ときどき日記(20010716〜20010731)

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2001/07/31(火)

 遠くに飛んでってしまった自分の脳みそをやっとこさ回収。リハビリ中です。

 これを書いてる最中に、山田風太郎氏の訃報を知りました。いつまでも生きていそうな人だったけど。ご冥福をお祈りします。

電撃コミックガオ!2001年9月号

 ヒューマンファンタジーとの触れ込みで集中連載「Blue I's」(きむらひろき)がスタート。しっかりした滑りだしだと思います。残り2回でどうまとめるかな。
 「エペリュージュ」(臣士れい)が変態まんがだという見方は間違ってるのでしょうか。なんだかうるし原智志のまんがと同種のなにかを感じます(到達位置はずっと手前だけど)。いやたぶんほかの読み方もあるんでしょう。そうに違いない。
 「エルフを狩るモノたち」(矢上裕)には主人公のひとり・淳平の日本での知り合いで、身長が足りずに相撲取りになれない「長尾」という男が出てくる。でもってその男そっくりの山が標高300mに足りないので丘としか認められないうんぬんというのが今回のおはなし。長尾っつうのは舞の海の本名ですと蛇足の補足をいちおう。それはそうと「あいこでしょ!」(大井昌和)のハルちゃんが煩悩秘孔を突いてきてたいへん困ってます。どうしよう。

新連載:「Blue I'S」(短期集中)(きむらひろき)
読切:「エヴァーグレイスII」(後編)(菅原健)、「環境娘」(いわさきまさかず)

ヤングキングアワーズ2001年9月号

 「HELLSING」(平野耕太)はどうやら本気で毎号連載になるみたいです。めでたい。「エクセル・サーガ」(六道神士)はいまさらのように火事の原因編。この顔でなかみが岩田っつうのはものすごく違和感があるのだけど、当然狙ってやってるのでしょう。やれやれ。

新連載:「スパイダーズレコード」(短期集中)(堤芳貞)
読切:「NANA」(いかみはじめ)

快楽天2001年9月号

 やっとこさ単行本が出てめでたい「LAD:UNA」(伊藤真美)が載ってます。とびとび掲載でいいから完結までぜひ。アワーズで新連載始めるらしいのが少し心配だけど。ぜひ。
 激漫で描いていた堀博昭「射てまえキューピッド」で初登場。極道キューピッド二人組というホーリーブラウニーに近いおはなしです。あそこまで黒くはないが。来月は天竺浪人の「POSSSESSION」が載ると予告にあって、そうすると激漫後継誌はどういう顔ぶれになるんだろう。米倉けんごの新連載「イエローハーツ」はどこかしらファイヤーキャンディーを思いださせる滑りだし。突如話がぶっ壊れ始めた「少女、ギターを弾く」(朔ユキ蔵)はどこへ行くのでしょう。ガス爆発かこれ。違うか。

新連載:「イエローハーツ」(米倉けんご)
読切:「夏ノ柩」(三浦靖冬)、「射てまえキューピッド」(堀博昭)、「カルメン2」(鹿島田しき)、「ハンバーグヒル」(道満晴明)、「ゾンビゆみこちゃん▽」(町野変丸)


2001/07/29(日)

 二日続けてあほほどゲームばっかりやってたので脳みそがゲーム脳です。日本語書けるのかおれ。

アフタヌーン2001年9月号

 「アベノ橋魔法★商店街」(鶴田謙二+GAINAX)がほんとに新連載。毎月載せて、なんて贅沢を言う気は毛頭ありません。隔月でも3ヶ月おきでもいいから、完結までこの絵で続けてもらえれば。
 主人公・桂の過去回想編「神戸在住」(木村紺)がいい。いまどういう人であるかは、過去にどういう人が周りにいたかに、たぶん自分の意識している以上に大きく左右されてるのでしょう。時代劇編後編「茄子」(黒田硫黄)は煙に巻かれたような終わり方。むむむ。いまのところ淡々と進む「てんでフリーズ!!」(ISUTOSHI)はけっこう気に入ってます。こういう温度の低いまんがはけっこう好き。
 「ヤサシイワタシ」(ひぐちアサ)はここがスタートラインだった、ということなのでしょう。そういうつもりで読んでなかったので、頭を切りかえて読むことにします。さて来月からどうなるか。

新連載:「アベノ橋魔法★商店街」(鶴田謙二+GAINAX)
シリーズ読切:「弁護士・響渡流」(新シリーズ)(能條純一)
読切:「レノとポートマン」(前編)(谷広野)

