教義と聖約
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第1章(はしがき:警告の声)
1831年11月1日、オハイオ州ハイラムで開かれた教会の長老たちの特別大会中に、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、221〜224ページ)。このときより前に主から多くの啓示が与えられており、これらの啓示を編集して書物として出版することが、この大会で決議された主要な議題の一つであった。この章は、この神権時代に与えられた教義、聖約、および戒めについての主のはしがきとなっている。
1- 7 警告の声がすべての民に及ぶ。
8-16 再臨に先立つ背教と悪事。
17-23 主の真理と力を地上に回復するために、ジョセフ・スミスが召される。
24-33 『モルモン書』が出され、まことの教会が設立される。
34-36 平和が地から取り去られる。
37-39 これらの戒めを調べなさい。
01 聴きなさい、おお、わたしの教会の人々よ。高い所に住み、その目がすべての人のうえにある者の声は言う。まことにわたしは言う。遠くの民よ、聴きなさい。海の島々にいる者よ、ともに耳を傾けなさい。
02 まことに、主の声はすべての人に及び、逃れる者は1人もいない。目として見ないものはなく、耳として聴かないものはなく、心として貫かれないものもない。
03 また、背く者は深い悲しみに刺し貫かれる。彼らの罪悪が屋根の上で語られ、彼らの隠れた行いが暴かれるからである。
04 また、警告の声は、この終わりの時にわたしが選んだ弟子たちの口を通して、すべての民に及ぶ。
05 彼らは出て行き、彼らをとどめる者はいない。主なるわたしが彼らに命じたからである。
06 見よ、これはわたしの権威であり、わたしの僕たちの権威であり、わたしの戒めの書へのはしがきである。おお、地に住む者よ、これらの戒めは、あなたがたに知らせるためにわたしが僕たちに与えたものである。
07 それゆえ、おお、民よ、畏れおののきなさい。主なるわたしがこれらの中で告げたことは成就するからである。
08 まことに、わたしはあなたがたに言う。地に住む者にこれらのおとずれを伝えるために出て行く者には、信じない者や背く者を地上でも天でも結び固める力が与えられる。
09 まことに、神の激しい怒りが限りなく悪人のうえに注がれる日のために、彼らを結び固めるのである。
10 主が来てすべての人にその行いに応じて報いを与え、またすべての人をその同胞を量ったはかりで量る日のために。
11 それゆえ、主の声は、聞こうとするすべての人が聞けるように地の果てにまで及ぶ。
12 あなたがたは備えなさい。来るべきことのために備えなさい。主は近いからである。
13 主の怒りは燃え、主の剣は天において浸されている。そして、それは地に住む者のうえに下る。
14 主の腕が現される。そして、主の声もその僕たちの声も聞こうとせず、預言者たちや使徒たちの言葉も心に留めようとしない者たちが、民の中から絶たれる日が来る。
15 彼らはわたしの定めから離れ去り、わたしの永遠の聖約を破った。
16 彼らは主の義を打ち立てるために主を求めようとせずに、すべての人が自分の道を、自分の神の像を求めて歩む。その像は俗世の形であり、その本質は偶像のそれである。それは古びて、バビロン、まことに大いなるバビロンにおいて滅び、バビロンは倒れる。
17 主なるわたしは、地に住む者に下る災いを知っているので、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアを訪れ、彼に天から語り、戒めを与えた。
18 また、ほかの者たちにも戒めを与えて、彼らがこれらのことを世に宣言するようにした。これはすべて、預言者たちによって書き記されたことが成就するためである。
19 すなわち、世の弱い者たちが出て来て、力ある強い者たちを打ち破る。それは、人がその同胞に忠告することや、肉の腕に頼ることのないようにするためであり、
20 すべての人が主なる神、すなわち世の救い主の名によって語るため、
21 信仰もまた地に増すため、
22 わたしの永遠の聖約が確立されるため、
23 わたしの完全な福音が弱い者や純朴な者によって世界の果てまで、また王や統治者の前に宣べられるためである。
24 見よ、わたしは神であり、わたしがこれを語った。これらの戒めはわたしから出ており、わたしの僕たちに、彼らの弱さのあるままに、彼らの言葉に倣って与えられた。それは、彼らが理解できるようにするためである。
25 また、彼らが誤りを犯したならば、それを知らされるため、
26 知恵を求めたならば、教えを授けられるため、
27 罪を犯したならば、懲らしめを受けて、悔い改められるようにするため、
28 謙遜であれば、強くされ、高い所から祝福を受け、また折々知識を与えられるようにするためである。
29 また、まことにわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが、ニーファイ人の記録を受けた後、神の憐れみによって、神の力により『モルモン書』を翻訳する力を持てるようにするためであった。
30 また、これらの戒めを与えられた人々もこの教会の基礎を据える力と、暗黒から、また暗闇から、全地の面に唯一まことの生ける教会をもたらす力を持てるようにするためであった。教会について言えば、主なるわたしはこれを心から喜んでいる。しかし、それは全体について言うのであって、一人一人を指すのではない。
31 主なるわたしは、ほんのわずかでも罪を見過ごしにすることはないからである。
32 それでも、悔い改めて主の戒めを守る者は赦されるであろう。
33 また、悔い改めない者は、すでに受けている光さえ取り去られる。わたしの御霊はいつでも人を励ますわけではないからである、と万軍の主は言う。
34 さらにまた、おお、地に住む者よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。主なるわたしは、これらのことを進んですべての肉なるものに知らせようと思う。
35 わたしは人を偏り見ない者であり、その日が速やかに来ることをすべての人が知るようにと望んでいるからである。平和が地から取り去られ、悪魔が自分の領域を支配する力を持つ時はまだ来ていないが、それはもう近い。
36 そして、主も聖徒たちを支配する力を持ち、彼らの中で治め、またイドマヤ、すなわち世を裁くために降って来る。
37 これらの戒めを調べなさい。これらは真実であり、確かであって、これらの中にある預言と約束はすべて成就するからである。
38 主なるわたしが語ったことは、わたしが語ったのであって、わたしは言い逃れをしない。たとえ天地が過ぎ去っても、わたしの言葉は過ぎ去ることがなく、すべて成就する。わたし自身の声によろうと、わたしの僕たちの声によろうと、それは同じである。
39 見よ、見よ、主は神であり、御霊は証する。そして、その証は真実であり、真理はとこしえにいつまでも変わらない。アーメン。
第2章(結び固めの鍵の回復の約束)
1823年9月21日の夜、預言者ジョセフ・スミスがニューヨーク州マンチェスターの父の家に住んでいたときに受けた、天使モロナイの言葉からの抜粋(『教会歴史』第1巻、12ページ)。モロナイは、現在『モルモン書』として世に出されている記録を作った歴代の歴史家の中の最後の人物である(マラキ書第4章5〜6節、本書第27章9節、第110章13〜16節、第128章18節を参照)。
1 エリヤが神権を現す。
2- 3 先祖の約束が子孫の心に植えられる。
01 見よ、主の大いなる恐るべき日が来る前に、わたしは預言者エリヤの手によってあなたがたに神権を現そう。
02 彼は先祖に与えられた約束を子孫の心に植え、子孫の心はその先祖に向かうであろう。
03 そうでなければ、主の来臨の時に、全地はことごとく荒廃するであろう。
第3章(モルモン書原稿の紛失1)
1828年7月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示。『モルモン書』の最初の部分はリーハイ書と呼ばれたが、この啓示は、それから翻訳された116ページの原稿の紛失に関連して与えられたものである。これより以前、預言者はこの原稿を自己の保管よりマーティン・ハリスの保管に移すことを心ならずも許した。このマーティン・ハリスは、『モルモン書』の翻訳で短期間筆記者を務めた人物である。この啓示はウリムとトンミムによって与えられた(『教会歴史』第1巻、21〜23ページ)(本書第10章を参照)。
1- 4 主の道は一つの永遠の環である。
5-15 ジョセフ・スミスは悔い改めなければならない。そうしなければ、翻訳の賜物を失う。
16-20 リーハイの子孫を救うために『モルモン書』が出る。
01 神の業と計画と目的がくじかれることはあり得ず、またそれらが無に帰することもあり得ない。
02 神は曲がった道を歩まず、右にも左にも曲がらず、また述べたことからそれることはない。それゆえ、神の道はまっすぐであり、その道は一つの永遠の環である。
03 覚えておきなさい。くじかれるのは神の業ではなく、人間の業であることを覚えておきなさい。
04 たとえある人が多くの啓示を受け、多くの力ある業を行う力を持つとしても、もし自分の力を自慢し、神の勧告を無視して、自分の思いと肉の欲望が命じることに従うならば、彼は必ず落ちて、公正な神の報復を自分に招くであろう。
05 見よ、あなたはこれらのものを託された。しかし、あなたに与えられた戒めは何と厳しかったことか。また、戒めに背かないという条件であなたに与えられた約束も思い出しなさい。
06 また見よ、あなたは何としばしば神の戒めと律法に背き、人々の説き伏せに乗ってきたことか。
07 見よ、あなたは人を神よりも恐れてはならなかった。たとえ人々が神の勧告を無視し、神の言葉を軽んじても、
08 それでも、あなたは忠実でなければならなかった。そうすれば、神はその腕を伸べて、敵対する者の放つすべての火の矢からあなたを助けたであろう。また、苦難のときには、いつもあなたとともにいたであろう。
09 見よ、あなたはジョセフである。あなたは主の業を行うために選ばれた。しかし、背きのゆえに、あなたは用心しなければ落ちるであろう。
10 しかし、神は憐れみ深いということを覚えておきなさい。それゆえ、あなたが行ったことで、わたしがあなたに与えた戒めに反する行いを悔い改めなさい。そうすれば、あなたはまだ選ばれた者であって、再び業に召される。
11 こうしなければ、あなたは見放されてほかの人々と同様になり、もう賜物を持つことはなくなるであろう。
12 また、あなたは、神から与えられた眼力と力によって翻訳したものを引き渡したとき、悪人の手に神聖なものを引き渡したのである。
13 彼は神の勧告を無視し、神の前で交わした最も神聖な約束を破り、自分の分別に頼り、自分の知恵を自慢した。
14 この理由で、あなたはしばらくの間特権を失うことになった。
15 導きを与える者の勧告が踏みにじられるのを初めから許したからである。
16 それでも、わたしの業は進み行く。ユダヤ人の証によって救い主のことが世に知られるようになったが、まさにそのように、救い主のことがわたしの民にも知られるようになるであろう。
17 すなわち、ニーファイ人と、ヤコブ人と、ヨセフ人と、ゾーラム人に、彼らの先祖の証によって知られるようになるであろう。
18 また、この証はレーマン人と、レムエル人と、イシマエル人にも知られるようになるであろう。彼らは先祖の罪悪のゆえに不信仰に陥った者たちであり、彼らの先祖は主から許されて、同胞であるニーファイ人をその罪悪と忌まわしい行いのゆえに滅ぼした者たちである。
19 そして、まさしくこの目的のために、すなわち、主がその民に与えた約束が果たされるために、これらの記録が載せられている版は保存されているのである。
20 また、レーマン人が彼らの先祖についての知識を得、主の約束を知り、そして福音を信じてイエス・キリストの功徳に頼り、イエス・キリストの名を信じる信仰によって栄光を得、また悔い改めることによって救われるためである。アーメン。
第4章(ジョセフ・スミス・シニアへの啓示)
1829年2月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して彼の父ジョセフ・スミス・シニアに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、28ページ)。
1- 4 主の務めに携わる者は、雄々しく奉仕することによって救われる。
5- 6 神聖な特質を持つ者には、その務めに携わる資格がある。
7 人は神に関することを求めなければならない。
01 さて見よ、驚くべき業が、まさに人の子らの中に現れようとしている。
02 それゆえ、おお、神の務めに出で立とうとする人々よ、終わりの日に神の前に罪のない状態で立てるように、あなたがたの心と、勢力と、思いと、力を尽くして神に仕えなさい。
03 あなたがたは神に仕えたいと望むならば、その業に召されている。
04 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っているからである。見よ、勢力を尽くして鎌を入れる者は、滅びることなく自分に救いをもたらすように蓄えるのである。
05 神の栄光にひたすら目を向けて、信仰、希望、慈愛、愛を持つ者には、その業に携わる資格がある。
06 信仰、徳、知識、節制、忍耐、兄弟愛、信心、慈愛、謙遜、勤勉を思い起こしなさい。
07 求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。たたきなさい。そうすれば、開かれるであろう。アーメン。
第5章(マーティン・ハリスへの啓示:3人の見証者の証)
1829年3月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、マーティン・ハリスの求めに応じて預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、28〜31ページ)。
1-10 この時代の人々は、ジョセフ・スミスを通して主の言葉を受ける。
11-18 3人の証人が『モルモン書』について証する。
19-20 前の時代におけると同様に、主の言葉は実証される。
21-35 マーティン・ハリスは悔い改めて、証人の1人となることができる。
01 見よ、わたしはあなたに言う。わたしの僕マーティン・ハリスは、あなた、すなわちわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアがわたしから受けたと証し、証言した版を持っていることについて、わたしの手から確証を得たいと望んでいるので、
02 さて見よ、あなたはこのことを彼に言わなければならない。すなわち、あなたに語った者があなたに次のように述べたことを。主なるわたしは神であり、あなた、すなわちわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアにこれらのものを与えて、これらのものの証人となるように命じた。
03 また、わたしがあなたに命じた人々のほかにはこれらのものを見せない、という聖約をあなたに交わさせた。これらのものを自由にする力は、わたしがあなたに授けないかぎり、あなたは決して持つことはないのである。
04 あなたは版を翻訳する賜物を持っている。これは、わたしがあなたに授けた最初の賜物である。そしてわたしは、これによってわたしの目的が達せられるまで、ほかの賜物を求めてはならないと命じた。これが終わるまで、わたしはあなたにほかの賜物を授けないからである。
05 まことに、わたしはあなたに言う。地に住む者がわたしの言葉に聞き従わなければ、彼らに災いが及ぶであろう。
06 この後、あなたは聖任され、出て行って人の子らにわたしの言葉を告げるからである。
07 見よ、もし彼らがわたしの言葉を信じなければ、たとえあなた、すなわちわたしの僕ジョセフが、わたしからゆだねられたこれらのものをすべて彼らに見せることができたとしても、彼らはあなたを信じないであろう。
08 ああ、この不信仰でかたくなな時代の人々よ。わたしの怒りは彼らに向かって燃えている。
09 見よ、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの内にある賢明な目的のために、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに託したそれらのものを保存してきた。その目的は、後の時代の人々に知らされるであろう。
10 しかし、この時代の人々は、あなたを通してわたしの言葉を受ける。
11 また、あなたの証のほかに、わたしの3人の僕の証がある。わたしは彼らを召して聖任し、これらのものを彼らに示し、彼らはあなたを通して与えられるわたしの言葉を携えて行くであろう。
12 まことに、彼らはこれらのものが真実であることを確かに知るであろう。天からわたしが彼らにそれを宣言するからである。
13 わたしは、彼らがありのままにこれらのものを目にし、見ることができるように、彼らに力を与えよう。
14 わたしはこの時代の人々の中では、ほかのだれにも、これと同じ証を受ける力を授けない。今はわたしの教会が荒れ野から立ち上がって出て来る始まりであり、わたしの教会は、月のように明るく、太陽のように美しく、旗を立てた軍勢のように恐ろしいものとなる。
15 わたしは、わたしの言葉について、3人の証人の証を送り出そう。
16 そして見よ、だれでもわたしの言葉を信じる者に、わたしは、わたしの御霊の現れを与えよう。彼らはわたしから生まれる。すなわち、水と御霊によって生まれるであろう。
17 あなたは、もうしばらくの間待たなければならない。あなたはまだ聖任されていないからである。
18 また、彼らの証も進み行き、この時代の人々は、もしわたしの言葉に対してその心をかたくなにするならば、罪の宣告を受けるであろう。
19 荒廃をもたらす懲らしめが地に住む者の間に及び、もし彼らが悔い改めなければ折々に続けて懲らしめが与えられ、ついに地はむなしくなり、地に住む者はわたしの来臨の輝きにより焼き尽くされて、ことごとく滅ぼされるからである。
20 見よ、わたしは、エルサレムの滅亡について民に告げたように、あなたがたにこれらのことを告げる。わたしの言葉は、これまでに実証されたように、そのときにも実証されるであろう。
21 さて、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに命じる。悔い改めてわたしの前をさらにまっすぐに歩み、これからはもう人々の説き伏せに乗ることのないようにしなさい。
22 また、わたしがあなたに命じた戒めを確固として守りなさい。あなたがそうするならば、見よ、たとえあなたが殺されようと、わたしはあなたに永遠の命を授ける。
23 さらにまた、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに、証を得たいと望んでいるその人について語る。
24 見よ、わたしは彼に言う。彼は自分を高くして、わたしの前に十分にへりくだっていない。しかし、もし彼がわたしの前に身をかがめて、熱烈な祈りと信仰とをもって真心からへりくだるならば、わたしは、見たいと望んでいるものを見ることを彼に認めよう。
25 その後、彼はこの時代の人々に言わなければならない。「まことに、わたしは、主がジョセフ・スミス・ジュニアに示されたものを見た。わたしはそれらが真実であることを確かに知っている。わたしはそれらを見たからである。それらは人の力ではなく、神の力によってわたしに示されたからである」と。
26 主なるわたしは、彼、すなわちわたしの僕マーティン・ハリスに命じる。これらのものについて次のように言う以外に、人々に何も言ってはならない。「わたしはそれらのものを見た。それらのものは神の力によってわたしに示された。」これが彼の言うべき言葉である。
27 しかし、彼がこれを拒めば、彼は以前にわたしと交わした聖約を破ることになる。そして見よ、彼は罪に定められる。
28 さて、彼はへりくだり、自分が行った誤った事柄をわたしに認め、わたしの戒めを守ると聖約し、わたしを信じる信仰を働かせなければ、見よ、わたしは彼に、このようなものを見ないであろうと言う。わたしは前に語ったものを見ることを彼に認めないからである。
29 そしてこの場合、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョセフに命じる。あなたは彼に、これ以上何も行わないように、またこの件についてもうわたしを煩わさないように言いなさい。
