ときどき日記(20010701〜20010715)

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2001/07/15(日)

 よく考えたら元絵がCGの原画展って印刷されたのとあまり違いはないのでした。何を妄想したんだろうおれは。

 何日か前にふとんの中でふと「あれ?サモンナイトのオープニングのあのバイオリンは…」と気になったので、起き出してオープニングを聞きなおす。間違いないこのバイオリンは太田恵資のだ、これクレジットの名前見ないでも気づかないといけないくらいはっきりそうじゃん。にぶちんだなおれも。
 というわけで7月9日のサモンナイト感想中「エンディングテーマ」と書いたのは「オープニングテーマ」の間違いです。クレジットを再確認してはいない(2時間かけて見るのはやだ)ので裏とってはいないけど、いちおうおれのへろへろ耳にかけて断言しときます。

少年ガンガン2001年8月号

 「鋼の錬金術師」(荒川弘)が連載スタート。我が手で人を作り出そうとした報いで片手片足を失った少年と、虚ろな鎧となってしまったその弟と、このふたりが主人公。登場人物のひとりである女性が、いんちき教主のいんちきになかば以上気づきつつすがることを選択するシーンあたりに、このひとらしさが垣間見えます。ともあれおはなしはスタート地点でまだこれから。期待します。
 これを皮切りに来月2本、再来月1本、その翌月には3本と連載開始予定の告知があって、ここで連載陣が大きく入れ代わることになりそう。そのなかで再来月分が「はいすくーる奇面組(仮)」だというのはびっくらこいたというかどうしたもんだかというか。あおりを食ったかっこうで「スサノオ」(増田晴彦)はものすごいところで第一部完(第二部はなさそう)。変にまとめなかったのはいっそ潔くも見えます。いやでももったいない。

新連載:「鋼の錬金術師」(荒川弘)
最終回:「東京アンダーグラウンド」(有楽彰展)(第一部完、12月号再開予定)、「スサノオ」(増田晴彦)
読切:「天真爛漫」(桜並あかね)

ヤングコミック2001年8月号

 まんがのほうはいつものとおり。ふと目次を見ると「シンボルマーク/みなもと太郎」というのが目に入りました。シンボルマークって表紙に小さく載ってるこれのことかな。
 この雑誌、創刊が平成2年らしいから、思ったより新しい雑誌なんだな。創刊当時からこういう感じだったんだろうか。

零式2001年31号

 すね続ける清孝にぶちきれた小鳥さん、グーで一発。「としうえの魔女たち」(むつきつとむ)の今回は痴話げんかなんだけど、エロまんがにありがちなやっちゃって仲直り、にはなりません。このまんがの構造は恋愛まんがのそれなのです。
 たぶんここまで予定通りに運ばれたおはなしは次回とうとう最終回。あとはもう、どうしめくくってくれるかだけ。どきどきします。
 「レンタルラバー」(中田ゆみ)がひとあしお先に最終回。設定は石田敦子の「純粋!デート倶楽部」と共通する点もあるけれど、こちらは素直にまとめてのラスト。1号おいてまた新連載とのことなので楽しみにします。「博士のストレンジな愛情」(瀬奈陽太郎)は28号の続編、今回はハエ男方式で転校生。
 「(前略)ももえサイズ」(結城心一)では今あかされるももえの秘密、なんと今年で19歳だったのでした。そりゃ2年もだぶってりゃなあ。しかしこのひとガンドレスねた好きだな。

新連載:「MADE IN MAID」(シリーズ連載)(九尾(108))、「Chim Chim Cherry」(拓人)
最終回:「レンタルラバー」(中田ゆみ)
シリーズ読切:「Angel▼はーと」(緒々田みの虫)
読切:「ぴんくのエプロン」(再録?)(大島永遠)、「Berryエクスタシー予告編!!」(大島永遠)、「あいす▼きゃんでぃ」(りえちゃん14歳)、「博士のストレンジな愛情」(瀬奈陽太郎)、「愛の巣」(まぐろ帝國)、「nostalgic summer」(あずまゆき)、「Type S」(灰司)

テスタロト(1)(2)/三部敬(角川書店・ドラゴンコミックス)