ヤングアニマル2001年15号

 「吉浦大漁節」(たくまる圭)が今回もいい。抒情的ながらべたつかないところがとてもいい。スタート当初「設定変えての連作読切がいいかな」とか思ったけど、同一設定ながら一話完結スタイルでおはなしが進んでるんだな。完成度うんぬんは今後においといて、今は原石に近いこのまんがを思う存分楽しむことにします。

新連載:「YUKO」(川本貴裕)


2001/07/27(金)

 なんとなくスタージョンの法則について調べる。一般的な表現は「The Jargon Lexicon」に載ってるこのあたりみたいだけど、実際の発言は「the Theodore Sturgeon Page」で見つけたこういう表現に近かったようです。
 リンク先は英文だけど根性で読める程度の難易度かな。でも'that Buck Rogers stuff'はわかんなかった。同名のSF小説かまんがかがあるらしいけど。

コミックガム2001年9月号

 「W−face」(ひのきいでろう)完結。感想は単行本で。出るよね。出ないのなら出せ。
 「HAL」(あさりよしとお)はロケットねた。ロケットに思い入れがないので単段式の開発をえんえんとやってることも知らなかったけど、でも火星や金星に行って帰ってくるには単段式のほうがいいような気も。というか未来もの宇宙SFに出てくるのって単段式でいいのかな。しばらくぶりの掲載「おたくの食卓」(山本賢治)は今回もうまそうでした。

シリーズ読切:「おたくの食卓」(山本賢治)
読切:「ぼくのなつやすみ」(後編)(中島零)

少年エース2001年9月号

 とうとう「Dr.リアンが診てあげる」(竹内元紀)が連載になってしまった。エロというよりは下ネタまんがでこんな作風で安定して大丈夫かしらんとか思わんでもないけど、大丈夫なんだろうなたぶん。イヌノフグリは絶滅危惧種だそうな。
 連載化では一歩先をこされたゴツボ×リュウジ(微妙に改名している)は、でも今回も2本描いてます。目次に載ってない「青春のささめKISS」はラグナロクのあと。まじめに描くといい絵だなあ。これをぶち壊すのが作風なんだよなあでも。もう一本は原作付き「少年探偵ママミヤ」(ゴツボ×リュウジ+石頭堅吉音頭)でどうやら48時間で描いたらしく、さすがに絵がしんどそう。もうひとりの読切常連・米倉静香「雨のち…」を描いてます。このひとも安定してきたなあ。
 「ケロロ軍曹」(吉崎観音)では地球温泉化計画などというおそろしいものが。わたくし越後湯沢に住もうかと真剣に考えたことがあります。職場が埼玉あたりだったら歯止めがきかなかったかも。

新連載:「にるちゃな!」(椎名丼)
連載化:「Dr.リアンが診てあげる」(竹内元紀)
最終回:「まるみえ!Pure Heart」(川下完次+かわせゆか・浅葉里樹) 読切:「青春のささめKISS」(ゴツボ×リュウジ)、「少年探偵ママミヤ」(ゴツボ×リュウジ+石頭堅吉音頭)、「あたためますか?」(百やしきれい)、「999.9」(近藤一馬)、「雨のち…」(米倉静香)
追記(2001/08/27)新連載・最終回・読切のリストがもれてたので追加しました。


2001/07/26(木)

 涼しい。うれしい。外を歩くのが責め苦でない、すっごくひさしぶりの日。

モーニング2001年34号

 葛原さんはいつの間に骨折したのだろう。包帯まくとなぜか魅力的の法則がこのサディストおねいさんにもあてはまるというのは発見なような発見でないような。
 という「えの素」(榎本俊二)、今回ののりはわりと以前のに近いかな。「天才 柳沢教授の生活」(山下和美)は素直でない男の子の描き方かすばらしい。なんでおれはこのひとの本を一冊も持ってないのか。怠慢だ怠慢。

少年チャンピオン2001年35号

 缶蹴りに燃える「浦安鉄筋家族」(浜岡賢次)の小鉄のかあさんがかわいい。目的のためには手段を選ばず。いつのまにか目的がすりかわってるのはそりゃギャグまんがだし。
 むかしとった杵柄ということでは「ゲッチューまごころ便」(緋采俊樹)のすごく具体的なカブトムシ採集法もおもしろかった。「黒衣−KUROKO−」(高橋葉介)は最終回。たいへんまっとうなまとめかたでした。

クレイジーピエロ/高橋葉介(日本エディターズ)

