

これはディリクレのL関数L(χ,s)
  L(χ,s)=χ(1)/1^s + χ(2)/2^s + χ(3)/3^s + χ(4)/4^s + χ(5)/5^s + χ(6)/6^s + ・・・・
の一種のゼータである。
L2(s)はmod 8に対応したディリクレ指標χ(a)をもち、
「a≡1 or 3 mod 8-->χ(a)=1、 a≡5 or 7 mod 8 -->χ(a)=-1、 それ以外のaではχ(a)=0」というχ(a)に対応
したL(χ,s)となる。mod 8なので、このχ(a)の導手は8である。

@をさらに長く書くと、
L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s )
           + (1/17^s + 1/19^s - 1/21^s - 1/23^s) + (1/25^s + 1/27^s - 1/29^s - 1/31^s) + ・・・
となることはいうまでもない。
 最小単位の導手8でもってL2(s)は特徴づけられているのである。

ディリクレ指標χ(a)の定義を書いておく。
χ(a)は、ある自然数Nについて、次の3条件を満たすものである。
(1)a≡b mod N ならχ(a)=χ(b)
(2)χ(ab)=χ(a)χ(b)
(3)aとNが共通因数を持つときに限り、χ(a)=0

@のディリクレ指標は、この3条件を満たしている。
L2(s)ゼータは「ロニオス彗星 その7」でも調べた。L2(s)は虚2次体Q(√-2)に対応するゼータ関数である。

 では早速L2(1)から求めてみよう。



2008/3/8        <L2(1)を求める > Sin[s=s、π/4代入、π/2テイラー]

L2(1)を求める。

[L2(1)導出] Sin型[ s=1, π/4代入,π/2テイラー]
 f(x)=(sinx)/1 + (sin2x)/2 + (sin3x)/3 + (sin4x)/4 +・・・     ------@
という母関数を考える。

@でx=π/4を代入すると
f(π/4)=(1/√2){(1/1 + 1/3 - 1/5 - 1/7) + (1/9 + 1/11 - 1/13 - 1/15) + ・・・}
          - 1/2・(1 - 1/3 + 1/5 - 1/7 - ・・)
     =L2(1)/√2 + L(1)/2                         ----------A
となりL2(1)が現れた。

 次に、@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
  f(x)=L(1) - 2^0・(1-2^1)ζ(0)(x-π/2)^1 /1!
        - L(-1)(x-π/2)^2 /2!+ 2^2・(1-2^3)ζ(-2)(x-π/2)^3 /3!
            + L(-3)(x-π/2)^4 /4!- 2^4・(1-2^5)ζ(-4)(x-π/2)^5 /5!
                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここで、L(s)ゼータはL(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s + 1/7^s - ・・・であり、ζ(s)はリーマン・ゼータである。
ζ(-2)、ζ(-4)、・・ と L(-1)、L(-3)、・・は全て0であるから、結局、次のようになる。

 f(x)=L(1) - 2^0・(1-2^1)ζ(0)(x-π/2)^1 /1!    -------B

xにπ/4を代入して、
 f(π/4)=L(1) + 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^1 /1!    -------C

AとCは等しいから、
 L2(1)/√2 + L(1)/2L(1) + 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^1 /1! 
すなわち、
 L2(1)/√2=(1-1/2)L(1) + 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^1 /1! 

 L2(1)が、L(1)とζ(0)で表現された。
検証しておこう。L1(1)は類数公式よりL2(1)=√2・π/4である。L(1)=π/4、ζ(0)=-1/2であるから、右辺は左辺に
一致する。OKである。
以上。

テイラーシステムで求めた 条件Sin[ s=s, π/4代入, π/2テイラー]

 L2(1)/√2=(1-1/2)L(1) + 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^1 /1! 

 ここでL2(s)は次のゼータ関数である。
  L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s ) + ・・・





2008/3/15        <L2(3)、L2(5)、L2(7)を求める > Sin[s=3, 5, 7、π/4代入、π/2テイラー]

L2(3)、L2(5)を求める。

[L2(3)導出] Sin型[ s=3, π/4代入,π/2テイラー]
 f(x)=(sinx)/1^3 + (sin2x)/2^3 + (sin3x)/3^3 + (sin4x)/4^3 +・・・     ------@
という母関数を考える。

