1ヶ月前に掃除したというのに、エアコンから出る風がやたらほこりくさい。フィルター替えないといかんのかなあ。それとも業者さんに頼むのかなあ。1万円くらいかかるんだよなあ。
「BAMBi」 がラス前。ここまできてなお、どういうラストになるのかさっぱりわかりません。待つだけ。
もうひとつ今月号は「釣れんボーイ」 の出だしがすごかった。なんだこの見開きは。見たことないよこんなの。
読切「雪のマフ」 は新人さんのたぶんこれがデビュー作。あったかい絵柄と力のこもった作画は強く印象に残ります。少女と人語を話す動物と冬の精とが登場するおはなしは童話風ファンタジーの王道と言えば王道なのかな。ここから物語を純化させていくのか、それとも違う方向に向かうのか、いずれにせよ期待してみたいです。もう少しネームが少ない方が…というのは好みの問題かもしれない。
「敷居の住人」 はまさしくふりだしに戻る、という展開。今後のおはなし次第では元の木阿弥というほうが近くなるかも。「LAZREZ」 もふりだしに見えて、でも戻ってきたのは場所は同じだけど風景は違うというそういう地点なのでしょう。このまんが、けっこう長丁場になるのかもしれないな。
シリーズ読切:「驚異の旅」(摩訶国彦)
読切:「雪のマフ」(千田悟史)
突発的4コマ増刊。いったいなぜ突然こんな雑誌を出したのか、いまいち意図をはかりかねてます。竹書房でも芳文社でもない4コマ雑誌はもしかして読むの初めてかも。
4コマ誌では常連のひと(さんりようこ、荻野眞弓、重野なおき、こいずみまり、奥谷かひろ)とか、旧キャプテン系のメンバー(九尾たかこ、伊藤伸平、西川魯介、菅野博之、伊藤勢)とか角川/富士見系の作家(奥田ひとし、氏原大輔、霧賀ユキ、伊藤勢はこっちもか)とか、ガムで描いてる阿部川キネコとか、意外なところではむっちりむうにいとか。メンバー的にはなかなか豪華です。
内容のほうもおもしろくないわけじゃないんだけど、ストーリーまんががおもしろい人の4コマがおもしろいとは限らないのだななどと身もふたもない感想を抱いたりもしてます。別のスキルなんだろうなたぶん。どっちも描ける人はもちろんいるのだけど。
いちばんおかしかったのは「編集女王」 で、これは多分にこのひとのまんがをたくさん読んでていろいろ余計なこと知ってるせいかもしれない。コミドラの毎号の目次欄とか。「ドラゴンロアーズ」の後書きとか。金子亜規子なかりせばモンスター・コレクションも描かれることはなかったのかもしれないと、一読者としては勝手に思いこんでいます。しかし「断っておきますが、この作品はフィクションです!」というあおりは初めて見たな。
おもしろい、という話は聞いていたけど読んだことはなかったまんが。1巻持ってなくていきなり2巻から、というのは久しぶりにやった気がします。本屋で平積みになってたんでついふらふらと。
読んでみて後悔半分。もっと早く、ちゃんと1巻から読んどけばよかったと思いつつ、でも今からでも読んでよかったと安堵したのがもう半分。なるほどおもしろいやこれ。魔法を使う異世界からの来訪者という少年まんがでは王道の設定で、真っ向勝負の真摯さを持ちながら、緩めるところは緩め、笑わすところは笑わす。上手いです。これはとっとと1巻買わないと。
登場人物の一人で、いっしょうけんめい駆け回りながら全くおはなしの本筋と関係がもてない主人公の同級生・水野スズメが不憫でならない。みかちゃんの頭が裂けるシーン(注:みかちゃんは主人公のお見舞いに持ってったみかんです)なんか涙が出そうです。涙が出そうなのにおかしくてしょうがない。このへんの描き方もほんとうまいなあ。
強力な敵役が登場して、この4巻でおはなしは大きく動きます。悪人の主人公が人の背負う咎を狩ってまわる、というだけではお話が一本調子になるかもしれなかったので、ここで動かしたのは正解かもしれません。それとも最初からここまでにらんでのスタートだったのかな。