 東京三世社から初めて出たのが1983年。そのあと全集と文庫で出ているから、これが4回目の刊行になります。初めて読んだのはもう十数年前なのだな。
 高橋葉介の初期代表作のひとつ、と勝手に思っているこの本は、街を占領した敵国兵士たちを主人公がやっつけてまわることだけをとらえれば、ヒーローものと言えなくもありません。ただその「やっつけかた」が無差別殺戮に近いこと、作中で登場人物も指摘するとおり、彼の行為が結局ほとんど役に立ってないことが、一般的なヒーローものと大きく異なります。主人公自ら「そんな道理はわかりゃしないのさ」「おれはただ目の前の敵を殺すだけだ」と言い放ち、血の臭いでむせ返るような殺戮シーンを繰り返す、上品なひとは顔をそむけ嫌悪するだろうこのアナーキーさは、初読時に忘れられない印象を残したし、いま読み返しても古びてないとあらためて思います。ただ、このまんがをどれだけ客観的にながめられてるかは自分でも疑問で、たぶんいまだにこのまんがの魔力からは逃れえていない気がしています。
 併録されている「腸詰工場の少女」は、これも東京三世社から1982年に出た同名短編集の収録作で、個人的には初めて読んだ高橋葉介のまんがでした。初読時の印象は仰天以外のなにものでもなく、まだうぶだった当時の自分に、永く残るトラウマを植えつけたまんがでもあります。こっちは今読むとそんなでもないのですが、それでもこのまんがが道を踏み外した第一歩となったのは、たぶん間違いないです。これ読んでなくてもいずれこうなったかどうかはともかくとして。


2001/07/25(水)

 イアン・ソープのライバルの名前(というか姓)が覚えられません。スリランカの首都の名前は数年がかりで覚えたけれど、水泳選手は都市ほど気が長くない。覚えるのが早いか引退が早いか。

全日本顔ハメ紀行/いぢちひろゆき(新潮OH!文庫)

 顔ハメというのは観光地なんかにある、人(ではないときもある)の絵の顔部分に穴があいてて、そこから顔を出して写真とるためにおいてあるパネルです。説明するまでもないか。
 この本は酔狂にも日本全国の顔ハメ写真を撮影して回った、その成果を本にしたもの。べつにおれは顔ハメ狂ではないし、写真ごとについてる説明文もめちゃくちゃおかしいというわけではないけれど、なんも考えないで読めるので、夏のふやけた頭にはちょうどいいかもしれません。
 この本を買った動機はむろんその酔狂さにあきれたというのはあるとして、もうひとつ、たぶん顔ハメの写真がこんだけまとまった本は二度とでないんじゃないかと気がしたからでもあります。こういうのは見つけたときに買っとかないと、ときどきあとで後悔するはめになる。買わなくても結果的に後悔しなかったとしても、まあそのときはそのときということで。

モンスター・コレクション(4)(5)/伊藤勢(角川書店・ドラゴンコミックス)

 コミックドラゴン連載作。カードゲーム原案のコミックスだけど、このまんがはたぶん原作付きではありません。世界観こそ借りているものの、ストーリーとも作者のオリジナルでしょう。雑誌連載のほうはこのところクライマックス間近を思わせる展開が続いてます。
 この4巻5巻はずっと肉弾戦的バトルシーンが続くけれど、合間合間にベタギャグがぶちまけられるのは相変わらず。これがなければもう少し読者が増えてる気がしないでもないし、いっぽうでこれがあるからついてくる読者もいるような気もするし。ながくこのひとのまんがを読んでると、いつのまにかこのみもふたもないギャグがないとさみしいような気がしてきてるのも事実です。まあ、こういう作風なんだよな。
 それはそれとしてこのまんが、力と勢いにあふれた手抜きのない絵といい、読者をひきずり寄せるだけの迫力のあるストーリーといい、見事なまんがだと思います。ファンタジーまんが好き、あるいはカードゲーム好きの手に留め置くのはもったいないので、まだの人も機会があったら一度お試しを。ついでに「ニルヴァーナ・パニック!!」も本屋にあるうちに。


2001/07/24(火)

 暑い暑い言ってるともっと暑くなるものなんだろうけど、こんなのがあと2ヶ月も続くかと思うとさすがに滅入ります。なるべく出歩かんようにしたほうがいいかもしれないなこりゃ。秋までがまん。

アワーズライト2001年9月号

 一般誌初登場、でもないんだろうけど「セイ」(才谷ウメタロウ)が載ってます。幼なじみをかばった結果ネコに転生した少年と、成長して彼を飼っている少女。自分がネコであることのいらだちと、少女が憧れる先輩への嫉妬と、だけどあきらめようとする少女への励ましと。いいまんがです、絵は上手いし。頭身の低い人物がどうも絶妙だし。これから一般誌のほうでもたくさん描いてくれるのを期待して待ちます。
 6月号いらい2回目の登場・おがわさとし「火色」は純和風奇譚。怖いのでなく幻想色の濃いおはなしです。意外とこういうおはなしは合っているんじゃないでしょうか。絵とテンポと両方とも。「みちづれ」(宮尾岳)は今回読切での登場。甘くはない、でも絶望もしない、持ち味は十分出ています。
 「カナダからの手紙」(伊藤伸平)は旅行記まんがで作者は次号から原作付き新連載とのこと。原作付きってすげえひさしぶりじゃないかな。めでたく連載化した気配もある「S and S」(西村竜)は今回もマイペース。いいのだこのひとはこれで、というかこれでこそのこのひとなのだ。