30 そしてこの場合、見よ、わたしはあなた、ジョセフに言う。もう数枚翻訳を終えたならば、わたしが再び命じるまで、しばらくの間、中止しなければならない。その後、あなたは再び翻訳することができる。
31 もしあなたがこうしなければ、見よ、あなたはもう賜物を持たず、わたしはあなたに託したものを取り上げるであろう。
32 さて、わたしはあなたを滅ぼそうとするたくらみがあることをあらかじめ知っており、まことに、わたしの僕マーティン・ハリスが、へりくだってわたしの手から証を受けなければ過ちに陥ることをわたしはあらかじめ知っているので、
33 また、あなたを地の面から滅ぼし去ろうとたくらんでいる者が多くいるので、このために、すなわちあなたの命が長く保たれるようにするために、わたしはこれらの戒めをあなたに与えたのである。
34 まことに、このためにわたしは言ったのである。「中止して、わたしがあなたに命じるまでそのままでいなさい。そうすれば、わたしがあなたに命じたことを成し遂げる手立てを与えよう。」
35 わたしの戒めを忠実に守るならば、あなたは終わりの日に高く上げられるであろう。アーメン。
第6章(オリバー・カウドリへの啓示)
1829年4月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、32〜35ページ)。オリバー・カウドリは、1829年4月7日に、『モルモン書』の翻訳の筆記者として働き始めた。彼は『モルモン書』の記録が刻まれている版に関する預言者の証が真実であるという神の示しをすでに受けていた。預言者はウリムとトンミムによって主に尋ね、この答えを受けた。
1- 6 主の畑で働く者は救いを得る。
7-13 救いの賜物に勝る大いなる賜物はない。
14-27 真理の証は御霊の力によって得られる。
28-37 キリストを仰ぎ見て、絶えず善を行いなさい。
01 大いなる驚くべき業が、まさに人の子らに現れようとしている。
02 見よ、わたしは神である。わたしの言葉を心に留めなさい。わたしの言葉は生きていて、力があり、もろ刃の剣よりも鋭くて、関節も骨髄も切り離すほどである。それゆえ、わたしの言葉を心に留めなさい。
03 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。それゆえ、だれでも刈り入れをしたいと望む者は、永遠の救いが神の王国で自分のために蓄えられるように、勢力を尽くして鎌を入れ、日のあるうちに刈り取りなさい。
04 まことに、だれでも鎌を入れて刈り取ろうとする者は、神から召されている。
05 それゆえ、あなたはわたしに求めれば、与えられるであろう。たたけば、開かれるであろう。
06 さて、あなたは求めたので、見よ、わたしはあなたに言う。わたしの戒めを守り、シオンの大義を起こして確立するように努めなさい。
07 富を求めずに、知恵を求めなさい。そうすれば、見よ、神の奥義はあなたに明らかにされ、そのとき、あなたは豊かにされる。見よ、永遠の命を持つ者は豊かである。
08 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたがわたしに望むことが、あなたにそのとおりになるであろう。もしあなたが望むならば、あなたはこの時代に大いに善を行う仲立ちとなるであろう。
09 この時代の人々には、悔い改めのほかに何も語ってはならない。わたしの戒めを守り、またわたしの命じたとおりにわたしの業を起こす助けをしなさい。そうすれば、あなたは祝福されるであろう。
10 見よ、あなたは一つの賜物を持っている。この賜物のゆえに、あなたは幸いである。これは神聖で、上から来ていることを覚えておきなさい。
11 あなたは尋ねるならば、大いなる驚くべき奥義を知るであろう。それゆえ、奥義を見いだして、多くの人を真理の知識に導き、まことに彼らの行いが誤っていることを納得させるために、あなたは自分の賜物を使わなければならない。
12 あなたと同じ信仰を持つ者以外、だれにもあなたの賜物を知らせないようにしなさい。神聖なものを軽んじないようにしなさい。
13 あなたは善を行い、そして最後まで忠実であり続ければ、神の王国に救われるであろう。これは、神のあらゆる賜物の中で最も大いなるものである。救いの賜物に勝る大いなる賜物はないからである。
14 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたが行ってきたことのために、あなたは幸いである。あなたはわたしに尋ね、そして見よ、尋ねる度に、わたしの御霊からの教えを受けてきたからである。そうでなかったならば、現在あなたがいる所に来ることはなかったであろう。
15 見よ、あなたがわたしに尋ねたので、わたしがあなたの思いを照らしたことを、あなたは知っている。そして今、あなたが真理の御霊に照らされたことを知るように、わたしはこれらのことをあなたに告げるのである。
16 まことに、わたしはあなたに告げる。それは、あなたの心の思いと志を知っている者は神のほかにだれもいないことを、あなたが知るためである。
17 わたしはあなたへの証としてこれらのことを告げる。すなわち、あなたが記してきた言葉、すなわちその書は真実である。
18 それゆえ、熱心でありなさい。わたしの僕ジョセフがその言葉のためにどのような困難な状況に陥ろうと、忠実に彼の傍らに立っていなさい。
19 彼の過ちについて彼を訓戒し、また彼からも訓戒を受けなさい。忍耐強くありなさい。まじめでありなさい。自制しなさい。忍耐と信仰、希望、慈愛を持ちなさい。
20 見よ、あなたはオリバーであり、わたしがあなたに語ったのは、あなたが望んだからである。それゆえ、これらの言葉をあなたの心の中に大切に蓄えておきなさい。神の戒めを忠実かつ熱心に守りなさい。そうすれば、わたしはあなたをわたしの愛の腕の中に抱くであろう。
21 見よ、わたしは神の子イエス・キリストである。わたしは自分の民のところに来た者である。そして、民はわたしを受け入れなかった。わたしは暗闇の中に輝いている光である。そして、暗闇はそれを理解しない。
22 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたはこれ以上の証を望むならば、これらのことが真実であるのを知ろうとして心の中でわたしに叫び求めた夜のことを思い出しなさい。
23 わたしはこの件についてあなたの心に平安を告げなかったであろうか。神からの証よりも大いなる証があるであろうか。
24 さて見よ、あなたは証を得た。だれも知らない事柄をわたしがあなたに告げたので、あなたは証を得たではないか。
25 見よ、もしあなたがわたしに望むならば、わたしはあなたに、わたしの僕ジョセフのように、翻訳する賜物を授ける。
26 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの福音の多くを載せた数々の記録がある。それらは人々の悪のゆえに与えられなかったものである。
27 さて、わたしはあなたに命じる。もしあなたが善い望み、すなわち、自分自身のために天に宝を蓄えたいという望みを持つならば、あなたは自分の賜物をもって、罪悪のゆえにこれまで隠されてきたわたしの聖文のそれらの部分を明るみに出す助けをしなければならない。
28 さて見よ、わたしはあなたと、わたしの僕ジョセフに、この賜物の鍵を与える。それはこの務めを明るみに出すであろう。そして、2人または3人の証人の口によって、すべての言葉が確定される。
29 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。たとえ人々がわたしの言葉と、わたしの福音と務めのこの部分とを拒んだとしても、あなたがたは幸いである。彼らはわたしに行った以上のことをあなたがたに行えないからである。
30 また、たとえ彼らがわたしに行ったようにあなたがたに行うとしても、あなたがたは幸いである。あなたがたはわたしとともに栄光の中に住むからである。
31 しかし、彼らが与えられる証によって確定されるわたしの言葉を拒まないならば、彼らは幸いである。そのとき、あなたがたは自分たちの労苦の結ぶ実を喜ぶであろう。
32 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。一つのことについて2人または3人がわたしの名によって集まっている所には、見よ、わたしもその中にいる、とわたしが弟子たちに言ったように、まさにそのようにわたしはあなたがたの中にいるのである。
33 息子たちよ、善を行うのを恐れてはならない。あなたがたは、何であろうとまいたものをまた刈り入れるからである。それゆえ、あなたがたは善をまけば、報いとしてまた善を刈り入れることになる。
34 それゆえ、小さい群れよ、恐れてはならない。善を行いなさい。この世と地獄をあなたがたに対して連合させなさい。あなたがたがわたしの岩の上に建てられるならば、それらは打ち勝つことができないからである。
35 見よ、わたしはあなたがたを罪に定めない。あなたがたの道を行き、これからはもう罪を犯さないようにしなさい。わたしがあなたがたに命じた業をまじめに行いなさい。
36 あらゆる思いの中でわたしを仰ぎ見なさい。疑ってはならない。恐れてはならない。
37 わたしのわきを突き刺した傷跡と、わたしの手と足にある釘の跡を見なさい。忠実であり、わたしの戒めを守りなさい。そうすれば、あなたがたは天の王国を受け継ぐであろう。アーメン。
第7章(黙示者ヨハネ)
1829年4月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに与えられた啓示。彼らが、主から愛された弟子ヨハネが肉体にとどまっているか、それとも死んでしまったか、ウリムとトンミムによって尋ねたときに与えられたものである。この啓示は、ヨハネが羊皮紙に記して自ら隠しておいた記録の訳文である(『教会歴史』第1巻、35〜36ページ)。
1- 3 主から愛されたヨハネは、主が来られるときまで生き長らえる。
4- 8 ペテロとヤコブとヨハネは、福音の鍵を持つ。
01 主はわたしに言われた。「わたしの愛するヨハネよ、あなたは何を望むか。あなたの欲することを求めれば、授けられるであろう。」
02 そこで、わたしは主に申し上げた。「主よ、わたしが生き長らえて、人々をあなたのみもとに導くことができるように、死を制する力をお与えください。」
03 すると、主はわたしに言われた。「まことに、まことに、あなたに言う。あなたがこれを望んでいるので、わたしが栄光のうちに来るときまであなたはこの世にとどまり、もろもろの国民、部族、国語の民、民族の前で預言するであろう。」
04 そしてこのために、主はペテロに言われた。「わたしが来るときまで彼がこの世にとどまっていることを、わたしが望んだとしても、それがあなたに何の関係があろうか。彼は人々をわたしのもとに連れて来ることを望んだが、あなたはわたしの王国においてわたしのもとに速やかに来ることを望んでいるからである。
05 わたしはあなたに言う。ペテロよ、これは善い望みであった。しかし、わたしの愛する者はそれ以上のこと、すなわち、彼がこれまで行ってきたことよりもさらに大いなる業を人々の中で行うことを望んだ。
06 まことに、彼はさらに大いなる業を引き受けた。それゆえ、わたしは彼を燃える火のようにし、また仕える天使とする。地上に住んでいる救いを受け継ぐ者のために、彼は仕えるであろう。
07 また、わたしはあなたを、彼とあなたの兄弟ヤコブのために仕えさせよう。そして、わたしはあなたがた3人に、わたしが来るときまでこの力とこの務めの鍵とを授けよう。
08 まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは2人とも、望みどおりに与えられるであろう。あなたがたは2人とも、望んだことを喜びとしているからである。」
第8章(啓示のみたま)
1829年4月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオリバー・カウドリに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、36〜37ページ)。『モルモン書』の翻訳中筆記者として働き続け、預言者の口述を筆記していたオリバーは、翻訳の賜物を授けられることを願った。主はこの啓示を下して、彼の嘆願にこたえられた。
1- 5 啓示は聖霊の力によって与えられる。
6-12 神の奥義についての知識と昔の記録を翻訳する力は、信仰によって与えられる。
01 オリバー・カウドリよ、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたの神であり、あなたの贖い主である主が生きているように確かに、あなたが古い記録に刻まれたものについて知識を与えられると信じながら、信仰をもって、正直な心で求めるものは何であろうと、その知識を確かに与えられるであろう。その古い記録は昔のものであり、わたしの聖文のうち、わたしの御霊の現れによって語られた部分を含むものである。
02 まことに見よ、あなたに降ってあなたの心の中にとどまる聖霊によって、わたしはあなたの思いとあなたの心に告げよう。
03 さて見よ、これは啓示の霊である。見よ、モーセがイスラエルの子らを導いて乾いた地を通って紅海を渡らせたのは、この霊による。
04 これがあなたの賜物である。この賜物を使いなさい。そうすれば、あなたは幸いである。これはあなたを敵の手から救い出すからである。もしそうしなければ、彼らはあなたを殺し、あなたの霊を滅びに至らせるであろう。
05 おお、これらの言葉を覚えておき、わたしの戒めを守りなさい。これがあなたの賜物であることを覚えておきなさい。
06 ところで、これがあなたの賜物のすべてではない。あなたはもう一つの賜物を持っている。それはアロンの賜物である。見よ、それは多くのことをあなたに告げてきた。
07 見よ、このアロンの賜物をあなたに持たせる力は、神の力をおいてほかにない。
08 それゆえ、疑ってはならない。それは神の賜物だからである。そして、あなたはそれを手に持ち、驚くべき業をなすであろう。また、それは神の業であるから、いかなる力もあなたの手からそれを取り去ることができないであろう。
09 また、あなたがその手立てによって告げてほしいとわたしに求めることは何であろうと、わたしはあなたに授けよう。そして、あなたはそれについての知識を得るであろう。
10 信仰がなければ何も行えないことを覚えておきなさい。それゆえ、信仰をもって求めなさい。これらのものを軽んじないようにしなさい。求めてはならないものを求めないようにしなさい。
11 神の奥義を知ることができるように、また隠されていた、神聖な、それらのすべての昔の記録を翻訳して知識を得ることができるように、求めなさい。そうすれば、あなたの信仰に応じてそのとおりになるであろう。
12 見よ、これを語ったのはわたしである。わたしは初めからあなたに語った者である。アーメン。
第9章(啓示の確認)
1829年4月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオリバー・カウドリに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、37〜38ページ)。オリバーは忍耐強くあるように戒められ、また、翻訳を試みるよりは、今のところ翻訳者の口述を受けて書き取ることに満足するように勧められる。
1- 6 まだ翻訳されていない昔の記録がほかにある。
7-14 『モルモン書』は、研究と御霊の確認とによって翻訳される。
01 見よ、わたしは、わたしの子であるあなたに言う。あなたがわたしに望んだようには翻訳をせずに、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアのために再び書き取ることを始めたので、まことにわたしは、彼に託したこの記録をあなたが書き続けて完結するように望むものである。
02 その後、見よ、ほかの記録があるので、わたしはあなたに力を与えて翻訳を助けさせよう。
03 息子よ、忍耐強くありなさい。それはわたしの知恵にかなうからである。現在あなたが翻訳することは適切ではない。
04 見よ、あなたが行うように召されている業は、わたしの僕ジョセフのために筆記することである。
05 また見よ、わたしがあなたからこの特権を取り去ったのは、あなたが翻訳を開始したときのように翻訳を続けなかったからである。
06 息子よ、つぶやいてはならない。わたしがこのようにあなたを遇したことは、わたしの知恵にかなうからである。
07 見よ、あなたは理解していなかった。あなたはわたしに求めさえすれば、何も考えなくてもわたしから与えられると思ってきた。
08 しかし見よ、わたしはあなたに言う。あなたは心の中でそれをよく思い計り、その後、それが正しいかどうかわたしに尋ねなければならない。もしそれが正しければ、わたしはあなたの胸を内から燃やそう。それゆえ、あなたはそれが正しいと感じるであろう。
09 しかし、もしそれが正しくなければ、あなたはこのような感じを少しも受けず、思いが鈍くなり、それによって誤っている事柄を忘れるようになる。それゆえ、あなたはわたしから与えられなければ、神聖なことを書くことはできない。
10 さて、もしあなたがこれを知っていたならば、翻訳できたであろう。しかしながら、あなたが今翻訳することは適切ではない。
11 見よ、あなたが始めたときには適切であった。しかし、あなたは恐れた。そして、時は過ぎ去り、今や適切ではなくなった。
12 あなたは、わたしがそれを補う十分な力をわたしの僕ジョセフに与えたのを見ていないか。あなたがたのどちらをも、わたしは罪に定めない。
13 わたしがあなたに命じたこのことを行いなさい。そうすれば、あなたは栄えるであろう。忠実であり、決して誘惑に負けないようにしなさい。
14 わたしがあなたを召した業にしっかりと立ちなさい。そうすれば、あなたの髪の毛一筋も失われることはない。そして、あなたは終わりの日に高く上げられるであろう。アーメン。
第10章(モルモン書原稿の紛失2)
1828年の夏に、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、20〜23ページ)。主はこの啓示の中で、『モルモン書』中のリーハイ書から翻訳された116ページの原稿が悪人たちによって変更されたことをジョセフに告げておられる。これらの原稿は、一時それを預かったマーティン・ハリスの手もとから紛失したものである(第3章の前書きを参照)。悪人たちの計画は、盗んだ原稿の相当部分が予想どおりに再翻訳されるのを待ち、書き変えたことによって生じた違いを示して翻訳者の信用を落とすことであった。この悪計が悪しき者によって考え出され、昔のニーファイ人の歴史家モルモンが集積された版の要約を作っていた時点ですでに主に知られていたことが、『モルモン書』の中に示されている(モルモンの言葉第1章3〜7節を参照)。
1-26 サタンは主の業に反対するように悪人たちをあおり立てる。
27-33 サタンは人々の霊を滅ぼそうとしている。
34-52 福音は『モルモン書』によってレーマン人とすべての国民に伝わる。
53-63 主は人々の間に御自分の教会と福音を確立される。
64-70 主は悔い改めた者を御自分の教会に集め、従順な者を救われる。
01 さて見よ、わたしはあなたに言う。あなたは、ウリムとトンミムによって翻訳する力を与えられたあの書き物を悪人の手に渡したので、それを失ってしまった。
02 また、同時にあなたの賜物も失い、あなたの思いは暗くなった。
03 それにもかかわらず、それは今再びあなたに返された。それゆえ、あなたは忠実であり、あなたが始めたとおりに翻訳の仕事の残りの部分を完結するまで続けるようにしなさい。
04 あなたは翻訳できるように与えられた力と手段以上に急いだり、それ以上に働いたりすることのないようにしなさい。しかし、最後まで励みなさい。
05 勝利者となるために、まことに、サタンに打ち勝つために、またサタンの業を支えるサタンの手下どもの手から逃れるために、常に祈りなさい。
06 見よ、彼らはあなたを滅ぼそうとした。まことに、あなたが信頼した人でさえもあなたを滅ぼそうとした。
07 この理由で、わたしは、彼は悪人であると言ったのである。それは、彼があなたに託されたものを取り去ろうとし、またあなたの賜物を損なおうとしたからである。
08 そして、あなたが彼の手にその書き物を渡したので、見よ、悪人たちはあなたからそれを奪った。
09 それゆえ、あなたはそれを、すなわち神聖なものを悪に引き渡したのである。
10 また見よ、サタンはあなたが書き取らせた言葉、すなわち、あなたが翻訳した言葉であるあなたの手を離れたものを書き変えようとする思いを彼らの心に入れた。