 コミックドラゴン連載作。この1巻2巻でおはなしはひとくぎりで、連載のほうはすでに新しい展開に入っています。
 中世ヨーロッパ、もしかしたらフランスあたりを設定のモデルにした、「教皇派」と「王室派」が対立する世界を舞台で、主人公は異端審問官の護衛を行なう神父・レオニダス。おはなしが宗教がらみであるだけに、物語が取り扱うテーマはものすごくでっかいものなのだけど、ここまでは剛腕と言ってもいい腕前でおはなしをコントロールしてます。とはいえまだ先は長いだろうし、とにかく一歩一歩ゴールまで進んでいってほしいと祈っています。無事完結したらすごいよこれ、というのは前にも書いたか。
 物語の語り部はカプリアという名の若い尼僧がつとめてるけど、このひとうろうろするばかりで物語の進行には全然寄与してません。まあでも彼女がいないと殺伐とした話がいっそう殺伐とするのでいいか…とかなめてたらどこかで思わぬ役割を果たしたりして。まだまだこのまんが展開が読めません。気を入れて追っていこうと思ってます。


2001/07/13(金)

 く、黒星紅白の原画展がまん森町田店でって。どうしよう。どうしようってったってどうしようもないのだが。
 原画ってカラーなのかなあ。うわあ(妄想中)。

ヤングアニマル2001年14号

 「吉浦大漁節」(たくまる圭)がいい。いいったらいい。3回目の今回で確信しました。行け行けこのままどこまでも。
 そうかちくしょうまんまと一杯食った。「ハネムーン サラダ」(二宮ひかる)はどっちも紹介する羽目になったのでした。どっちと問われて即答できないことで、夏川は胸の奥にひっかかったものに気がつくのか。それともそんなもんはひっかかってないのか。いやおれは信じないぞ。

おまかせ!ピース電器店(22)(23)(24)/能田達規(秋田書店・少年チャンピオンコミックス)

 これにて完結。連載スタートから5年弱、お疲れさまでした。
 最後はまるまる1巻使って、健太郎の生い立ちやパパママのなれそめも明かしながら、でっかい話でしめくくり。がらくた屋まん太のラストもそんな感じだったけど、たぶんこのラストは最初のほうから決めていたんじゃないかな。終始敵役だったアズコムも味方に巻きこんでの大団円でした。
 長尺をあまり買ってない自分にとって、全24巻はワンタイトルの巻数としては断然のNo.1。その多さゆえに今からだと少し手を出しにくい印象があるかもしれないけど、別に最初からでなくてもかまわない。5巻でも10巻でも15巻でも、本屋にあるところから読みゃあいいのです。かつて科学少年だった、あるいは現役の科学少年、そういう人だったら読んでみて損はないと思います。
 さて次回作はどんなのになるのかな。楽しみにしつつしばらく待つことに。ゆっくり休んで下さい。


2001/07/12(木)

 ぼんやりとエロゲーの発売予定表を眺めていたら、「Theガッツ3」のジャンルんところに「マッシブ系エロコメ」と書いてあった。いつのまにかジャンルとして成立していたのかこれ。偉大だ。

少年チャンピオン2001年33号

 久しぶりに買う。しばらく続けようかと思ってます。もちろん「しゅーまっは」(伯林)が目当て…ではなくて、前から買って読まないとなあと思ってたのです。読むとこいっぱいあるし。
 ひととおり目を通した中でいちばん気になったのが「KUROKO−黒衣−」(高橋葉介)。よく考えたらこれ読むの初めてで、どういう話だか全然わからんのに興味をそそる。これは買うか。

コミックバーズ2001年8月号

 「Marieの奏でる音楽」(古屋兎丸)は前回と今回がクライマックスなのでしょう。そうかそういう内容で来たかあ。描かれているテーマをどう受け取りどう反応するか、希望の物語と取る人から絶望の物語と取る人まで、読み手によって千差万別なんじゃないかと思います。
 「極楽丸」(相川有)と「チョーク。」(竹美屋らら)は交代で載るこの雑誌、今月は極楽丸の順番。スタートで大人になった前田里みたいなのが変なこと言いだすので驚いてしまった。このおはなしは約束された場所にたどりつくわけじゃないんだろうか。読切「フォボス・ダイモス」(星野之宣)は宇宙SF。ネタの真偽はともかく、こういうおはなしは好きです。

最終回:「すべてがFになる」(浅田寅ヲ+森博嗣)
読切:「ノージル博士のキカイなる日々」(福原鉄平)、「おさるのムード」(玉木満)、「フォボス・ダイモス」(星野之宣)

