「先のものは後になり、後のものは先になる」法則

これは物事の発展がA−>B、B−>A’という形式になっているという法則です。

たとえば、花はやがて枯れて種が残り、その種が成長してまた花を咲かせます。
(花−>種、種−>花)=(A−>B、B−>A’)
花がまた花になるのなら、一旦、種になるのはどういう意味があるのでしょうか。
種になる前の花と、種からでた花は同じように見えて、違っているところがあります。
数が増えています。

物事の発展過程が、このように、進むべき方向に対して、一時期、逆に進む形をとる
のです。



聖典の中では、次のものに見られます。



・死なない体−>死ぬ体、死ぬ体−>不死不滅
  神と共に住んでいた状態−>霊の死、霊の死−>永遠の命(神とともに住む)

 堕落前の状態          堕落 堕落後の状態         贖い 贖い後の状態
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                    肉体の死(肉体と霊が離れる) −> 不死不滅
 ・死なない体          −> ・死ぬ体              (肉体と霊とが再び一緒
 ・子供を作る能力を持っていない −> ・子供を作る能力を持つ        になり二度と離れない)
                    霊の死(人と神が離れる)   −> 永遠の生命
 ・神と顔を合わせて話ができた  −> ・神と会うことができなくなった   (人と神とが再び一緒に
 ・選択の範囲が限られていた   −> ・善悪を知る力を持つ         なり二度と離れない)

    (2ニーファイ2:18−26)
    (2ニーファイ9:6−12)
    (アルマ12:22−26)
    (ヒラマン14:16−19)
    (モーセ5:10、11)
    (モーセ6:55−60)

    一般的な「死」の定義は、生き物がそのすべての活動を停止することを言
    います。そして、二度と活動を開始することはありません。
    福音の中でいう「死」とは「分離」です。また「生」とは「結合」です。
    「肉体の死」とは「肉体」と「霊」が分離することです。
    「霊の死」とは「人」と「神」が離れることです。霊そのものが死ぬこと
    ではありません。霊は不滅です。
    「不死不滅」とは「肉体」と「霊」が結合して二度と分離しないことです。
    「永遠の命」とは「人」が「神」の元に帰り、二度と離れないことです。
    アダムの堕落によって肉体の死と霊の死が人類にもたらされました。
    それに対してキリストの贖いによって不死不滅と永遠の命が人類にもたら
    されました。

    他の教会では、アダムはとんでもないことをした人物となっています。
    ここでは、キリストはその尻拭いをしたことになっています。
    しかし、この教会ではアダムの堕落は人類のために必要なことだったと教
    えています。堕落の結果、アダムとエバは死ぬ体になったが、子供をもう
    けることができるようになり、神の前から追放されたが、善悪を選択する
    力が与えられました。このことは、人が神のようになるためには必要なこ
    とでした。人が神のようになることができると知らない人たちは、アダム
    の堕落の本当の意味を理解できません。

    わたしたちは神様のもとをはなれ、この地上に来ることによって、霊の死
    を経験します。つまり、神様と無縁の状態を経験します。神様と一緒に暮
    らしていた記憶すら失ってしまいます。この霊の死を第一の死といいます。
    第二の死というものがありますが、これは、最後の裁きの後で神様の前か
    ら追放されることです。第二の死は経験してはなりません。

    「生」から、さらに一歩進んだ「生」に移るためには、一度「死」を経験
    する必要があるのです。



・月の栄の状態−>星の栄の状態、星の栄の状態−>月の栄の状態

    アダムによる堕落前の地球の状態は月の栄の状態でした。汗水流して働か
    なくても、園には豊富に果物がなっていましたので、それを食べることが
    できました。
    しかし、アダムの堕落によって、地球は星の栄の状態に変化し、汗水流し
    て働き収穫しなくては食べてはいけなくなりました。また、天災や病気や
    争いのある世界になりました。
    将来、キリストの再臨によって、地球は再びエデンの園のような、月の栄
    の状態にもどります。
    (D&C29:30−33)

    この一時的な星の栄の状態は人に試練を与え成長をもたらすのです。



・イスラエルの背教      −>       ジョセフスミスによる回復

    ・福音の消失                       ・福音の回復
    ・神権と教会組織の消失             ・神権と教会組織の回復
    ・イスラエルの散乱                 ・イスラエルの集合

    イスラエルの背教により、イスラエルは弱体化し、他国に侵略され、世界
    各地に散乱しました。
    キリストの再臨に先立って、イスラエルは再び集合します。
    (1ニーファイ10:13、14)
    (ヤコブ5:63)
    (エテル13:12)

    イスラエルの散乱によりイスラエルの血統が世界中に広まりました。
    日本人もある程度イスラエルの血が混ざっています。そのような痕跡は日
    本の文化の中に幾つか見られます。たとえば、日本の神社は古代の神殿に
    似ていたり、山伏の格好がイスラエルの修行者の格好に似ていたりします。