11 そこで見よ、わたしはあなたに言う。彼らがそれらの言葉を書き変えたので、それはあなたが翻訳して書き取らせたものとは反対の意味に読まれてしまう。
12 このように、悪魔はこの業を損なうために狡猾な計画を企ててきた。
13 サタンは、あなたが翻訳したと見せかけたその言葉であなたを見破ったと彼らが偽って言えるように、彼らの心にこのことを行う思いを入れた。
14 まことに、わたしはあなたに言う。わたしはサタンがこのことについて悪計を遂げるのを許さない。
15 見よ、サタンは、あなたにもう一度それを翻訳することを神に求めさせて主なるあなたの神を試みさせようとする思いを、彼らの心に入れた。
16 その後、見よ、彼らはその心の中で次のように言って考える。「我々は神が彼に翻訳する力を与えたかどうか見よう。もしそうであれば、神は再び彼に力を与えるだろう。
17 もし神が再び彼に力を与えれば、つまり彼が再び翻訳すれば、言い換えれば、彼が同じ言葉を訳出すれば、見よ、同じものが我々のところにあり、我々はそれを書き変えている。
18 だから、両者は一致しない。そこで我々は、彼はその言葉について偽りを語った、彼は賜物を持っておらず、力も持っていない、と言おう。
19 こうして我々は彼を滅ぼし、その業も損なおう。我々は最後に恥じることのないように、また世の誉れを得るために、このことを行おう。」
20 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。サタンは彼らの心をしっかりと捕らえている。彼は善いことに逆らって罪悪を行うように彼らをあおり立てている。
21 そして、彼らの心は腐敗しており、悪と忌まわしさに満ちている。また、彼らはその行いが悪いので、光よりも闇を愛している。そのために、彼らはわたしに求めようとしない。
22 サタンは彼らをあおり立てて、彼らの霊を滅びに導くのである。
23 このように、サタンは神の業を損なおうと考えて、狡猾な計画を企てた。しかし、わたしは彼らの手にこの責任を求めよう。これは裁きの日に彼らの恥となり、罪の宣告となるであろう。
24 まことに、サタンは彼らの心をあおり立てて、この業に対して怒らせている。
25 まことに、サタンは彼らに、「欺き、たくらんでわなにかけて、滅ぼせ。見よ、これは少しも悪いことではない」と言う。このように、彼は彼らにへつらい、偽りを言う者を見破って滅ぼすために自ら偽りを言うのは何ら罪ではないと彼らに告げる。
26 このように、サタンは彼らにへつらい、彼らを導いて、最後には彼らの霊を地獄へと引きずり込む。また、このようにして彼は、彼らが自分で仕掛けたわなに陥るようにするのである。
27 このように、サタンは人々の霊を滅ぼそうとして、地を行きつ戻りつ、あちらこちらと歩き回っている。
28 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。ほかの者が偽り欺いていると考えて自分も偽り欺く者は、災いである。このような者は神の正義を免れないからである。
29 さて見よ、サタンが彼らに、「彼はあなたがたを欺いた」と言うので、彼らはこれらの言葉を書き変えた。このように、サタンは彼らにへつらって、罪悪を行うように、すなわち、あなたに主なるあなたの神を試みさせるように彼らを仕向ける。
30 見よ、わたしはあなたに言う。あなたの手を離れたそれらの言葉を再び翻訳してはならない。
31 見よ、彼らはそれらの言葉に対する偽りの悪計を遂げることはない。見よ、もしもあなたが同じ言葉を訳出すれば、彼らはあなたが偽った、翻訳したと見せかけたが食い違っていた、と言うであろう。
32 そして見よ、彼らはこれを出版する。そして、サタンは人々の心をかたくなにし、あなたに対して怒るように人々をあおり立て、人々がわたしの言葉を信じないようにする。
33 このように、サタンはこの時代におけるあなたの証を打ち倒そうと考えているが、それは、この時代における業が進まないようにするためである。
34 しかし見よ、ここに知恵がある。わたしがあなたに知恵を示し、あなたが何をなすべきか、これらのことについて戒めをあなたに与えるので、あなたは翻訳の業を完了するまでそれを世に示してはならない。
35 わたしがあなたに、「ここに知恵がある。それを世に示してはならない」と言ったことを不思議に思ってはならない。あなたが守られるために、わたしは、「それを世に示してはならない」と言ったのである。
36 見よ、わたしは義人にそれを示してはならないとは言わない。
37 しかし、あなたは必ずしも義人を判定できないので、すなわち、あなたは必ずしも義人と悪人を見分けることができないので、わたしはあなたに言う。この件についてすべてのことを世に知らせるのがふさわしいとわたしが認めるまで、黙していなさい。
38 さて、まことに、わたしはあなたに言う。あなたが書き取った、あなたの手を離れてしまった事柄についての話が、ニーファイの版に刻まれている。
39 また、ニーファイの版にはこれらの事柄についてもっと詳細な話が記されていることが、あの書き物の中に言われていたのを、あなたは記憶している。
40 さて、ニーファイの版に刻まれている話は、わたしがこの話によって人々に知らせたいと自らの知恵により望んでいる事柄に関して、もっと詳細なものである。
41 それゆえ、あなたはベニヤミン王の治世に至るまで、すなわち、あなたが翻訳して所持している部分に至るまで、ニーファイの版に刻まれている記録を翻訳しなければならない。
42 そして見よ、あなたはこれをニーファイの記録として出版しなければならない。このようにして、わたしは、わたしの言葉を書き変えた者たちを辱めよう。
43 わたしは彼らがわたしの業を損なうのを許さない。まことに、わたしの知恵が悪魔の狡猾さに勝っていることを彼らに示そう。
44 見よ、彼らはただ一部分、すなわち、ニーファイの記録の要約を持っているにすぎない。
45 見よ、ニーファイの版には、わたしの福音についてもっと深い見方を与える多くの事柄が刻まれている。それゆえ、あなたがこのニーファイの刻まれた記録の最初の部分を翻訳して、この書に加えることは、わたしの知恵にかなっている。
46 また見よ、この書の残りのすべてに、わたしの聖なる預言者たちと弟子たちが彼らの祈りの中でこの民に伝わるようにと願った、わたしの福音のすべての部分が載っている。
47 またわたしは、彼らが祈りで示した信仰に応じてそれがかなえられることを彼らに告げた。
48 まことに、彼らの信仰は次のとおりであった。すなわち、彼らがその時代に宣べ伝えることができるようにわたしが与えた福音が、彼らの同胞であるレーマン人と、離反してレーマン人となったすべての者に伝わる、と。
49 さて、それだけではない。彼らが祈りで示した信仰は、もしほかの国民がこの地を所有することがあれば、この福音が知らされるというものであった。
50 このようにして、彼らは、この地でこの福音を信じる者が永遠の命を得られるように、彼らの祈りの中でこの地に祝福を残したのである。
51 まことに、いかなる国民、部族、国語の民、民族であろうと、すべての者がそれを価なしに得られるように祝福を残したのである。
52 さて見よ、彼らが祈りで示した信仰に応じて、わたしは、わたしの福音のこの部分をわたしの民に知らせよう。見よ、わたしがこれを知らせるのは、わたしの民が受けているものを損なうためではなく、それを築き上げるためである。
53 そしてこのために、わたしは、「もしこの時代の人々がその心をかたくなにしなければ、わたしは彼らの間にわたしの教会を設けよう」と言ったのである。
54 さて、わたしがこのように言うのは、わたしの教会を滅ぼすためではなく、わたしの教会を築き上げるためである。
55 それゆえ、だれでもわたしの教会に属する者は、恐れる必要がない。このような者は天の王国を受け継ぐからである。
56 しかし、わたしを畏れず、わたしの戒めを守らず、利を得ようとして自分のために教会を築き上げる者、また悪を行い、悪魔の王国を築き上げるすべての者を、まことに、まことに、わたしはあなたに言うが、わたしはこれらの者を乱し、おののかせ、中心までも震わせよう。
57 見よ、わたしは神の子イエス・キリストである。わたしは自分の民のところに来たのに、民はわたしを受け入れなかった。
58 わたしは暗闇の中に輝いている光である。そして、暗闇はそれを理解しない。
59 わたしは、「わたしには、この囲いにいない他の羊がある」とわたしの弟子たちに言った者である。そこにいた多くの者はわたしを理解しなかった。
60 わたしには他の羊がおり、彼らはヤコブの家の一枝であったことを、わたしはこの民に示そう。
61 そして、わたしは他の羊がわたしの名によって行った驚くべき業を明るみに出そう。
62 わたしはまた、彼らに教えられたわたしの福音も明るみに出そう。見よ、この民はあなたが受けたものを否定せずにそれを築き上げ、わたしの教義の真の要点を明るみに出すであろう。その教義は、わたしの内にある唯一の教義である。
63 わたしがこのことを行うのは、わたしの福音を確立し、ひどい争いがないようにするためである。まことに、サタンは人々の心をあおり立て、わたしの教義の要点について争わせる。そして、人々はこれらのことについて過ちを犯す。聖文を曲げて解釈し、それを理解しないからである。
64 それゆえ、わたしはこの大いなる奥義を彼らに明らかにしよう。
65 見よ、彼らが心をかたくなにしなければ、わたしはめんどりが羽の下にひなを集めるように、彼らを集めよう。
66 まことに、彼らは来ようと思うならば、来て、価なしに命の水を飲むことができる。
67 見よ、これはわたしの教義である。すなわち、だれでも悔い改めてわたしのもとに来る者は、わたしの教会である。
68 だれでもこれ以上のこと、あるいはこれに及ばないことを告げる者は、わたしにつく者ではなく、わたしに反対する者である。それゆえ、その人はわたしの教会に属する者ではない。
69 さて見よ、だれでもわたしの教会に属し、教会にあって最後まで堪え忍ぶ者を、わたしはわたしの岩の上に建てよう。そうすれば、地獄の門も彼らに打ち勝つことはない。
70 さて、世の命であり光である者、あなたの贖い主、あなたの主、またあなたの神である者の言葉を覚えておきなさい。アーメン。
第11章(まずわたしの言葉を得るように努めなさい)
1829年5月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して彼の兄ハイラム・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、39〜46ページ)。この啓示は、ジョセフの嘆願と問いに対する答えとして、ウリムとトンミムによって受けたものである。『教会歴史』によれば、この啓示を受けたのはアロン神権が回復された後のことであったと思われる。
1- 6 ぶどう園で働く者は救いを得る。
7-14 知恵を求め、悔い改めを叫び、御霊を信頼しなさい。
15-22 戒めを守り、主の言葉を研究しなさい。
23-27 啓示の霊と預言の霊を否定してはならない。
28-30 キリストを受け入れる者は神の子となる。
01 大いなる驚くべき業が、まさに人の子らの中に現れようとしている。
02 見よ、わたしは神である。わたしの言葉を心に留めなさい。わたしの言葉は生きていて、力があり、もろ刃の剣よりも鋭くて、関節も骨髄も切り離すほどである。それゆえ、わたしの言葉を心に留めなさい。
03 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。それゆえ、だれでも刈り入れをしたいと望む者は、永遠の救いが神の王国で自分のために蓄えられるように、勢力を尽くして鎌を入れ、日のあるうちに刈り取りなさい。
04 まことに、だれでも鎌を入れて刈り取ろうとする者は、神から召されている。
05 それゆえ、あなたはわたしに求めれば、与えられるであろう。たたけば、開かれるであろう。
06 さて、あなたは求めたので、見よ、わたしはあなたに言う。わたしの戒めを守り、シオンの大義を起こして確立するように努めなさい。
07 富を求めずに、知恵を求めなさい。そうすれば、見よ、神の奥義はあなたに明らかにされ、そのとき、あなたは豊かにされる。見よ、永遠の命を持つ者は豊かである。
08 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたがわたしに望むことは、あなたにそのとおりになるであろう。もしあなたが望むならば、あなたはこの時代に大いに善を行う仲立ちとなるであろう。
09 この時代の人々には、悔い改めのほかに何も語ってはならない。わたしの戒めを守り、またわたしの命じたとおりにわたしの業を起こす助けをしなさい。そうすれば、あなたは祝福されるであろう。
10 見よ、あなたは一つの賜物を持っている。すなわち、イエス・キリストの力、すなわち今あなたに語っているわたしの力を信じながら、信仰をもって、正直な心でわたしに願うならば、あなたは一つの賜物を持つであろう。
11 見よ、今語っているのはわたしである。見よ、わたしは暗闇の中に輝いている光であり、わたしの力によってこれらの言葉をあなたに与える。
12 さて、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。善を行うように導く、すなわち、公正に行動し、へりくだって歩み、義にかなって裁くように導く御霊を信頼しなさい。これはわたしの御霊である。
13 まことに、まことに、あなたに言う。わたしはあなたにわたしの御霊を授けよう。わたしの御霊はあなたの思いを照らし、あなたの霊に喜びを満たすであろう。
14 そのとき、あなたは知るであろう。すなわち、これによってあなたは、わたしから与えられると信じながら信仰をもってわたしに願うことで、義にかかわることは何であろうとすべて知るであろう。
15 見よ、わたしはあなたに命じる。あなたは召しを受けるまで、教えを説くために召されたと思うには及ばない。
16 あなたはわたしの教義を確実に知るために、わたしの言葉、わたしの岩、わたしの教会、わたしの福音を得るまで、もう少しの間待ちなさい。
17 その後、見よ、あなたの望みに応じて、まことにあなたの信仰に応じてそのとおりになるであろう。
18 わたしの戒めを守り、黙して、わたしの御霊に請い求めなさい。
19 まことに、これまで語ってきたそれらのもの、すなわちわたしの業の翻訳を明るみに出す助けができるように、心の底からわたしにすがりなさい。それを成し遂げるまで忍耐強くありなさい。
20 見よ、あなたの勢力と思いと力を尽くしてわたしの戒めを守ることが、あなたのなすべきことである。
21 わたしの言葉を告げようとしないで、まずわたしの言葉を得るように努めなさい。そうすればその後、あなたの舌は緩められる。それから望むならば、あなたはわたしの御霊とわたしの言葉、すなわち人々を確信に導く神の力を受けるであろう。
22 しかし、今は黙していなさい。まことに、あなたはわたしがこの時代に人の子らに授けるすべてのものを得るまで、すでに人の子らの中に出ているわたしの言葉を研究し、さらにまた人の子らの中に出て行くわたしの言葉、すなわち現在翻訳されつつあるわたしの言葉を研究しなさい。そうすればその後、すべてのものがこれに加えられるであろう。
23 見よ、あなたはわたしの子、ハイラムである。神の王国を求めなさい。そうすれば、正当であるかぎりすべてのものが添えて与えられるであろう。
24 わたしの福音であるわたしの岩の上に建てなさい。
25 啓示の霊も預言の霊も否定してはならない。これらのものを否定する者は災いだからである。
26 それゆえ、あなたが出て行くことがわたしの知恵にかなうときまで、あなたの心の中に大切に蓄えておきなさい。
27 見よ、善い望みを持ち、刈り入れのために鎌を入れているすべての者に、わたしは語る。
28 見よ、わたしは神の子イエス・キリストである。わたしは世の命であり光である。
29 わたしは自分の民のところに来た者である。そして、民はわたしを受け入れなかった。
30 しかし、まことに、まことに、あなたに言う。わたしを受け入れるすべての者、すなわち、わたしの名を信じる者に、わたしは神の子となる力を与えよう。アーメン。
第12章(ジョセフ・ナイト・シニアへの啓示)
1829年5月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してジョセフ・ナイト・シニアに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、47〜48ページ)。ジョセフ・ナイトは、ジョセフ・スミスが『モルモン書』の版を所有していること、ならびに当時翻訳の業が進行中であることについて語った彼の言葉を信じて、ジョセフ・スミスと彼の筆記者が翻訳を続けられるように、数回にわたって物質的な援助を与えてきた。預言者はジョセフ・ナイトの求めに応じて主に尋ね、この啓示を受けた。
1- 6 ぶどう園で働く者は救いを得る。
7- 9 望みを持ち、資格のあるすべての者は、主の業を助けることができる。
01 大いなる驚くべき業が、まさに人の子らの中に現れようとしている。
02 見よ、わたしは神である。わたしの言葉を心に留めなさい。わたしの言葉は生きていて、力があり、もろ刃の剣よりも鋭くて、関節も骨髄も切り離すほどである。それゆえ、わたしの言葉を心に留めなさい。
03 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。それゆえ、だれでも刈り入れをしたいと望む者は、永遠の救いが神の王国で自分のために蓄えられるように、勢力を尽くして鎌を入れ、日のあるうちに刈り取りなさい。
04 まことに、だれでも鎌を入れて刈り取ろうとする者は、神から召されている。
05 それゆえ、あなたはわたしに求めれば、与えられるであろう。たたけば、開かれるであろう。
06 さて、あなたは求めたので、見よ、わたしはあなたに言う。わたしの戒めを守り、シオンの大義を起こして確立するように努めなさい。
07 見よ、わたしはあなたと、またこの業を起こして確立したいと望むすべての者に語る。
08 人は謙遜であり、愛に満ち、信仰と希望と慈愛を持ち、また自分に任せられたすべてのことについて自制しなければ、だれもこの業を助けることはできない。
09 見よ、これらの言葉を語っているわたしは、世の光であり命である。それゆえ、力を尽くしてこれらの言葉を心に留めなさい。そうすれば、あなたは召されるであろう。アーメン。
第13章(アロン神権の回復)
1829年5月15日、ペンシルベニア州ハーモニー近くのサスケハナ川の岸辺で行われた、ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリのアロン神権への聖任(『教会歴史』第1巻、39〜42ページ)。この聖任は、自らヨハネと名乗った1人の天使の手によって行われた。このヨハネは、『新約聖書』の中でバプテスマのヨハネと呼ばれている人物である。この天使は、メルキゼデクの神権と呼ばれる大神権の鍵を持っている昔の使徒、ペテロとヤコブとヨハネの指示の下に務めを果たしていることを説明した。ふさわしいときにジョセフとオリバーにメルキゼデクの神権が授けられるという約束が与えられた(第27章7、8、12節を参照)。
アロン神権の鍵と力について説明される。
01 わたしと同じ僕であるあなたがたに、メシヤの御名によって、わたしはアロンの神権を授ける。これは天使の働きの鍵と、悔い改めの福音の鍵と、罪の赦しのために水に沈めるバプテスマの鍵を持つ。また、レビの子らが再び義をもってささげ物を主にささげるまで、これは決して再び地上から取り去られることはないであろう。
第14章(デビッド・ホイットマーへの啓示)
1829年6月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してデビッド・ホイットマーに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、48〜50ページ)。ホイットマー家の人々は、『モルモン書』の翻訳に大いに関心を寄せるようになっていた。預言者はピーター・ホイットマー・シニアの家を住まいとし、翻訳の仕事を完了してこの出版予定の書の版権を取得するまでそこに住んだ。ホイットマー家の息子たちのうちの3人はそれぞれ、この業が真実のものであるという証を得ていたので、自分のなすべき務めをひどく気にかけるようになった。この啓示と次の2つの啓示(第15章と第16章)は、問いに対する答えとして、ウリムとトンミムによって与えられたものである。デビッド・ホイットマーは、後に『モルモン書』に関する3人の証人の1人となった。
1- 6 ぶどう園で働く者は救いを得る。