現世での主人公の庇護者的な位置にいる少女・いつきの出番が、この巻ではいまいち少なめ。もう少し増えた方がうれしいと思うのは、単にこのキャラクターが好みだというのもあるけど、ふつうの人間がしっかりお話にからんだほうがよいかなと思ってるためでもあります。いずれにせよ、5巻以降どういう展開になるのか、引き続きたのしみです。
やっとプレステ蟻地獄から脱出。とりあえず、ゲームのない生活をしばらく送る予定だけどいつまで続くか。これ、ある意味では元の木阿弥なはまり方だからなあ。
1で懲りずに2にも手を出す。しかも予約までして発売日に購入。飯塚武史=黒星紅白の呪縛ですたぶん。この呪縛、自分で思ってるよりも強いのかもしれない。
たぶん、自分にとってのこのゲームのおもしろさは、たくさんいるキャラクターのどれをどういう風に育ててどういう風に戦うかという、戦術級SLG的な戦闘パートにその大半があるような気がします。けっこうも今回ゲームバランスがきつめで、しんどいしんどい言いながらやってたけど、そのくらいの方がよかったのかもしれません。ラスボスが1以上に強すぎたのは、たぶんレベルが足りてなかったような気もします。どうもクリアしてないサブシナリオもあるみたいだし。
ストーリーは1よりも暗め。序盤中盤は主人公一行は逃げ回る展開だし、けっこう登場人物の退場も多いし。あまりやってて楽しいという感じはしませんでした。1のキャラクターがたくさん登場して懐かしかったくらいかなあ。
現時点では3が出てももう買わないぞと思ってるけど、出たらどうなるかは自信がありません。呪われてる身だし。
基本的には特記事項なし…なのだけど。なんとなく、「ナルミさん愛してる」 がおはなしを畳み始めた気もします。ここまで2年半続いてるのだな、これ。
「ブタ島フリー地獄」 が最終回。単発読切から始まってけっこうよく続いたと思います。次に何を描くか、かな。
新連載:「代打ちサラリーマン 龍太郎」(黒咲一人)
最終回:「ブタ島フリー地獄」(星久治)
2号は痛恨の買い逃し。ので「鉛筆とナイフ」 の初回がどうだったのか読んでないのでした。走ることのできなくなったスプリンターのおはなし。いちおう今回で区切りはついてるけど、まだ続くみたいです。
ページ数のわりにまんががたくさん載ってる雑誌だなこれ。順番に行きます。新連載という「Baby Pink Skin」 は貧乏まんが家の子育て物語になりそうで、なんだか妙にノンフィクションっぽくもあります。1ページ新連載「SPARKY★」 はManpuku!最終号に載ってたのと同タイトル(ペンネームは変わったようです)で、ポップな絵も変わらないけど、もう少したくさん読みたい。「気になるヨメさん」 はあいかわらず良い。はやく単行本出せ。「足場一番星!」 は真夏の現場作業の様子がリアルです。実体験にもとづいてるのかも。「肌着の夜」 はソフトエロまんがといった風情。このひとのエロは好きなのでこれでよし。「まいったカッパは見てわかる」 はいつもどおり。「目でわかる」の単行本買わないとな。「夜明け前」 はおはなし運びはいい感じなんだけど、そこでノートパソコン捨てたらいけないような気もします。まあでも人生ときには逃げる必要もあるか。
大当たりはないけど読み手のある雑誌。欲を言えばもう少し、もう少しだけ新人さんの読切が多いといいなあ。次号は12月中旬発売とのことです。
1巻に増してのうそ表紙。いや確かにこの妹みたいなのがこの巻大活躍なんだけど、妹みたいなだけだしなあこれ。こうなるとどこまで確信犯で押すかみものです。
内容は相変わらず。考えなしのじいさんと、じいさん謹製のグロテスクな人造人間・しゅーまっはのせいで、右往左往疲労困憊の毎日を送る主人公・彩なのでした。決してじいさんに悪意はないし、むしろ孫である主人公といっしょにいたいがゆえのあれやこれやで、主人公の方だってじいさんを嫌ってる訳ではないのだけど。好意の表現のしかたを間違えると惨事を招くというサンプルでもあるのだな。人の不幸は蜜の味。