コミックビーム2001年8月号

 今月は「釣れんボーイ」(いましろたかし)が2つ載っている…わけじゃなくてその片方は「オールナイトライブ」(鈴木みそ)。ここのところルポまんがが多かったので、こういうネタは久しぶりだな。「敷居の住人」(志村貴子)は兼田の赤ん坊を見たキクチナナコがへこんで揺れる、それに千曉がむくれる。なんだか今回いままでなかった目の描き方をしているような気がする、驚いた顔で。気のせいか。
 「ウルトラヘヴン」(小池桂一)は持前のドラッギーな描写が炸裂。「LAZREZ」(竹谷州史+TKD)がクライマックス一直線。そして「BAMBi」(カネコアツシ)は先月今月とほんとに目が吸い寄せられるようです。どう終わるのだ、このまんがは。

最終回:「SEX★MACHINE」(ヒロモト森一)


2001/07/11(水)

 そもそも筋弛緩剤混入事件というものはなかったのだ、という弁護側の主張。まるきり正反対に近い検察側の主張。少なくともどっちかは間違ってるだろうし、その結果下るだろう判決も極端に差のあるものになるわけで。真相は明らかになるんでしょうか。それとも藪の中に終わるのか。

ファミ通ブロス2001年8月号

 櫻見弘樹の読切が載ってたので買う。その読切「風巻く剣士」は誠実な若者が主人公の爽やか時代劇でした。しかしこのひとほんとにいろんなまんがを描くなあ。初めて読んだウルトラジャンプのまんがも、最初に買った「しっぽのひみつ」も、いま快楽天でやってる連載もこれも、全部違います。
 ほかにたしか小学館の新人コミック大賞入選者だった至高道紀「激かつ三代2」という4コマを描いてました。前と全然作風が違うなあ。「不死身探偵オルロック」(G=ヒコロウ)は誰が誰だかわかりません。このラーメン作ってんのが女刑事か。「独身の身体におかんの力!!!」

まんがライフオリジナル2001年8月号

 忘れないうちに描いとこう。次号に志村貴子が描く予定になってます。
 2号ぶり「エブリデイズ」(長崎さゆり)は大食い少女の恋愛譚。出だしの調子からは恋愛沙汰になるとは思えなかったので途中意表を突かれたけど、今回の内容はわりと普通かな。「『そうだ香川行こう』と言われて。行ったろやないの!うどん食いに讃岐」(寺島令子)はタイトルまんまのまんがですが、どこ行ってもうまいうまいと食う姿がたいへん幸せそうでした。行きたいなあ。

封霊士マーコ/RYU−TMR(ワニマガジン社・ワニマガジンコミックス)

 エロまんが誌の激漫掲載作でワニマガジンコミックスで表紙はいちおう色っぽそうなおねえちゃんが描いてあるけど、こんなうそ表紙にだまされてはいけない。サービスシーンはあるけれどいちいちサービスシーンであることが明言してあったりします。あるいは次の瞬間牛を積んだトラックにはねられたり。なんで牛積んでんだこれ。
 主人公は封霊士の女で、封霊士というのは霊能士と違って霊能力はないけど「科学の力」で霊を退治して回る存在ということになっている。動機は金。かなりブラックよりのスラップスティック、という分類でいいんだろうかこれ。それでも最初のうちはまっとうなまんがのふりをしてるけど、回を重ねるごとに主人公も作者もやりたい放題度がどんどんアップ。ほんとはこの巻に収録されてないあたりからひどさを増してるのだよなあ。早く2巻出してくれよう。
 ほかに読切が3つ(ひとつは前後編)収録されていて、マーコに先駆けて雑誌に載ったこの3つを見ると、最初っからこの作風(芸風?)で完成されているのがよくわかります。人は暴れる、街は壊れる、落ちる方向はブラックでなければ脱力。かなり太い線で黒っぽい絵と、邪悪な光をたたえたでっかい眼が絵の特徴で、この絵がまた変に内容とぴったりだったりします。才能なんだなあこれは。


2001/07/10(火)

 頭痛の一日。不機嫌のおまけ付き。なんで頭痛だったかというと深夜までウインブルドン男子シングルス決勝を見てたせい。自業自得です。
 でも、あんなどっちに転ぶかわからない試合を途中でやめられるほど意志が強くないのでしょうがありません。どっちを応援してたかというとどっちかというとラフターだしイワニセビッチのようなビッグサーバーはあまり好きではないけれど、今回ばかりはイワニセビッチ優勝でよかったような気もします。エースでなければダブルフォルト、ほんとに一人でテニスをしていた最終セット最終ゲームは、見ていて心打たれるものがありました。