 おっとっと忘れるとこだった。今月号になぜか小鳥さんが顔を出してます。ひまじん及び小鳥さんファンは捜索するよろし。

読切:「みちづれ」(宮尾岳)、「大銀河組2001代目組長!モコちゃん」(オオシマヒロユキ+猪原大介)、「みっちゃんの夏休み」(どざむら)、「セイ」(才谷ウメタロウ)、「だけどBABY!」(縞美佳)、くるぐる忍法帳(犬丸)、「火色」(おがわさとし)
シリーズ連載?「S and S」(西村竜)

コミック電撃大王2001年9月号

 修学旅行編でどいつもこいつも異様なテンションの「あずまんが大王」(あずまきよひこ)。なまこ投げる大阪とか満面の笑みの榊さんとか。いちばん平静を保ってるのは神楽だけど単に出番が少ないだけかも。かおりんは久しぶりに出たと思ったらこれか…しかしなぜ同級生に敬語を。
 集中連載2回目の「みのライカ」(後藤なお)は迷走しているうえに暴走もしているわけのわからんまんが。いったいこのろくでなしばかりの登場人物でなにをするつもりなのだ。よろこんで読んでるようにはとても見えない感想だなこれ。これは集中なのか本格なのかわからないけど新連載「BRILLIANT MACHINE」(紅鉄絢)はおっさんだらけだった前作と違い女の子ばっかり。このひとの微妙な絵のくせはけっこう好きなので、もう一度追ってみます。連続登場「錬金術師」(逢摩文七郎)は今回ほぼスケベまんが。主人公なにもせず。変なまんがだ。

新連載:「BRILLIANT MACHINE」(紅鉄絢)
読切:「錬金術師」(逢摩文七郎)


2001/07/23(月)

 ざざざざざザナックの続編が出るって。元ゲーも復刻だって。うわあああああ。
 発表は4月だったらしいのでいまごろ驚くのも間抜けだけど、しかしなんとまあうれしい。へんな言い方だけど、あれほど実プレイ時間は短かったのに印象残ってるSTGはありません。

ヤングマガジン2001年34号

 自転車だったらうまく犬にひいてもらえるのかしらん。「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)は3×3EYESのあと。「全力!かちわりホームラン」」(柘植文)はカイジの前。その「カイジ」(福本伸行)はとうとう行くところまでいきついたと思ったら、中ボスが出てきた。またもや目の前にもっと大きなえさが、になるのか。

ラブひな(13)/赤松健(講談社・マガジンKC)

 うわさには聞いていた北への逃避行編。こういうラストシーンはまるで予想外だったけど、これでこのまんが第1部完でしょう。
 まえに6巻までの感想を書いたとき、「ひとつところでぐるぐるぐるぐる回ってるようなうぶな恋愛感情」てな表現をしたけれど、もしかしたらこのまんが、もっと遠くまで見ているのかもしれない。セクシュアルなものが顕在化してないなんてそんなことないのかもしれない。このラストを見るとそう思わざるを得ません。
 てなこと書いたらぜんぜん違う展開になったりして。思ったより予想を裏切られることの多いまんがだし。しかしこの13巻のテンションの高さはただごとではない(特に後半)。読み終わったあとかなりぐったりとなったのには自分でも驚きました。


2001/07/22(日)

 この日記をさぼるパターンはおおむね3つに分類されます。
1.仕事で煮えてるとき。
2.酔っぱらってへべれけのとき。
3.ちょっと1時間のつもりでゲーム(とりわけRPG)を始めて12時間とか14時間とかたってもまだやり続けてたとき。
 始めてしまうと自制心が0になるのはむかしっからで、だから就職して9年間ストーリーのあるコンシューマーゲームは封印していたのに。封印を破って捨てたガンパレが憎い。典型的な逆恨みだなこれ。

