8月も終わり。南関東ではなんだか奇妙に涼しい、9月みたいな8月でした。台風まで来たし。
「(被)警察24時」 2回目。背景とかトーンとかこれまでにないくらい丁寧なんだけど、えーもっとラフでいいよと思うのです。このひとの絵はラフであればあるほど味が出る珍しい絵なのだし。もしかしたら編集サイドの注文なのかなあ。
こっちは「キャラメラ」 の2回目。まだ伏線を張ってるとこかと思ったらなにやら登場人物が増えました。三角関係になるのかな。
「デビューマン」 が載ってるよ。いったいいつ以来だか思いだせないくらい久しぶり…という表現はたいていは比喩的に使われるんだけど、このまんがに限り、ほんとにいつ以来だか思いだせない。3年くらいは経ってるような気もする。そして3年たっても3人組は相変わらずなのでした。トビはしょっぱなから「肉が見てえよ」とか言ってるし。
ほかにもいろいろ読むとこあるのだなあ、と買って読んで思う。 のまんが(「妖怪仕置人」)なんてほんとに久しぶりに読んだよ。もしかしたら次号も買うかもしれない。
新連載「ピルグリム・イェーガー」 スタート。この組み合わせはいい意味でかなり意表を突かれました。確か2600枚だったかのデビュー作を書いたという原作者が、どういうストーリーを展開させてくるかにもかなり興味はあります。それを抜きにしても伊藤真美のまんがが毎月読めるのはうれしい。楽しみにします。
もうひとつ新連載なのが4コマの「ヒミツの保健室」 。主人公は保健医。このまんがもそうだし大塚留希(終末さん)もそうだし沖田(グッティー)もそうだしほかにも山ほどいた記憶があるけど、まんがやゲームに登場する保健医ってなんでこう男っぽいんだろう。実際こういう保健医さん多いのか。うちの学校は気さくなおばさんだったのだが(別にそのことに不満があるわけでもないのだが)。
新連載:「ピルグリム・イェーガー」(伊藤真美+冲方丁)、「ヒミツの保健医」
古田の離脱はたいへん痛いのは確かだけど、うまく回れば控え捕手育成のチャンスでもあります。というかうまく回りそうな気がします今のヤクルト見てると。
でもショートは三木と城石しかいないのかしらん。まあ守備第一のポジションだからむりやり度会にやらせるよりはまだしもなんだろうけど。
「プラネテス」 が載ってます。ここ数回の物語を経て、悪魔に憑かれたかのような形相をしていたハチマキから、すっかり憑きものが落ちた感があります。無鉄砲にでも軽はずみにでもなく、でも隣町へ行くような顔で木星へ。ここからこのまんがはまた再スタートなのでしょう。「マントルピースのお天気」 は6回中4回目。
おめあては「かしましハウス」(秋月りす)ではなくほかのだったりします。「サイダースファンクラブ」 とか「これがおススメ!」 とか、ちょっと悲しい「てくてくポポ」 とか。「トライアングルぱーてぃ▽」描いてる は前見たときは絵が秋月りすそっくりという印象だったけど、ずいぶん独自の絵柄になってきたように思います。けっこう好きだなこの絵。
「出来過ぎた話」 はどういう話かいなと思ったらたいへんしょうもないダジャレおちでした。これで絵をにざが描いたらにざかなという塩梅で。「オトコの結婚マニュアル10」 は足かけ8年という隠れ長期連載で、作者のルポまんがのおかしさはしっかり発揮されてます。くらオリのほうは4コマになっちゃったし、いまや貴重な連載だな。
たぶんこれ目当てで買ってる人もいるだろう「カデ」 は8ページの掌編。あとを引く終わり方です。このひとがあっちこっちに描いてるこういう短編、そろそろまとめようという出版社は出ないものか。
「浦安鉄筋家族」 読んで笑う。ねたとしては基本中の基本なんだけど、筆力(というかまんが力というか)あるなあ。あと「迷探偵史郎シリーズ」 をいつのまにか毎週読むようになってしまった。絵も話もなかなかいいかげんなまんがで、シリアスなのかギャグなのかも判然としない。そのいいかげんさがなぜか癖になってます。
あがりました、夏のロケット。よかったよかった。
腕吊って松葉杖でタバコなんか吸ってる場合か赤坂あ。まあまずは元気でよかった。いっぽう夜の学校に何も知らず入り込んだ新顔の生徒たち。来月は殺戮かね。…とこういう書き出し方をするとタイトル出すタイミングがないな。「DARK EDGE」 の話ですこれは、なんてまぬけな書き方になる。まあいいや。
短期集中の「Blue I's」 はここまで堅調です。もしかしたらもっと上積みがあるかもしれないし。楽しみ。
新連載:「DesrS」(PEACH-PIT)
再録本かな、と思ってたら違いました。なんだか得した気分。
「七転八倒ひめあられ」の新作と1ページまんが「無敵の逆走野郎」と「みけ子は如何にして中型免許を取得したか」の3本入り。お気楽な雰囲気とぐにゃっと曲がる手足もすてきな絵(へんな説明)はいつものとおりです。いいな。
このひとのまんが、登場人物がとてもいきいきとしてるのですが、彼女ら彼らのしゃべる広島弁(たぶん)がみそなのかもしれません。言葉が生に近い方言の効用、かな。
珍しくかわいい女の子が、と思ったらストーカーものでした。ページ数が少ない分は場面場面を切り取ることで補って(このへんの手際は実に達者)、最後はぶっつりと切って。このあとどうなったか、それは読み手の想像にまかされます。不意に立ち去ったか、それとも針が逆に触れたか。危うい均衡。
すごく興味深く読みました。おはなしがたいへんリアルで、それはたぶんこれが「10%くらい実話」(あとがき)だからというのもあるのでしょう。
目の見えない登場人物が「ケーキは好きじゃない」というシーンが強く印象に残る。自分の思ってる形とまったく別の真実が、世の中にはたくさんあるのだろうなと、あたりまえのことをあらためて思ったり。このシーンを踏まえてのラストシーンもよく効いてます。このまんがはたぶん、ずっと覚えてるな。
いっけねえ今月号電撃大王の1ページ新連載「一撃殺虫!!ホイホイさん」(田中久仁彦)について触れるの忘れてた。1ページだけあって内容的にはとりあえずたあいのないすべりだしだけど、このひとの絵は個人的にストライクゾーンど真ん中なのです。またまんが描くとは思わなかっただけに、こっそり小躍りしてます。もっとページ数増えたらもっと躍ろう。
「しあわせ団地妻の寝言」 は6回連続の最終回。今回ははじめとさなえしか出てきません。妻にむりやり仕事をさぼらせ、一日連れまわすはじめ。くるしそうな寝顔で始まりいつもの憂い顔で終わるさなえだけど、はじめに連れまわされているうちにつかの間、連載始まって以来かもしれないあどけない笑顔を見せています。まだ19歳だもんなあ、こういう顔だってするよなあ。たまにはこういうこともなくっちゃな。
BE-BOPが落ちた代わりに「妹は思春期」(氏家ト全)「人造人間オワライダー」「ガタピシ車でいこう!!」 と読切が3つ載ってます。「人造人間オワライダー」はしょうもなさに徹したところにおもしろさが生まれてるかな。「ガタピシ車でいこう!!」はエンジンにターボ代わりの掃除機接続。いったいこのまんが、どこまで実話なんでしょう。