7- 8 永遠の命は、神の賜物の中で最も大いなるものである。
9-11 キリストは天と地を創造された。
01 大いなる驚くべき業が、まさに人の子らに現れようとしている。
02 見よ、わたしは神である。わたしの言葉を心に留めなさい。わたしの言葉は生きていて、力があり、もろ刃の剣よりも鋭くて、関節も骨髄も切り離すほどである。それゆえ、わたしの言葉を心に留めなさい。
03 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。それゆえ、だれでも刈り入れをしたいと望む者は、永遠の救いが神の王国で自分のために蓄えられるように、勢力を尽くして鎌を入れ、日のあるうちに刈り取りなさい。
04 まことに、だれでも鎌を入れて刈り取ろうとする者は、神から召されている。
05 それゆえ、あなたはわたしに求めれば、与えられるであろう。たたけば、開かれるであろう。
06 わたしのシオンを起こして確立するように努めなさい。すべてのことについてわたしの戒めを守りなさい。
07 わたしの戒めを守り、最後まで堪え忍ぶならば、あなたは永遠の命を得るであろう。この賜物は、神のあらゆる賜物の中で最も大いなるものである。
08 さて、あなたが信じて、信仰をもって、わたしの名によって父に求めるならば、あなたは、あなたの見聞きする事柄の証人になれるように、またこの時代の人々に悔い改めを告げることができるように、語るべき言葉を与える聖霊を受けるであろう。
09 見よ、わたしは生ける神の子イエス・キリスト、天と地を創造した者、暗闇の中に隠れることのできない光である。
10 わたしは必ずわたしの完全な福音を異邦人からイスラエルの家にもたらす。
11 見よ、あなたはデビッドであり、あなたは助けるために召されている。あなたはこのことを行い、忠実であれば、霊的にも物質的にも祝福され、あなたの受ける報いは大きいであろう。アーメン。
第15章(ジョン・ホイットマーへの啓示)
1829年6月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してジョン・ホイットマーに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、50ページ)(第14章の前書きを参照)。このメッセージは、主がジョン・ホイットマーと主御自身にしか分からない事柄を述べておられるという意味で、感銘深く、きわめて個人的な内容のものである。ジョン・ホイットマーは、後に『モルモン書』に関する8人の証人の1人となった。
1- 2 主の腕は全地のうえにある。
3- 6 福音を宣べ伝えて人々を救うことは、最も価値のあることである。
01 聴きなさい。わたしの僕ジョンよ。あなたの主であり、あなたの贖い主であるイエス・キリストの言葉に耳を傾けなさい。
02 見よ、わたしはあなたに、はっきりと力強く語る。わたしの腕は全地のうえにあるからである。
03 わたしは、わたしとあなた1人のほかにだれも知らない事柄を告げよう。
04 あなたは自分にとって最も価値のあることを知るために、何度もわたしに願ったからである。
05 見よ、あなたはこのことのゆえに、またわたしがあなたに与えた言葉をわたしの命じたとおりに語ったので、幸いである。
06 さて見よ、わたしはあなたに言う。あなたにとって最も価値のあることは、この民に悔い改めを告げて人々をわたしのもとに導き、わたしの父の王国で彼らとともに安息を得られるようにすることである。アーメン。
第16章(ピーター・ホイットマー・ジュニアへの啓示)
1829年6月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してピーター・ホイットマー・ジュニアに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、51ページ)(第14章の前書きを参照)。ピーター・ホイットマー・ジュニアは、後に『モルモン書』に関する8人の証人の1人となった。
1- 2 主の腕は全地のうえにある。
3- 6 福音を宣べ伝えて人々を救うことは、最も価値のあることである。
01 聴きなさい、わたしの僕ピーターよ。あなたの主であり、あなたの贖い主であるイエス・キリストの言葉に耳を傾けなさい。
02 見よ、わたしはあなたに、はっきりと力強く語る。わたしの腕は全地のうえにあるからである。
03 わたしは、わたしとあなた1人のほかにだれも知らない事柄を告げよう。
04 あなたは自分にとって最も価値のあることを知るために、何度もわたしに願ったからである。
05 見よ、あなたはこのことのゆえに、またわたしがあなたに与えた言葉をわたしの命じたとおりに語ったので、幸いである。
06 さて見よ、わたしはあなたに言う。あなたにとって最も価値のあることは、この民に悔い改めを告げて人々をわたしのもとに導き、わたしの父の王国で彼らとともに安息を得られるようにすることである。アーメン。
第17章(3人の見証者への啓示)
1829年6月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオリバー・カウドリ、デビッド・ホイットマー、およびマーティン・ハリスに与えられた啓示。この啓示は、『モルモン書』の記録が刻まれていた版を目にする前に与えられたものである(『教会歴史』第1巻、52〜57ページ)。ジョセフ・スミスとその筆記者オリバー・カウドリは、『モルモン書』の版の翻訳から、3人の特別な証人が指名されることを知った(エテル書第5章2〜4節、ニーファイ第2書11章3節、第27章12節を参照)。オリバー・カウドリと、デビッド・ホイットマーと、マーティン・ハリスは、3人の特別な証人となる望みを持つよう霊感によって促された。預言者は主に尋ね、その答えとしてウリムとトンミムによってこの啓示が与えられた。
1- 4 信仰によって、3人の証人は版とその他の神聖な品々を見るであろう。
5- 9 『モルモン書』が神から与えられたものであることについてのキリストの証。
01 見よ、わたしはあなたがたに言う。あなたがたはわたしの言葉に頼らなければならない。あなたがたは誠心誠意そうするならば、版を目にし、また胸当て、ラバンの剣、ヤレドの兄弟が主と顔と顔を合わせて語ったときに山の上で授けられたウリムとトンミム、またリーハイが紅海の境の荒れ野にいたときに授かった不思議な指示器も目にするであろう。
02 あなたがたがこれらのものを目にするのは、あなたがたの信仰、すなわち、昔の預言者たちが持っていたような信仰によるのである。
03 あなたがたは信仰を得て、自分の目でこれらのものを見た後、神の力によってこれらのものについて証しなければならない。
04 あなたがたは、わたしの僕ジョセフ・スミスが滅ぼされることのないようにこのことを行い、わたしがこの業によって人の子らのためにわたしの義にかなった目的を達することができるようにしなければならない。
05 あなたがたは、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアがこれらのものを見たように、あなたがたもこれらのものを見たことを証しなければならない。彼がこれらのものを見たのはわたしの力によるのであり、それは彼に信仰があったからである。
06 そして、彼はその書を、すなわちわたしが彼に命じた部分を翻訳した。あなたがたの主、あなたがたの神が生きているように確かに、その書は真実である。
07 そのために、あなたがたは彼と同じ力、同じ信仰、同じ賜物を受けた。
08 あなたがたがわたしの与えたこの最後の戒めに従うならば、地獄の門もあなたがたに打ち勝つことはない。それは、わたしの恵みがあなたがたに対して十分であり、あなたがたは終わりの日に高く上げられるからである。
09 わたし、すなわち、あなたがたの主でありあなたがたの神であるイエス・キリストが、これをあなたがたに語ったのは、人の子らのためにわたしの義にかなった目的を達するためである。アーメン。
第18章(人の値)
1829年6月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミス、オリバー・カウドリ、およびデビッド・ホイットマーに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、60〜64ページ)。アロン神権を授けられた際に、メルキゼデク神権を授けられることが約束されていた(第13章の前書きを参照)。この件について知らせてくださるようにとの嘆願にこたえて、主はこの啓示を与えられた。
1- 5 聖典には教会を築き上げる方法が示されている。
6- 8 世の罪悪は熟しつつある。
9-16 人の価値は大いなるものである。
17-25 救いを得るために、人々はキリストの名を受けなければならない。
26-36 十二使徒の召しと使命が明らかにされる。
37-39 オリバー・カウドリとデビッド・ホイットマーは、十二使徒を探し出さなければならない。
40-47 救いを得るために、人々は悔い改め、バプテスマを受け、戒めを守らなければならない。
01 さて見よ、あなた、すなわちわたしの僕オリバー・カウドリがわたしから知りたいと望んだ事柄のため、わたしはこれらの言葉をあなたに与える。
02 見よ、わたしは、あなたが記してきたものが真実であることを、度々わたしの御霊によって示してきた。それゆえ、あなたはそれが真実であることを知っている。
03 そして、あなたはそれが真実であることを知っているので、見よ、わたしはあなたに一つの戒めを与える。あなたは記されているものに頼りなさい。
04 その中には、わたしの教会とわたしの福音とわたしの岩の基について、すべてのことが記されているからである。
05 それゆえ、あなたがわたしの福音とわたしの岩の基の上にわたしの教会を築き上げるならば、地獄の門もあなたに打ち勝つことはない。
06 見よ、世の罪悪は熟しつつある。そして人の子らは、異邦人もイスラエルの家も、ともに悔い改めを促される必要がある。
07 さて、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアにわたしが命じたように、あなたは彼の手によってバプテスマを受けたので、彼はわたしが命じたことを果たした。
08 さて、わたしが目的を達するために彼を召したことを、不思議に思ってはならない。その目的をわたしは知っている。彼はわたしの戒めを熱心に守るならば、祝福されて永遠の命を受けるであろう。彼の名はジョセフである。
09 さて、オリバー・カウドリよ、わたしはあなたと、またデビッド・ホイットマーに戒めとして告げる。見よ、わたしはどこにいる人でもすべての人に悔い改めるように命じる。わたしは、わたしの使徒パウロに語ったようにあなたがたに語る。あなたがたはまさに、パウロが召されたと同じ召しに召されているからである。
10 人の価値が神の目に大いなるものであることを覚えておきなさい。
11 見よ、主なるあなたがたの贖い主は、肉体において死を受けた。それによって、すべての人が悔い改めて自分のもとに来ることができるように、主はすべての人の苦を引き受けた。
12 そして、悔い改めを条件として、すべての人を自分のもとに導くことができるように、主は再び死者の中からよみがえったのである。
13 人が悔い改めるとき、主の喜びはいかに大きいことか。
14 あなたがたはこの民に悔い改めを叫ぶために召されている。
15 あなたがたはこの民に悔い改めを叫ぶことに生涯力を尽くし、1人でもわたしのもとに導くならば、わたしの父の王国で彼とともに受けるあなたがたの喜びはいかに大きいことか。
16 さて、あなたがたがわたしのもとに導いてわたしの父の王国に入れるようにした、1人の人とともに受けるあなたがたの喜びが大きいならば、もし多くの人をわたしのもとに導くとすればその喜びはいかに大きいことか。
17 見よ、わたしの福音はあなたがたの前にある。わたしの岩、またわたしの救いがある。
18 与えられると信じて、信仰をもって、わたしの名によって父に求めなさい。そうすれば、あなたがたは人の子らに必要なすべてのことを示す聖霊を受けるであろう。
19 もしもあなたがたに信仰と希望と慈愛がなければ、あなたがたは何も行うことができない。
20 悪魔の教会のほか、いかなる教会とも争ってはならない。
21 キリストの名を受け、まじめに真理を語りなさい。
22 悔い改めて、イエス・キリストであるわたしの名によってバプテスマを受け、最後まで堪え忍ぶ者は皆、救われるであろう。
23 見よ、イエス・キリストとは、父から与えられている名である。この名のほかには、人に救いを与えることのできる名は与えられていない。
24 それゆえ、すべての人は、父から与えられているこの名を受けなければならない。この名によって、人々は終わりの日に呼ばれるからである。
25 それゆえ、人々は自分が呼ばれる名を知らなければ、わたしの父の王国に住む場所を得ることはできない。
26 さて見よ、わたしの福音を異邦人とユダヤ人の両方に告げ知らせるために召される人々がほかにいる。
27 すなわち、12人いる。この12人はわたしの弟子となり、彼らはわたしの名を受けるであろう。この12人は、十分に固い決意をもってわたしの名を受けたいと願う人々である。
28 そして、彼らが十分に固い決意をもってわたしの名を受けたいと願うならば、彼らは全世界に出て行って、すべての造られたものにわたしの福音を宣べ伝えるために召される。
29 また彼らは、記されているとおりに、わたしの名によってバプテスマを施すために、わたしから聖任を受ける人々である。
30 あなたがたの前には記されているものがある。それゆえ、あなたがたは、記されている言葉のとおりにそれを執り行わなければならない。
31 さて、わたしはあなたがた12人に語る。見よ、わたしの恵みはあなたがたに対して十分である。あなたがたはわたしの前をまっすぐに歩まなければならず、罪を犯してはならない。
32 また見よ、あなたがたは、祭司と教師を聖任するためにわたしから聖任を受ける人々である。あなたがたの内にある聖霊の力により、また人々に授けられる神の召しと賜物に応じて、わたしの福音を告げ知らせるために、聖任を受ける人々である。
33 わたし、すなわち、あなたがたの主でありあなたがたの神である、イエス・キリストがこれを語った。
34 これらの言葉は人々から、人間から出ているのではなく、わたしから出ているのである。それゆえ、あなたがたは、これらの言葉がわたしから出ているものであって、人間から出ているものではないことを証しなければならない。
35 これらの言葉をあなたがたに語っているのは、わたしの声である。これらの言葉は、わたしの御霊によってあなたがたに与えられているからである。そして、わたしの力によって、あなたがたはこれらの言葉を互いに読み合うことができる。わたしの力によらなければ、あなたがたはこれらの言葉を得ることはできない。
36 そのために、あなたがたは、わたしの声を聞いたこと、そしてわたしの言葉を知っていることを証できるのである。
37 さて見よ、わたしはあなたオリバー・カウドリと、またデビッド・ホイットマーに、わたしが語ったような願いを持つ12人を探し出す務めを与える。
38 あなたがたは、彼らの願いと行いによって彼らを見分けるであろう。
39 あなたがたは彼らを見いだしたら、これらのことを彼らに知らせなければならない。
40 また、あなたがたは伏して、わたしの名によって父を礼拝しなければならない。
41 また、あなたがたは世の人々に教えを説いて言わなければならない。「あなたがたは悔い改めて、イエス・キリストの御名によってバプテスマを受けなければならない。」
42 すべての人は悔い改めて、バプテスマを受けなければならないからである。男だけでなく、女も、また責任を負う年齢に達した子供たちもそうしなければならない。
43 さて、あなたがたはこれを受けた後、すべてのことについてわたしの戒めを守らなければならない。
44 あなたがたの手によって、わたしは人の子らの中に驚くべき業を行い、彼らの多くに罪のあることを自覚させ、彼らが悔い改めて、わたしの父の王国に来られるようにしよう。
45 わたしがあなたがたに与える祝福は、すべてのものに勝っている。
46 あなたがたはこれを受けた後、もしもわたしの戒めを守らなければ、わたしの父の王国に救われることはできない。
47 見よ、わたし、すなわち、あなたがたの主、あなたがたの神、またあなたがたの贖い主であるイエス・キリストが、わたしの御霊の力によってこれを語ったのである。アーメン。
第19章(悔改めの賜物)
1830年3月、ニューヨーク州マンチェスターにおいて、ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、72〜74ページ)。預言者は彼の記した歴史の中で、この啓示は「永遠なる御方からマーティン・ハリスに与えられた、人間の戒めではなく、神の戒め」(『教会歴史』第1巻、72ページ)であると述べている。
1- 3 キリストは一切の権威を持っておられる。
4- 5 人は皆悔い改めなければならない。そうしなければ苦しみを受ける。
6-12 永遠の罰とは神の罰である。
13-20 キリストはすべての人に代わって苦しみを負い、人々が悔い改めることによって苦しみを受けることのないようにされた。
21-28 悔い改めの福音を宣べ伝えなさい。
29-41 喜びのおとずれを告げ知らせなさい。
01 わたしはアルパでありオメガであり、主なるキリストである。すなわち、わたしは初めであり終わりである者、世の贖い主である。
02 わたしは、わたしの属する御方、すなわち父の、わたしについての御心をなし終えた。わたしは万物をわたし自身に従わせようと、このことを行ってきた。
03 わたしは、世の終わりに、最後の大いなる裁きの日に、サタンと彼の業を滅ぼすほどの一切の権威を保持している。その日に、わたしはすべての人をそのなした行いと業に応じて裁き、世に住む者に宣告を下すであろう。
04 人は皆必ず悔い改めなければならない。そうしなければ苦しみを受ける。神であるわたしは無窮である。
05 それゆえ、わたしは宣告する裁きを取り消さない。まことに、わたしの左にいる者たちには、涙を流し、泣きわめき、歯ぎしりをするほどの災いが下るであろう。
06 それでも、この苦痛には終わりがないとは記されておらず、無窮の苦痛と記されている。
07 また、永遠の罰の定めとも記されている。それゆえ、これはほかの聖句よりも明確であって、人の子らの心に十分に訴え、わたしの名の栄光を表す。
08 わたしはこの奥義をあなたがたに説明しよう。わたしの使徒たちのように、これを知るのはあなたがたにふさわしいからである。
09 わたしはこのことのために選ばれているあなたがたに、まさに1人に語るように語って、あなたがたがわたしの安息に入れるようにしよう。
10 見よ、神性の奥義は何と深いことか。見よ、わたしは無窮であり、わたしの手から与えられる罰は無窮の罰である。無窮とはわたしの名である。それゆえ、
11 永遠の罰とは、神の罰である。
12 無窮の罰とは、神の罰である。
13 わたしはあなたに命じる。悔い改めなさい。また、あなたがわたしの名によってわたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアの手より受けた戒めを守りなさい。
14 あなたがそれらを受けたのは、わたしの全能の力による。
15 それゆえ、わたしは、悔い改めるようにあなたに命じる。わたしの口の鞭によって、わたしの憤りによって、またわたしの怒りによって打たれて、つらい苦しみを被ることのないように、悔い改めなさい。これらの苦しみがいかにつらいか、あなたは知らない。いかに激しいか、あなたは知らない。まことに、いかに堪え難いか、あなたは知らない。
16 見よ、神であるわたしは、すべての人に代わってこれらの苦しみを負い、人々が悔い改めるならば苦しみを受けることのないようにした。
17 しかし、もしも悔い改めなければ、彼らはわたしが苦しんだように必ず苦しむであろう。
18 その苦しみは、神であって、しかもすべての中で最も大いなる者であるわたし自身が、苦痛のためにおののき、あらゆる毛穴から血を流し、体と霊の両方に苦しみを受けたほどのものであった。そしてわたしは、その苦い杯を飲まずに身を引くことができればそうしたいと思った。
19 しかしながら、父に栄光があるように。わたしは杯を飲み、人の子らのためにわたしの備えを終えたのである。
20 それゆえ、わたしは再びあなたに命じる。悔い改めなさい。そうしなければ、わたしは全能の力によってあなたをへりくだらせよう。また、あなたの罪を告白しなさい。そうしなければ、あなたはわたしが語ったこれらの罰を受けて苦しむであろう。わたしが御霊を取り去ったときに、あなたはその最も小さなもの、まことにその最も軽度なものを味わったことがある。