コミックフラッパー2001年8月号

 読切が3つ。「よこのひ。」(深木紹子)は先月号「Sing Like Playing」でデビューした作者の2作目で、今回は目が覚めたら世界が横を向いていた(つまり自分だけ重力の方向がよれていた)というおはなしの、アイデア勝負の8ページ。スピード感と絵の切れはいいので、ここからさらにどう変わっていくかに期待します。「海へ去る者」(浅見淳)は黒の効いた絵が印象的。ストーリー上この少女はいないほうがよかったかな。「推々敲先生」(末弘)はかっこいいけどわかりにくい。このわかりにくさを通すなら、ど肝を抜くくらいのおはなしが欲しいかも。
 「雲のグラデュアーレ」(志水アキ+木原浩勝)は回想編からいきなり現在へ。一瞬場面展開がわからなかった。コトって記憶がとんでたのか。

最終回:「炎のらびりんす」(此路あゆみ)
読切:「よこのひ。」(深木紹子)「海へ去る者」(浅見淳)「推々敲先生」(末弘)

エースネクスト2001年8月号

 「地球美紗樹」(岩原裕二)は今回インターミッション。誘拐事件でさらわれ解放された冷徹なお嬢様・浅井篤子の回想編です。藤川の正体知ってたのかこの子。
 石田敦子が新連載「魔女レーナ マジョりーな」を始めています。気になるクラスメートは魔女だった…というすべりだし。

新連載:「魔女レーナ マジョりーな」(石田敦子)
最終回:「ゲーぱろ。」(藤島じゅん)、「チャンス」(河澄翔)
シリーズ読切:「MAIL12」(山崎峰水)

能勢くんは大迷惑!!Jr編(4)/辻よしみ(徳間書店・Charaコミックス)

 ジャケ買い。というか絵買い。表紙見てノータイムで手にとってました。かなり好みだなこの絵は。やわらかい線がたいへんよいです。
 内容は主人公の少年が本人の意思と無関係に少女になったり少年に戻ったり、というおはなし。設定がいろいろあるみたいだけどよくわかんなかったのは、いきなり4巻を買うほうが悪い(Jr編の前にさらに5冊あるので都合9巻め)のだし文句を言う気もありません。ないのだけど、なんというか「おれがかゆいんはそこやないんやぁ〜!」という感じでたいへんもどかしい。この絵だったら設定ひねらないで普通に男の子と女の子を描いてくれればそれでいいのに…というのは一読者の身勝手な言い分だし何を書こうと作者の勝手だし、でもこの絵だったらヒットで十分、ホームランだったら悶死ものなのになあ、ああもったいない。いやこのまんががつまんないわけではないのですが、変なひとばっかり出てくるまんがは変なまんが家にまかせればいいのにとか思ってしまいます。いや勝手なこと言ってるのはわかってるのだけど。でももったいない。
 繰り言をこれ以上続けてもしょうがないのでやめときます。とりあえず作者名は覚えたし、当分マークするつもり。なんせヒットで十分なのだ。


2001/07/09(月)

 いつのまにかセミが鳴き始めてました。今週は関東地方はずっと晴れ。梅雨明けだなこりゃ。

ヤングマガジン2001年32号

 今週は月に一度の「バカ姉弟」(安達哲)の週。もう108ページもたまってるのか。もう少しだな。
 ほかに「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)「妹は思春期」(氏家卜全)「2人暮らし」(市川ヒロシ)と読切が3つ。あとの2つは別冊ヤンマガ連載作の出張掲載です。

コミックドラゴン2001年8月号

 アニメ化記念とかで、リアルバウトハイスクール三番勝負という企画ページに33ページも使ってます。その分で読切があと2本載せられるのに。もったいない。
 「モンスター・コレクション」(伊藤勢+安田均)が引き続き盛り上がってます。クロノは今月お休み。4回目になる「みかんとさくら」(紗夢猫)はどういうまんがになるんだか、まだ道行きが見えてきません。まあ前作(FALCE!)も変といえば変なまんがだったしこの不思議な雰囲気のまま続くのも悪くないです。のんびり行きましょう。

読切:「DESPELLANDER」(小笠原亮)、「Fortune&Blood」(滝本次郎)

サモンナイト/フライトプラン(発売・バンプレスト)(RPG・プレイステーションソフト)