「足洗邸の…。」 がタイトル変えて新装開店。読むたびに思うのは、ゲーム絵と妖怪まんがを融合した結果絵と内容の双方とも変質したようなこのひとのまんがは、たぶん普通にゲーム絵が好きな人からも、普通に妖怪まんがを好む人からも、微妙に敬遠されるのかなあということ。そのかわりにどのジャンルにも属しない特異な立ち位置を手に入れてるのだから、収支はとんとんなのかもしれない。こういう話を描くひとは最近は増えつつあるかな、でもこういう絵で描くひとはほかにいない。そう思います。
「辣韮の皮」 は特別編込みの2本立て。おもしろいのだけど果たして笑っていいもんだかどうにも抵抗のあるまんがであります。深刻な意味ではなくふと気がつくと自分の背中が見えているような恐怖があって。古本屋まんが「美本前世紀堂」 は久々の登場。ブックオフ問題とややからめた内容になってます。共存できるかな、できるといいな。
シリーズ読切:「美本前世紀堂」(くら☆りっさ)
読切:「鬼洞門」(福原鉄平)、「電脳処方箋」(赤津豊)
「ゲッチューまごころ便」 は図書館来訪記。このまんが、現実世界への橋渡し役として学習まんが的な内容を含んでることがけっこうあります。もともといろいろ知ってるのか、調べて書いてるのかはわからないけど、この地に足の着いた感じはけっこう好きだな。
あれ?ゴツボ×リュウジのまんがが載ってない。正確には新人賞募集ページの1ページまんがだけ。先月2本描いたせいかな。
その代わりに今月はニューカマーが何本か。そのなかのひとつ、「なつめヴルダラーク!」 は主人公が眼鏡っ娘じゃないぞびっくり、じゃなくて人狼少女もの。むかしコミドラに載った「へなちょこヴェアヴォルフ」の性別ひっくり返した設定です。このひとの作風には少年まんがでこそ生きる部分が確かにあると思うので、再登場してくれるとうれしいなあ。これの続きでもまた別のでもいいから。
「Dr.リアンが診てあげる」 はすっかり下ネタ連発まんがに。なんだこのくだらんまんがはと難じることはおれにはできません、なぜなら一個所爆笑してしまったから。不覚だ。「四ツ葉のクローバー」 は例によってののんびり読切。こっちもここんとこ安定してます。
巻頭カラー「成恵の世界」 はタイムスリップしたついでにネズミに変身しての後編。ぶっとんだ設定で情感ある話をやってのける芸風はすっかり確立した感があります。みごとなもんだなあ。「シリウスの痕」 は実に容赦ない展開。「天然濃縮オレンジ戦機」とは180度違う内容だけど、おそらくこれはこういうまんがなのです。
最終回:「RED SHADOW 赤影」(短期集中)(加倉井ミサイル+横山光輝・斉藤ひろし)
読切:「四ツ葉のクローバー」(米倉静香)、「あたためますか?」(百やしきれい)、「なつめヴルダラーク!」(西川魯介)、「雨の音が聞こえる」(前編)(やまざきもへじ+大塚麻己子)、「master・piece」(玉山大吾)
「季刊モホ面」のほうは7号までとおんなじ、「ダメなやつら」+ゲーム業界ねた+「約束の地」という構成。ダメなやつらも約束の地もおはなしがなかなか進みません。前者は確信犯的に、後者はたぶん構成上の必要でもって。こりゃもう第30号くらいまで続けるしかないでしょう。
「別冊」のほうは普通のサラリーマンの主人公と、知人で発明家を自称する男の物語。淡々と進んでから不意に結末な展開を迎えるこれ、おもしろいです。いくばくかの悲哀をたたえた不思議なおはなし。なにが解決するわけでもないけど、こういうの好きだな。
なんとも説明しにくいまんがです。いちおう学園ものっぽいのだけど、舞台設定は近未来のある惑星、ということらしい。実際プランツマン(植物人間)の先生なんてのが出てくるから、SF/ファンタジーまんがといえばそうなんだけど。でも内容はしっかり学園まんがだし。
そういう変わったまんがだけどなぜかおもしろい。登場人物がごちゃごちゃと出てきていろんなことをしゃべって、でもって最後にちゃんとまとまるという、学園まんがとしてのおもしろさをきちんと備えています。現実の日本、という枷をとっぱらった分、そのおもしろさをより純化することができたのかな。
編者曰く「仮面舞踏会」だそうです。正体がもろばれでも知らん顔するのがおきてだとか。書きにくいなあ。
えーと内容は「1」にくらべてエロ要素がずいぶん減ってます。エロありの人は仮面外してもエロありを描いてるような。「股がおぼえてる」(あらづきづき)の力の抜けた絵がなんだかすごく好きなのですが。いっそこっちで押してくれてもいいくらいに。唐沢商会風うんちくまんが「人体改造序説」(勿来他所見)はこれはこれでおかしかったです。
再録集。「らんどすけーぷ」、「なっちゃんの雪」、「A.PLACE.TO.BE」の3本収録。3つとも読んだことあるけど全然OKというかまとまってたいへんうれしいです。湖上に建てたバンガローでのきままな休暇を描いた「A.PLACE.TO.BE」はこのひとのまんがのなかではかなり最初のほうに読んだのだけど、やっぱりいい。
こういうまんがまた描いてくれないかな…と思ってあとがきを読んでうれしくなりました。作者も十分その気みたいです。期待期待。
時代劇です。自転車盗まれ侍は正義の味方で強いです。弱者を助けて悪を斬ります。でも自転車盗まれます。へんなの。
「Thourgh the woodland」は野原で遊ぶ少年少女を描いたまんが。初めてのオリジナル本ということで、このころはまだかわいらしい絵柄の完成される前だったみたいです。その登場人物の中から3人を抜き出した半イラスト半まんが本が「Pair Off」で、この本ではもう今の絵になっています。ずいぶん変わるんだなあ絵って。
「よっすだわん!?」は2人誌の完全なイラスト本。「marguerite」は少女に手折られて心ならずも野原から少女の家に移ることになった一本の花を擬人化したおはなしで、ほのぼのとしたまんがです。絵本みたい。
手にとっていいなと思って作者名たしかめずに買った本。あとで見たらフラッパーでデビューして最近オリジナル増刊にも描いてる佐々木泉の本でした。びっくり。
「マクルの巫女」はファンタジー。神占の言葉にしたがって巫女を探す男が見つけたのは、金色の瞳を持つ少年だった…からはじまるおはなしです。最後のどんでん返しもきれいにまとまった好短編。「the Imaginary Blue」はがらりと変わって、自分の生み出した人工生命がネット上に出て行ったために起こる騒動を描いてます。商業誌では中国ものと西洋風ファンタジーだったし。かなり広いバリエーションでまんがを描くひとだとあらためて思います。
絵の魅力は言うまでもないのだけど、どっちかというとラフな方がより好みかもしれません。あくまで個人の好みとしては。
4コマ・2コマ・4コマ・3コマ・2コマで計5本。登場するのはこのひとのまんがではおなじみのショートカット+セミロングの二人組。このコンビたいへん気に入ってるのでうれしうございます。また読みたいな。
やおい本でした。作画はかなり達者。たしかにこういうかわいい男の子はいないわけではないかなあ。内容的にはやや守備範囲外でした。
柄の大きな猫耳キャラクターの描き手としてかなり前から知ってた人だけど、まんが買うのは初めて。なぜか機会がなかったのです。
ちゃんと犬歯がするどくてしぐさとか獣くさいところがいいな、このひとのキャラクター。まんがの内容はへっぽこ探偵ものだったりするのだけど、肩の力が抜けてていい感じです。