巨大ゴキブリ編とこいのぼり編がとりわけインパクトありました。しゅーまっはの死亡率はだいぶ落ちたけど、さてどこまでこの調子で押すのか。行けるだけ行ってしまえ。
気がつけば家の近所でもクマゼミが鳴いてる今年の夏。これも温暖化の影響というやつなのか。クマゼミの鳴き声好きだからいいのだけど。
連載2回目「鋼の錬金術師」 はゆっくりお話を立ち上げているところ。個人的にはゆっくり歓迎で、好みだけで言うならもっとゆっくりしててもいいくらい。1・2回目の準主役だった少女の扱いにこのひとらしさがにじんでいる。それはそうと前髪だけ白い髪の描き方ってヒカル以前からあったのかしら。
ここんところまじめ一方の「ARTIFACT;RED」 。なんかラブ気配まで漂ってます。いっぽう「パンツァークライン」 は久々にギャグ満載の内容。このひとのギャグはけっこうおかしいし、ときどきはこういうのがいいな。
新連載:「666〜サタン〜」(岸本聖史)
最終回:「新撰組異聞 PEACE MAKER」(第1部完)(黒乃奈々絵)
読切:「B型マシンガン。」(富永ゆーき)
フラッパーでいくつか読切を描いている「金妖」で登場。デビュー作の「禁」と同系の中国もので、たいへん上手いのはおんなじながら、まんがの作りを掲載誌に合わせて変えてる感じがちょっとしました。存外器用なひとなのかもしれないなと思います。好みだけで言えばもう少し奔放なほうが好きだけど、いずれにせよ読めるのはうれしい。
「他人の家」にけりを付けた は「ロッシ(とニコロ)の余計なお世話」という新シリーズをスタート。舞台は中世ヨーロッパで、こんどはイヤまんがじゃありません。そうかこういうのも描くのか。こっちでもいつのまにか定着した「シャカイの窓」 に加えて、今回は も「ミネラル太田」というのを描いてます。このひともあちこちに描くな。
ラリードライバーとナビゲーター、癖のある男ふたりを描いた「NAVI」 がおもしろかった。このひとのまんが、個人的にはこういう泥臭く職人的なのがいちばん好きです。
のこれは商業誌では初長編になるのだろう「FIATは元気?」はお得意のFIAT500もの。それに始まりそうで始まらない、もどかしめの恋愛模様をからめたまんがです。まとまりのいい20ページの短編。こちらももどかしいおはなし「カリソメ」 はいつもに増して女性の手足が長いような。この泳いでるシーンなんか10頭身くらいありそう。
雑誌の出るペースに読むペースが追いつかない週末。まあいいや来週は盆休みで本がでないからそこで読めば。でもよく考えたらおれも帰省するのだな。持って帰るか。
めずらしく読切が3本。そのなかで「ヘヴンリィ」 が抜けているのは、やはりキャリアが違うということなのか(あとの2本は新人さん)。よかれと思ったことがうまくいくとは限らないというあらすじの、悲しいファンタジー。ハッピーエンドとはいえないラストで、でも救いは用意してあって、そのあたりのさじ加減がなかなか見事です。いままで絵で敬遠してたのだけど、食わず嫌いだったかこれは。
新連載「シェリフスターズ」 の光吉・石川コンビは、去年エースで短期連載された「宅配屋ポー」のコンビ。あちらのほうが数段好みだなあと思う時点で、この雑誌の想定読者層から外れてるということなのかなあ。「最近のヒロシ。」 はノンフィクションなはずなんだけど、中にカズフサという名前のひとが出てきて、これはラブやんのダメダメ主人公と同名。まさか知り合いの名前を頂戴してるのか。あんなまんがで。
新連載:「シェリフスターズ」(光吉賢司・石川考一+神坂一)
最終回:「未完兵装ルナシャフト」(山口恭史+金子良馬)
読切:「魔法少女しのぶくん」(高橋脩)、「鉄道天使」(えすのサカエ)、「ヘヴンリィ」(井ノ本リカ子)