 ええと17日の日記について釈明とお詫びを。「唾を吐こうとして」という表現からわたしが腹を立ててると受け取られたかもしれませんが、立ててません。「天に向かって唾を吐く」という故事成句の後半だけ借りてきたせいで変なことになってしまって申し訳ないです。慎重に誤解を避けるべき場面でこういう軽率なことやっちゃいけませんね。
 「うわあこんなこと書かないでくれ」というのが、そのときの気分のいちばん正確な表現かもしれません。これはただそのときそう思ったというだけで、わたし個人の問題に限ればそういうこと思うことの正当性はないと思うし、あるとはまるで思ってません。わかってて読んでるはずだし読むべきだと思うし。
 いまのところ目にした(MHKOHPB館書斎の住人で)17日日記に対する反応を簡潔にまとめると、書き手はネタバレしたくてしてるのではなくおのれの感じたところを効果的に伝えたくてときにそうしてるのだから、読み手はそれを認識したうえで読むほうがよいし、WEBでまんがの感想を読むならそこのリスクは当然背負うべきだ、ということになるかな。ごくまっとうな見解だと思うしほぼ同感です。「ほぼ」と留保したのは、それでもたとえばうちの感想を読んで「あいたたた」という事態は、もし避けられるなら避けたいことには違いないからです。
 将来的にWEBが双方向性の高いメディアになれば、ネタバレを間違って踏むことは避けやすくなるだろうなと思います。今でもCGIをぶん回せば原理的には可能なのだけど、プロバイダに間借りしてる身で過度の負荷をサーバにかけるのはどうかと思うし、今のレスポンスではかったるくて見るほうもやってられないでしょう。いつか回線の問題とサーバ性能が追いついて、操作結果がコンマ数秒で返ってくるようになれば、個人サイトも含めた今のサイトのスタイルは、もしかしたら大きく変わるのかもしれません。

まんがくらぶオリジナル2001年9月号

 「電脳やおい少女」(中島沙帆子)の最後の1本でげらげら笑ってしまう。そうか小泉総理は受けですか。そうですか。
 「Goodmodningティーチャー」(重野なおき)が本にまとまります。よかったよかった。8月27日か。

ボボボーボ・ボーボボ(1)/澤井啓夫(集英社・ジャンプコミックス)

 タイトルにつられて買ってしまう。このタイトルは歴史に残るような気がします。やったもん勝ち、ただし勝者は最初のひとりだけ。
 内容はテンション高い無意味系ノンストップギャグ。わざと汚めに描き込んだ絵といい、先祖は漫画太郎ということでいいのかなと思います。あそこからキャラクターの醜悪さ(けなしてるのではもちろんない)を抜いた感じかな。

ロケットガール/野尻抱介(富士見ファンタジア文庫)

 このひとの小説、実は読むの初めてです。日本のSFはハヤカワJAからしか出てないという思いこみで失った数年間が痛い。そのぶん今になって山ほど読めるので、実損はそんなでもないような気もするけれど。
 内容はまさしくタイトルのとおり、和製有人ロケットに日本の女子高生が乗り込んで飛ぶまでの顛末記。広いくくりでは宇宙SFものだけど、どうもそのくくりは適当でないような気がする。バイクものとか自動車ものとか銃器もの・兵器ものとか、それが好きでたまらない人によって書かれ読まれる特殊ジャンルは下手したら機械の数だけあるのかもしれないけれど、そういう意味でこれはまさしくロケットものです。宇宙SFものロケット本体だけでなく、ロケットとなると見境をなくす開発者たちも含めて、登場人物も作者もロケット好きで好きでたまらないのが読んでてひしひしと伝わってきます。ハード面の描写のやたら具体的なあたりとか。
 個人的には特別ロケットに思い入れがあるわけじゃないけれど、でも十分おもしろかった。読みやすかったし。続編があと2つ出てるのでそっちにも手を出すつもりです。

別冊ヤングマガジン2001年22号

 そうか読切ふたつなのか。ずいぶん連載増えたなこの雑誌。
 ひとつめ「仙子記」(原泰久)は大ボケだけどけんかは強い仙人の卵の女の子のはなし。作者は別冊ヤンマガでは3号以来の登場になるみたいで、ヤンマガ系新人らしくまとまってないけどどうにでも変われる可能性を感じます。ここからどっちに行くのかな。もうひとつの「便利屋ファイナル」(立野和洋)「真剣師黎太郎」に続くデビュー2作目で、陽性だったデビュー作と違いしんどい話できたけれど、身もふたもないスタイルはおんなじ。登場人物の過去設定はもう少し典型的でないほうがよかったかな。
 連載2回目「クラーマン」(藤本青心)がなかなか好調。弱く孤独なヒーローという特異な設定をうまくおはなしにつなげてます。「復活−祈り−詠唱−念じろ!」はめちゃくちゃ懐かしかった。「クラーマンはまいそうされます」にならずによかったねというのが今回の内容。

新連載:「ペアで缶詰」(山田猫)、「熱視線アワー」(渡辺ヒロアキ)
読切:「仙子記」(原泰久)、「便利屋ファイナル」(立野和洋)


2001/07/20(金)