連戦連勝の女性キックボクサーと、マネージャーをつとめるその姉。持ち込まれた八百長話に憤り、飲んでいた酒場で素人にKOされ、警察で涙を流す。わたしは弱くなんかないはずなのに…
黒子の役回りで彼女を導く刑事がたいへんいい役どころです。絵に力があっておはなしもしっかりした、正統派のまんが。ラストの絵は会心じゃないかなこれ。とても上手いひとです。
とある城下町で、沼にひそみたわむれに人をひきずりこむ悪さをする妖怪がいた。ある日彼は、沼のほとりで闇討ちにあおうとしていた少年藩主を(そんなつもりじゃなかったのに)助けてしまい、感激した藩主は彼を家老に取り立ててしまう。沼男が侍になった、だから沼侍。
なんだかふざけた設定なのですが、そのくせこのはなし、まっとうな物語としてちゃんと完成しているのです。けっしてギャグというわけでもなく。おもしろい、すごくおもしろい。しかもむやみに上手い。こりゃいいや。
バンドやってる威勢のいい女性と女々しいめがね男のラブコメ。これはたぶん、軟弱めがね男好きな女性のためのまんがかもしれない。女々しくてもよいよ、というまんがでもなさそうだし。
完成されたなかったまんがの登場人物が語り手のメタまんが。あたりまえだけどメタまんがであるだけではなくまんがでもあります。
描かれなかったまんがの登場人物は存在しなかったことになるのか。どの段階で登場人物が存在するとみなすかにもよるのでしょう。紙の上で形になった段階か、物語として完成したときか、それが他者に読まれたときか。それともそのずっと以前、作り手の意識上に現れた時点で存在したことになるのか。たとえ一瞬で忘れられたとしても、忘れられた/記憶されているでもって区別するべきではないだろうから。それとも、記憶されているということが存在しているということなのか。
そんなことをいろいろと。示唆に富んだまんがです。たぶん考えることは人によって全然違うのだろうな。
つき合っていた相手がプールで溺れたとき、わたしは校門でずっと待っていた。待ちきれなくて駈けていってれば助かったのに、でも校門で待ってた。とちゅうまでいっしょにプールにいた友達は、彼をおいて途中で帰った。残っていれば助かったんだろうけど、でも途中で帰った。
そこで時間がとまったかのように、ひとつところを回る思考。大好きだったから忘れられない、のではなくて。ほんとうは伝えたいことがあったから。伝えたいのにもう伝えられなくて、どうすればいいのかわからない。
そんなまんが。未完だけど気になりません。魅力的。
すこし近藤勝也っぽい表紙にひかれて買った本。地図を見つけて宝探しという名目でちょっと遠出してみた女友達の一日、というおはなしです。人物の表情はけっこういいと思います。これでト書きに頼らずストーリーが動くようになればぐっとよくなるかな。
タイトルどおりの内容。正直、一読者としてこういう告白を読むことにとまどいがないわけではありません。それはそれとして、作者の勇気に敬服するところもあります。
まんがの内容も含めて、この本で問いかけられていることがらは極めて複雑な問題をはらんでいて、ここで簡単に触れられるようなことではないのですが。結局は、一人一人にとってどういう世の中であってほしいかということと、生物としての人類のキャパシティ上、どういう世の中まで許容できるかということと、その二点に集約されることなのかもしれません。
書籍のデジタル化が終わった日本でただ一軒残る古書店。そこの主人と、通い詰める本好きの孫と、本のなかから現われ実体化する登場人物。ファンタジーです。このサークルの本としては例外的に、ブラックな部分はいっさいありません。いいおはなしです。
こうやって少しずつ、作風が広がっていってるところなのかな。もともと作画力は無敵なのだからいろいろ描ければ鬼に金棒というやつでしょう。それはそれとして、鉄のぎざぎざ2の後編も楽しみです。
「一人暮らしのナッちゃんと、その炊飯器のものがたり」という「starchman」。炊飯器が擬人化されて(人型に)描かれているあたりがいっぷう変わっています。旧式だけどがんばる炊飯器。失敗してはぽろぽろ涙を流す炊飯器。はからずも吉田戦車「一生懸命機械」に通じるものがあります。
「candycandy」は山で行き倒れた男と、それを介抱する不思議な女。いつしかいっしょに暮らすようになった二人、だがある日男は持っていたクーラーボックスを見つける。彼はそれにキャンディを詰めて山を上っていたのです…というところで終わっている。続きはこれから。待ちます。
「ノット ア サウンド アズ ヒアド」は鍋から出てきて電車に乗ってた彼女をさらおうとする魔王を、みごと銃撃してしりぞける彼氏のおはなし。または夢想癖のある男性と、彼をこよなく愛する(たぶんそうなのです)女性の物語。さっぱり要領を得ない自分の話にいらだちあきらめかける彼に、にっこりわらっておもちゃの銃をわたすシーンがとてもいいです。
現実と空想の境界線をあいまいにしたまんま平気でおはなしを進めるスタイルがたいへんユニークです。どんどん描いてほしいなあ。
「はすむかいのたかしさん」というまんがが収録されてます。世界観は作者の商業誌作「大浮遊船時代」と共通してるらしいのだけど、悔しいことに未読なのでわかんない。何冊かは持ってるんだけど揃うまで読みたくないし。
で、主人公はどうやら別世界観の作者の持ちキャラで、そういう意味での実験作のようです。ただのデブに見えてめちゃくちゃ強いというあくの強いキャラクターで、純粋にまんがとしてもけっこうおもしろかった。作者にとってはキャラクターが言うこときかずに閉口したまんがだったみたいなのですが。
単行本化記念なのかたまたまなのか、長谷川てつやが「ATOMIC CAFE−ワニの悩み−」を描いてます。人口抑制のために開発された装置のため、男女が互いに見えなくなり「異性」という概念も忘れられたという設定。ブラックなおちもこのシリーズらしいまんがです。
「カッパが見えるんですが」(ブンタン)は突然カッパにつきまとわれるようになった女の子のおはなし。だからってインターネットの掲示板(明記してないけど2ちゃんですこれは)に書き込むのはやめたほうがいいと思うな。おちはしょうもなくてよいです。「きかんしゃトクミツ2001」は脱線して格闘まんがになってしまった。予定どおりなのかな。
このコンビでの合同本は恒例だけど、今回は合作まんが。かつて人間にそだてられたカラス天狗の少年が主人公です。和風ファンタジー。
画集。中世ヨーロッパ人物像が多いせいか、宗教色を若干感じたりもするけど、作意がそこにあるかどうかはわかりません。もとはCGである絵が多いかな。
「先生の荒れた胃袋」はギャグ。わがままお嬢様な主人公の名前はサルモネラ・ノイローゼ。父はウイルス・チフス、母サッカリン。執事はアルツ・ハイマーで先生はスカンピン・ペテンでメイド3人がマラリア・ヘルニア・ジフテリア。なんとなく雰囲気を察していただけるとありがたいです。のりとしては古賀亮一から煩悩を抜いてわがままお嬢様を投入したような感じかなあ。ダメせりふが連発されえるあたりに共通項が見いだせます。