「Marieの奏でる音楽」 が…。まさかこんな展開になるとは思いもしませんでした。あとはもう、最終回を待つだけ。それだけです。
新連載「DEAD SPACE」 はこのひとらしい、少し不思議で妙に艶っぽいおはなし。読切連載になりそうな気もするけど、現時点ではまだわからない。第2章完結の「夜刀の神つかい」 はいいかげん単行本で読まないとなあ。たぶんかなりおもしろいだろうし。
新連載:「DEAD SPACE」(SUEZEN)
読切:「ノージル博士のキカイなる日々」(福原鉄平)、「おさるのムード」(玉木満)
特記事項なし。いつもどおり「ひまじん」 と「エン女医アキラ先生」 と「ただいま勤務中」 を。そろそろこうの史代の新連載が始まったりしないかなあ。
近所のサルスベリがきれいに咲いている。たぶんそのうちツクツクホウシが鳴きだして、気がついたら夏は終わっているのでしょう。8月がやたら早く過ぎるように思うのは、たぶん間違いなく小中高時代のトラウマだ。
でも今年に限ってはとっとと夏なんぞ終わってほしい気持ちで一杯です。はやく秋来い。
なぜか8月5日の日記が二重になってたのに気づいてあわてて消す。失礼しました。
「吉浦大漁節」 ってカケアミとトーンを併用してるのだな。ほかにそういうまんがあったよななんだったっけとしばらく考えて、鉄筋安坊だったのを思いだす。これ、一人で描いてんのかな。
好みというのないけどでもおもしろく読んでる「ホーリーランド」 は地に足の着いた感じが好もしいです。それはそうと「エアマスター」 はどのタイミングで深道ランキング1位を明かすんだろう。実は空位とか。んなことないか。
最終回:「ダブル」(山口よしのぶ)
「タカハシ君優柔不断」2巻の広告に「どきどき恋の三角関係!?」というあおりが付いてるのは、これはいったい何なんだろう。冗談なのか詐欺なのか。この広告信じて買った人、死んじゃうんじゃないだろうか。
「モンスター・コレクション」 が山を越えたようです。山を越えたというか、押すべきボタンにたどりついたというか、やることはすべてやってあとは転がり出すのを待つだけというそういう内容。いっぽう「クロノクルセイド」 はこれからが山場で、その初っ端でこういうシーンを見せられるとけっこうショックです。どうなるんだろう。たぶんこのまんが、ここからはシリアス一本で押すのでしょう。
「テスタロト」 はトリックスター的なキャラクター・ルチッチがようやく活躍の場を得そうな感じ。しかしこのまんが、人が容赦なく死ぬな。
今は亡きコミック釣りつりに連載していたまんがです。本屋で全然見かけなくてずっと探していたら、先日渋谷・ブックファーストで見つけました。いい本屋だ。
内容はまあ、学園ラブコメを高年齢にシフトしたような設定というか、仕事はそっちのけでフライフィッシングに生活時間のほとんどを費やす主人公と、仕事のできる怖い上司で、でもいつのまにかしょっちゅういっしょに釣りに行くようになった女性と、ふたりのちっとも伸展しない仲を軸に釣りのあれこれを描いたまんがです。女性の方がプライベートでは妙にくだけてるのもセオリーどおりと言えば言える。
でもこのまんが、不思議におもしろいです。釣りなんてやったこともないし、内容もオーソドックスなのに、雑誌連載中からちょくちょく読んでたし、こうやって単行本も買っている。これは達者な作者の筆はこびに乗せられてということなんでしょう。上手い人です。
単行本未収録分はあるけれど、いちおうきりのいいところで3巻が終わってるのが救いかな。このあと「コミック釣り王」でやっぱり釣りまんがを連載してたけど、あっちも休刊してしまって、どうも単行本にはなりそうもない。どこかサルベージしないかなあ。一般誌でも十分に描ける人だと思うし。
ここんところ掲載順番が後ろの方だったので少し気になってた「しゅーまっは」 は今週号では前のほうに載っている。それはよいのだが、最初のページの「ちなみにエサは鱒寿しを…」の意味が3秒くらいわからなくてはてなんだろうと考えて、3秒後に果てしなくブルーになりました。なんつうギャグを。