 ジャケ買いというか絵買い。ゲームソフトの購入動機としてはかなり珍しいかもしれません。最近どんどん自分が馬鹿になっているような気がするな。キャラクターデザインは飯塚武史=黒星紅白です。
 内容は高校生の主人公がある日異界に飛ばされて…から始まる一本道RPG。RPGなんだけど戦闘パートは四角いマスのフィールド上に敵味方が配置されるシミュレーションタイプで、これがけっこうよく出来てます。途中からはまったのはたぶん戦闘がおもしろかったからで、ラスボスが規格外に強くて閉口した以外は、一歩間違うとゲームオーバーというバランスの取り方も緊張感があってよかった。
 ストーリーのほうはまあ、明るく正しくあきらめずという和製RPGの王道と言えば王道。主人公以外はフルボイスで、フルボイスでゲームをやったのって初めてで、楽しいといえば楽しいんだけど時間がかかるのだよなあやっぱり。このゲームは1年以上前に出たゲームで来月には2が出るのだけど、どうしようかなあ。買えばそれなりに楽しめるだろうとは思うけど。けっこう迷っています。
 あとこれはほんとうに余談でしかもほとんどの人には関係ない話ですが、エンディングのクレジットをぼんやり見てたらエンディングテーマ演奏者に太田恵資の名前があったのにはかなりびっくりしました。こんなところで仕事してるのか。


2001/07/08(日)

 いつものように近所のファミレスにランチを食いに行く途中、小学校の校門の前でふと「この中突っ切っていったら近道だな」と思う。一瞬だけ実行しそうになったけど、2001年7月の日本で30男が小学校の中に入っていったときどういう事態が想定されるかに考えがいたり即座に断念。30女がうらやましい(違う)。

 無差別殺人とか猟奇殺人とかの男女比率ってどのくらいなんだろう。

ひいびい・じいびい/とり・みき(ぶんか社)

 1987年に白泉社から出版された本の復刊です。白泉社版は持ってなかったのでたいへんうれしい復刊。初読のつもりで読んだのにときどき見覚えのあるページがあるのは、実は読んだことあったけどすっかり忘れてしまったのか、それとも連載誌だったコミコミを立ち読みしたのが記憶に残ってたのか。
 まんがの内容は「あ」から「ん」まで、五十音順のサブタイトルで五十音の数だけ、ショートストーリーを描きつらねたもの。最近の同作者のまんがでは「御題頂戴」と同じような趣向です。あ行だけ試しにタイトル並べると「あさ」「いせき」「うみうしつかい」「えああずろっく」「おづやすじろう」という感じで、この調子で「ん」まで続いています。「御題頂戴」もそうだけど、普通の言葉と変な言葉とをないまぜにしたタイトルで、長くて10数ページ、短いとひとコマのたいていは変なまんがが続いていて、読んでてたいへん楽しい。「これ、一度に読むのもったいないな」と久しぶりに思って3度に分けて読みました。それでもけっきょく一日で読んでしまったのだけど。
 ギャグまんがだから好き嫌いは当然あるとして、「御題頂戴」やほかには「SF大将」あたりが好きな人ならノータイムで買いでしょう。ちなみに装丁もこの2冊と同じく祖父江慎で、今回も印刷屋さんを泣かせてます。どうやって(またはどうして)こんなところに印刷するんだろう。

ANGE〜地雷原の天使〜/もんでんあきこ(白泉社・ジェッツコミックス)

 ヤングアニマルに集中連載されたまんがの単行本化。タイトル作のほかに、2年前に同じく集中連載された「KOSOVO〜浄化の大地〜」も収録されてます。
 舞台はどちらも民族紛争地域。「ANGE」はカンボジアがモデルと思われる東南アジアの国。「KOSOVO」はタイトルどおりです。主人公は前者がNPOの女医さん、後者はセルビア人とアルバニア人のハーフの男性で、かつてはセルビア側で、いまはアルバニア側で戦う兵士。
 で、戦争のまんがなので、登場人物たちはどんどん死にます。主人公や読者の思い入れなどとおかまいなく。戦争なんだからあたりまえだけど、平和な日本でそのあたりまえさを認識し続けるには、ときどきフィクション/ノンフィクションを問わず、新しいなにかで認識を更新しておかないといけないのかもしれません。たとえばこういう率直なまんがを読むことによって。
 「KOSOVO」の雑誌連載時、序盤で主人公の戦友があっというまに全滅したときにはその容赦なさに眼を見張ったけれど、絶望的なラストに至ってなるほどこれはこういうまんがなんだと納得したのを覚えています。それに比べれば「ANGE」のほうはまだ前向きなラスト。望んで単身紛争地域にやってきたか、家族ともどもいやおうなしに巻き込まれたか、主人公の立場が違うのだからある意味ではあたりまえの明暗の差で、戦争のない国に暮らせるのはたいへん幸福な(もしかしたら幸運な)ことなのだなあと、こういうまんがを読むとつくづく思います。
 作者は少女まんが畑でけっこうキャリアのある人みたいだけど、読んだのは初めて。この絵はけっこう好きなので、ほかのも読んでみようかな。