お嬢様が暴れ、変態さんぞろいの脇役がかけずり回る風情のやりたい放題ギャグまんがなんだけど、実は作画がものすごく丁寧なのですな。背景もこまごまと描き込んでるしトーンもびっちり貼ってるし。この丁寧さは特筆していいと思います。
これだけの労力をかけてこんなへっぽこまんが(けなしてるのではない)を描き上げる作者の心意気には敬服いたしまする。どうぞこれからもこのまんまこの続きを。
「反省の色なし」は小ネタ集といっていいのかな。ストーリーのない分脱力感も倍増であります。おもしろさでは胃袋のほうが上かな。
今回は回想編です。時系列順では第一部の前にあたるのかな、これ。東京編はあと1回で終了予定とのことです。
サターンでの発売は1997年、プレステに移植されたのが1999年。今さらなのかもしれないけど、でも一度はやっとかないととずっと思ってたゲーム。いつかやらなくちゃと思ってた宿題にやっと手が付いた、始めたときはそんな気分でした。
ゲームスタイルはオーソドックスな一本道RPG。戦闘や魔法のシステムは工夫がしてあって、昔ながらのRPGと言い切るのは適当ではないけれど、タイプとしては王道RPGです。ひねくれた好みに育った悲しさで、個人的には一本道王道RPGっていまいち好きじゃなかったりします。
元気な少年の初めての冒険で始まったストーリーは果てしなくふくらんでいき、主人公・ジャスティンはしまいに世界の命運まで両肩にせおうことになります。おはなしの始まりから考えると、すこしでっかくなりすぎたかなあという気もします。エンディングで得られるカタルシスを考えると、ある程度おはなしが大きくなるのは当然だしやむをえないことなのだけど、もうちょっと身の丈にあったストーリーでおさめることもできたように思います。まだ15歳の主人公なのだし。
トータルエンディングもややどうだっかな。しめくくりの方法としては使いつくされた手法だし、いったんジャスティンには家に戻ってほしいなと思っていたので。終盤の王道RPGならではのセリフまわしも含めて、このゲーム、決してどんぴしゃりということはなかったと思います。もう少しひねりがあったほうが、個人的にはより好みに近かったでしょう。
にもかかわらず。
このゲームは久しぶりに初回プレイ時間が50時間をオーバーした(最終的に70時間になりました)RPGだったのだけど、日常生活に支障のないよう懸命に抑制してたのは途中までで、後半から完全にたがが外れてしまいました。最後の3日間でトータル40時間、食事の時間も惜しむようにプレイし続けて、最後の1日は起床した昼12時から翌朝5時までぶっとおし。めしも食わずにチョコレートかじりながらやってたらもうろうとしてきて、しかたなくレトルトカレーをこしらえて、食べながら続けてました。こんなにすべてを放り出してゲームをやったのは、ほんとうに久しぶりです。
元気で楽天的でつんのめり気味に進む主人公・ジャスティンのキャラクターと、これだけの大作RPGなのにこれでもかというくらい細かいところまで作り込んまれた、スタッフの心意気さえ感じるような内容と、くさなぎ琢仁キャラクターデザインの表情豊かな登場人物たち。ほかにもいっぱい要素はあるけれど、ここまでのめりこむことになった理由をあえて挙げるとすれば、この3つになるのでしょう。でも、最初のほうでも好み好みとうじゃうじゃ書いたけど、このゲームの評価について自分の好みでもってあれこれするみたいなもったいないことは、おれにはできません。これはそういうゲームじゃないと思います。
4年前のゲームをいまさら、と思っている人が世間にどれくらいいるかは知りません。ただ言えるのは、ドラクエでもFFでもない世界観を持った正統派RPGがやってみたくて、ある程度のプレイ時間を割く余裕か覚悟のあるひとならば、このゲームをやらない理由はなにもないということ。やってみておもしろいかもしれない。期待外れかもしれない。それはやってみないとわからない。でも少なくともおれは、今さらながらでもプレイしてほんとうによかったと思っています。
CD屋を探しまわってようやく見つけたサントラCDを聞きながらゲーム中のシーンを思いだして、でも一番聞きたかったダイトの村のテーマが入ってなかったので、セーブデータとゲームCDをひっぱりだして聞き始めたら、あっという間に涙が出てきて困りました。ゲーム中にも一度落涙してるし、いつの間におれはこんなに涙もろくなったのでしょう。そのままではなにもできなくて、しょうがないから音楽を止めてこれを書いています。
エンディングにたどりついてから1ヶ月ほどたつのですが、リプレイしてみたいという気持ちと、ファーストプレイ1回きりでとどめておいたほうがという気持ちと、両方の間でずっと逡巡していました。何の予備知識ももたずかけずり回った初回プレイと同じ体験は二度とできないけど、でもやっぱりもう一度、パームの町からはじまるストーリーを追っかけてみたい。いずれ時期をみてリプレイしてみようかな、といまでは思い始めています。こんどはゆっくりと落ち着いて。
世間を騒がし始めてから約1ヶ月、ようやくサーカム君が我が家にもやってきました。しかも2通。
ミッフィー5.xlsってなんだろう、と興味をそそられたけど、とりあえずとっとと削除。ついでにHDD中の全ファイルにウイルスチェックをかけようとしたら、ファイル数が20万もあったので途中で断念。たぶん20万中15万はごみです。
買って読むのはすごくひさしぶり。調べてみたらほぼ1年ぶりだった。
の新連載「キャラメラ」。立ち読みですますつもりだったのに、手にとって最初に開いた251ページを見たら、身体がいうことをききやがりませんでした。このひとの描く中学生男子の表情やしぐさには、どうしようもないくらいの魅力があります。初回51ページはもう大満足です。
その中学時代を駆け足でとおりすぎて年を重ねた主人公を描く次回以降、楽しみですすごく。やっぱ買わんといかんのかなあ。定期購読週刊誌がいきなり2誌増えるのか…
やってきました南の島。「ハネムーン サラダ」 は登場人物浮かれまくりの今回です。エクストラステージかなこれは。
毎回毎回書いてるけど「吉浦大漁節」 がやっぱりいい。いつまでたってもいいまんまなのですごく幸せな昨今です。続け続けどんどん続け。単行本出ろ出ろ。
妙に読むのが遅れてしまった。けどそんなことはどうでもいい。「毒々姫」 が素晴らしいのです。
最初に男言葉の少女とこどもっぽさを残す侍の息子が出てきたときは、けっこうよくある設定だなとか思っていたら、少女によくわからん花を吸わされた少年のちんぽ(失礼)がいきなり巨大化したあたりから雲行きがものすごく怪しくなる。結局巨大化したちんぽは外骨格のように少年と少女を包んでドラゴンの形になり、それを少女がむりやり少年に操縦させて、自分を追ってきたこれも巨大な敵と戦うという展開。気でも狂ったのかというようなこと書いてるけどかなり内容に忠実ですこれ。
それでも少女がかわいいしまあいいか…という読み手の逃避先までもが終盤で根本から破壊されて、あとに残ったこれはいったいなんなんでしょう。こういうカオティックなまんが大好きです。これでこそ四季賞だ。素晴らしい。
今号ではもうひとつ、冴えないサッカー少年と天才サッカー少女のラブラブででもどこか痛くてでもやっぱりラブラブなやりとりを描いた「You'll never walk alone.」 もたいへんよかった。'Te quiero!!'はニュアンスとしては「大好き!」という感じが近いのかな。