@でx=π/4を代入すると
f(π/4)=(1/√2){(1/1^3 + 1/3^3 - 1/5^3 - 1/7^3) + (1/9^3 + 1/11^3 - 1/13^3 - 1/15^3) + ・・・}
          - 1/2・(1/1^3 - 1/3^3 + 1/5^3 - 1/7^3 - ・・)
     =L2(3)/√2 + L(3)/2^3                        ----------A
となりL2(3)が現れた。

 次に、@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
  f(x)=L(3) - 1/2^2・(1-1/2)ζ(2)(x-π/2)^1 /1!
        - L(1)(x-π/2)^2 /2!+ 2^0・(1-2^1)ζ(0)(x-π/2)^3 /3!
            + L(-1)(x-π/2)^4 /4! - 2^4・(1-2^5)ζ(-2)(x-π/2)^5 /5!
              - L(-3)(x-π/2)^6 /6! + 2^6・(1-2^7)ζ(-4)(x-π/2)^7 /7!
                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ここで、L(s)ゼータはL(s)=1 - 1/3^s + 1/5^s + 1/7^s - ・・・であり、ζ(s)はリーマン・ゼータである。
ζ(-2)、ζ(-4)、・・ と L(-1)、L(-3)、・・は全て0であるから、結局、次のようになる。

 f(x)=L(3) - 1/2^2・(1-1/2)ζ(2)(x-π/2)^1 /1!
        - L(1)(x-π/2)^2 /2!+ 2^0・(1-2^1)ζ(0)(x-π/2)^3 /3!    -------B

xにπ/4を代入して、
 f(π/4)=L(3) + 1/2^2・(1-1/2)ζ(2)(π/4)^1 /1!
         - L(1)(π/4)^2 /2!- 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^3 /3!    -------C

AとCは等しいから、
 L2(3)/√2 + L(3)/2^3L(3) + 1/2^2・(1-1/2)ζ(2)(π/4)^1 /1!
                     - L(1)(π/4)^2 /2!- 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^3 /3!

すなわち、
 L2(3)/√2=(1-1/2^3)・L(3) + 1/2^2・(1-1/2^1)ζ(2)(π/4)^1 /1!
                     - L(1)(π/4)^2 /2!- 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^3 /3!

 L2(3)が、L(3)とζ(2)とL(1)とζ(0)で表現された。
検証しておこう。L1(3)は数値計算より、L2(3)=0.7267096・・である。
L(1)=π/4、ζ(0)=-1/2、L(3)=π^3/32、ζ(2)=π^2/6であるから計算して右辺は左辺に一致する。OKである。
計算から
  L2(3)=3√2π^3/128
とわかる。

以上。

同様にして、L2(5)は、次のようになる。
 L2(5)/√2=(1-1/2^5)・L(5) + 1/2^4・(1-1/2^3)ζ(4)(π/4)^1 /1!
           - L(3)(π/4)^2 /2!- 1/2^2・(1-1/2^1)ζ(2)(π/4)^3 /3!
              + L(1)(π/4)^4 /4!+ 1/2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^5 /5!

 これは、右辺の形から、L2(5)=A√2・π^5の形になる。計算がたいへんなのでやっていないが、L(5)=5π^5/1536、
ζ(4)=π^4/90であるから、誰でも計算できる。

L2(1)も含めてまとめる。きれいな秩序で成り立っている。
テイラーシステムで求めた 条件Sin[ s=1, 3, 5, π/4代入, π/2テイラー]

 L2(1)/√2=(1-1/2^1)L(1) + 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^1 /1! 


 L2(3)/√2=(1-1/2^3)・L(3) + 1/2^2・(1-1/2^1)ζ(2)(π/4)^1 /1!
           - L(1)(π/4)^2 /2!- 2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^3 /3!


 L2(5)/√2=(1-1/2^5)・L(5) + 1/2^4・(1-1/2^3)ζ(4)(π/4)^1 /1!
           - L(3)(π/4)^2 /2!- 1/2^2・(1-1/2^1)ζ(2)(π/4)^3 /3!
              + L(1)(π/4)^4 /4!+ 1/2^0・(1-2^1)ζ(0)(π/4)^5 /5!

