自然光撮影の写真は、その場を切り取ります。写真の中の色を変えて切り取ることは出来ません。(現像・修整は除く) しかし、水中写真は、青い自然光と七色のライト光と七色のフラッシュ光で作ります。F値・SS・ISOを使って青い自然光と七色の光の比率で簡単に色を変えることが出来るのです。
●自然光が青い水中写真の現象です。
●これを利用して、写真を作りましょう!!!
第二章・色の出方・青の質を参照して下さい。
●黒抜き・青抜き・青被せで、背景はもちろん被写体の色の出方も変わります。
●白砂飛ばし・白砂飛ばしローキー・白砂青被せで、背景はもちろん被写体の色の出方も変わります。
絵を描くように、色を変えることが出来ます。だからこそ、ちょっとだけ色彩について学びましょう。
●被写体の色が映える絵コンテ選び
●被写体の色と親和性の高い絵コンテ選び
ちょっと絵コンテ選びがしやすくなります。
また理屈っぽい事を・・・大丈夫です。
色彩について学び、自分で考えて、より良い絵コンテ作りだすのが目標ですが・・・
面倒な方は、これを覚えてもらうだけで役に立ちます。
●青多い写真は黄色と明暗差。
●ディープブルーは、黄色で差し色コーデ。
●ディープブルーは、明暗のコントラストで輪郭はっきり。
●ハイキーな背景の絵コンテには、暗い被写体が映える。白砂飛ばし・背景ハイキー
●ローキーな背景の絵コンテには、明るい被写体が映える。色はなくてもOK。DARK&MELLOW・白砂飛ばしローキー
●寒色と暖色は調和が難しい。
●被写体と背景の明度コントラストは、絵コンテ選択で変えられる。
●ゆるふわの主題にはコントラストが必要
●ぽつんと小さくの主題にはコントラストが必要
●低コントラストは、主題を大きく
僕には説明できないので、まず自習を・・・
検索ワードのお勧めは
●色彩
●色相・彩度・明度(三属性)
●色相環・補色・反対色
●寒色・暖色
●コントラスト
こんなワードもお勧めです。
●色 コーデ
●色 ロゴ
●色 看板
もう少し頑張る人は
●同一色相・隣接色相・類似色相・進出色・後退色・膨張色・収縮色など・・・
サイトのリンク
●http://rock77.fc2web.com/main/color/color.html
●https://www.noie.co/colorkoza/
●http://blog.livedoor.jp/kokinora/archives/1008512179.html
●https://www.find-job.net/startup/logo_color
●https://color-literacy.com/%E6%98%8E%E5%BA%A6%E5%B7%AE%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88/#i-7
●https://www.colourlovers.com/palettes/most-loved/all-time/meta
写真でコントラストというと一般的に明度コントラスト、明暗差を思い浮かべます。
しかし、色彩のコントラストには
●明度コントラスト、明暗の差
●彩度コントラスト、鮮やかさの差
●色相コントラスト、色の差
3つのコントラストがあります。
コントラストは、対比です。コントラストが無いと何もなくなります。写真は光のコントラストを撮るのです。
被写体も背景も青で染まる絵コンテです。色相コントラストが少なくなります。
この絵コンテはどんな被写体で使えばいいのか?コントラストをどう使うのか?