身を切るようなまんが家ねたの「ラブやん」 はあいかわらずおかしい。高レベルで安定してるシリーズ蟲師の「雨がくる虹がたつ」 と、「もっけ」 もかわらずおもしろいです。「もっけ」は少年少女大活躍につき満足。このひとの描く丸顔はたいへん好みなので。
今回でおしまいというギャグ大喧嘩のなかではやっぱり「くまがゆく」 がいい。かわいい絵柄と毒を含んでとぼけた内容、というスタイルで落ち着いてきた感もあります。そういうのぶちこわすような読切なども読んでみたい。ギャグではもうひとつ、「おかゆさん」 も興味をひきました。変なことがたくさん起きるけど全体としてのんびりした不思議なまんがです。それまでの内容と無関係なラストのまとめかたもおもしろい。今号は読みでがあったな。
読切:「You'll never walk alone.」(玉置勉強)、「おかゆさん」(吉田とむ)、「くまがゆく」(あたまん)、「日曜日」(いしだゆうじ)、「おすすめのカワイイ」(林実日子)、「ブードゥー」(硯九介)、「II−ツヴァイ−」(近藤有史)、「毒々姫」(番次郎士)
スーパーで晩飯を買ってバスに乗ったら、これまで渋滞したことのない帰り道がなぜか大渋滞。なんでこんなところがと不審に思ったまま10分、4台の玉突き事故現場を見て謎が解ける。しかし高速でもないのによっぽど先頭車がむちゃなブレーキ踏んだのかな。
ところでこんな日に限って、たまたまスーパーでソフトクリーム買ってたりするのでした。帰って即冷凍庫に放り込んだけど、あとで食ったら妙にしゃりしゃりしてたような。
リンク集に無風地帯を追加しました。日記中に出てくるまんがのセレクションがよくかぶってる。文章がうまい。書かれている内容も自爆的でおかしい。最近とみに愛読しているサイトです。
「マントルピースのお天気」 が6回中3回目。リョーさんの誕生日ねたなのだがこのひと何歳なんだろう。年齢不詳。
めでたく単行本も出た「ジャジャ」 があいかわらず好調。独特のネームの多さにもすっかり慣れました。会話のテンポがいいから苦にならないのだなたぶん。
読切後編「美女で野獣」 はお約束の展開。このお約束にまんまとはまってしまうおっちょこちょいさがこのひとの描く主人公の共通項か。「ロケハン」 はやや予想外の展開に。仁浦さんが脇役で千野さんがメインなのか。えーでもそれじゃあ仁浦さんの立ち位置が。
新連載:「ラーゼフォン」(百瀬武昭+出渕裕)
読切:「美女で野獣」(後編)(イダタツヒコ)
ここんところ難しい展開が続く「破壊魔定光」 。自分の手を汚すか、身近な人間を見捨てるか、これまでに増して難儀な選択を強いられる主人公。やるしかないのかもしれないけど、でもやるしかないのか。答えは次号。またはそのあと。
どうも最近ギャグまんがっぽくもある「Happy World!」 、今回の内容も例外ではないのだけど、まんが家志望の少女が締め切った部屋で原稿用紙に向かう、その目つきがすごく印象に残りました。この目はたぶん知らない者には描けなくて、そして全国いたるところで毎日、こういう目をしたまんが家とまんが家予備軍がいるのでしょう。だからこれだけたんとまんがが読めるのだ。
最終回がふたつ。「アラハバキ」 は結局シリアスだったのかなあ。やや作意が見えないまま終わってしまった印象があります。「プロペラ天国」 はぐるっとまわってまた最初から、でいいのか。単行本読んで確認だな。
新連載:「ぷちモン」(七瀬葵)
最終回:「アラハバキ」(六道神士)、「プロペラ天国」(富沢ひとし)
読切:「NEEDLESS」(後編)(今井神)、「呪力戦隊リクワイヤー!!」(今井神)
5年も前のまんがなんですな。にもかかわらずちっとも古くなってないのは特筆ものなのだけど、古くなりようがないような気もします。フォロワーが登場しようのない作風じゃないかしらんこれ。
主要登場人物は4人、広めにとればもうひとり。うち3人は女の子に見えるけど、ひとりは確実に男で、ひとりはそのまま女でよかったはず。もうひとりも女だったような気もするけど自信ないです。3人の性別についてだれがどういう認識をしてたかとなると、もっと自信がない。
男に見えるふたりは男でいいのだけど、途中から片方がもう片方に惚れてもうたいへん。惚れられたほうは女に見える男に惚れてて、その女に見える男が男装(というのか)した姿にほんとに女の女の子が惚れてしまって、たぶん女だった女の子はほんとに女の女の子に惚れていて。わけわかりません。わけわかりませんってちゃんと確認してから書けと怒られそうだけど、そんなもったいないことできるか。当分このままほっときます。
見ようによってはジェンダーを乗り越えたまんがと言えなくもないような気がしないでもないけど、たぶん間違いなくそんな作意はなくて、無差別に大砲ぶっぱなした結果ジェンダーも何も全部ふっとんでしまったというほうが正確でしょう。ラストは当然のように未完だけどまるで気にならない。だいたいどうやってこんなの完結させるんだ。
見返し部分に「お便りは確実に吉本蜂矢先生に!!もしかしたらお返事も……!?」と書いてあるの見て、「お返事なんて書かんでいいからまんが描けまんが」と思わず毒づいてしまった。最後にデビューマンが載ったのって何年前だったっけ。もっと描いてくれよう。年に2回でも3回でもいいから。
子供のころホームにいたら通過列車のアナウンスがあって機関車が見えて、わくわくして通過を待ったら機関車1台っきりで「あれ?」と拍子抜けした…首都圏在住者の自分にとって、今回の台風ってどこかそんな感じだったです。
そりゃもちろんあとあとまで雨風が強い状態が続くよりよっぽどいいのだけど。でも中心の西側半径300kmの強風はどこへ行ってしまったのでしょう。上空通過直後からずっとそよ風状態だった台風は初めての経験でした。
これからしばらく買うことになりそうです。目当てはもちろんというか「(被)警察24時」 。いきなりベテラン刑事が頭にスパゲッティのっけて登場するところがこのひとらしい。最後はまともに落としてたのは、ある程度一般性を考えてのことでしょう。
ほかの連載もひととおり目をとおして、「まるごし刑事」 の内容になかば呆然とする。なんだろうこのラストは。日米友好おめでとうはいいけど前からこんなまんがだったっけ。
年に何回か「あずまんが大王」 で爆笑する日があるのだけど、今日がその日でした。大阪おもしろすぎ。
えーと今月号は書くことがたくさんあります。暗黒妖精まんが「Little Worker」 は今回16ページも載っていて、絵も妙にリアルで、でも結局主人公たちにいいことはひとつも起きないのでした。 はもう一本、「エバーグリーン・アベニュー」というゲーム原作のまんがも描いてて、こっちはページ数に比して登場させないといけない登場人物が多すぎた感じ。そいでもって来月から「魔法遊戯」というアニメ原作まんがの連載始める見たいです。むう、できればオリジナルで読みたいなあ。でも毎月読めるのはそれはそれでめでたいしなあ…
サマーキャンペーン特別連載というよくわからん名目の「みのライカ」 は今回でいちおうおしまい。終始一貫して冷たい毒しか吐かない変な連載でした。おもしろかったけど。また冬に再連載があるそうな。