21 わたしはあなたに命じる。悔い改めのほかに何も宣べ伝えてはならない。また、わたしの知恵にかなうときまで、これらのことを世の人々に示してはならない。
22 彼らは今は肉に堪えられず、乳を飲まなければならないからである。それゆえ、彼らはこれらのことを知ってはならない。そうでなければ、彼らは滅びるであろう。
23 わたしに学び、わたしの言葉を聴きなさい。わたしの御霊の柔和な道を歩みなさい。そうすれば、あなたはわたしによって平安を得るであろう。
24 わたしはイエス・キリストである。わたしは父の御心によって来た。そして、父の御心を行う。
25 さらにまた、わたしはあなたに命じる。あなたは隣人の妻をむさぼってはならない。隣人の命を求めてはならない。
26 さらにまた、あなたに命じる。あなたは自分の財産をむさぼることなく、真理と神の言葉が載っている『モルモン書』を印刷するために惜しみなくそれを分け与えなさい。
27 この書は異邦人にあてたわたしの言葉であり、これはユダヤ人に、すなわちレーマン人はその残りの者である、そのユダヤ人に間もなく伝えられるであろう。それは、彼らが福音を信じて、すでに来ているメシヤが来るのを待ち望むことのないようにするためである。
28 さらにまた、あなたに命じる。あなたは心の中で祈るだけでなく、声に出しても祈りなさい。隠れて祈るだけでなく、世の人々の前でも祈り、ひそかに祈るだけでなく、公にも祈りなさい。
29 また、あなたは喜びのおとずれを告げ知らせなさい。山々の上で、すべての高い所で、またあなたが会うのを許されるすべての民の中で、それを告げて広めなさい。
30 また、あなたは謙遜の限りを尽くしてそれを行いなさい。わたしを信頼し、またののしる者にののしり返すことのないようにしなさい。
31 また、あなたは様々な教義を話すことをせずに、悔い改めと救い主を信じる信仰、バプテスマによる罪の赦し、および火すなわち聖霊による罪の赦しを告げなさい。
32 見よ、これはこの件についてわたしがあなたに与える、大いなる最後の戒めである。あなたの日々の歩みにとって、生涯の最後までこれで十分だからである。
33 あなたはこれらの勧告を軽んじれば、悲惨を招き、あなた自身と財産の滅亡さえ招くであろう。
34 あなたの財産の一部、すなわちあなたの土地の一部、あなたの家族の扶養分を除くすべてを分け与えなさい。
35 印刷業者との契約によって生じた負債を支払いなさい。束縛から自らを解放しなさい。
36 家族に会いたいと望むときのほかは、あなたの家と家庭を離れなさい。
37 そして、すべての者に自由に語りなさい。まことに大声で、「ホサナ、ホサナ、主なる神の御名がほめたたえられますように」と叫びながら喜びの声を上げて、説き、勧め、真理を告げ知らせなさい。
38 常に祈りなさい。そうすれば、わたしはあなたに御霊を注ごう。そして、あなたの祝福は大いなるものとなる。まことに、地の宝と、それと同等の腐敗するものを得るよりも、それは大きいであろう。
39 見よ、あなたはこれを読んで、喜ばずに、また喜びのために心を高揚させずにいられようか。
40 あなたは目の不自由な導き手として長く駆け回ることができようか。
41 それとも、あなたは謙遜で、柔和であり、わたしの前であなた自身賢く振る舞うことができるか。まことに、あなたの救い主であるわたしのもとに来なさい。アーメン。
第20章(教会の信条と聖約)
1830年4月、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた、教会の組織と管理に関する啓示(『教会歴史』第1巻、64〜70ページ)。預言者はこの啓示を記録するに先立ち、次のように記している。「わたしたちは預言と啓示の霊によって、イエス・キリストから次の啓示を受けた。わたしたちはこれによって多くの知識を得ただけでなく、主の御心と命令に従って、この地上にもう一度主の教会を組織し始めるべき具体的な日取りも指示された。」(『教会歴史』第1巻、64ページ)
1-16 『モルモン書』は、末日の業が神から出ているものであることを証明している。
17-28 創造と堕落、贖罪、およびバプテスマの教義が確認される。
29-37 悔い改めと義認、聖め、およびバプテスマに関する律法が説明される。
38-67 長老と祭司、教師、および執事の義務が要約される。
68-74 会員の義務と子供の祝福、およびバプテスマの様式が明らかにされる。
75-84 聖餐の祈りと教会の会員資格についての決まりが定められる。
01 この終わりの時におけるキリストの教会の起こり。それは、わたしたちの主であり救い主であるイエス・キリストが肉体を取って来られてから1830年であって、第4の月、4月と呼ばれる月の第6日に、神の御心と命令により、わが国の法律にかなって正式に組織、設立された。
02 この命令は、神から召されて、イエス・キリストの使徒に聖任され、この教会の第1の長老となったジョセフ・スミス・ジュニアと、
03 また、イエス・キリストの使徒となり、この教会の第2の長老となるために神から召され、ジョセフ・スミス・ジュニアの手の下で聖任されたオリバー・カウドリに与えられた。
04 これは、わたしたちの主であり救い主である、イエス・キリストの恵みによる。主イエス・キリストに、今もとこしえにも、すべての栄光がありますように。アーメン。
05 この第1の長老は、自分の罪の赦しを受けたことをまことに明らかにされた後、再び世の虚栄に巻き込まれた。
06 しかし、彼が信仰によって悔い改めて心からへりくだると、神は1人の聖なる天使によって彼を教え導かれた。その天使の顔は稲妻のようであり、その衣はほかのどんな白いものにも勝って清らかで白かった。
07 そして、神は彼を鼓舞する数々の戒めを下された。
08 また、前もって備えられた手立てによって『モルモン書』を翻訳するために、高い所から彼に力を授けられた。
09 この書には、ある堕落した民の記録と、異邦人ならびにユダヤ人にあてたイエス・キリストの完全な福音が載っている。
10 これは霊感によって与えられ、天使たちの働きによってほかの人々に確認され、その人々によって世の人々に知らされるのである。
11 これらのことは、聖文が真実であること、また神が実に人々に霊感を与えて、昔と同じようにこの時期と時代にあっても神の聖なる業に人々を召しておられることを、世に証明している。
12 これによって、神は、御自分が昨日も、今日も、またとこしえに変わることのない神であることを示しておられるのである。アーメン。
13 それゆえ、このような大いなる証があるので、世の人々、すなわち、この後この業について知るすべての人は、これらの証によって裁かれるであろう。
14 そして、信仰をもってこれを受け入れ、義を行う者は、永遠の命の冠を受けるであろう。
15 しかし、不信仰によって心をかたくなにし、これを拒む者は、そのことによって自分の罪の宣告を招くであろう。
16 主なる神がこれを語られたからである。わたしたち、教会の長老はこれを聞き、高い所におられる栄えある威光の御方の言葉について証する。この御方に、とこしえにいつまでも栄光がありますように。アーメン。
17 これらのことによって、わたしたちは、天に神がおられ、この神は無限かつ永遠で、永遠から永遠にわたって変わることのない同じ神であり、天地とその中にある万物を形造られた御方であることを知っている。
18 また、神は人を創造された。すなわち、御自分の形に、御自分に似せて、男と女に創造された。
19 そして、神は彼らに、唯一の生けるまことの神である御自分を愛し、御自分に仕えるようにとの戒め、また御自分が彼らの礼拝すべき唯一の存在であるとの戒めを与えられた。
20 しかし、これらの聖なる律法に背いたことによって、人は官能におぼれ、悪魔に従うようになり、堕落した者となった。
21 そこで、全能の神は御自分の独り子を与えられた。それは、与えられている聖文に、独り子について書き記されているとおりである。
22 独り子は数々の誘惑に遭われたが、それらを少しも心に留められなかった。
23 独り子は十字架につけられ、死んで、3日目によみがえり、
24 御父の右に座して御父の御心に従って全能の力をもって治めるために、天に昇って行かれた。
25 それは、信じて、その聖なる名によってバプテスマを受け、最後まで信仰をもって堪え忍ぶすべての人が救われるためである。
26 すなわち、独り子が時の中間に肉体を取って来られた後に信じた人々だけでなく、時の初めからのすべての人、すなわち、独り子が来られる前にいたすべての人で、聖霊の賜物によって霊感を受けるままに語り、すべてのことにおいて独り子について実際に証した聖なる預言者たちの言葉を信じたすべての人も、永遠の命を得るためであり、
27 また後に来る人々で、御父と御子のことを証する聖霊がもたらされる神の賜物と召しを信じる人々も永遠の命を得るためである。
28 この御父と御子と聖霊は、無限かつ永遠で、終わりのない一つの神であられる。アーメン。
29 また、わたしたちは知っている。すなわち、すべての人は悔い改めてイエス・キリストの名を信じ、イエス・キリストの名によって御父を礼拝し、またイエス・キリストの名を信じて最後まで堪え忍ばなければならない。そうしなければ、神の王国に救われない。
30 また、わたしたちは知っている。すなわち、わたしたちの主であり救い主であるイエス・キリストの恵みによる義認は、正しく、かつ真実である。
31 わたしたちはまた知っている。すなわち、わたしたちの主であり救い主であるイエス・キリストの恵みによる聖めは、神を愛し、勢力と思いと力を尽くして神に仕えるすべての人にとって、正しく、かつ真実である。
32 しかし、人が恵みから落ち、生ける神から離れることもあり得る。
33 それゆえ、教会員は誘惑に陥らないように、用心して、常に祈りなさい。
34 まことに、聖められている人々でさえも用心しなさい。
35 また、わたしたちは知っている。すなわち、これらのことは真実であり、ヨハネの啓示にあるとおりであり、わたしたちは彼の書の預言や数々の聖文や、この後聖霊の賜物と力によって、神の声によって、あるいは天使の働きによって与えられる神の啓示に加えることも、そこから取り去ることもない。
36 主なる神がこれらのことを語られた。主なる神の聖なる御名に、今も、またいつまでも、誉れと力と栄光がありますように。アーメン。
37 さらにまた、バプテスマの様式に関して教会に与えられた戒めは、次のとおりである。すなわち、神の前にへりくだって、バプテスマを受けたいと願い、打ち砕かれた心と悔いる霊をもって進み出て、自分のすべての罪を心から悔い改めたことと、最後までイエス・キリストに仕える決心をして進んでイエス・キリストの名を受けることとを教会員の前に証明し、また自分の罪の赦しを得るようにキリストの御霊を受けたことをその行いによってまことに明らかにする人は皆、バプテスマによってキリストの教会に受け入れられる。
38 長老と祭司、教師、執事、およびキリストの教会の会員の義務は、次のとおりである。すなわち、使徒は長老であり、その召しはバプテスマを施し、
39 他の長老や祭司、教師、執事を聖任し、
40 キリストの肉と血の象徴であるパンとぶどう酒の式を執行し、
41 バプテスマを受けて教会に入る人々に、聖文にあるとおりに、火と聖霊によるバプテスマのための按手による確認を行い、
42 教え、説き明かし、勧め、バプテスマを施し、教会員を見守り、
43 按手と聖霊の授与とによって教会員を確認し、
44 またすべての集会を指導することである。
45 長老は、神の戒めと啓示にあるとおりに、聖霊に導かれるままに集会を執り行わなければならない。
46 祭司の義務は、説き、教え、説き明かし、勧め、バプテスマを施し、聖餐を執行することであり、
47 また各会員の家を訪れて、彼らが声に出して祈り、ひそかにも祈るように、また家庭におけるすべての義務を果たすように勧めることである。
48 祭司はまた、他の祭司や教師、執事を聖任することもできる。
49 また、長老が1人もいないときには、祭司は集会を指導しなければならない。
50 しかし、長老がいるときは、祭司は説き、教え、説き明かし、勧め、バプテスマを施し、
51 また各会員の家を訪れて、彼らが声に出して祈り、ひそかにも祈るように、また家庭におけるすべての義務を果たすように勧めるだけである。
52 これらのすべての義務について、祭司は、必要であれば長老を助けなければならない。
53 教師の義務は、常に教会員を見守り、彼らとともにいて彼らを強めることであり、
54 教会の中に罪悪がないように、互いにかたくなになることのないように、偽り、陰口、悪口のないように取り計らうことであり、
55 また教会員がしばしば会合するように取り計らい、またすべての会員が自分の義務を果たすように取り計らうことである。
56 また教師は、長老や祭司が不在のときに集会を指導しなければならず、
57 必要であれば、教会における教師のすべての職務について、常に執事の助けを受けなければならない。
58 しかし、教師や執事には、バプテスマを施し、聖餐を執行し、按手を行う権能はない。
59 しかしながら、彼らは警告し、説き明かし、勧め、教え、またキリストのもとに来るようにすべての人を招かなければならない。
60 長老、祭司、教師、執事はそれぞれ、与えられる神の賜物と召しに応じて聖任されなければならない。また、聖任する者の内にある聖霊の力によって聖任されなければならない。
61 キリストのこの教会を構成する長老たちは、3か月に1度の大会に、あるいはその大会が指示または指定する折々に集まらなければならない。
62 そして、これらの大会は、何でもそのときに行う必要のある教会の業務を行わなければならない。
63 長老たちは、自分が所属する教会の賛意の表明によって、他の長老たちから、あるいは大会から認可書を得なければならない。
64 祭司から聖任を受ける祭司や教師、執事はそれぞれ、そのときに聖任を行う祭司から証明書を受け取ることができる。聖任を受けた者はその証明書を長老に提示すると、自分の召しの義務を遂行するための権能を与える認可書を要求できる。あるいは、それを大会から得ることができる。
65 この教会の正式に組織された支部がある所では、その教会の賛意の表明がなければ、だれもこの教会におけるいかなる職にも聖任されることはない。
66 しかし、賛意の表明を求めることのできる教会の支部がない所では、管理長老や巡回監督、高等評議員、大祭司、長老が、聖任の特権を持つことができる。
67 大神権の長(すなわち管理長老)や監督、高等評議員、大祭司はそれぞれ、高等評議会あるいは総大会の指示によって聖任されなければならない。
68 バプテスマによって受け入れられた後の会員の義務は、次のとおりである。彼らが聖餐を受け、また長老たちの按手によって確認されるに先立ち、長老または祭司は、キリストの教会に関するすべてのことを説明する十分な時間を取って、彼らが理解できるようにしなければならない。それは、すべてのことが秩序正しく行われるためである。
69 そして会員たちは、聖文にかなった行いと信仰があるように、信仰深い歩みと会話によって、すなわち主の前を聖く歩むことによって、自分がそれを受けるにふさわしい者であることを教会員の前に、また長老たちの前にも示さなければならない。
70 子供を持つキリストの教会の各会員は、教会員の前で長老たちのもとに子供たちを連れて来なければならない。そして長老たちは、イエス・キリストの名によって彼らに手を置き、その名によって彼らに祝福を授けなければならない。
71 人は神の前に責任を負う年齢に達し、かつ悔い改めの能力がなければ、だれもキリストの教会には受け入れられない。
72 バプテスマは、悔い改めるすべての人のために、次の方法で執行しなければならない。
73 すなわち、神から召され、イエス・キリストからバプテスマを施す権能を授けられている人は、バプテスマのために出頭した人とともに水の中に降りて行き、彼または彼女の名を呼んで、次のように言わなければならない。「わたしはイエス・キリストより権能を受けたので、御父と御子と聖霊の御名によって、あなたにバプテスマを施します。アーメン。」
74 その後、その人は、彼または彼女を水中に沈め、そして再び水から出て来なければならない。
75 教会員は、主イエスの記念としてパンとぶどう酒を受けるために、しばしば集まることが必要である。
76 長老または祭司がこれを執行しなければならない。次のような方法で執行しなければならない。すなわち、彼は教会員とともにひざまずき、厳粛な祈りによって御父に呼び求めて、次のように言わなければならない。
77 「永遠の父なる神よ、わたしたちは御子イエス・キリストの御名によってあなたに願い求めます。このパンを頂くすべての人々が、御子の体の記念にこれを頂けるように、また、進んで御子の御名を受け、いつも御子を覚え、御子が与えてくださった戒めを守ることを、永遠の父なる神よ、あなたに証明して、いつも御子の御霊を受けられるように、このパンを祝福し、聖めてください。アーメン。」
78 ぶどう酒を祝福する方法は、次のとおりである。すなわち、彼はまた杯を取って、次のように言わなければならない。
79 「永遠の父なる神よ、わたしたちは御子イエス・キリストの御名によってあなたに願い求めます。このぶどう酒を頂くすべての人々が、この人々のために流された御子の血の記念にこれを頂けるように、また、いつも御子を覚えていることを、永遠の父なる神よ、あなたに証明して、御子の御霊を受けられるように、このぶどう酒を祝福し、聖めてください。アーメン。」
80 また、戒めに背いている、あるいは過ちに陥っているキリストの教会の会員はだれであろうと、聖文で指示されているとおりに取り扱われなければならない。
81 キリストの教会を構成する各教会は、教会の長老たちが開く大会に出席するように1人以上の教師を派遣する義務がある。
82 その際、教師は前回の大会以来教会に加入した会員たちの名簿を携えて出席する。あるいは、それを祭司の手によって送ってもよい。これは、全教会のすべての人名の載っている正式な名簿が、他の長老たちにより折々に選任される長老によって、1冊の書に保管されるためである。
83 また、もしもだれかが教会から除名されたならば、彼らの名前を人名の一般教会記録から抹消するためでもある。
84 自分の住んでいる場所の教会から転居するすべての会員は、面識のない教会へ行く場合、自分が正式な、ふさわしい会員であることを証明する手紙を携えて行くことができる。その手紙を受ける会員は、長老または祭司をだれか個人的に知っていれば、その証明書にその長老または祭司の署名をもらうことができる。あるいは、教会の教師または執事から署名をもらってもよい。
第21章(わたし自身の口から出ているかのように、彼の言葉を受け入れよ)
1830年4月6日、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、74〜79ページ)。この啓示は、前述の日に、ピーター・ホイットマー・シニアの家において教会が組織されたときに与えられたものである。以前にバプテスマを受けていた6名の人々が、教会の組織にかかわった。これらの人は、神が命じられたとおりに組織したいという彼らの望みと決心とを全会一致で表明した(第20章を参照)。彼らはまた、ジョセフ・スミス・ジュニアとオリバー・カウドリを教会の管理役員として受け入れ、支持するという意思の表明も行った。その後、按手によって、ジョセフはオリバーを教会の長老に聖任し、また同様にオリバーもジョセフを教会の長老に聖任した。聖餐の執行後、聖霊の授与と教会員としての確認のために、ジョセフとオリバーは関係者一人一人に按手を施した。
1- 3 ジョセフ・スミスは、聖見者、翻訳者、預言者、使徒、および長老として召される。
4- 8 彼の言葉はシオンの大義を導く。
9-12 彼が慰め主によって語るとき、聖徒たちはその言葉を信じるであろう。
01 見よ、あなたがたの間で記録を記さなければならない。そして、その記録の中で、父なる神の御心とあなたがたの主イエス・キリストの恵みによって、あなたは聖見者、翻訳者、預言者、イエス・キリストの使徒、教会の長老と呼ばれなければならない。
02 あなたは、教会の基を据えて、最も聖なる信仰のためにこれを築き上げるように、聖霊による霊感を受けた。
03 この教会は、あなたがたの主の1830年、第4の月、4月と呼ばれる月の第6日に組織、設立された。
04 それゆえ、彼がわたしの前を完全に聖く歩み、わたしの言葉と戒めを受けるとき、あなたがた教会員は、彼があなたがたに与えるそれらのすべてを心に留めなければならない。
05 あなたがたは忍耐と信仰を尽くして、あたかもわたし自身の口から出ているかのように、彼の言葉を受け入れなければならない。