2001/07/06(金)

公家侍秘録(2)/高瀬理恵(小学館・ビッグコミックス)

 公家侍というのは文字どおり公家に仕える侍。そのなかでも代々伝わる家宝を守る「守役」という侍がいたらしくって、このまんがの主人公はその守役です。前作の首斬り役人に続きたいへん渋い設定。こういうまんがの続刊がちゃんと出るのは、なんだか妙にうれしいです。
 とはいえこれ、渋い歴史物というだけではありません。まんがとしてとてもしっかりしてるのだけどそれだけではなく、つやがあって見栄えのする絵だし、人情話がベースながら笑いもしっかりまじえていて、そのへんの緩急の呼吸も確かです。そのうえ愛敬もある。主人公が仕える公家は基本的に冴えないおっさんなのだけど、読んでるうちに妙に愛着がわいてきたりします。
 一話完結形式のまんがなので終わろうと思えばいつでも終われるだろうけど、個人的にはしばらく続けて読みたいなあ。いまのところビッグコミック本誌に不定期掲載されることが多いようで、マイペースで描いてもらえればいいなと思っています。

イヌっネコっジャンプ!(2)(3)/はっとりみつる(講談社・アッパーズKC)

 しっかしストーリーが進まんなあ、このまんが。主人公オズタカヒロの迷走と、個性的すぎる周囲の暴走ばっかりだよこの2巻3巻は。そりゃもちろん読んでて楽しいし先を焦ることはちっともないとは思うけど、一方でこのまんがにはちゃんとラストまで完走してほしいと思うので、少しだけやきもきする気持ちもないではないです。まあ、長いつき合いになるということなんでしょう。
 おばかなエピソードの山にまぎれ込んだようにときおり出てくるジャンプシーンの解放感が気持ちよくて、その点ではこの2巻のなかでいちばん好きなエピソードはやっぱり、ユウキに引っ張られたオズがちょっとだけやる気を見せた22話ということになります。周囲からも作者からもいいようにおもちゃにされる主人公だけど、腐っても(すげえ腐ってるけど)才能あふれるジャンパーには違いないわけで。だいたいこれで主人公に才能なかったらただのダメ人間まんがだし。


2001/07/05(木)

 同じ眠い状態でも、頭だけはぶんぶん回ってる場合と回転数がひどく落ちてる場合があって、昨日のは後者でした。ほとんど何も考えられない状態。だから昨日の文章は脳味噌ではなく脊髄で書かれたものです。
 そのわりにいつものとあまり差がないように見えるのはどういうわけだろう。ひょっとしておれの脳味噌は脊髄なみか。

モーニング2001年31号

 「えの素」(榎本俊二)がおやすみで代わりに「ひまあり」(上野顕太郎)が久しぶりに載ってます。今回はなにやら親ばかな内容。シリーズ読切「NIGHT BLOOD」(富田安紀良)はモーニング本誌ではこれでラストで、続きは新創刊のイブニングでとのこと。そうかイブニングかあ。
 「バガボンド」(井上雄彦)は今回、凄惨な内容。日本刀は当たれば斬れるし、斬れれば血が出るし、血が出ると死にます。当たり前のことではあるけれど。

ビッグコミックスペシャル増刊号2001年8月2日号

 オール時代歴史ものの読切という趣向の増刊号。思ったよりずっとおもしろく読めました。いいなこういうのも。
 今回はなんといっても「御存知三国英傑伝外」(いけだたかし)。同じタイトルの読切は以前にも増刊に載ったし前に載ったのもよかったけど、今回は呂布がメインキャスト。呂布と言えば「勇猛で短慮で裏切り者」てな評価が定着してるし実際そうだったのだろうけど、数ある呂布のエピソードの中で袁術/劉備の仲裁を買って出て、遠くに立てた戟を見事射当てて双方引かせたという逸話だけいささか色合いが違っていて、見方によっては呂布一世一代の晴れ舞台と言えなくもないです。この逸話をクライマックスに持ってきた、勇猛で短慮で裏切り者でかつこどもっぽい呂布像を提示したのが今回のおはなし。
 この作者はどちらかというとホームコメディを多く描いてるのだけど、こういう真実をひとつとしない物語をゆったりと描かせるとほんとによいです。物語のしめくくりかたがすごく上手い。たぶん異論はあるだろうけど、個人的にはこの呂布像もいいなじゃいかと思います。なおこれはほんとにどうでもいいのですが、作中2個所「朱霊」となってるのは「紀霊」が正しいはずです。
 ところでいけだたかしの短編集はいつ出るのでしょう。また他社に持ってかれないうちに早いこと出して下さい小学館様、いや別にどこで出ようがぜんぜんかまわないけど。かまわないからどこか出して。