連載開始から半年以上たつ「神無−KANNA−」 、最初はとばし読み気味だったけどいつのまにかちゃんと読むようになってます。まだおはなしはどこへ行くのかわからないけど、このひといい絵を描くんだよな。ゴクドーくんのころから気にはなってたのですが。絵といえば連載2回目「Brilliant Machine」 の絵もけっこう好きだ。こっちもおはなしはまだこれから。
ときどき載ってると思ってたらもう8回目になる「苺ましまろ」 は、あいかわらずテンション低くのんびり進むテンポがいいです。登場人物のひとりが使う関西弁がなじむのかな。1ページに2個所、正反対の意味で「自分」という言葉が使われていて、これ全国的に意味通じるのかなとふと心配したり。再々登場「不思議な妖精ピサチ」 は例によってギャグ脳を抑えきれなくなった結果の読切でしょう(ほんとか)。毎月描けばいいのに。
最終回:「みのライカ」(短期集中)(後藤なお)
シリーズ読切:「苺ましまろ」(ばらスィー)
読切:「エバーグリーン・アベニュー」(桂遊生丸)、「不思議な妖精ピサチ」(林家志弦)、「こはるびより」(みづきたけひと)、「Little Worker」(桂遊生丸)
学校になじめず、母親に理解されず、駅のホームにぼーっと立っていたらいつのまにか周りに人がいない。改札もなくなってる。同じホームにもうひとり少年がいて、彼にお前は死んだと告げられ驚く主人公の少女。彼の説明によると、間もなく上りと下りそれぞれの電車が来る。下りに乗ればこの世に戻り、上りに乗ればあの世へ行く…
主人公の選択にもう少し強い動機づけがあったほうがよかったかなあ。でもまじめでていねいないいまんがです。お約束を少しずらしたようなラストもうまくまとまってていいな。
「NON FICTION 5」はタイトルのとおり。作者の学校時代の体験などを描いたお気楽まんがです。
「Paradise a Go Go」はいきなり野郎が野郎に告白されて、実はその野郎には女の子の霊が…というおはなし。これもまあ気楽に読めるまんがかな。
相原こうのまんが目当てで買った本。すんごくストレートなタイトルどおりの内容でした。純良なまんが。
短編ふたつを収録。タイトル作はひとことで言うと女の子の本音まんがというか、安彦麻理絵が描くまんがと似た色調です。パンツ一丁で自分を連れ戻しに来る彼氏が登場。
もうひとつの「それが乙女の祈り」はこれもひとことで言ってしまえば野エロまんがで、途中の詩的な展開は池部ハナ子を連想させるけど、最後にぶんと放り投げるところが全然違う。「むくむくと隆起する我が野性よ!」そうだこれがこのひとのまんがなのだ。って読者が決めることではないのだけど。
女の子が夜散歩をしながら、自分のイメージ世界に沈んで行って。最後にぽん、と現実に戻ってくるところの描写がいいです。夢から醒めたようなそんな感じ。よくわかりますこういうの。
不格好なテディベアの行く末を描いた「テディベアのクリス」は童話のような美しいおはなし。「犬と浮き輪と優しい女の子」は無謀にも転生3回目で人間に生まれようとした少女と、たまたま天上で知り合った男性のおはなし。「精界より思いを込めて」は人におもわれることで存在を始めた小さな神のまんがです。宗教的なものがテーマの本だったのかな。
いじめられっ子とその使い魔が、いじめた相手に復讐するという、救いも何もないまんが。
全面的に肯定する気にはなれない。でもこのまんがが描いたなにかが、現実のある側面を(そしてしばしばきれいごとで抹消されようとする側面を)描いてるのも否定できない。このまんがの作意とこのまんがの存在意義が一致してるのか微妙にずれているのか、カモフラージュされている可能性があるのでこれもなんとも言えない。むつかしいところです。
説明不能。世の中に説明不能なまんがは数あれど、これはその中でも決定的に極北に位置する。まったく、どうしようもないくらい内容紹介も感想も書けない。どうしよう。
意味不明の落書きというのがこれを形容するのに一見すると一番近くて、でも決定的に違うのは、これにはやはり意味と、なぜかストーリーも存在するのです。このひとのまんがの中に限るなら、整理された部類に属するかもしれない。じゃあおまえはこのまんががわかってるのかと問われたら、「わかりません」としか答えようがない。「わからないけど伝わる」というのは、「ワガランナァー」の最終回、最終ページのアオリの言葉でした。
なんだかものすごく眠いのは台風が近づいてるせいか(どういう理屈だ)。それにしてものんびり台風だこと。人はともかく台風ののんびりはなあ。
「としうえの魔女たち」 が最終回。きれいにまとめたと言っていいのでしょう。ほかにどういうまとめかたがあったかと問われてもにわかには思いつかないし。ただこのラスト、清孝は結局呪縛から逃れぬままなのだよな。そこまで意図してのラストなのかな。
「TAG」 の主人公は隷従することの快楽を自覚し始め、「AFTER S」 では初回から一転純愛の気配を見せ、「PERFECT」 はなんだかよくわからんまんま暴走の限りを。瞬間最大風速的にはこの号がもっとも連載陣のあくの強さが目立ってるような気もするけどこれは単に気のせいかも。ももえは坊。知らない坊。
新連載:「Berryエクスタシー」(大島永遠)、「ピュア・ロード」(NYAN)、「BOYS'n GIRLS」(小菅勇太郎)
最終回:「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)、「魔女っ子先生パステルファルナ」(宇佐美渉)
読切:「ぴょん太でいっぱい」(之瀬ハルオ)、「幾何学の起源」(まぐろ帝國)
新連載「永遠のグレイス」 、初回はなんにも起きず。出だしでなにかが起こりつつあることだけにおわせ、登場人物を順に紹介してそれで終わり。なんとも心憎いすべり出しです。この登場人物たちがカタストロフに巻き込まれる、というようなおはなしになりそうな感じ。
「エビアン・ワンダー」 には設定上のキーパーソンがひとり、実世界での(たぶん)キーパーソンがひとり登場。作者独特の概念らしい「銀符」(初登場時はエイジスとルビふってました)にまつわる設定はまだはっきりとは明かされないけど、もちろん急ぐことはなし。ゆっくり行きましょう。
「ふわふわりん」 がとてもいい。このひとの一方の長所であるリリカルな不思議世界が存分に発揮された短編です。このまんまどんどん。2号前の「溺れずノ市」に続く登場の「イツマデの絵本」 は、絵の魅力はあいかわらず。まとまりをやや欠くおはなしが、克服されるべき課題なのか、それともこのまま伸ばすべき個性なのか、現時点ではわかりません。まだどうとでも変わっていけると思います。
新連載:「永遠のグレイス」(伊藤伸平+川崎郷太)
読切:「中庭」(オオシマヒロユキ+猪原大介)、「イツマデの絵本」(騎崎サブゼロ)、「堕ちゆく猿」(どざむら)、「オレンジ」(五代英輔)、「ふわふわりん」(山名沢湖)
大人になってよかったと思うことを挙げよと問われればいくらでも挙げられるけど、ひとつ悲しいのは台風が来て警報が出てもお休みになんないことです。ずぶぬれになろうが出勤しなきゃいけない。せめて通勤時間だけは少し休んでておくれ。