青被せ。色相コントラストを残すために青の補色・反対色を使います。オレンジ〜黄色のものを使えば、青被せでも色相コントラストが残せます。
青被せも含めすべての青多い写真は青が支配的な絵コンテです。補色・反対色のオレンジ〜黄色が映えます。
水中で黄色のフィンが目立つのと同じですね。青の反対色の黄色は青に負けない色ですね。
白砂青被せ。青い被写体。色相コントラストはありません。
同じ色相の2つの青には、彩度と明度コントラストがあります。だから、ナガサキスズメダイは映えます。ただ、この写真は弱いですね。
もしナガサキスズメダイを通常の青抜きにすると・・・すべてのコントラストが無くなってしまいます。写真として成立しにくそうです。
青抜き。デバスズメと青抜きに色相コントラストはありません。明るい青抜きではなく濃い青抜きで明度コントラストを強くしています。明るい青のデバスズメと濃い青抜き。
もし、デバスズメを、白砂青被せにすると、明度も彩度もコントラストが無くなるので難しいです。
●青多い写真では、反対色・補色の黄色の被写体を使うと印象的です。
●青多い写真では、類似・隣接色相を使う場合、明暗差・明度コントラストが必要です。
ディープブルーが出ている日、光り輝く日。青抜きを狙うべき日。
絵コンテのイメージが先に決まります。後で被写体を探します。
そんな時は、可愛い子を探すのでもなく、カラフルな子を探すのでもありません。
探す被写体は・・・。
黄色い子を狙うのです。体の一部がワンポイント黄色で十分です。写真の青が締まります。全身黄色の魚では絵コンテが変わります。差し色コーデです。(補色反対色を狙う)
みんな撮らない地味な白黒のクラカオスズメダイ。ディープブルーはあくまで青の絵コンテです。
ディープブルーは明度が低いので白い魚とは明度コントラストが大きくなります。ヒレの黒も明度コントラストが大きいです。
ディープブルーは青のモノクローム。青被りした赤や緑や様々な色は邪魔です。無彩色の魚は青に染まり、色相は調和します。(同一・隣接色相)
最初の、ヨスジフエダイとメガネゴンべも黄色以外の色は少ない魚です。
●ディープブルーは、黄色で差し色コーデ。
●ディープブルーは、明暗のコントラストで輪郭はっきり。
黄色は寒色、白も雪の寒色イメージです。(白は無彩色です。)親和性はありますが、意外に映えません。
●1枚目・白砂飛ばし・鮮やかな黄色が目立ちません。弱く目の印象しか残らない。
●2枚目・白砂飛ばしローキー・こちらの方が明らかに黄色が目立ちます。
これは、明度コントラストの差です。グレースケールにするとわかりやすいです。
●1枚目・魚の体のコントラストが無くなり、目の黒だけ。
●2枚目・ローキーな砂地よりも黄色い体が明らかにハイキー、コントラストが残っています。
明度コントラストの有無が、この2枚の印象の差になっているんだと思います。
被写体によってどの絵コンテを使うべきか?絵コンテの選択に色彩の知識は役に立ちます。
DARK&MELLOWは赤と黒のローキーな背景。妖しい雰囲気。赤と黒は、コーディネートではよくある大人な配色です。黄色も青も赤の中差色相(色相環で90度横)なので色相コントラストは、同じくらいです。彩度コントラストもナガサキスズメダイの青い所はニセネッタイやアマミスズメダイとあまり変わりません。
ところがグレースケールに落とすと、明らかな差があります。ナガサキスズメダイの暗部は背景の暗い赤よりも明度が低いのです。明度コントラストが無さすぎます。これが3枚の写真の印象の差になっています。
DARK&MELLOWは背景がローキーなので被写体には、明るいハイキーな被写体が映えます。色は地味なアマミスズメダイでも明度コントラストが大きいのでくっきりします。
反対色補色で明度の高い緑系が一番はっきりしますが・・・クリスマス配色だなぁ・・・意外に緑の魚はいないんですよね。
●DARK&MELLOWは、明度コントラストを使うのが良いようですね。
●ハイキーな背景の絵コンテには、暗い被写体が映える。白砂飛ばし
●ローキーな背景の絵コンテには、明るい被写体が映える。色はなくてもOK。DARK&MELLOW・白砂飛ばしローキー
青と赤は中差色相(色相環で90度横)なので、色相ではそこまではっきりした差はないのですが、寒色と暖色、水と炎なので、どうもイメージに統一感がありません。寒暖・水炎がケンカして、ごちゃっとします。背景同士がケンカすると主題が引き立たない気がします。
青と赤でも彩度が低い被写体・明度が低い被写体ならば調和できるのです。
水中でよくある絵コンテ、イソバナで青抜きの組み合わせは、綺麗ですけど、配色が難しいです。主題のガラスハゼは、存在感が埋もれてしまっている気がします。
僕は、イソバナは、青抜きではなく黒抜きにして逃げてしまいます、青と赤をうまく撮れないです。これは完全に好みですけど・・・
●寒色と暖色は調和が難しい。
例えば・・・
ゆるふわ系の写真では、背景の明度コントラストは低く、ハイキーが絵コンテです。
しかし、修整で写真のコントラストを下げすぎると、被写体と背景のコントラストもなくなり、薄らボケた何も訴えない写真になります。ネットでよく見ませんが、ゆるふわで、かわいい、綺麗な背景の・・・何撮ってるか訳わからない写真。
ゆるふわの絵コンテだって、被写体のコントラストは残さないと何も語らない写真になってしまいます。背景のコントラストは、修整で下げるのではなく、フラッシュワークやロケハンで低コントラストの背景を作って撮影する方が良いと思います。
●ゆるふわだって主題にはコントラストが必要
声が小さい、弱いなら、どうします?