 ここでL2(s)は次のゼータ関数である。
  L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s ) + ・・・





2008/3/15           <L2(2)を求める > Sin[s=2、π/4代入、π/2テイラー]

現代数学で不明とされるL2(2)を求める。

[L2(2)導出] Sin型[ s=2, π/4代入,π/2テイラー]
 f(x)=(sinx)/1^2 + (sin2x)/2^2 + (sin3x)/3^2 + (sin4x)/4^2 +・・・     ------@
という母関数を考える。

@でx=π/4を代入すると
f(π/4)=(1/√2){(1/1^2 + 1/3^2 - 1/5^2 - 1/7^2) + (1/9^2 + 1/11^2 - 1/13^2 - 1/15^2) + ・・・}
          - 1/2・(1/1^2 - 1/3^2 + 1/5^2 - 1/7^2 - ・・)
     =L2(2)/√2 + L(2)/2^2                        ----------A
となりL2(2)が現れた。

次に@の右辺をx=π/2の周りテイラー展開すると、簡単な計算により次となる。
  f(x)=L(2) - 1/2・log2・(x-π/2)^1 /1!
        - L(0)(x-π/2)^2 /2!+ 2^1・(1-2^2)ζ(-1)(x-π/2)^3 /3!
            + L(-2)(x-π/2)^4 /4! - 2^3・(1-2^4)ζ(-3)(x-π/2)^5 /5!       ------B
              - L(-4)(x-π/2)^6 /6! + 2^5・(1-2^6)ζ(-5)(x-π/2)^7 /7!
                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、L(s)の関数等式
  L(1-s)=π^(-s)・2^s・Γ(s)・sin(πs/2)・L(s)
とζ(s)の関数等式
  ζ(1-s)=cos(πs/2)・Γ(s)・2^(1-s)・π^(-s)・ζ(s)
を利用して置き換え、さらにxにπ/4を代入するとBは次のようになる。

 f(π/4)=L(2) + 1/2・log2・(π/4)^1 /1!- L(0)(π/4)^2 /2!
         - π{ (1!/3!)・(2^2-1)・ζ(2)/4^3 + (2!/4!)・2^3・L(3)/4^4
              + (3!/5!)・(2^4-1)・ζ(4)/4^5 + (4!/6!)・2^5・L(5)/4^6
                + (5!/7!)・(2^6-1)・ζ(6)/4^7 + (6!/8!)・2^7・L(7)/4^8     ------C
                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   }

AとCは等しいから、
L2(2)/√2 + L(2)/2^2
      =L(2) + 1/2・log2・(π/4)^1 /1!- L(0)(π/4)^2 /2!
           - π{ (1!/3!)・(2^2-1)・ζ(2)/4^3 + (2!/4!)・2^3・L(3)/4^4
               + (3!/5!)・(2^4-1)・ζ(4)/4^5 + (4!/6!)・2^5・L(5)/4^6
                 + (5!/7!)・(2^6-1)・ζ(6)/4^7 + (6!/8!)・2^7・L(7)/4^8
                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   }

左辺のL(2)を右辺に移して、
L2(2)/√2=(1-1/2^2)L(2) + 1/2・log2・(π/4)^1 /1!- L(0)(π/4)^2 /2!
           - π{ (1!/3!)・(2^2-1)・ζ(2)/4^3 + (2!/4!)・2^3・L(3)/4^4
                 + (3!/5!)・(2^4-1)・ζ(4)/4^5 + (4!/6!)・2^5・L(5)/4^6
                   + (5!/7!)・(2^6-1)・ζ(6)/4^7 + (6!/8!)・2^7・L(7)/4^8
                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   }

 L2(3)がL(2)、L(0)と「自明なζ(2n)、L(2n+1)の無限和」で表現された。

検証しておこう。L1(2)は数値計算より、L2(2)0.75288075・・である。これが目標である。
 右辺の3項まで=0.80495988・・
 右辺の5項まで=0.75665995・・
 右辺の7項まで=0.75335458・・
このように目標に速く収束していく。

以上。

 L1(4)L1(6)、・・ももちろん同様に求められる。

テイラーシステムで求めた 条件Sin[ s=2, π/4代入, π/2テイラー]

 L2(2)/√2=(1-1/2^2)L(2) + 1/2・log2・(π/4)^1 /1!- L(0)(π/4)^2 /2!
           - π{ (1!/3!)・(2^2-1)・ζ(2)/4^3 + (2!/4!)・2^3・L(3)/4^4
                 + (3!/5!)・(2^4-1)・ζ(4)/4^5 + (4!/6!)・2^5・L(5)/4^6
                   + (5!/7!)・(2^6-1)・ζ(6)/4^7 + (6!/8!)・2^7・L(7)/4^8
                      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   }

 ここでL2(s)は次のゼータ関数である。
  L2(s)=(1 + 1/3^s - 1/5^s - 1/7^s ) + (1/9^s + 1/11^s - 1/13^s - 1/15^s ) + ・・・






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数学の研究