06 これらのことを行えば、地獄の門もあなたがたに打ち勝つことはないからである。そして、主なる神はあなたがたの前から闇の力を追い払い、また、あなたがたのためと、神の名の栄光のために天を震わせるであろう。
07 主なる神はこのように言う。わたしは、善のために大いなる力をもってシオンの大義を推し進めるようにと彼に霊感を与えた。彼が勤勉であることを、わたしは知っており、また彼の祈りを、わたしは聞いた。
08 まことに、彼がシオンのために涙を流したのを、わたしは見た。そこでわたしは、もうシオンのために彼を嘆き悲しませないようにしよう。彼の罪が赦され、彼の業のうえにわたしの祝福が現れて、彼の喜ぶ日が来た。
09 見よ、わたしは力強い祝福をもって、わたしのぶどう園で働くすべての人を祝福しよう。彼らは、わたしを通じて慰め主によって彼に与えられる言葉を信じるであろう。慰め主は、イエスが世の罪のために、すなわち悔いる心に罪の赦しをもたらすために、罪人たちによって十字架につけられたことを明らかにする。
10 彼があなた、すなわちわたしの使徒オリバー・カウドリによって聖任されることは、わたしにとって必要である。
11 これはあなたのための儀式である。すなわち、彼はあなたにとって第1の者であるから、あなたは彼の手の下で長老となる。それによって、あなたはわたしの名を持つこのキリストの教会の長老となり、
12 教会員にとっての、また世の人々の前での、すなわち異邦人の前での、この教会の最初の説教者となるためである。また主なる神はこのように言う。見よ、見よ、あなたはユダヤ人にとっても、この教会の最初の説教者となる。アーメン。
第22章(バプテスマ)
1830年4月、ニューヨーク州マンチェスターにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、79〜80ページ)。この啓示は、前にバプテスマを受けたある人々が再びバプテスマを受けることなしに教会に加入したいと望んだことから、教会に与えられたものである。
1 バプテスマは、一つの新しくかつ永遠の聖約である。
2- 4 権能によって執行されるバプテスマが必要とされる。
01 見よ、わたしはあなたがたに言う。わたしはこのことによって、すべての古い聖約が廃されるようにした。これは一つの新しくかつ永遠の聖約、すなわち初めからあったものである。
02 それゆえ、たとえ人が百度バプテスマを受けたとしても、それはその人にとって何の役にも立たない。あなたがたはモーセの律法によっても、あなたがたの死んだ行いによっても、狭い門から入ることはできないからである。
03 わたしが、昔に行ったようにわたしのためにこの最後の聖約を立てさせ、この教会を築き上げさせたのは、あなたがたの死んだ行いのゆえである。
04 それゆえ、わたしが命じたように門から入りなさい。そして、あなたがたの神に忠告しようとしてはならない。アーメン。
第23章(5人の務め)
1830年4月、ニューヨーク州マンチェスターにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオリバー・カウドリ、ハイラム・スミス、サミュエル・H・スミス、ジョセフ・スミス・シニア、およびジョセフ・ナイト・シニアに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、80ページ)。前述の5人が各々の務めを知りたいと真剣に望んだ結果、預言者は主に尋ね、この啓示を受けた。
1- 7 これら初期の弟子たちは、宣べ伝え、勧め、教会員を強めるために召される。
01 見よ、わたしはあなた、オリバーに少しの言葉を語る。見よ、あなたは祝福されており、何ら罪の宣告を受けていない。しかし、あなたは誘惑に陥ることのないように、高慢に気をつけなさい。
02 あなたの召しを教会員に、また世の人々の前に知らせなさい。そうすれば、今から後とこしえに真理を宣べ伝えるために、あなたの心は開かれるであろう。アーメン。
03 見よ、わたしはあなた、ハイラムに少しの言葉を語る。あなたもまた何ら罪の宣告を受けていない。またあなたの心は開かれ、あなたの舌は緩められている。そして、あなたの召しは、説き勧め、また絶えず教会員を強めることである。あなたの務めはとこしえに教会に対するものである。これはあなたの家族のゆえである。アーメン。
04 見よ、わたしはあなた、サミュエルに少しの言葉を語る。あなたもまた何ら罪の宣告を受けていない。そして、あなたの召しは、説き勧め、また教会員を強めることである。あなたはまだ世の人々の前に教えを説くようには召されていない。アーメン。
05 見よ、わたしはあなた、ジョセフに少しの言葉を語る。あなたもまた何ら罪の宣告を受けていない。そして、あなたの召しもまた、説き勧め、教会員を強めることである。これが今から後とこしえにあなたの務めである。アーメン。
06 見よ、わたしはこれらの言葉によって、あなた、ジョセフ・ナイトに明らかにする。あなたは自分の十字架を負って、世の人々の前で声に出して祈り、またひそかにも祈り、また家族の中や、友人たちの中や、あらゆる場所において祈らなければならない。
07 そして見よ、まことの教会に加わり、働き人の報いを受けるために絶えずあなたの言葉をもって説き勧めるのが、あなたの務めである。アーメン。
第24章(ラッパの音のようにわたしの福音を告げ知らせよ)
1830年7月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスとオリバー・カウドリに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、101〜103ページ)。教会が組織されてから4か月足らずであるが、迫害が激しくなり、指導者たちは、時には隠れて生活することで身の安全を図らなければならなかった。次の3つの啓示は、このときに、彼らを強め、励まし、教えるために与えられたものである。
1- 9 ジョセフ・スミスは、翻訳し、教えを説き、聖文を解き明かすために召されている。
10-12 オリバー・カウドリは、福音を宣べ伝えるために召されている。
13-19 奇跡、のろい、足のちりを払うこと、財布も袋も持たずに出かけることに関しての律法が明らかにされる。
01 見よ、あなたは『モルモン書』を記し、またわたしの務めに携わるために、召され、選ばれた。わたしはあなたを苦難の中から引き上げ、またあなたに勧告したので、あなたはすべての敵から救い出され、サタンの力と暗闇からも救い出された。
02 それでも、あなたは自分が戒めに背いたことについては弁解の余地がない。それでも、あなたの道を行き、これからはもう罪を犯さないようにしなさい。
03 あなたの務めを尊んで大いなるものとしなさい。また、あなたは畑に種をまき、畑を安全にしてから、速やかにコールズビルと、フェイエットと、マンチェスターにある教会に行きなさい。彼らはあなたを支えるであろう。そうすれば、わたしは霊的にも物質的にも彼らを祝福しよう。
04 しかし、もしも彼らがあなたを受け入れなければ、わたしは彼らに祝福の代わりにのろいを送るであろう。
05 あなたは引き続きわたしの名によって神に呼び求め、慰め主によってあなたに与えられるものを記し、また教会員にすべての聖文を説き明かさなければならない。
06 あなたが語り、また書き記すべきことは、まさにその瞬間にあなたに与えられるであろう。そして、彼らはそれを聞かなければならない。そうしなければ、わたしは彼らに祝福の代わりにのろいを送るであろう。
07 あなたはシオンにおいてすべての務めに献身しなければならない。そうすれば、これに関してあなたは力を持つであろう。
08 苦難の中で忍耐強くありなさい。あなたは多くの苦難を受けるからである。しかし、それに耐えなさい。見よ、わたしはあなたの生涯の最後まで、あなたとともにいるからである。
09 世俗の働きについては、あなたは力を持たないであろう。これはあなたの召しではないからである。あなたの召しに励みなさい。そうすれば、あなたの務めを尊んで大いなるものとし、すべての聖文を説き明かすのに必要なものを得るであろう。また、引き続き按手を施し、教会を強めなさい。
10 あなたの兄弟オリバーは、世の人々の前に、また教会員に、わたしの名を伝え続けなければならない。彼はわたしの大義のために十分に語れると思ってはならない。また見よ、わたしは最後まで彼とともにいる。
11 彼は弱いときにも、強いときにも、束縛されているときにも、自由なときにも、彼自身によってではなく、わたしにあって栄光を得るであろう。
12 また、いつでも、どこででも、彼は口を開き、昼も夜も、ラッパの音のようにわたしの福音を告げ知らせなければならない。そうすれば、わたしは人々の中で知られていないほどの力を彼に与えるであろう。
13 わたしがあなたがたに命じないかぎり、悪霊を追い出し、病人を癒し、毒蛇や毒物の毒を消すこと以外の奇跡を求めてはならない。
14 また、聖文が成就するために、これらのことを望む者から求められないかぎり、あなたがたはこれを行ってはならない。あなたがたは記されているとおりに行わなければならないからである。
15 また、あなたがたの入って行く所がどこであろうと、彼らがわたしの名によってあなたがたを受け入れなければ、あなたがたは彼らに対して証として足のちりを払い落とし、また道端で足を洗い清めることによって、祝福の代わりにのろいを残さなければならない。
16 そしてまた、だれでもあなたがたに手をかけて暴力を振るおうとする者があれば、あなたがたはわたしの名によって打たれるように彼らに命じなさい。すると見よ、わたしはふさわしいと思うときに、あなたがたの言葉のとおりに彼らを打つであろう。
17 また、だれでもあなたを法に訴えようとする者は、法によってのろわれるであろう。
18 また、あなたは財布も、袋も、杖も、2枚の上着も持って行ってはならない。あなたが食物や、衣服や、履物や、金銭や、袋を必要とするそのときに、教会員があなたにそれを与えるからである。
19 あなたはわたしのぶどう園で、まことに最後に力強く刈り込みをするように召されている。また、あなたが聖任したすべての人もそうである。彼らはまさにこの規範に倣って行わなければならない。アーメン。
第25章(エマ・スミスへの啓示)
1830年7月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、103〜104ページ)(第24章の前書きを参照)。この啓示は、預言者の妻エマ・スミスへの主の御心を示している。
1- 6 選ばれた婦人エマ・スミスは、夫を助け、慰めるために召される。
7-11 エマは、記録し、聖文を説き明かし、賛美歌を選ぶためにも召される。
12-14 義人の歌は主への祈りである。
15-16 この啓示にある従順の原則は、すべての人に当てはまる。
01 わたしがあなた、すなわちわたしの娘エマ・スミスに語る間、主なるあなたの神の声を聴きなさい。まことに、わたしはあなたに言う。わたしの福音を受け入れる者は皆、わたしの王国において息子であり、娘だからである。
02 わたしはあなたに、わたしの思いについて啓示を与える。あなたが忠実であって、わたしの前に徳の道を歩むならば、わたしはあなたの命を守ろう。そして、あなたはシオンで受け継ぎを得るであろう。
03 見よ、あなたの罪は赦されている。あなたは、わたしが召した、選ばれた婦人である。
04 あなたは見ていないもののことでつぶやいてはならない。それらのものは、あなたにも世の人々にも見せられないからである。こうすることは、将来のためにわたしの知恵にかなうことである。
05 また、あなたが召された務めは、わたしの僕、すなわちあなたの夫であるジョセフ・スミス・ジュニアを、彼が苦難に遭うときに、慰めの言葉をもって柔和な心で慰めることである。
06 また、あなたは彼が出て行くときに彼とともに行き、また彼のために筆記者がだれもいないときは、筆記者とならなければならない。わたしが、どこでも自分の望む所にわたしの僕オリバー・カウドリを遣わすことができるようにするためである。
07 また、あなたはわたしの御霊により知らされるままに、聖文を説き明かし、教会員に説き勧めるために、彼の手の下で聖任を受けなければならない。
08 彼があなたに手を置くと、あなたは聖霊を受けるであろう。また、あなたの時間は、記録することと、多く学ぶことに費やさなければならない。
09 また、あなたの夫が教会の中にあってあなたを支えるので、あなたは恐れる必要がない。彼の召しは彼らに対するものであって、わたしが望むことは何事であろうとすべて、彼らの信仰に応じて彼らに明らかにされるのである。
10 まことに、わたしはあなたに言う。あなたはこの世のものを捨てて、この世に勝る世のものを求めなければならない。
11 また、教会で利用できるように、あなたに示されるままに、わたしにとって喜びである神聖な賛美歌の選定をする務めがあなたに与えられる。
12 わたしは心の歌を喜ぶからである。まことに、義人の歌はわたしへの祈りである。それに対する答えとして、彼らの頭に祝福が注がれるであろう。
13 また、心を高めて喜び、あなたが交わした聖約を固く守りなさい。
14 柔和な心を持ち続け、また高慢に気をつけなさい。あなたは、あなたの夫と、彼に来る栄光とを喜びなさい。
15 絶えずわたしの戒めを守りなさい。そうすれば、あなたは義の冠を受けるであろう。あなたはこのことを行わなければ、わたしのいる所に来ることはできない。
16 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。これはすべての者へのわたしの声である。アーメン。
第26章(会員の同意の律法)
1830年7月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミス、オリバー・カウドリ、およびジョン・ホイットマーに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、104ページ)(第24章の前書きを参照)。
1 彼らは聖文を研究し、教えを説くように指示される。
2 会員の同意の律法が確認される。
01 見よ、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは次回の大会を開くために西部へ行くまで、聖文を研究することと、教えを説くことと、コールズビルの教会を強めることと、必要に応じてその地で仕事に携わることに時間を費やしなさい。その後、あなたがたの行うべきことが知らされるであろう。
02 すべてのことは、大いなる祈りと信仰によって、教会員の同意を得て行わなければならない。すべてのことを、あなたがたは信仰によって受け入れなければならないからである。アーメン。
第27章(聖餐、神の武具)
1830年8月、ペンシルベニア州ハーモニーにおいて、預言者ジョセフ・スミスに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、106〜108ページ)。パンとぶどう酒の聖餐が執行される宗教上の集まりの準備をするために、ジョセフはぶどう酒を手に入れようとして出かけた。その途中で、天の御使いに会い、この啓示を受けた。一部はそのときに記され、残りは翌9月に記された。当教会の聖餐式では、現在はぶどう酒の代わりに水が使われている。
1- 4 聖餐を受けるときに用いられる象徴が説明される。
5-14 キリストとすべての神権時代のキリストの僕たちが、聖餐を受ける。
15-18 神の武具をことごとく身に着けなさい。
01 あなたがたの主、あなたがたの神、あなたがたの贖い主であるイエス・キリストの声を聴きなさい。その言葉は生きていて、力がある。
02 見よ、わたしはあなたがたに言う。聖餐を受けるとき、あなたがたがわたしの栄光にひたすら目を向けて、あなたがたのために葬られたわたしの体と、あなたがたの罪の赦しのために流されたわたしの血を父に記念して、それを受けるならば、あなたがたは何を食べ、何を飲んでも差し支えがない。
03 それゆえ、わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたは敵からぶどう酒も、強い飲み物も買ってはならない。
04 それゆえ、あなたがたは、地上に築き上げられるわたしの父のこの王国において、あなたがたの中で新たに造ったもののほかは、何も飲んではならない。
05 見よ、これはわたしの知恵にかなっている。それゆえ、驚いてはならない。ぶどうの実から造ったものを、わたしが地上であなたとともに飲む時が来るからである。またそのときに、わたしの完全な永遠の福音を載せた『モルモン書』を明らかにするために、わたしがあなたに遣わしたモロナイ、すなわちわたしがエフライムの木の記録の鍵をゆだねたモロナイとともに、
06 また、世界が始まって以来、終わりの時に関してすべての聖なる預言者たちの口を通して語られた、万物の回復をもたらす鍵をわたしがゆだねたエライアスとともに、
07 また、彼(エライアス)がザカリヤを訪れて、ザカリヤは息子を持ち、その子は名をヨハネといい、エライアスの霊に満たされると約束を与えた、そのザカリヤの息子ヨハネ、
08 すなわち、アロンのように召され聖任されるように、わたしの僕であるあなたがた、ジョセフ・スミス・ジュニアとオリバー・カウドリを、あなたがたの受けた最初の神権に聖任するために、わたしがあなたがたのもとに遣わしたヨハネとともに、
09 また、全地がのろいをもって打たれることのないように、先祖の心を子孫に、子孫の心を先祖に向ける力の鍵をわたしがゆだねたエリヤとともに、
10 また、数々の約束をとどめるあなたがたの先祖、ヨセフとヤコブ、イサク、およびアブラハムとともに、
11 また、すべての者の先祖、すべての者の君、日の老いたる者であるミカエル、すなわちアダムとともに、
12 また、わたしがあなたがたのもとに遣わして、あなたがたを聖任し、あなたがたを使徒およびわたしの名の特別な証人として確認し、またあなたがたの務めの鍵と、わたしが彼らに明らかにした事柄と同じ事柄の鍵を持つことをあなたがたに確認したペテロとヤコブとヨハネ、
13 すなわち、終わりの時代のために、また天にあるものと地にあるもののすべてを一つに集める時満ちる時代のために、わたしの王国の鍵と福音の神権時代とをわたしがゆだねた3人とともに、
14 また、父が世からわたしに与えてくださったすべての者とともに、わたしは飲むであろう。
15 それゆえ、あなたがたの心を高めて喜び、また腰に帯を締めなさい。災いの日に耐えられるように、そしてすべてを成し遂げて立つことができるように、わたしの武具を身に着けなさい。
16 それゆえ、立って真理の帯を腰に締め、正義の胸当てを着け、わたしが天使たちを遣わしてあなたがたに託した平和の福音の備えを足に履き、
17 悪い者の放つ火の矢をことごとく消すことのできる信仰の盾を取り、
18 また、救いのかぶとをかぶり、わたしがあなたがたに注ぐわたしの御霊の剣を取り、わたしがあなたがたに明らかにするわたしの言葉を保ちなさい。また、あなたがたがわたしに求めるすべてのことについて心を一つにし、わたしが来るまで忠実でありなさい。そうすれば、あなたがたは引き上げられて、わたしのいる所にあなたがたもいるようになるであろう。アーメン。
第28章(教会の秩序1)
1830年9月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオリバー・カウドリに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、109〜111ページ)。教会の会員であるハイラム・ページは、ある石を手に入れ、その助けによってシオンの建設と教会の秩序について啓示を受けていると公言した。何人かの会員たちはこの主張に欺かれ、オリバー・カウドリさえこれにより誤って影響を受けた。予定されていた大会の直前に、預言者はこの件に関して主に熱心に尋ね、この啓示を受けた。
1- 7 ジョセフ・スミスは奥義の鍵を持っており、彼だけが教会のために啓示を受ける。
8-10 オリバー・カウドリはレーマン人に宣べ伝えなければならない。
11-16 サタンはハイラム・ページを欺き、彼に偽りの啓示を与えた。
01 見よ、わたしはあなた、オリバーに言う。わたしが与えた啓示と戒めに関して、あなたが慰め主によって教会員に教えるすべてのことを、教会員は聞かなければならない。
02 しかし見よ、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアのほかに、だれもこの教会で戒めと啓示を受けるために任命される者はいない。彼はモーセのように戒めと啓示を受けるからである。