ウルトラジャンプ2001年8月号

 あれ、これは8月号のままなのか。
 「火星人刑事」(安永航一郎)は引っ張るだけ引っ張って案の定。まあこのまんがにシビアな展開なんざだれも期待してないしな。火星人は海を渡ってブラジルへ。スペインの次はブラジル、なぜかラテン系の国が続くのはこのまんがののりには合ってます。狙ってやってるかどうかはわからない。
 「サムライガン月光」(熊谷カズヒロ)はなにやら少年少女ラブコメ風の内容。このひと冒険ラブコメあたりを描いたらかなりいいような気もするので、これはこれで。「ドカントラベラー」の続きはないのかなあ。「最終シスター四方木田」(イラ姫)は今回2本立て。ラリアット一発で泥棒を倒すシスター…

読切:「NEEDLESS」(前編)(今井神)

サンデーGX2001年8月号

 これも8月号。どうも16日〜20日発売雑誌は1ヶ月後と2ヶ月後に表示が分かれたようです。いよいよややっこしいな。
 今月号は高橋しんの読切が目玉的存在なのだけど、「世界の果てには君と二人で。/あの光が消えるまでに願いを。/せめて僕らが生き延びるために。/この星で。」と書いてるこれがどうやらタイトルらしい。すげえな。内容は「最終兵器彼女」の外伝にあたります。こうやって外から描くと、あのまんがの滅びの側面が浮き彫りになるのだなあ。
 こちらはこれでシリーズ化か、「美女と野獣」(イダタツヒコ)は前後編で2回目の登場。このひとのまんがのなかではかなり単純明快な、女子高生バトルまんがです。好調バイクまんが「ジャジャ」(えのあきら)も今月来月で2号連続。「吼えろペン」(島本和彦)は炎尾燃の描くプロレスまんがと実際のプロレスラーの繰り出す技がかぶって、いつしかふたりが好敵手に。なにやらvsうかつ賢ニ編をほうふつとさせる内容でした。

新連載:「e’」(森見明日)
シリーズ読切:「美女と野獣」(前編)(イダタツヒコ)、「ジャジャ」(えのあきら)
読切:「世界の果てには君と二人で。あの光が消えるまでに願いを。せめて僕らが生き延びるために。この星で。」(高橋しん)

少年チャンピオン2001年34号

 「KUROKO−黒衣−」(高橋葉介)は次回で終わりなのか。単行本買わんとなあ。「BM−ネクタール−」(藤澤勇希)もずっとどうしようかと思ってるのだけど、買わんといかんかなあ。途中まででとまってる「ゲッチューまごころ便」(緋采俊樹)の続きもあるしなあ。雑誌ひとつ買い出すとこうやって単行本が増えるのだなあ…


2001/07/18(水)

ヤングキングアワーズ2001年8月増刊号

 ええとこの雑誌「ホーリーブラウニー」(六道神士)が柱でいいのんかしらん。しかしまあいつにも増して非道い内容だこと。よいこは読んではいけません。この勢いだと単行本になるなこれ。
 「10YEARS」(やまむらはじめ)は本誌連載・カムナガラの外伝。主人公は件の鳴神先生。10年前で高校生だからたいへんお若い。この内容、微妙に本編の伏線になってるんだろうな。みもふたもないオタク話を開陳している「オタが行く!!」(ちば・ぢろう)はあいかわらずおかしい。 
 「朝霧の巫女」(宇河弘樹)はこれも本誌の外伝。さすがに白いなこりゃ。「シーラカンスデイズ」(堤芳貞)は化石のイメージが立ち上がってくる描写に解放感があります。「マブ天新城」(井上博和)はこれで3作目。次は違うやつで。

モーニング2001年33号

 シリーズ連載が「おせん」(きくち正太)「いよっおみっちゃん」(山田芳裕)とふたつ載ってます。「おせん」は例によっての美食もの。ひとつづつエピソードが重なっていく「いよっおみっちゃん」は、シリーズものとして完全に定着した感じ。
 読切「ドレッドタクシー」(立澤克美)はストーリーはあってなきがことしで、勢いで押すタイプのまんが。でも緩急もちゃんとついてるし、ちょっと懐かしめの描線もなかなか。ガスター10はほんとに効きます。でも服用前に薬剤師さんに相談を。

まんがライフ2001年9月号

 桑田乃梨子がゲストで「だめっこどうぶつ」を描いてます。フルカラー4ページを含む6ページ、擬人化動物まんが。のんびりと読めます。

アトミック カフェ/長谷川哲也(ノアール出版)