    イスラエルの散乱の歴史
         931 b.c.   イスラエルの南北分裂
                    北はイスラエル王国(ヨセフの部族が中心の10部族)
                    南はユダ王国(ユダとベニヤミンの2部族)
         721 b.c.   アッシリアがイスラエル王国を占領
                    北の10部族はアッシリアの捕囚から北方に脱出、それ
                    以来、行方知れずのまま。
         600 b.c.   リーハイの家族がエルサレムから脱出
         586 b.c.   バビロニアがユダ王国を占領
                    バビロンに捕囚される。
         536 b.c.   ペルシャがバビロニアを滅ぼし、ペルシャのクロス王に
                    より、ユダヤ人がエルサレムに帰還
         331 b.c.   ギリシャの支配
          63 b.c.   ローマの支配
          71        ローマによりユダ王国が滅ぼされる。
                    ユダヤ人はローマに捕らえられヨーロッパの各地に散ら
                    される。
         100        使徒がいなくなり、ユーラシア大陸から完全な神権と福
                    音が消失
         421        ニーファイ人の滅亡によりアメリカ大陸からも完全な神
                    権と福音が消失

    イスラエルの集合の歴史
        1820        ジョセフ・スミスの最初の示現
        1829        神権の回復
        1830        モルモン書の出版、教会の回復
        1836        イスラエルの集合の鍵、アブラハムの福音の鍵、
                    結び固めの鍵を回復。
        1949        イスラエル建国
                    ユダの部族(ユダヤ人)がイスラエルの地にもどる。
        現在進行中  霊的な集合
                    イスラエルの子孫が、キリスト教会に加わること。
                    ヨセフの部族(原住アメリカ人等、世界中に散らばった
                    ヨセフの部族の子孫)に福音が伝えられアメリカに集合
                    する。
        将来        行方知れずの10部族が北方の地より帰ってくる。



・ユダヤ人−>異邦人、異邦人−>ユダヤ人
    古代の新約聖書の時代には、福音はまずユダヤ人にのみ伝えられ、
    その後、異邦人に伝えられるようになりました。
    現代では、福音はまず異邦人(ジョセフ・スミス)に伝えられ、
    その後、ユダヤ人に伝えられました。
    (1ニーファイ13:42)



・イザヤ書について
    イザヤは紀元前740−701年に活躍した人でした。この時代はイスラ
    エルの散乱が始まった時代でした。上記のA−>Bの後退事象(つまり、
    堕落、背教、散乱)については、すべて成就された時代でした。しかも、
    B−>A’の復帰事象(贖い、回復、集合)はまだ始まっていませんでし
    た。復帰事象について知らない人にとって、これだけをみると神様の計画
    はだめになってしまったと感じてしまう状態です。でもイザヤは神様の計
    画の全体像を理解していたので、復帰事象が起こることが分かっていまし
    た。神様の計画がA−>B、B−>A’という形式になっていると知って
    いたのです。そこでイザヤはこの復帰事象について多くの予言をイザヤ書
    に書き記したのです。イザヤ書には、キリストの贖い、モルモン書の出現、
    ジョセフ・スミスによる神権と福音の回復、キリストの再臨と福千年の始
    まりなど偉大な予言が記されています。そして、多くの他の聖典の中から
    引用されています。イザヤ書は神様の計画の全体像を最も完全に捉えた書
    物なのです。



・神の選民が捨てられ、異邦人が神の選民になる。
    (ルカ13:22−30)



・すべてを捨てた者がすべてを得る。
    (マルコ10:28−31)



・報いを受ける者
      当初から召された者ではなく、後から召された者から報いを受ける。
    (マタイ20:1−16)



・「自分の命を得ている者はそれを失い、私のために自分の命を失っている者
  は、それを得るであろう。」(マタイ10:39)



・「一粒の麦は地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、
  多くの実を結ぶ」(ヨハネ12:24)

    一粒の麦はイエス・キリストを指していて、多くの実とは人類の救いを指
    しています。イエス・キリストが死ぬことによって、贖いが行われ、すべ
    ての人類が復活し、すべての人に神様のもとに帰る道が与えられてのです。



・交差並行法(カイアズマス)
    交差並行法とは、旧約聖書やモルモン書の中で使用されている文学的な技法です。
    文の言葉の並びがA−>B−>C...  ...C−>B−>Aと進んでいく形式です。
    例)創世記7:21−23
        A) There died on the earth           地の上のものは死んだ
        B)   all birds,                      全ての鳥
        C)     cattle,                       家畜
        D)       beasts and creeping things  獣と這うもの
        E)         man ;                     人
        F)           all life                全ての生き物
        G)             died                  死んだ
        G)             and was destroyed.    そして滅ぼされた
        F)           Every living thing      全ての生き物
        E)         both man,                 人の
        D)       creeping things,            這うもの
        C)     cattle,                       家畜
        B)   birds,                          鳥
        A) were destroyed from the earth.    みな地の上から拭い去られた



・神がかつて人であった。人はやがて神になる。

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