「O−HA−YO」 の最後の一本に出てくる若妻の男らしいこと。家では三言で済ます女房。なんか今週は下ネタばっかに目がいくな。
「バガボンド」 の今回後半はサイレント。柳生屋敷での斬り合いシーンもそうだったけど、ときどきサイレントシーンで押すことのあるまんがです。絵だけで押せるのはまんが家のひとつの理想、なのかな。
「マントルピースのお天気」 は今回レンガ色が印象的。街中のおはなしのときっていつもこうだったっけ。「純喫茶のこりび」 はめでたく連載化。よし次は単行本だ。
読み出してすぐに、まわりの音が聞こえなくなる。読み終わって我に帰るまでの約20分、外界からの刺激はいっさいシャットダウンされてました。
なかみの感想は最終巻12巻まで措きます。10巻から続いてラストにいたるこのシリーズは、このまんがの総決算なのでしょう。
久しぶりに家から一番近い本屋にいったら、建物から死臭が。ゾンビさんだらけだったわけでなく単につぶれてただけですが。しかしまいったなあ。まんがの品揃えこそいまいちだったけど、けっこうでっかい本屋で重宝してたのに。
プランニングハウスから発刊されていた、ドラゴンファーム三部作の一巻め「ドラゴンファームはいつもにぎやか」を改題のうえ復刊した本。作品の出来から考えてどこかしら出しなおしてくれるだろうと思ったけど、ハヤカワJAというのはやや意表でした。でも別にどこから出ようといっこうにかまわない。待望の復刊です。
文庫判解説の言葉を借りれば「イヌとウマとタカを組み合わせた」生き物のような竜のいる世界。首が長くて羽根が生えててしっぽがあって飛べないけど滑空ならできる、そういう竜たちを牧場で飼っている、もと領主様の誇り高き没落貴族の家に生まれた、兄姉姉姉の下の5人兄弟の末っ子。厳格な父親と個性豊かな姉たちにはさまれて、ひとくせもふたくせもある牧夫たちに混じって竜のふんと牧草まみれで働いて、眠るのが好きだけど朝寝坊もできなくて、出奔した兄と自分との差にコンプレックスを抱いていて、でもどこかのんびりしていてユーモアもあって。フュンフと呼ばれるそんな少年が主人公。
もちろん貧乏牧場の苦労話に物語が終始するわけではなく、竜が出てくるからファンタジーというだけではなく、おはなしはちゃんと波乱万丈だし、ちゃんとファンタジーらしい場面も用意しているし。いい意味でサービス精神にあふれたおはなし、と言っていいかもしれません。若年読者でも読めるおはなしだけど、大人にとっても十分おもしろい。
それ以上の特徴として、とにかく読みやすい。読み手をあっという間に引き込む。べつに久美沙織のファンでもなかったわたしをたちまち引きずり込んで三部作五冊を読破させ、そのうえ復刊されたらされたで再読だし急いで読むこともないのにやっぱり読みたくなって、結局ラストまで一気に読ませてしまう。実はこの読みやすさにはそれを狙った仕掛けがあって、狙いどおりに実現してしまう腕前はでもやっぱりすごい。プロだと思います。
これはちょっと先走るけど、三部作全体のラストシーンはほんとに印象的で、ああいいおはなしを読んだなあとしみじみ思ったのを覚えてます。新規読者にもそこまでたどりつけるよう、早川書房が全巻無事とも復刊するのを心待ちにしています。どうせ復刊したらまた読んじゃうんだ。
オズタカヒロ、とぶ。「イヌっネコっジャンプ!」 はこれ、少しずつスタートラインに近づいてるのかもしれない。どんだけ寄り道してもいいけれど、前にも書いた気もするけれど、やっぱりこのまんがには最後まできちんとたどりついてほしい。引き続き楽しみにしています。
「春よ、来い」 は主人公・高史がほんとうの気持ちに気づく。ほんとうの気持ちってあんた、そりゃ錯覚だよとか身もふたもないことは言っちゃいかんのでしょう。さて時計の針は元に戻るんでしょうか。
新連載:「ドラゴンスロッター茂」(岡村茂+なっつん)