 これが本になるとは思わなかったなあ。たぶん作者も思わなかったんじゃないかなあ。これ読んでから確認したら、全作品が同人誌に収録されてました。まあだからこれ買わなくても全部読んでたのだけど、それはそれこれはこれで承知のうえで買った本です。
 「さまよえるセールスマン」「収穫者」「漂流試験」「宇宙の奴隷」「次元刑事」「箱船が来た日」「ユーディーの機械」「ネズミの神様」「キャプテン・アトミックの宇宙」と並んだサブタイトルを見れば、なんとなくどんな短編集か雰囲気は伝わるかとな。収穫者ってこれ半村良だったっけ。ほかにもハルという名のコンピュータが出てきたりして一見パロディまんがとも思えるけど、パロディというのとは少し違う。設定や固有名詞は既存の作品から借りたうえで、おはなしのほうはそこから勝手に展開している感じで、どっちかというと本歌取りといったほうが近いかもしれません。
 作品のタイプとして近いのは、意外と諸星大二郎じゃないかという気もします。ただどの短編も、諸星大二郎が60ページかけるところを16ページで描いたような感じで、読むとけっこういそがしい感じです。たぶんこの忙しさは意図してのことだろうし、頭身低めの絵も内容に合わせてこうしてるんだろうな。しかしこのひと、ほんとにいろんな絵を描くよなあ。
 作中の登場人物は長谷川徳光原植村栗橋と、どっかで聞いたような名前ばっかり。名前は出てこないのになぜか乃美という名前じゃないかとわかるキャラクターもいます。自分を含めた知り合いを作中で平気でいたぶったり殺したりするまんがは、けっこう珍しいかも。


2001/07/17(火)

 この日記はネタバレになる内容を含んでいます、という話です。
 日記の中でかなりのウェイトを占めている、定期購読しているまんが雑誌の感想は、当然ながら毎月とか毎週とか出るつど書いてるのですが、いちおうその号の内容についてはなるべくネタバレにならないように、と気をつけています。でもその前号の内容についてはけっこうばらしてる部分があるかもしれません。正直あまり気を使ってなかったのです。
 そのまんがを雑誌で追っている人ならこれでもいいけど、単行本で追っている人にとっては、読んでいない=できれば知りたくないことを知らされることになります。じゃあ単行本になるまで内容に触れないように…というのはできないことはないのですが、そうすると雑誌の感想では恒常的に内容にあまり触れないことになり、奥歯にものの挟まったような物言いになりかねません。難しいところです。

 今さらのようにこんなことを書き出したのは、きょう、行くサイト行くサイトで「ヒカルの碁」の感想を目にして七転八倒したからなのです。で、ついつい唾を吐こうとして、思いっきり自分に返ってくることに気づいたわけです。
 「雑誌で追ってない人が悪い」なんて全然思わない。そんなのはその人のポリシー経済状態習慣その他で決まることだろうから。でも雑誌で連載してるまんがの感想は続けたいし。どうにかして両方立てるようにはできないかと、しばらく思案することになりそうです。

モーニング2001年32号

 いつのまにかシリーズ名が「鳥の物語」から「私家版鳥類図鑑」に変わった3回目、「鵬の墜落」(諸星大二郎)が載っています。今回は珍しくコミカルな展開で、人間がほとんど出てこない代わりに鳥がたくさんしゃべってます。中国の故事成語めぐりというような趣もあり。次は何ヶ月後か、まあ気長に構えて待ちます。
 「オーダーメイド」(高梨みどり)はタバコ屋の出戻り看板娘のおはなし。娘というには少々年嵩だけど、最後の笑顔がかわいいな。

ヤングマガジンアッパーズ2001年15号

 「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)がしっかりまとめての最終回。大幅加筆後、秋に出るという単行本が楽しみです。けっこうページ数あるだろうから上下巻くらいで出るのかな。
 丹波×堤が開戦した「餓狼伝」(板垣恵介+夢枕獏)はさすがに迫力満点。巻頭新連載の「SUGAR」(新井英樹)はまだどういうまんがになるかわかんないけど、この作者らしさだけは十二分に伝わってきます。すっかり主人公がどつぼにはまった「春よ、来い」(咲香里)はいったいこのあとどうするんだろう。一見筋道の定まらぬこのまんが、そこにかえってリアルさを感じたりするのだけど。長く後悔の日々を送った、じゃあまんがにならないしなあ。

新連載:「SUGAR」(新井英樹)
最終回:「黒竜の城」(梶原崇+田中芳樹)

ビッグコミック2001年8月17日増刊号

 今回は「獣医ドリトル」(ちくやまきよし+夏緑)がいいな。腕はいいけど無愛想で毒舌の主人公に、人当たりがよくてテレビでも人気だけど腕はいまいちの知り合い獣医を登場させて、どちらのスタイルも否定していない。現実を踏まえた柔軟さが、物語のふところをひろげています。現実を踏まえてということは、「スポーツ紙の記者が選手に嫌われている」というセリフをスポーツ紙の女性記者が主人公のまんがで吐かせる「エールをおくろう」(鎌田洋次+桧垣公平)にも言えるかな。地味だけどうわついてないこういうまんが、けっこう好きです。すっかり定着した「いついたるねん」(オガツカヅオ)は今回はわりと普通のおはなしでした。淡々としたおはなし運びはこれまでどおり。