03 あなたは、わたしが彼に与えることにアロンのように従順であり、力と権能をもってその戒めと啓示を教会員に忠実に告げなければならない。
04 あなたはどんなときでも、教会員に語り、あるいは教え、あるいはいつでも戒めを与えるように、慰め主によって導かれるならば、あなたはそれを行うことができる。
05 しかし、あなたは戒めとして記すのではなく、知恵をもって記さなければならない。
06 また、あなたはあなたの長であり、教会の長である者に命じてはならない。
07 わたしは彼に代わる別の者を彼らのために任命するまでは、奥義の鍵と封じられている啓示とを彼に授けたからである。
08 さて見よ、わたしはあなたに言う。あなたはレーマン人のところへ行き、わたしの福音を宣べ伝えなければならない。そして、彼らがあなたの教えを受け入れるならば、彼らの中にわたしの教会が設立されるようにしなければならない。また、あなたは数々の啓示を受けるであろうが、それらを戒めとして記してはならない。
09 さて見よ、わたしはあなたに言う。どこにシオンの町が築かれるかは明らかにされておらず、だれもそれを知らない。しかし、それはこの後明らかにされるであろう。見よ、わたしはあなたに言う。それはレーマン人に近い境の地である。
10 あなたは大会の後まで、この地を去ってはならない。わたしの僕ジョセフは、大会の声によって大会を管理するように任命されなければならない。そして、彼があなたに語ることを、あなたは述べなければならない。
11 さらにまた、あなたはあなたの兄弟ハイラム・ページを、彼と2人だけの所へ連れて行き、彼がその石によって記録した事柄はわたしから出たものではないこと、そしてサタンが彼を欺いていることを彼に告げなさい。
12 見よ、これらのことは彼に命じられておらず、また教会の聖約に反することは、この教会のだれにも命じられないからである。
13 すべてのことを秩序正しく、信仰の祈りによって、教会員の同意を得て行わなければならない。
14 あなたはレーマン人の中に旅をする前に、教会の聖約にかなって、これらのことをすべて解決する助けをしなければならない。
15 また、あなたが行くときから戻るときまで、あなたのなすべきことがあなたに示されるであろう。
16 あなたはいつも口を開き、喜びの声を上げてわたしの福音を告げ知らせなければならない。アーメン。
第29章(艱難に備える)
1830年9月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、6人の長老の居合わせた場所で預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、111〜115ページ)。この啓示は、1830年9月26日に始まった大会の何日か前に与えられたものである。
1- 8 キリストは御自分の選民を集められる。
9-11 キリストの来臨によって福千年が始まる。
12-13 十二使徒が全イスラエルを裁く。
14-21 数々のしるし、疫病、荒廃が再臨に先立ってある。
22-28 福千年に続いて、最後の復活と最後の裁きがある。
29-35 主にとってはすべてが霊にかかわるものである。
36-39 悪魔とその軍勢は天から追い出され、人を誘惑することになった。
40-45 堕落と贖罪は救いをもたらす。
46-50 幼い子供たちは贖罪によって贖われる。
01 あなたがたの贖い主、わたしは有るという大いなる者、憐れみの腕があなたがたの罪に対する贖いをした者、イエス・キリストの声を聴きなさい。
02 わたしは自分の民を、すなわち、わたしの声に聞き従って、わたしの前にへりくだり、熱烈な祈りによってわたしを呼ぶすべての者を、めんどりが羽の下にひなを集めるように集めよう。
03 見よ、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。今やあなたがたの罪は赦されているので、あなたがたはこれを受けている。しかし、数々の危難があなたがたに及ぶことのないように、よく覚えておいてこれからはもう罪を犯さないようにしなさい。
04 まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは、ラッパの音のように喜びの声を上げてわたしの福音を告げ知らせるために、世から選び出された。
05 心を高めて喜びなさい。わたしはあなたがたの中におり、父に対するあなたがたの弁護者だからである。あなたがたに王国を与えてくださるのは、父の好意である。
06 また、書き記されているように、あなたがたが信仰をもって、わたしの命じたとおりに一つになり祈って求めるものは、何でも与えられるであろう。
07 あなたがたはわたしの選民を集めるために召されている。わたしの選民はわたしの声を聴き、その心をかたくなにしないからである。
08 それゆえ、艱難と荒廃が悪人のうえに送られる日のために、わたしの選民の心を備え、またあらゆる点で備えられるように、彼らはこの地の面の一つの場所に集められなければならない、と父からの定めが出ている。
09 地が熟すその時は近く、その日はもう近づいている。そして、すべて高ぶる者と悪を行う者は、わらのようになる。悪が地上にないように、わたしは彼らを焼き尽くそう、と万軍の主は言う。
10 その時は近く、わたしの使徒たちが語ったことは必ず成就するからである。彼らが語ったようにそれは起こるのである。
11 わたしは力と大いなる栄光とをもって、天のすべての衆群とともに天から姿を現し、千年の間地上で人々とともに義のうちに住む。そして、悪人は耐えられない。
12 さらにまた、まことに、まことに、あなたがたに言う。父の御心によって堅い定めとして出たことであるが、わたしの使徒たち、すなわち、わたしがエルサレムで務めに携わっていたときにわたしとともにいた十二使徒は、義の衣を身にまとい、その頭に冠をかぶり、わたしと同じように栄光を受けて、わたしが火の柱の中を来る日にわたしの右に立つであろう。それは、ほかのだれでもなく、イスラエルの家に属するすべての者を、まことにわたしを愛してわたしの戒めを守ったすべての者を裁くためである。
13 シナイ山であったように、ラッパが長くかつ高く鳴り響き、全地が振動するであろう。そして、彼ら、すなわちわたしにあって死んだ者が、義の冠を受けるために、わたしのように義の衣を身にまとうために、わたしとともにいてわたしたちが一つとなるために出て来るであろう。
14 しかし見よ、わたしはあなたがたに言う。この大いなる日が来る前に、太陽は暗くなり、月は血に変わり、星は天から落ちるであろう。また、上には天に、下には地に、さらに大きな数々のしるしがあるであろう。
15 また、多くの人が涙を流し、泣きわめくであろう。
16 また、激しい雹を伴う嵐が送られて、地の作物を損なうであろう。
17 そしてまた、世の悪のゆえに、わたしは悪人に報復しよう。彼らが悔い改めようとしないからである。わたしの憤りの杯は満ちているからである。見よ、彼らがわたしの言うことを聞かなければ、わたしの血は彼らを清めない。
18 それゆえ、主なる神であるわたしは、地の面にあぶを送る。それらは地に住む者に取り付いてその肉を食い、うじを生じさせるであろう。
19 そして、彼らの舌はこわばり、彼らはわたしに反対して語ることができなくなる。また、彼らの肉は骨から離れ、目はその穴から落ちるであろう。
20 そのとき、森の獣と空の鳥は彼らをむさぼり食うであろう。
21 また、全地の淫婦である大きな忌まわしい教会は、これらのことについて語った預言者エゼキエルの口を通して語られたとおりに、焼き尽くす火によって倒されるであろう。これらのことはまだ起こっていないが、わたしが生きているように確かに起こる。忌まわしい行いが支配することはないからである。
22 さらにまた、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。千年が終わり、人々が再び彼らの神を否定し始めるとき、わたしはしばしの間だけ地をそのままにしておこう。
23 そして、終わりが来て、天地は焼き尽くされて過ぎ去り、新しい天と新しい地があるであろう。
24 すべて古いものは過ぎ去り、万物が新しくなるからである。まことに天地とその中にある万物、すなわち人も、獣も、空の鳥も、海の魚も新しくなるのである。
25 髪の毛一筋も、ちりも、失われない。それはわたしの手で造られたものだからである。
26 しかし見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。地が過ぎ去る前に、わたしの天使長ミカエルはラッパを吹き鳴らす。そのとき、墓が開かれるので、すべての死者は目を覚まし、彼ら、すなわちすべての者が出て来る。
27 そして、義人はわたしの右に集められて永遠の命を受けるであろう。また、わたしの左にいる悪人を父の前に持つことを、わたしは恥じる。
28 それゆえ、わたしは彼らに、「のろわれた者どもよ、わたしから離れ去り、悪魔とその使いのために用意されている永遠の火に入れ」と言おう。
29 さて見よ、わたしはあなたがたに言う。わたしはいまだかつて、わたし自身の口から、彼らは戻って来ると告げたことはない。わたしのいる所に、彼らは来ることができないからである。彼らにはその力がないからである。
30 しかし、わたしのすべての裁きが人々に明らかにされるわけではないことを覚えておきなさい。言葉がわたしの口から出ると、そのとおりに成就する。すなわち、わたしの御霊の力であるわたしの力の言葉によってわたしが創造したすべてのものに関して、先のものは後になり、後のものは先になるのである。
31 わたしの御霊の力によって、わたしはそれらのもの、すなわち、霊的なものと物質的なものの両方についてすべてのものを創造した。
32 わたしの業の初めには、先に霊的なものがあり、次に物質的なものがあり、さらにまたわたしの業の終わりには、先に物質的なものがあり、次に霊的なものがある。
33 このように言うのは、あなたがたが自然に理解できるようにするためである。しかし、わたし自身にとっては、わたしの業には終わりもなく、初めもない。しかし、あなたがたがわたしに求めて心を一つにしているので、あなたがたが理解できるようにこれが与えられているのである。
34 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしにとってはすべてが霊にかかわるものであり、わたしはいまだかつて、現世の律法をあなたがたに与えたことがない。どんな人にも、人の子らにも、わたしが創造したあなたがたの先祖アダムにも与えたことがない。
35 見よ、わたしはアダムに、自ら選択し行動する者となることを許した。そして、彼に戒めを与えた。しかし、わたしが彼に与えたのは、現世の戒めではない。わたしの戒めは霊にかかわるものだからである。それらは自然のものでも、現世のものでもなく、肉欲のものでも、官能的なものでもない。
36 そして、アダムは悪魔に誘惑された。見よ、悪魔はアダムの前にいた。悪魔は、「わたしにあなたの誉れを与えてください」と言って、わたしに背いた。彼の求めた誉れはわたしの力である。また、彼は天の衆群の3分の1を、彼らの選択の自由によってわたしから背き去らせた。
37 そして、彼らは落とされて、悪魔とその使いになった。
38 見よ、初めから彼らのために用意された場所がある。その場所は地獄である。
39 また、悪魔が人の子らを誘惑するのは必要である。そうでなければ、人の子らは自ら選択し行動する者とはなれない。苦いことを経験しなければ、甘いことを知ることができないからである。
40 それゆえ、悪魔はアダムを誘惑した。そして、アダムは禁断の実を食べ、戒めに背いた。このようにして、彼は誘惑に負けたので、悪魔の意に従うことになった。
41 それゆえ、主なる神であるわたしは、彼をその背きのゆえにエデンの園から、わたしの前から追い出した。このようにして、彼は霊的に死ぬことになった。これが第1の死、まことに、わたしが「のろわれた者どもよ、離れ去れ」と言うときに悪人に宣言される霊的な最後の死と同じものである。
42 しかし見よ、わたしはあなたがたに言う。主なる神であるわたしは、わたしの独り子の名を信じる信仰による悔い改めと贖いを彼らに告げるために天使たちを遣わすまで、アダムとその子孫が肉体の死を受けることのないようにした。
43 このようにして、主なる神であるわたしは、人に試しの生涯を定めた。人が、すなわち信じるすべての者が、肉体の死によって不死不滅によみがえり、永遠の命を受けられるようにするためである。
44 また、信じない者は永遠の罰の定めを受ける。彼らは悔い改めないので、霊的な堕落からの贖いを受けることができないからである。
45 彼らは光よりも闇を愛し、その行いは悪く、自分が従おうとした者の報いを受けるのである。
46 しかし見よ、わたしはあなたがたに言う。幼い子供たちは、わたしの独り子によって世の初めから贖われている。
47 それゆえ、彼らは罪を犯さない。彼らがわたしの前に責任を負うようになるまで、サタンには幼い子供たちを誘惑する力が与えられないからである。
48 わたしは、大いなることが彼らの父親に求められるように、わたしの望むとおりに、わたし自身の思いのままに幼い子供たちに行うのである。
49 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。知識のある者に、わたしは悔い改めを命じなかったであろうか。
50 また、理解する能力のない者については、書き記されているとおりに行うだけである。さて、わたしはあなたがたに、今はこれ以上のことを告げない。アーメン。
第30章(ホイットマーたちへの啓示)
1830年9月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してデビッド・ホイットマー、ピーター・ホイットマー・ジュニア、およびジョン・ホイットマーに与えられた啓示。この啓示は、フェイエットでの3間の大会後、教会の長老たちが散会する前に与えられたものである(『教会歴史』第1巻、115〜116ページ)。当初は3つの啓示として出版されていたが、預言者は1835年版の『教義と聖約』でこれを一つにまとめた。
1- 4 デビッド・ホイットマーは、熱心に奉仕するのを怠ったために懲らしめを受ける。
5- 8 ピーター・ホイットマー・ジュニアは、オリバー・カウドリとともに、レーマン人への伝道に出かけなければならない。
9-11 ジョン・ホイットマーは、福音を宣べ伝えるように召される。
01 見よ、わたしはあなた、デビッドに言う。あなたは人を恐れ、当然なすべきであるのにわたしに頼って強さを得ようとしなかった。
02 それどころか、あなたの心は、あなたの造り主であるわたしにかかわる事柄や、あなたが召された務めよりも、世の事柄のうえにあった。そして、あなたはわたしの御霊やあなたの上に置かれた人々を心に留めず、わたしから命じられていない者たちに説きつけられてきた。
03 それゆえ、あなたは自分自身でわたしに尋ね、自分が受けた事柄について深く考えるに任されている。
04 また、わたしがあなたにさらに戒めを与えるまで、あなたは父の家に住まなければならない。そして、あなたは教会で、また世の人々の前で、さらに周りの地域で、務めに専念しなければならない。アーメン。
05 見よ、わたしはあなた、ピーターに言う。あなたは、あなたの兄弟オリバーとともに旅をしなければならない。あなたが口を開いてわたしの福音を告げ知らせることを、わたしが必要とする時が来たからである。それゆえ、恐れることなく、むしろあなたの兄弟があなたに与える言葉と忠告を心に留めなさい。
06 また、彼のあらゆる苦難を自分の苦難とし、彼とあなたが救い出されるように、祈りと信仰をもっていつもわたしに向かって心を高くしなさい。わたしは彼に、レーマン人の中にわたしの教会を築き上げる力を与えたからである。
07 またわたしは、彼の兄弟ジョセフ・スミス・ジュニアのほかには、教会の諸事について教会内で彼の上に立つ助言者をだれも任命していない。
08 それゆえ、これらのことを心に留めて、わたしの戒めを熱心に守りなさい。そうすれば、あなたは祝福されて永遠の命を受けるであろう。アーメン。
09 見よ、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジョンに言う。あなたはこれから先、ラッパの音のようにわたしの福音を宣言することを始めなければならない。
10 あなたは、あなたの兄弟フィリップ・バローズの家で、またその周りの地域で、すなわち、あなたが語ることを聞く人々のいる所ならどこででも、そこから去るようにわたしがあなたに命じるまで働かなければならない。
11 今から後、あなたは精神を尽くして、シオンですべての働きをしなければならない。まことに、あなたは人がなし得ることを恐れずに、わたしの大義のためにいつも口を開かなければならない。わたしはあなたとともにいるからである。アーメン。
第31章(トーマス・B・マーシュへの啓示)
1830年9月、預言者ジョセフ・スミスを通してトーマス・B・マーシュに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、115〜117ページ)。この啓示が与えられたのは、教会の大会直後のことである(第30章の前書きを参照)。トーマス・B・マーシュはこの月の早い時期にバプテスマを受け、この啓示が与えられる前に当教会の長老に聖任されていた。
1- 6 トーマス・B・マーシュは、福音を宣べ伝えるように召され、また家族の幸せが保証される。
7-13 彼は忍耐強くあり、常に祈り、慰め主に従うように勧告される。
01 わたしの子トーマスよ。わたしの業を信じる信仰のゆえに、あなたは幸いである。
02 見よ、あなたは家族のゆえに多くの苦難に遭ってきた。それにもかかわらず、わたしはあなたとあなたの家族、すなわちあなたの幼い者たちを祝福しよう。彼らが信じて真理を知り、わたしの教会においてあなたと一つになる日が来る。
03 心を高めて喜びなさい。あなたの伝道の時が来たからである。あなたの舌は緩められ、あなたはこの時代の人々に向かって胸躍る大いなる喜びのおとずれを告げ知らせるであろう。
04 あなたは、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアに明らかにされてきたことを告げなければならない。あなたはこれから先、教えを説き、すでに白くなり焼かれるばかりになっている畑で刈り入れを始めなければならない。
05 それゆえ、心を尽くして鎌を入れなさい。そうすれば、あなたの罪は赦されて、あなたは背に束を積まれるであろう。働き人が報酬を受けるのは当然だからである。また、あなたの家族は生きるであろう。
06 見よ、まことに、わたしはあなたに言う。しばしの間だけ家族を離れて出かけ、わたしの言葉を告げなさい。そうすれば、わたしはあなたの家族のために一つの場所を用意しよう。
07 まことに、わたしは人々の心を開こう。そして、彼らはあなたを受け入れるであろう。また、わたしはあなたの手によって一つの教会を設けよう。
08 あなたは彼らを強くし、彼らが集められるときのために彼らを備えなければならない。
09 苦難の中で忍耐強くあり、ののしる者にののしり返してはならない。柔和に家を治め、また確固としていなさい。
10 見よ、わたしはあなたに言う。あなたは教会員にとっての医者となるであろう。しかし、世の人々にはそうではない。彼らはあなたを受け入れないからである。
11 あなたはどこでもわたしの望む所に行きなさい。あなたのなすべきことと行くべき所は、慰め主によってあなたに伝えられるであろう。
12 あなたは誘惑に陥って自分の報いを失うことのないように、常に祈りなさい。
13 最後まで忠実でありなさい。見よ、わたしはあなたとともにいる。これらの言葉は人から出ているものではなく、人々から出ているものでもなく、父の御心によって、わたし、すなわちあなたの贖い主であるイエス・キリストから出ているものである。アーメン。
第32章(レーマン人への最初の伝道)
1830年10月、預言者ジョセフ・スミスを通して、パーリー・P・プラットとザイバ・ピーターソンに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、118〜120ページ)。教会員は『モルモン書』から、レーマン人に祝福が与えられると予告されていることを知って、長老たちはレーマン人に深い関心を持ち、大きな望みを抱いた。その結果、当時西部のインディアンの部族のもとに長老たちを送るべきかどうかについて、御心を示してくださるように主に懇願した。そして、この啓示が与えられた。
1- 3 パーリー・P・プラットとザイバ・ピーターソンは、レーマン人に教えを説くように、またオリバー・カウドリとピーター・ホイットマー・ジュニアに同行するように召される。