「GoodMorningティーチャー」 が本になります。あなめでた。あとは特記事項なしかな。
「ピアノの森」 が新章突入。事実上ここから第二部でしょう。前回から年月を隔てて登場人物たちはどうなっているのか。こどものまんがとして申し分のなかったここまでの展開、少年のまんがとしてここからはどうなるか。注目です。
読切:「北の物語」(坂本久作+史村翔)、「実録24時」(野村潤)
新連載「立つんだ!幸子」 はおやじが夜逃げして残された女の子が主人公で、一回めは借金取りのやくざがやってくるも情にほだされたところでおしまい。このひとのまんがで一話完結スタイルでないの、もしかして初めて読むかもしれない。さてどうなるでしょう。
「しあわせ団地ドモンホルム先生」 はなんかまた変なひとが。なんでこう、変な人ばっかり集まってくるんでしょう。「ガタピシ車でいこう!!」 は前回掲載(別冊ヤンマガ)に引き続き実体験にもとづいたっぽいとんでもない話。ベンツは偉大だ。「バカ姉弟」 は今回は巻末。
べつにどうという内容ではないけど、ゲスト掲載の「かなづち▽マーメイド」 が印象に残る。だいたいそういう場合は主人公がつぼだと決まっているのです。難儀なことです。煩悩退散。かたぎりわかなは例によって4コマ1本。
手順前後で読んだ第1巻。そうか主人公・清麿ってこんな頭のいい設定だったんだ。そうか水野スズメってクラスでひとり主人公を遠巻きにしない人として登場したんだ。なんであんな三の線キャラクターになってしまったのだろう。あれはあれで楽しくてたいへんよいのだけど。
というわけで2巻から買ったのは間違いでした。1巻から読んでも躊躇なく2巻に進んでいたでしょう。反省。
1〜3ページの短いまんがを集めた本。とりとめもないしわかりやすくもないしていねいに仕上げられてるわけでもないけど、絵柄と内容の両方に、もしかしたらすごくよくなるかもしれない可能性を感じます。方向指示看板を追ううちに迷子になってく鳥少女がいいな。
女子高生と女の先生の登場するまんが。なんだか全然内容説明になってないのだけど、女の子どうしが仲良くする内容を理解するだけのバックボーンが、いかんせんわたしには全然ないのでした。異世界なんだよう女子校って。
ビームに広告で載ってた猫耳少女の本、といえばビーム読者は覚えてるかもしれません。わたしもあのビームの広告で初めて知ったのでした。
で、絵柄に引かれて買ってみるとおもしろい。22世紀からやってきた猫型アンドロイドと主張する、どこかうそくささ漂う猫耳少女型アンドロイド・ネコサス6号。とれても3秒以内にひっつければ大丈夫な猫耳となぜか尾てい骨もついていて、マウスはOKだけどキーボードが苦手で、どうも帰るところのないらしい彼女と、いきなり彼女に来襲されて難儀な目に会う主人公とのかけ合いは、寒々しくもたいへん楽しいです。これ、商業誌の毎号連載でもいけるんじゃないかな。
次の機会があれば、このサークルの本は全部買います。おもしろいや。
4つまんがが載っていて、そのうちinoko+おかぼん名義のノンタイトルまんがが気になって買った本。少年が知り合いの(たぶん年長の)少女を自転車に乗せて少し遠出、というだけのまんがで、こういうなんともないまんがはもとから好みだし、抒情味のある絵は絵でひっかかります。もう少しまとまったので読んでみたいかな。
作者身辺実録4コマの10冊め。例によってたいへんおかしい。ガスマスクで郵便受け取りに出るのはどうかとかくしゃみは後頭部ぶっ叩くと止まるってほんとかとか。作者のサイトでも読めます。
1年半ほど前に刊行された「キツネ洋食店」の続編。動物を擬人化したまんがはたくさんあるけど、擬人化したうえで人間と動物の共存というテーマに正面から取り組んだおもしろい本です。気持ちが通じればなんとかなる、ではなく、現実の制約をきちんと踏まえてみせたこのまんが、すなおにそのままファンタジーとして読んで、あとはどう解釈しどう消化するかは読者次第なのでしょう。異人種交流の比喩を読み取るか、そのまま人間動物の共存をテーマととるか。
4ページ鉛筆書きコピーまんが。女の子同士のキスシーンだらけの内容はともかく、このひとの絵は鉛筆書きでもやっぱりいいな。でも次はできればペンで。
戦死した友人の弟宛の手紙をもっておとずれた語り手。語り手がたまたま尋ねた相手が語る、届け先の少年をめぐる顛末。兄=友人の恩師の家にあずけられてひどい扱いを受けて、ある日包丁を振るって。終始落ち着いて、しかしすでに生きること/生きる意味を見いだすことをあきらめた様子の少年。届ける相手のすでに失われた、読まれることのなかった手紙。もし少年の生前にその手紙が届いていたらどうだったか。そう問うたところでしかたのないことなのだけど。
悲しくどこか幻想的な物語。物語に文句なくマッチした絵。ひさびさにこのひとのこういうの読めてたいへん満足です。うまいなあ。
小ぎたないなりで飾るところのない美術教師にあこがれた女子高生のおはなし。girl meets teacherものの王道を行くストーリーで、たいへん丁寧につくりこまれたまんがでした。こういうおはなしってどれくらいの人が実体験として経てきてるんだろう。
出てくる人みな変人(というか変態)のハイテンション・ギャグ。一昨年に出したバトルマハラの続編らしいのだけどいかんせん本編が未読でなんのことやらちっともわからん、というか本編読んでてもたぶんちっともわからん、というかわかるとかわかるとかそういうまんがじゃない、というまんがです。えーと主人公は決闘にでかけたけど相手は忘れていた、のだな。あらすじ要約してもしょうがないなこれ。
シリーズ4作目。おのれの鈍感さに無自覚な善意の少女の登場が、主人公の暴走少女・滝沢さんの暴走に拍車を掛けます。目をおおいたくなるような展開。あと2・3冊続くというこのシリーズ、いきつくところまでいきつかざるを得ないのでしょう。
戦地から届いた、宛名のないまんがをめぐる顛末記。設定のユニークさを十分生かすにはややページ数が少なかったかな。描かれなかった設定もたぶんいろいろありそうだし。
短いまんががいくつか載ってるなか、「Marie」(カモトタツヤ)と「CANDY SNOW」(いちぢく)のふたつが気になる。主に絵が。とくに「CANDY SNOW」のラストの絵。どちらも4ページと短いまんがで、できればもう少し長いので読んでみたい。
故コーヒーブレイク連載まんが、これにて完結。雑誌で初めて読んだのは3の途中からで、でもそのあと休刊まではほぼ欠かさず買ってました。フィクションとノンフィクションがごちゃまぜになった変幻自在(やりたい放題?)の内容がたいへんおかしくて好きでした。ひさしぶりにまとめて読んだけど、やっぱりおかしかったや。
どうやら休刊は事前に知ってたらしく、ラストはきれいに終わっています。まあこういうまんがだから再開しようと思えばいつでもできるだろうけど。どこかでまたやんないかな。
横浜の細見投手の登録抹消事由「水虫悪化」というのが気になっています。そんなになるまでほうっておいたんだろうか。それとも薬の効かないやっかいな水虫だったりするのか。