 木村直巳とほんまりうが両方載ってるとなんだか竹書房麻雀まんが誌みたいだな。「怪盗ピカリ」(木村直巳)は明治時代が舞台の怪盗もので、ストーリーはそんなに風変わりではないけれど、ラストを含めどこか煙に巻いたような筆致は、異様な(異常なといってもいい)麻雀まんがで鍛えた腕前をかいま見せています。おもしろいや。「へるん幻視行」(ほんまりう+宇治谷順)はタイトルどおりラフカディオ・ハーンが主人公のまんがで、これは堅実におもしろい。歴史物増刊となれば当然欠かせない平田弘史「大いなる愛の舞」はそりゃもちろん平田節なのだけど、今回は人情ものでした。こういうのも描くのだな。

DOLL MASTER(1)/井原裕士(メディアワークス・電撃コミックス)

 電撃大王連載作。最初は単発の読切からスタートしたこのまんが、いつの間にか連載化して単行本までたどりつきました。雑誌掲載時からおもしろいと思っていたので単行本化はとてもうれしい。このひとの単行本は4年前の「綾音ちゃんハイキック!」1巻以来になるのだな。
 ガレージキットとそれを作るモデラーたちがおはなしのメインと書くと一見きわものっぽいけれど、実際にはほのぼのコメディまんがラブ風味といった内容。この設定と内容のギャップが作者自身に「変なまんが」と言わしめた原因かな。もともと派手さはないけど地力のある作者だし、その地力がいささか風変わりな設定のこのまんがをしっかりした内容に仕立てているんだと思います。喜怒哀楽から怒を抜かした残りだけ激しい天然少女の主人公と、一見クールだけど押されるとけっこう弱い主人公の師匠とのかけあいも読んでて楽しい。おもしろいです。


2001/07/04(水)

 寝不足のつけはだいたい翌日以降にくることが多いのですが。なにやら果てしなく眠いです。今日書いたこれ、ちゃんと日本語になってるだろうか。

ヤングマガジンアッパーズ2001年14号

 読切「つるちゃんデッパツ!」(つるたえみこ)はアッパーズの新人賞大賞受賞者によるデビュー作。デブフェチで自身もちょっと太めで、自転車で出前持ちやらせたらめちゃくちゃ早い女の子が主人公のおはなしで、絵もお話も粗削りだけどたいへん元気で、読み手を引きつけるだけの魅力はたしかにあります。ラストページのあおりに「また載る」と書いてあるのでどうやらシリーズ読切化しそう。
 「イヌっネコっジャンプ!」(はっとりみつる)はまたもや新キャラ登場。この新キャラが最後のページでいきなり一発かましてます。いやなんか途中からこういうこと言いだしそうな予感があったことはあったのだけど読んでて。連載スタートっからずーっとくすぶったまんま湿気た花火と化してるオズに、このおねーちゃんが火を点けたり…しないかなあ。いつかどこかで火は点くと思うのだけど。

最終回:「鋏客」(短期集中)(玉置一平+夏秋望)
読切:「つるちゃんデッパツ!」(つるたえみこ)


2001/07/02(月)

ヤングマガジン2001年31号

 今号では目次に載ってないけど「ガタピシ車でいこう!!」(山本マサユキ)が載ってます。今回は女の子は出てこない代わりに親父が1名。このまんがに出てくる人ってどれくらい実在のモデルがいるんだろう。
 「甲子園へ行こう!」(三田紀房)は予選1回戦前夜。相手校のモデルとおぼしき湘南高校はたしかにここんとこずっと甲子園とは無縁だけど、数年前にいきなり準決勝まで勝ち残ったことがあります。かつての名門校はいきなりこういうことがあるので油断がならない。こともある。

近代麻雀2001年8月1日号

 「アカギ」(福本伸行)はまだまだ鷲巣がよだれを垂らし続けます。これだけおいしいシーンだから当然のように引っ張る。こっちも引っ張ることにかけては負けてない「萬(ONE)」(本そういち)は今回卓上見開きを3発。すごいなこのまんが。
 「トサケンばくち地獄」(赤羽文学)はなにがなんだかよくわからない後編。これはこれでおしまいなんだろうか。

並木橋通りアオバ自転車店(2)(3)/宮尾岳(少年画報社・ヤングキングコミックス)

