写真は引き算

『写真は引き算』は写真の世界でよく言われる事です。

写真は光で描く絵ですが、残念ながら絵画のように、不要なものは描かない、省略する、簡略化する、という事が出来ません。カメラという機械が、見えるまま撮ってしまいます。

その為、写真は、主題が背景に埋もれてしまわないように、不要なものを引き算して主題だけを残すのです。特に水中マクロ写真では、通常被写体が明確に存在します。全体の風景を撮るのではないです。また、自然でのマクロ撮影なので被写体の周りの背景は、自然そのまま、非常に煩雑です、ごちゃごちゃしています。

そのまま普通に撮ると、被写体が背景に埋もれて全体にごちゃっとした写真になってしまいます。

どう引き算して、主題である被写体を見せるか?そんな引き算の方法の整理とまとめです。

トリミング

トリミングの是非については(閑話休題)で。

トリミングで余計なもの、意図せず写ってしまったものを切り取ってしまう。物理的に削るのでそりゃ引き算です。


トリミングで・・・

水中マクロは手持ちで動く魚を撮るのです。三脚立てて風景を撮るのとは訳が違います。自分の撮りたい構図を確実に実現させるには、少し周りを大きめに撮って、後でトリミングする方が自分の構図が正しく表現出来ます。
ただし、この例ほど切り取ると画像小さくなりますけどね。

青抜き・黒抜き・白砂飛ばし

青抜き系・黒抜き系白砂飛ばし系、今まで学んだ撮影技法は、すべて背景整理です。被写体の孤立化です。背景を単調にして被写体を目立たたせるのです。

ボケ

背景を切り取れない、変えられないならば、、、見えなくしてしまえ〜
人間はピントが合っている所を見てしまいます。ピントが合っている所が、写真の中に複数あればそこに視線が散ってしまいます。沢山あればたくさんあるほど視線は散ってしまいます。被写体を、主題を見てもらえなくなります。

その為、背景をボカして視線がいかないようにします。ボケは、ボケたところがふわっと綺麗だからではなく、主題を際立たせるために使うのです。これを間違えると『ただ、ボケているだけの写真』になってしまいます。
この写真は、後ボケ・前ボケ・スケスケ前ボケとすべてのボケテクニックを使ってウミウシ以外の所をボカしています。視線はウミウシ以外に散らないと思いませんか?

撮影技法は手段・道具

『ボカした写真が撮りたい』
まぁ聞きますよね。でもねでもね。いつも違うだろ〜〜って思います。
『ボケを使って***を、撮りたい』ですよね?ボケはカメラマンの手段であり道具です。決して目的であってはなりません。すべての撮影技法・技・テクニックも目的であってはいけません。目的は綺麗に写真を撮る事なのですから。

そこは撮影で気を付けないといけないと思います。撮影技法が、被写体を殺している場合があります。シンプルで完成度が高いほうがいいのかもしれません。

撮影技法も・・・引き算がいいのかもしれませんねぇ〜〜

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