シリーズ読切:「ほぐし屋 捷」(村田ひろゆき)
読切:「実録24時」(野村潤)
せっかく推してもらったのだけど、わたしじゃぜんぜん無理です。そんな強くないですっておれは。
作中の実戦形を作ってるのが監修の梅澤由香里四段だとしても、仮に一部は過去の対局から採っている(真偽は不明)としても、おれとではレベルがまるっきり違います。草野球のレギュラーと松井(どっちでも可)くらい。だいたい今の自分と入段したてのプロとで、五子か六子くらいの差があると思ってくだされば。ほんとにそんなもんですむのかという気もするけれど。
完全な形で棋譜が掲載されてないのではっきりとはわからないけど、あのまんがの一手一手についてあれこれ言えるのは、アマチュアなら県代表クラスぐらい(このあたりで自分と四子)じゃないかなあ。少なくともわたしの手に負えないのは確かです。
おお「全力!かちわりホームラン」 が目次に載ってる。今回はお約束ねたながらそれで押し切ったところが吉と出ました。わけわからん。「ガタピシ車でいこう!!」 はアユちゃんがどんどんひでえ女に。いやもとからか。
「ヒミズ」 はまたもやいやな登場人物が。読んでていささか悪意あたりしました。まんがは避難所じゃない、ということか。「しあわせ団地めめちゃんの鍵」 は夏向きのねた。
ここんとこ最終回が多いこの雑誌。その中でも「機神」 の終わり方は豪快というか無茶というか。最後に登場人物増やすか。
同じく今月で最終回の「魔剣X ANOTHER」 はいまいちよくわからんまんま、強烈なイメージだけ残ったまんがでした。どだいこれを単行本読まないで理解しようというのは虫がよすぎるのかもしれない。
こちらは新連載の「アベノ橋魔法☆商店街」 、アフタヌーンの同名まんがとはまるきり別物。これ、どこまでが脚本でどこまでが作画者の持ち味なんだろう。ここんところひそかに好調な「カスミ伝△」 は枠線がテーマ。
新連載:「アベノ橋魔法☆商店街」(出口竜生+GAINAX・あかほりさとる)
最終回:「STAND☆BYみ〜ちぇ!!」(永野のりこ)、「機神」(第一部完)(永井豪)、「魔剣X ANOTHER」(林田球)
読切:「ぶらざぁ びっぐす〜最後の聖戦編〜」(リョフタロ)、「ウィズ」(栗原一美)、「ぷぎゅる」(コンノトヒロ)
なんで三谷のねーちゃんが36位なんだ納得行かねー。というのはおいといて。
12巻の倉田六段のキャラクターがたいへんいい。179ページの寄り目の表情とか。こういう感じの人、実際にいそうな気がします。
そして13巻、後半の対局。今日の最初にも書いたとおり、例えば白38手目、佐為が右上隅に打った手の善悪なんかまるきりわたしにはわかりません。じゃあお前だったらどこに打つんだといわれても、やっぱりよくわかりません。むつかしいですこの碁。序盤の展開は白の趣向で、黒はどちらかというと言われたとおり打っている(それで悪くないと思っている)のかなと思うけど。この碁は作ったのじゃなくて実戦譜が元になっているような気もするけど、真偽のほどはわかりません。
とにかく14巻が楽しみです。14巻に限らず、ずーっと次巻が楽しみなまんまです。このまんがは。
うちのFEPが「もえよ」をまっ先に「萌えよ」と変換したのはショックでした。そんなに使ってないはずなのになあ。
「野蛮の園」というそのまんが、冒頭の高等専門学校における学生生活をうんんぬんという紹介を読んでそうか内幕ものみたいなのか思って、コロリとだまされたことに5ページ目で気づく。いつものじゃん。すばらしいまでに迷いのない内容であります。
蛇足ながら307ページの(C)藤井ひまわりと書いてあるのは同人誌「七転八倒ひめあられ」のキャラクター。こんな日本で数百人しか買ってない本から引っ張ってくるとは。