 ヤングキングに隔号連載されてる、自転車を題材とした連作読切。アオバ自転車店というのはおはなしのどこかで絡んでくる自転車店で、店のオーナーとその一人娘(アオバという名前です)がいちおうメインの登場人物。どちらかというと主人公ではなく舞台を回す役回りかな。一話ごとに別々の主人公、というスタイルのおはなしです。
 内容はたいへん純粋で良心的。登場人物たちへの視点も根本のところでとても優しい。ちょっと純粋過ぎるかなとひねた人間としては思ったりもするけど、たまにはこういうのもいいでしょう。過剰な描写に陥らない、努めて抑制された筆致が好もしいです。
 このまんがにはもうひとつ重大な副作用があって、作中でいろんな自転車が出てくるのだけど、2台に1台は読んでるうちに欲しくなる。読み終わった時に「乗り良い自転車だったら10万以上出して買ってもいいな」などと思ってたのにはびっくりしました。ふだん自転車なんてちっとも乗らなくて、自転車置き場で朽ちかけてるというのに。


2001/07/01(日)

 ひょっとして今年は猛暑ですか。長期予報が珍しく大当たりですか。いくらなんでも7月あたまから35度というのはないと思うんですが。それでも夜涼しいだけまだましですか今のうちは。

カラフル萬福星2001年18号

 連続登場・田中浩人「蝶にも少し似て」はまたもやSFエロでした。しかもラスト近くまでそうとは気取らせず、かつ最後の「私への言い分けよ」というセリフでそれがSFであることの必然性を持たせるあたり、たいへん巧妙なつくりです。おもしろい。
 こちらも連続登場「堀之内さんのおじさん」(粟岳高弘)はこのひとにしてはオーソドックス。最近つとめてオーソドックスを目指してるのかな。「ドナドナ」(篠房六郎)は人非人二人に哀れな主人公が翻弄される(性的にではない)相変わらず心冷える内容。本でまとめて読めたらなお格別でしょう。どこか出せ。個人的に全面降伏中の「Body Language」(けろりん)はこれで52ページか。早くページ数たまれ。

不死身探偵オルロック/G=ヒコロウ(エンターブレイン・ブロスコミックス)

 このまんがはまるで酔っぱらった人みたいなまんがです。
 酒呑んだ翌日になんかきのうやたら面白い話をたくさんしてげらげら笑ってたような気がするけどなに話してたんだか記憶にないことはよくあります。ちょうどそんな感じです。読んでる時はボケだかツッコミだかもわからん意味不明すれすれのセリフ群がやたらおかしいのに、読み終わるとなにがおかしかったんだかさっぱり覚えてない。そのうえ一貫してテンション高いしページ中セリフだらけなので、48ページ読み終わったところで息があがってしまいました。しんどいよこれ読むの。
 併録されてる(つってもこっちのがページ数多い)「プロフェッサーシャーボ」は最初4コマだったのに、途中からいつのまにかストーリーものに。まんがの特性はオルロックといっしょ。よくこんなもん毎月4ページも描いてたな。
 薄い本なんで気楽なつもりで読み始めると痛い目を見ます。というかおれは見ました。なんとなく一度に読むような本ではない気もします。一日4ページ、一月かけて毎日寝る前に。いやな夢見そうだな。

0リー打越くん!!(4)(5)(6)/桑原真也(講談社・アッパーズKC)

 すでに次の連載を始めてる作者の初連載、後半から最終巻まで。ようやっと手が回りました。
 スポーツなのかエロなのか青春ものなのかラブなのかギャグなのか、どうにもジャンル分け不能なこのまんがのおもしろさは、初連載だしいいややりたいこと全部やっちゃえとばかりに詰め込んだ作者の思い切りのよさが生み出したように思います。ラストもまさかこう締めくくるとは思わなかった。ストーリーの起伏にたいへん富んだこのまんが、実はたった2週間程度の出来事だったのだなと最終巻で初めて気がつきました。
 ストーリーを終始引っ張った真希シノヴの力のある眼が、作品の印象としてはいちばん強く残っています。おもしろかったです。できれば最終回まで雑誌に掲載してほしかったけど、こうして単行本にまとまったしまあいいことにします。それより惜しまれるのが、このまんがのプロトタイプにあたる四季賞入選作が単行本に入らなかったこと。ストーリー上は完全に内包した形になってるので読めなくても問題ないけれど、強烈な印象を残したあのデビュー作が、いつかどこかで単行本に読める形になればと思います。今からでもいいから。


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