「STRAY CHICK」は腕っぷしの強い男と羽の生えた少年と、ふたりが町で出会った少女をめぐるおはなし。わりとオーソドックスなファンタジーです。「わかりやすくしよう」と思って描いたまんがとのことで、そういう意味では成功してるかな。
「ぽらぽら」は落書き本。あまり落書き本を買う習慣はないのだけど、絵にひかれてつい買ってしまった本です。はしもとしんから奔放さを減じて少年まんが色を濃くしたような絵、かな。あまり自信のないたとえだなこれ。
いいつくろいようもなくはっとりみつるのまんが目当ての購入。その「ふどーそん」は少女ひとり少年ふたりがかくれんぼをしていて、古井戸に隠れた少年が気がついたら宇宙を回っている…という不思議なまんがで、主人公の名前が「たかひろ」というのがどうも気になります。イヌっネコっジャンプ!につながる話なのか、アナザーストーリーなのか。
風呂場のとびらを開けたら、そこにしゃがんでいた姉。裸の下半身の下には洗面器、そしてその中には大きな卵…
性的な隠喩と民話のどろりとした部分を含んだ、短いけどきれいにまとまったまんが。受精し胎児のかたちをとりはじめた卵を淵に帰すシーンも、それからまもなくのラストシーンも、両方とも鮮明な印象を残します。作風はこれまでのこのひとのまんがと同系ながら、完成度では屈指でしょう。空想世界へと脱線していくあとがきも本編とよく合っています。
マッチ売りの少女の翻案もの。最初と最後はいっしょだけど、マッチ=大麻の銘柄名で少女はギャングのパパに命じられてそれを売らなきゃならないという、まあそういうまんがです。絵はぜんぜん似てないけど、どこか高橋葉介の初期短編に近いブラックさを感じました。
たいへん細長い紙に描かれた、こびとさん(寝てる間に働くやつ)の10コマまんが5本。アイデアマンだなあ。このひとらしく媒体に凝ってるだけじゃなく、たった5本だけど個性にあふれるキャラクターが何人も出てきて、楽しいまんがです。最後に次に続くみたいなことが描いてあるんで期待。
ねこみみ好きの作者らしい、ねこみみメイドさんのまんが。それが「難民」というあたりにこのひとの独自性がかいまみえるけど、今回はわりと普通のまんがでした。珍しく、せりふを追っていくだけでおはなしがわかったし。
城に住む君主と息子と、その池になぜか住みついた龍のおはなし(龍の棲む国/水上左人))と、閉じられた町にただひとつ、バスが来るわけでもないのに存在するバス停をめぐるおはなし(タイトルなし/ミズタナシコ)。後者がおもしろかった。
バス停に来るバスに乗ってみたいと思いそれを口にし、クラスメートから変だと言われる主人公の少女。箱の中に住んでいることを望んでいても、ふたをされると息苦しくなるというたとえがわかりやすい。長じたとき少女はその疑問を持ちつづけたままでいられるのか、それともいつのまにか忘れてしまうのか。町と町に住む人はいつまでそのままでいられるのか。暗喩に富んだおはなしです。
今日はゲームねたばかり3発。
〈その1〉エロゲーコーナーで流れていたデモムービーが気になったので、ぼんやりと眺める。ヨーロッパ舞台という設定も紹介されてるあらすじもいまいちピンとこないけど、でもこの色使いはきれいだなあ、いったい原画だれだろうと思ったら、相田裕@JEWEL BOXだった。9月までゲーム買う気はなかったのにやばいなこれは。あいたた。
〈その2〉ガンパレ外伝ドラマ(だったと思う)CDのジャケットに描かれてるこの少女はだれだ。新キャラなのか、それとも舞が髪おろしたらこんなんなるのか。どっちだろうすごく気になる。
〈その3〉新キャラといえばコンシューマーに移植されるカナリヤのポスターに、こんなやつ知らんぞという女の子がひとり増えてた。これはほんとに新キャラらしい。デモムービーを見ていて、このゲームの日常シーンを自分が思ってたより気に入っていることに気づく。新作(グリーングリーン)はやっぱり買わないといけないのかな。
今月号来月号で最終回を迎える連載がたくさんあります。「ネオジバン」 も次でラストか。まあ、ここでまとめるのもきれいな終わり方だしそれはそれで。
いっぽうで今月号から始まったベタなお色気まんが「ウッハ!ハーレム学生寮」 。これを読んでるうちに電車を乗り過ごしたという事実にめっぽうブルーになる。そんなにいっしょうけんめいこのまんが読んでたのかおれは。絵は確かにけっこう好みではあるんだけど。まるで中坊のようだ。嗚呼。
最近あちこちに載ってる「ガタピシ車でいこう!!」 がここにも載ってる。このまんが、「実体験をもとに再構成されたフィクション」らしいのだけど、今回のこれも実体験が元なんだろうか。すごいな。
新連載:「ウッハ!ハーレム学生寮」(松浦まどか)
最終回:「レゾレゾ」(サガノヘルマー)
読切:「あいつのSOS」(富咲男)
「放課後バドミントン」 がいいです。バドミントン部を引退した高校3年生3人の、なんということはない日常のひとこまといえばそうなんだけど、後半の展開がやや唐突といえばそれもそうなんだけど、やっぱりこの絵は魅力あるなあ。このひとのまんががアンテナにひっかかるのはこれで3度目で、3度とも作者名でなくまんがのほうでひっかかってます。たぶん、よくなればもっとよくなる人だろうと思う。
こっちはこっちでやっぱり他愛もない夏休みの1日が舞台の「ノアノア」 、後半の地震→津波という展開にはややびっくり。こういう大技も使うのかこのひと。いやでもこういう読切の上手い人がたくさん読切描いてくれるのは、やっぱりうれしくてなりません。ようやく単行本にまとまり出したし。
ライバルものサッカーまんが「鉄壁D」 は作画に力がこもってます。このひともマークしとこう。「X−クロス−」 はあっさり最終回。ちょっと展開を急ぎすぎた気もするけど、これで予定通りなのかもしれない。
最終回:「X−クロス−」(旭凛太郎)
シリーズ読切:「水の鳥」(山田玲司)
読切:「ノアノア」(秋重学)、「放課後バドミントン」(戸田尚伸)、「頼まれ屋」(堀口純男)、「鉄壁D」(柿崎正澄)
淡々としたエッセイまんが「頑固なペンチーピン」 をけっこうおもしろく読んでます。この雑誌、自分にとってはショートコミックやエッセイまんがのほうがむしろ楽しみかもしれない。「むこうぶち」 は別として。
「アケミのテーマ」は名刺代わりの8ページ。きれいなカラーページも含めて、ほんとに名刺だなこれは。作風はぜんぜん違うけど、なんとなく志摩冬青のショートコミックを思いだしたりしました。先生と生徒ねたがここでも使われてるのは、もしかして好きなんだろうか。
今月号はゲストがもうひとり、3度目の登場になる「ひみつの花園」 。当然のようにフルカラー。今回はきれいにまとまってていいな。
「エブリデイズ」 は言われてみると、1ページに詰め込まれたセリフの数は相当なものがあります。コマ割りも変形ゴマを多用してかなり特殊だし。ということにいままで気づかなかったのは、このまんがの雰囲気や内容が好きで、ゆっくりゆっくり読んでたからということらしい。気づいてからもやっぱりゆっくり読んで、やっぱり気にならない。思ってたより変わったまんがであるみたいだけど、個人的にはこういうまんがの表現方法もありだと思います。基本的にはネームの多いまんがって好きじゃないはずだけど、そのほとんどが会話で構成されてるあたりがみそなのかも。