2話の残り+3話という変則掲載の「ヘウレーカ」 はあたりまえのようにおもしろい。しかしこのひとのまんが、人体切断シーン多いな。へなへなギャンブルまんが「燃えよ!札束」 は競艇誌女性編集者の描き方がおもしろかった。フィクションだそうですが。「ハレエション」 は結局3回目で最終回。いいキャラクターなんだけどな、この女性。
少年エース連載作。漢字にふりがな振ってあるのが違和感ありまくりの大人むけまんが。もちろん大人むけまんがを子供が読んでいけないわけではありません。
SMクラブの女王様とかけ持ちで口寄せ屋(イタコみたいなもの、でいいのかな)をやっている女の子が主人公で、こういう設定だとえてして霊のたぐいがキャラクターとして登場して、生身の人間なみに活躍したりするけれど、このまんがでもたしかに霊は出てくるけれど、でもそれは「霊」という独立の人格をそなえた存在ではありません。出てくるのはあくまで、死んでしまった人間です。
いじめられて首を吊った中学生。赤ん坊の後を追って死んだ若い母親。強姦殺人の被害者。このまんがではずっしりと重たい死がいくつも描かれます。まんがにおける死の扱い方という点で、このまんがはかなり特異なまんがで、なにもまんがでこういうの描かないでもと思う人もいるだろうけど、現実世界にいろんな死がある以上、まんがにもいろんな死が登場していいと思うし、ふつうに暮らしている分にはほとんど見えないけれど、このまんがで描かれるような死が実際の日本に存在しているのも確かなのです。たぶん、そんなに珍しくないくらいには。
主人公・崔樹深小姫のキャラクターと、あいまあいまにギャグをはさんだ展開が、しんどい内容のわりにこのまんがを読みやすくしています。画力と変なギャグセンスを兼ね備えた目黒三吉の起用も当たりでしょう。オリジナルので読んでたときより、絵のうまさはむしろ目立つくらいです。
デビューから3ヶ月連続登場になる「ものものがたり」は骨董屋さん(でいいのかな)舞台の連作短編ふたつ。上手くなってます。ページの右左に活字を連ねるような実験的なこともやっているし、まんがとしてもどんどんしっかりしてきているし。このままの勢いでどんどん描いてくれるとうれしいな。
いきなりSF巨編っぽい展開を見せた「そして船は行く」 。このタイトルってもしかしてそういう意味だったのか。それとも早合点か。
読切:「ものものがたり」(深木紹子)、「Fairy Tales」(OKAMA)、「メイド日記」(GEMINI)、「海の姫」(浅見淳)
いくら鉄砲肩だからって曽我部にピッチャーやらせることないだろうと思うぞ。そんなにピッチャーいなかったっけ。阪神のファームの話です。曽我部は2軍定着中の外野手。
「ゲッチューまごころ便」 の登場人物たちがいまいち男女の区別がつきにくいのは、みんな長髪気味でまつげも長めだからかな。4人のうちひとりは女かと思ったけど。未読部分埋めないとなあ。「ななか6/17」 はなんだかラブコメみたいになってきた。もとからそうなのか。
あれ、先月号の感想書いてないや。読んで買ったのは確かだけど書き忘れたか。
いちおう最終回の「お嬢様と犬」 は10月再開だそうです。このまんが、今まで読んだこのひとのまんがのなかでは抜けてシリアス寄り。まだおはなしはこれからだし、再開を待ちます。
個人的2本柱の「レネゲイド」 と「ガディスランギ」 はどちらも依然として緊迫した展開。おもしろいです。一部で波紋を読んでいる「ジャスティ」 はもしかしたら前後編なのかもしれないけど、いったい何年ぶりなんだ。高2の冬に入院してたとき「ラグナロック・ガイ」を読んだ記憶があって、それよりも前だったよな。
夏バテを起こしたようでなんだかへろへろです。西日本はまだまだくそ暑いのだなあ。せめて32、3度くらいにならんもんか。
「マントルピースのお天気」 が6回連続で始まってます。前回は9ヶ月前に5回連続。内容とともに掲載ペースものんびりしてるなあ。でもそろそろ単行本分くらいたまってないかな。「えの素」 は全裸アイススケート。もちろん葛原さんとかじゃありません。