マイクを使って増幅しますよね?
では、低コントラストの写真は、どうすればいいのか?
目と背景を比較しましょう。
●明度コントラストは少しある程度です。
●隣接色相です。黄緑と青緑。色相コントラストはありません。
●彩度コントラストも、目が少し高い程度です。
だから、両目にピンが来ているのに、薄らボケた弱い写真です。
さらに・・・
主題である目以外の所を消してみましょう。主題が小さく弱いです。目が黄緑で、明度も高くはないので、収縮色で後退色なので実際の面積以上に小さく感じます。
主題が小さく弱いなら、トリミングして主題の面積を大きくするのです。写真の主題がわかりやすくなります。
『ゆるふわで、ぽつんと小さく』がダメなのではありません。このような絵コンテは、写真が弱くなるので、強い主題が必要です。色彩の強いコントラストが必要です。
同じくらい目の面積は小さいですが、こちらの方が強く感じます。
前の写真と比較すると・・・
●明度コントラストは、強くはないが前よりまし。
●背景のオレンジは彩度が非常に高いです。(とても鮮やかなオレンジ)黒は無彩色なので、彩度・色相コントラストは大きいのです。オレンジが暖色+進出色なのに、黒は無彩色で寒色のイメージ+後退色なので、さらにコントラストが強く感じます。
前の写真との差はここだと思います。
やはり前の写真は、コントラストが弱く、写真として弱いのです。トリミングで引き算して、強調するのです。(引き算はこちらを読んでね)
●低コントラストは、主題を大きく
高コントラストの写真です。わかりやすい例です。
●白い背景は、とても明るいので明度コントラストがあります。
●白は無彩色なので彩度コントラスト・色相コントラストがあります
ほとんどオレンジの写真です。一見コントラストが無いように見えます。
背景と魚は、同一色相で彩度・明度も両方高いです。すべてのコントラストが低いです。
しかし目は真っ黒で、周りと大きなコントラストがあります。明暗差は大きく、無彩色で、彩度・色相も異なります。
この写真は、色相・明度・彩度、3つすべてが超高コントラストの写真です。
目が非常に目立ちませんか?見つめられてませんか?こんなに小さい目なのに・・・
●低コントラストの場合と異なり、超高コントラストでは、被写体は小さくても成り立つ。
作例でもグレースケールの写真を比較しています。
グレースケールにすると彩度と色相コントラストはなくなり、明度コントラストだけが残ります。色のイメージに邪魔されず明暗差がわかるので、皆さんもぜひ試して下さい。無料修整ソフトでもワンクリックで出来ます。僕はすべての修整前に必ず一度グレースケールにして明暗コントラストを確認します。
グレースケールのコントラストが無い時は、
●色相・彩度のコントラストがある場所に背景を変える。
●白砂青被せ〜青抜き〜黒抜きで、背景の明度を変える。
●白砂飛ばし・新白砂飛ばしで背景の明度を上げる
●白砂飛ばしローキーで、背景の明度を下げる。
●ライトを使って背景ハイキーにする。
●中景からフラッシュ光を外して背景ローキーを作る。
グレースケールのコントラストが強い場合は。
●白黒写真にしてもかっこいい。
●類似・隣接色相で配色できるかも?
●絵がごちゃつく時は無い時の反対の対処で、マイルドにする。
●被写体と背景の明度コントラストは、絵コンテ選択で変えられる。
修整で主題以外を白に(黒に)塗りつぶしてみましょう。主題が明確に見えます。
●一番大事な主題を、冷静に評価できます。
●その状態で駄目な写真は、綺麗な背景をつけても駄目です。
主題は主役の訴える力、語る言葉です。変えられません。
しかし、色彩は、舞台装置・照明・衣装・メイクです。主題を引き立て舞台を完成させます。
色彩をうまく使うためにも主題を、主題の色彩をよく見ましょう。
背景が無くぽつんと小さくても可愛いならば・・・
グレースケールににして明度コントラストが小さくても可愛いならば・・・
色相が隣接色相であっても可愛いならば・・・
(彩度コントラストはあります。)
色彩の使い方の話をしてきましたが・・・
主題に力があれば、どう撮っても大丈夫です。広瀬すずは、竹内涼真は、どう撮っても、かわいいのです。
そんな時は色彩は、大人しく、主題に調和していればいいのだと思います。
色彩をどう使うかは主題にもよりますね。
●主題のささやきを拡大するのも色彩
●主題の主張を邪魔しないのも色彩
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