魁!クロマティ高校(2)/野中英次(少年マガジンコミックス)

 売れている、らしい。めでたいことだけど、しかしこのまんがについて何をどう書けっちゅうんだろう。いっしょうけんめい感想を書けば書くほど、脱力感が濃厚にただようまんがの内容と遊離していくし。困ったもんだ。


2001/07/16(月)

 買いそびれていた近オリと別冊ヤンジャンを探しにコンビニへ。まんが雑誌棚の隣に置いてあった電撃プレイステーション、表紙にサモンナイト2特集とあったので軽い気持ちで手に取る。30秒後に正体不明の精神攻撃を受けてあっけなく陥落、レジへ。
 精神攻撃とはおおげさなと思うでしょう。でもちりちりと込み上げるような焦燥感と「うぎゃー」と叫び出したい心理状態をほかにどう呼べばいいのか。いやそれよりおれの頭はどうなってるのだ。そんなに気に入ったつもりはないのになあ、サモンナイト…

近代麻雀オリジナル2001年8月号

 「スーパーヅガン・アダルト」(片山まさゆき)が始まってます。初めて読んだスーパーヅガンはおとなり将棋部の部室にころがってたような記憶が。まだ高校生だよ。
 「タイル」(大武ユキ)はひとくぎり。展開上壊した人間関係はそのままで、ラストもなんの解決にもなっていない。いったいこのまんが、どこへ行くんでしょう。

新連載:「スーパーヅガン・アダルト」(片山まさゆき)、「鴉の城」(北村永吾+村木昴)
読切:「ネイビー倶楽部」(後編)(神田たけ志)

近代麻雀2001年8月15日号

 近麻と近オリってまんがの掲載数がだいぶ違うな。なぜだろう。
 「トサケンばくち地獄」(赤羽文学)は終わってませんでした失礼。どうやらパロディで押すみたいです。「むこうぶち」(天獅子悦也+安藤満)の今回の面子は顔がすごいのばかり。人間はひとりしかいない風情です。このはげのおっさん、なんで顔がこんなに伸びるのだ。

ヤングマガジン2001年33号

 「しあわせ団地極楽ちょんぼ」(蓮古田二郎)が載ってます。今回は6週連続とのことでしあわせ。今回はさなえが終始冷静だな。最近はじめにひきずられて錯乱することも多いのですが。
 常に悪い方の予想があたるかのごとく、「ヒミズ」(古谷実)は沈んでいく一方の展開。こうなるとどこが着地点なのかも気になってきます。沈みきって終わりなんだろうか。「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)はがんこ親父と若い嫁さんおはなし。どなられた顔がすごくかわいく見えるのはなぜ。

あうと・れっと/才谷ウメタロウ(大都社・ダイトコミックス)

 あれ、このひとの本買うの初めてになるのか。スパイラルオーヴァ買ってるかと思ったんだけど、ブックオフで買おうか迷ってやっぱ新刊でと思ってやめたんだっけ。ちゃんと探さんと。
 現役まんが家のなかでこのひとの絵はかなり好みのほうで、こういうくせのあるかわいい絵にはたいへん弱いのだけど、このひとのまんがは決して絵だけで買ってるわけじゃありません。そりゃエロまんが特有の都合のよさはあるし当然意識してそうしてるんだろうけど、その制約のなかで、登場人物の意志が伝わってくるのです。男女を問わず。「敏感DEFENCE」でのやりとりとか、「ROOM」の雨降って地固まって幸せなふたりとか、「霊に始まり…」の女占い師の現金さ加減とか。短編一回きりの登場なのが少しもったいなく思えたりもします。まあでも短編一発だからキャラクターが光るということもあるかな。
 いっぽうでこの短編集の半分近くはスラップスティック・エロまんがなわけで、作者自ら「代表作になっている様な」という「サイコキネス子」のはじけた終わり方とか、エロよりは明らかにバカに傾斜した「仙人とメイドと女装登山者」とか、こっちはこっちでおかしくて好きだなあ。そうしてみるとこの短編集、偶然かもしれないけどうまくバランスのとれた構成になってるかも。
 もともと怠け者であるせいで、「このひとのまんがいいな」と思いながらなぜかマークをさぼることがときどきあって、この作者のまんがもどっちかというとそうだったのだけど、これをきっかけに本腰を入れることにします。まず既刊探しだな。


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