新人さん中心の読切ばっかり16本、意欲的な増刊です。分厚いんで読むのがえらく遅れてしまったというのはただの怠慢の言い訳。
おはなしでは「中途退学物語」 かなあ。目的もなくただかったるい高校生活の雰囲気をうまくつかんでると思います。でもって絵のほうは断然「カスミガウラー」 。女の子がかわいいというのは前回Manpuku!最終号で読んだ「さよーなら」と同じ感想だな。だらりと進むおはなしもこれはこれで悪くないと思います。思い切って無駄ゴマをつかったほうがもっとよくなるかも。たくさん描いてほしいです。
ヤングアニマル掲載作。連載終了から刊行までの1年8ヶ月は、おはなしを納得行く形にまとめなおすのに必要だった期間なのかもしれません。半分あきらめかけてただけに単行本になったのはうれしかった。今回、第6話の最初から16ページが加筆されています。
まんがサイエンスをのぞけば、程度の差はあれどはすに構えたまんががほとんどだった作者が描いた、初めてと言っていいくらいまっすぐな物語。教科書を放り出して実験ばっかりやってるやんちゃな女先生を慕う3人組の少年と、悪悟りしたような仮面をつけたもうひとりの少年の、空回りしながらも懸命に進もうとするおはなしです。最終話は個人的には100%満足ではない。先生と少年たちが顔を合わせないままで終わった方が好みだったかとか思ったりもするけど、でもそんなのは全体からすれば些細なこと。純良なまんがだと思います。
作中に出てくる小型ロケットがまともに設計されたものだというのは、連載時にWEBのどこかで見て知っていたけど、物語のきっかけになったというのは作者のあとがきで初めて知りました。ほんとうにこれ、静止軌道まで飛んで行くんだろうか。見てみたいです。
暑いのはとりあえず今日まで、明日から関東地方はしばらく涼しいそうな。なんか季節がずれてるような気がしないでもない。
読切「りなことお兄ちゃん」 がおもしろかった。主人公の女の子と久しぶりに会った兄の、遠いようで近いような微妙な距離感がうまく出てると思います。起承転結がはっきりしたまんがではなくて、こういうタイプの日常漫画はとても好みというのもあるかな。
「しあわせ団地青の広場」 は団地オンリーのおはなし。空回りする好意。やがて悲しきふたりかな。
裏表紙のiモード麻雀ゲームの広告を眺めていて、暗カンの牌の中2つが裏返しになってるのが気にかかる。あれこれ逆じゃなかったっけでもおれもずいぶん打ってないから記憶違いかなあと思いまんがの方でしらべてみたけど、「カリフラワー」(市川智茂)は大ミンカンスタイルになってて問題外。「凌駕」(渋沢さつき)のはほんとに大ミンカン。結局「アカギ」 で確認できたのだけど、それともこれ流派によって違うのかな。
それはそうと今回の「アカギ」はとうとう1話でツモ1回。つぎはぜひ0回に挑戦を。これにくらべりゃ7回もツモってる「萬(ONE)」 はかわいいものです。
いったいどこに載ってたまんがだろうと思ったら、エースダッシュの1号とエースの98年10月号〜12月号が初出とか。エースダッシュは確か1号だけ買ってなかったっけ。エース本誌を買い出したのは99年終盤からだし。
というわけで全然知らないまんがながら、妙なタイトルにひかれて購入。なかみは「ふざけた親父の薫陶のせいで自分を悪に立ち向かうサイボーグだと思いこんでいる」女の子と、それに振り回される幼なじみの少年のおはなし。全4話。少しだけラブ風味のすっとこどっこいコメディで、なんも考えずに読めてとても楽しいまんがでした。このひとこういう変なまんがも描けるのだな。
併録の「山手零番館」(原作・金谷ゆうき)はエース桃組2号に載った読切。雑誌掲載時にかなり印象に残っていたまんがで、こういう形で本に収録されたのはうれしいです。なにやらこの設定でシリーズを立ち上げる構想もあるみたいで楽しみです。まずはシリウスの痕を描き切って、そのあとになるのかな。