4- 5 彼らは聖文の理解を求めて祈らなければならない。
01 さて、わたしの僕パーリー・P・プラットについて、見よ、わたしは彼に言う。わたしは自分が生きているように確かに、彼がわたしの福音を告げ知らせ、わたしに学び、また柔和で心のへりくだった者であることを望む。
02 また、わたしが彼に定めたのは、彼がわたしの僕たち、オリバー・カウドリならびにピーター・ホイットマー・ジュニアとともに荒れ野に赴いてレーマン人の中に行くことである。
03 ザイバ・ピーターソンも彼らとともに行かなければならない。また、わたし自身も彼らとともに行き、彼らの中にいるであろう。わたしは父に対する彼らの弁護者であり、何ものも彼らに打ち勝つことはないであろう。
04 また、彼らは書き記されていることを心に留めなければならない。ほかの啓示を求めてはならない。また、わたしがそれを明らかにして彼らが理解できるように、常に祈らなければならない。
05 また、彼らはこれらの言葉を心に留めるようにしなければならない。軽んじてはならない。そうすれば、わたしは彼らを祝福しよう。アーメン。
第33章(エズラ・セアとノースロップ・スイートへの啓示)
1830年10月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してエズラ・セアとノースロップ・スイートに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、126〜127ページ)。この啓示を記すに当たり、預言者は、「主はいつも、信仰をもって熱心に求める人々を教えようとしておられる」(『教会歴史』第1巻、126ページ)と断言した。
1- 4 11時に福音を告げ知らせるために、働き人たちが召される。
5- 6 教会が設立され、選民が集められる。
7-10 天の王国が近づいているので、悔い改めなさい。
11-15 教会は福音の岩の上に建てられる。
16-18 花婿が来られるときのために備えなさい。
01 見よ、わたしはあなたがた、すなわちわたしの僕、エズラとノースロップに言う。あなたがたの耳を開き、主なるあなたがたの神の声を聴きなさい。わたしの言葉は生きていて、力があり、もろ刃の剣よりも鋭くて、関節と骨髄、精神と霊とを切り離すほどである。また、わたしは心の思いと志とを見分ける者である。
02 まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたはラッパの音のように声を上げ、曲がったよこしまな時代の人々にわたしの福音を告げ知らせるために召されている。
03 見よ、畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。今は11時であり、わたしが働き人をわたしのぶどう園に呼び入れる最後の時である。
04 わたしのぶどう園はことごとく悪くなっており、少数を除いて善を行う者はいない。また、彼らも偽善売教のために度々過ちを犯す。すべての者が腐敗した心を持っているからである。
05 まことに、まことに、あなたがたに言う。わたしはこの教会を設け、荒れ野から呼び出した。
06 同じように、わたしは地の四方からわたしの選民を、すなわち、わたしを信じてわたしの声に聞き従うすべての者を集めよう。
07 まことに、まことに、あなたがたに言う。畑はすでに白くなり刈り入れを待っている。それゆえ、あなたがたの鎌を入れ、あなたがたの勢力と思いと力を尽くして刈り取りなさい。
08 あなたがたの口を開きなさい。そうすれば、あなたがたの口は満たされるであろう。そして、あなたがたは、エルサレムを出て荒れ野を旅した昔のニーファイのようになるであろう。
09 まことに、あなたがたの口を開きなさい。惜しんではならない。そうすれば、あなたがたは背に束を積まれるであろう。見よ、わたしはあなたがたとともにいるからである。
10 まことに、あなたがたの口を開きなさい。そうすれば、あなたがたの口は満たされて言うであろう。「悔い改めなさい。悔い改めなさい。主の道を備え、その道筋をまっすぐにしなさい。天の王国が近づいているからである。
11 まことに、悔い改めなさい。そして、あなたがたは一人一人、自分の罪の赦しのためにバプテスマを受けなさい。まことに、水によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、その後、火と聖霊によるバプテスマが来る。」
12 見よ、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。これがわたしの福音である。そして、人々はわたしを信じる信仰を持たなければならず、そうしなければ決して救われない、ということを覚えておきなさい。
13 この岩の上に、わたしは、わたしの教会を建てよう。まことに、この岩の上にあなたがたは建てられる。そして、あなたがたが続けるならば、地獄の門もあなたがたに打ち勝つことはない。
14 また、あなたがたは教会の規定と聖約を覚えて、これらを守るようにしなければならない。
15 また、あなたがたは信仰を持っている人々を、わたしの教会で按手によって確認しなければならない。そうすれば、わたしは彼らに聖霊の賜物を授けよう。
16 『モルモン書』と聖文が、あなたがたを教えるためにわたしから与えられている。また、わたしの御霊の力は万物を生かす。
17 忠実であり、常に祈り、あなたがたのランプの芯を切りそろえて火をともし、油を備えて、花婿が来るときに用意ができているようにしなさい。
18 見よ、まことに、まことに、あなたがたに言う。わたしはすぐに来る。まことにそのとおりである。アーメン。
第34章(オーソン・プラットへの啓示)
1830年11月4日、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してオーソン・プラットに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、127〜128ページ)。プラット兄弟は、当時19歳であった。6週間前に、彼は兄パーリー・P・プラットが回復された福音を宣べ伝えるのを聞いて改宗し、バプテスマを受けた。この啓示は、ピーター・ホイットマー・シニアの家で与えられたものである。
1- 4 忠実な者は贖罪によって神の子となる。
5- 9 福音を宣べ伝えることによって、再臨のための道が備えられる。
10-12 預言は聖霊の力によって与えられる。
01 わたしの子オーソンよ、主なる神であるわたし、すなわちあなたの贖い主であるイエス・キリストがあなたに言うことに耳を傾け、それを聞き、そして見なさい。
02 わたしは世の光であり命である。暗闇の中に輝いている光である。そして、暗闇はそれを理解しない。
03 わたしは自分の命を与えたほどにこの世を愛した。それは信じるすべての者が神の子となるためである。それゆえ、あなたはわたしの子である。
04 あなたは信じたので、幸いである。
05 また、あなたはわたしの福音を宣べ伝えるためにわたしから召されているので、なおさら幸いである。
06 あなたはラッパの音のように長くかつ大きな声を上げ、曲がったよこしまな時代の人々に悔い改めを叫んで、主の再臨のために道を備えるように召されている。
07 見よ、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。わたしが力と大いなる栄光とをもって雲の中を来る時は、もう近づいている。
08 わたしの来臨の時に、それは大いなる日となる。すべての国民がおののくからである。
09 しかし、その大いなる日が来る前に、太陽は暗くなり、月は血に変わり、星は光を放つのを拒み、落ちる星もある。そして、大いなる滅亡が悪人を待ち受けている。
10 それゆえ、あなたがたの声を上げなさい。惜しんではならない。主なる神が語ったからである。それゆえ、預言しなさい。そうすれば、それは聖霊の力によって与えられるであろう。
11 あなたが忠実であれば、見よ、わたしが来るまで、わたしはあなたとともにいる。
12 まことに、まことに、あなたに言う。わたしはすぐに来る。わたしはあなたの主であり、あなたの贖い主である。まことにそのとおりである。アーメン。
第35章(シドニー・リグドンへの啓示)
1830年12月、ニューヨーク州フェイエットまたはその付近において、預言者ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、128〜131ページ)。当時、預言者はほとんど毎日、『聖書』の翻訳に従事していた。その翻訳は早くも1830年6月には開始され、オリバー・カウドリとジョン・ホイットマーの2人が筆記者として働いてきた。今や彼らはほかの務めに召されたので、シドニー・リグドンが、この業において預言者の筆記者として働くように神の指名によって召された(第20節を参照)。預言者はこの啓示の記録の前書きとして、次のように記している。「12月に、シドニー・リグドンが主に尋ねるために〔オハイオから〕やって来た。また、彼とともにエドワード・パートリッジも来た。……これら2人の兄弟たちの到着後間もなく、主はこのように語られた。」(『教会歴史』第1巻、128ページ)
1- 2 人々が神の子となる方法。
3- 7 シドニー・リグドンは、バプテスマを施し、聖霊を授けるために召される。
8-12 しるしと奇跡は信仰によって起こる。
13-16 主の僕たちは御霊の力によってもろもろの国民を打ってえり分ける。
17-19 ジョセフ・スミスは奥義の鍵を持つ。
20-21 選民は主の来られる日に堪える。
22-27 イスラエルは救われる。
01 主なるあなたがたの神、すなわちアルパでありオメガであり、初めであり終わりであり、その道が一つの永遠の環である者、昨日も、今日も、またとこしえに変わることのない者の声を聴きなさい。
02 わたしは神の子イエス・キリストであり、世の罪のために、すなわちわたしの名を信じるすべての者の罪のために十字架につけられた者である。それは、彼らが神の子となり、わたしが父にあって一つであり、父がわたしにあって一つであられるのと同様に、まことに彼らがわたしにあって一つとなり、わたしたちが一つとなるためである。
03 見よ、まことに、まことに、わたしの僕シドニーに言う。わたしはあなたとあなたの行いを見てきた。わたしはあなたの祈りを聞き、一つのさらに大いなる業のためにあなたを備えてきた。
04 あなたは大いなることを行うので、祝福されている。見よ、あなたはヨハネのようにわたしの前に道を備えるために、またやがて来るエリヤの前に道を備えるために遣わされた。そして、あなたはそれを知らなかった。
05 あなたは悔い改めのために水によってバプテスマを施したが、人々は聖霊を受けなかった。
06 しかし今、わたしはあなたに一つの戒めを与える。あなたは水によってバプテスマを施さなければならない。そうすれば、昔の使徒たちが行ったように、按手によって人々は聖霊を受けるであろう。
07 また、この地に、すなわち異邦人の中に、一つの大いなる業が起こるであろう。彼らの愚かさと忌まわしい行いが、すべての人の目に明らかにされるであろう。
08 わたしは神であり、わたしの腕は短くない。わたしの名を信じるすべての者に、わたしは数々の奇跡としるしと不思議を示そう。
09 また、だれでも信仰をもってわたしの名によって求める者は、悪霊を追い出すであろう。病人を癒すであろう。目の見えない者を見えるようにし、耳の聞こえない者を聞こえるようにし、口の利けない者を話せるようにし、足の不自由な者を歩けるようにするであろう。
10 また、数々の大いなることが人の子らに示される時が、速やかに来る。
11 しかし、信仰がなければ、不貞に対する激しい怒りのぶどう酒をすべての国民に飲ませてきたバビロンの荒廃のほかに、何事も示されないであろう。
12 また、わたしがこの時代の人々に送り出した、わたしの完全な福音を受け入れる備えのできた人々以外に、善を行う者はだれもいない。
13 それゆえ、わたしは、わたしの御霊の力によってもろもろの国民を打ってえり分けるために、世の弱い者たち、無学で見下されている者たちを呼ぶ。
14 そして、彼らの腕はわたしの腕となる。わたしは彼らの盾となり、彼らの小盾となろう。わたしは彼らの腰に帯を締めよう。そして、彼らはわたしのために勇敢に戦うであろう。彼らの敵は彼らの足に踏まれるであろう。また、わたしは彼らのために剣を下し、わたしの憤りの火によって彼らを守ろう。
15 また、貧しい者と柔和な者に福音が宣べ伝えられ、彼らはわたしの来臨の時を待ち望むであろう。それはもう近いからである。
16 彼らはいちじくの木のたとえを学ぶであろう。夏は今やすでに近いからである。
17 またわたしは、わたしの僕ジョセフの手によって、わたしの完全な福音を送り出した。また、わたしは彼を弱い状態にあって祝福した。
18 またわたしは、彼がわたしにつながっていることを条件に、封じられてきたそれらのこと、すなわち世の初めからあったことと、またこの時点からわたしの来臨までにあることの奥義の鍵を彼に与えた。もし彼がわたしにつながっていないならば、わたしは彼の代わりにほかの者を立てよう。
19 それゆえ、彼の信仰がなくならないように、彼を守りなさい。そうすれば、それは慰め主、すなわちすべてのことを知っている聖霊によって与えられるであろう。
20 また、わたしは一つの戒めをあなたに与える。あなたは彼のために書き記さなければならない。そうすれば、わたしの胸の内にあるままに聖文が授けられ、わたしの選民は救われるであろう。
21 彼らはわたしの声を聞き、わたしを見、また眠ることなく、わたしが来る日に堪えるであろう。わたしが清いように、彼らは清められるからである。
22 さて、わたしはあなたに言う。彼とともにとどまりなさい。そうすれば、彼はあなたとともに旅をするであろう。彼を見捨ててはならない。見捨てなければ、これらのことは必ず成就するであろう。
23 また、あなたがたが書き記さないときは、見よ、彼は預言することを許される。あなたはわたしの福音を宣べ伝え、また彼に言葉が与えられるままに、聖なる預言者たちを呼んで彼の言葉を証明しなければならない。
24 あなたがたが守る義務のあるすべての戒めと聖約を守りなさい。そうすれば、わたしはあなたがたのために天を震わせよう。そしてサタンはおののき、シオンはもろもろの丘の上で喜び、栄えるであろう。
25 イスラエルは、わたしがふさわしいと思うときに救われるであろう。わたしが与えた鍵によって彼らは導かれ、もはや決して乱されることはない。
26 心を高めて喜びなさい。あなたがたの贖いは近づいている。
27 小さい群れよ、恐れてはならない。わたしが来るまで、王国はあなたがたのものである。見よ、わたしはすぐに来る。まことにそのとおりである。アーメン。
第36章(エドワード・パートリッジへの啓示)
1830年12月、ニューヨーク州フェイエットの近くで、預言者ジョセフ・スミスを通してエドワード・パートリッジに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、131ページ)(第35章の前書きを参照)。エドワード・パートリッジは「敬虔の模範であり、主の偉人の1人であった」(『教会歴史』第1巻、128ページ)と、預言者は述べている。
1- 3 主はシドニー・リグドンの手によって、エドワード・パートリッジに御手を置かれる。
4- 8 福音を受け入れて、神権を受けるすべての者は、出て行って宣べ伝えるように召される。
01 イスラエルの力ある者である主なる神は、このように言う。見よ、わたしはあなた、すなわちわたしの僕エドワードに言う。あなたは祝福されており、あなたの罪は赦されている。また、あなたはラッパの音のようにわたしの福音を宣べ伝えるために召されている。
02 わたしは、わたしの僕シドニー・リグドンの手によって、あなたにわたしの手を置こう。そうすれば、あなたは、わたしの御霊、聖霊、すなわち慰め主を受けるであろう。その慰め主は、王国にかかわる平和をもたらす事柄をあなたに教えるであろう。
03 そこで、あなたは、「ホサナ、いと高き神の御名がほめたたえられますように」と言い、大声で王国にかかわる事柄を告げなければならない。
04 わたしは今、すべての人について、次のような召しと戒めをあなたに与える。
05 この召しと戒めを受け入れて、わたしの僕であるシドニー・リグドンとジョセフ・スミス・ジュニアの前に来るすべての者は、聖任を受けて、もろもろの国民の中に永遠の福音を宣べ伝えるために遣わされなければならない。
06 悔い改めを叫び、「この曲がった時代から救われなさい。そして、火から出て来て、肉によって汚されたその衣さえも忌み嫌いなさい」と言いながら、宣べ伝えるのである。
07 この戒めをわたしの教会の長老たちに与えて、真心をもってこれを受け入れるすべての者が、わたしの語ったように、聖任されて遣わされるようにしなければならない。
08 わたしは神の子イエス・キリストである。それゆえ、あなたの腰に帯を締めなさい。わたしは突如わたしの神殿に来る。まことにそのとおりである。アーメン。
第37章(オハイオに行くまで)
1830年12月、ニューヨーク州フェイエットの近くで、預言者ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、139ページ)。ここで、この神権時代における集合に関して最初の戒めが与えられる。
1- 4 聖徒たちはオハイオに集まるように告げられる。
01 見よ、わたしはあなたがたに言う。オハイオに行くまで、あなたがたがこれ以上の翻訳をすることは、わたしにとって必要ではない。これは敵のゆえであり、またあなたがたのためである。
02 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたはこの地方でわたしの福音を宣べ伝えるまで、そして教会のあるすべての所で、特にコールズビルで教会を強くするまで、出かけてはならない。見よ、彼らが深い信仰をもってわたしに祈っているからである。
03 さらにまた、一つの戒めをわたしは教会員に与える。わたしが必要としているのは、わたしの僕オリバー・カウドリが彼らのもとに帰るときに備えて、彼らがオハイオに集まることである。
04 見よ、ここに知恵がある。わたしが来るまで、各人に自ら選ばせなさい。まことにそのとおりである。アーメン。
第38章(備えていれば恐れることはない)
1831年1月2日、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、140〜143ページ)。このときは、教会の大会であった。
1- 6 キリストが万物を創造された。
7- 8 キリストは聖徒たちの中におられる。聖徒たちは間もなくキリストにまみえる。
9-12 すべての肉なるものはキリストの前に堕落している。
13-22 キリストは、この世においても永遠にわたっても、御自分の聖徒たちのために約束の地を備えておられる。
23-27 聖徒たちは一つとなるように、また兄弟として互いに尊び合うように命じられる。
28-29 戦争が予告される。
30-33 聖徒たちは高い所から力を授けられ、すべての国民の中に出て行かなければならない。
34-42 教会は貧しい人と乏しい人の世話をするように、また永遠の富を求めるように命じられる。
01 主なるあなたがたの神は、このように言う。すなわち、イエス・キリスト、わたしは有るという大いなる者、アルパでありオメガであり、初めであり終わりであり、世界が造られる前に永遠の大いなる広がりと天のすべてのこうごうしい衆群を見た者、
02 すべてのことが目の前にあるのですべてのことを知っている者は、このように言う。
03 わたしは、言葉を発して、それで世界が造られ、万物がわたしによって存在するようになったその者である。
04 わたしは自分の懐にエノクのシオンを受け入れた者である。また、まことにわたしは言うが、わたしの名を信じたすべての者を受け入れた者である。わたしはキリストであり、わたし自身の名によって、またわたしが流した血によって、父の前で彼らのために弁護をしてきた。
05 しかし見よ、世の終わりに訪れる大いなる日の裁きまで、わたしは悪人の残りを暗闇の鎖にとどめてきた。
06 また、わたしの声を聞こうとせずに、心をかたくなにする悪人を、同じようにとどめておこう。彼らの不幸な行く末は、災いである、災いである、災いである。
07 しかし見よ、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの目はあなたがたのうえにある。わたしはあなたがたの中にいるが、あなたがたはわたしを見ることができない。
08 しかし、あなたがたがわたしを見て、わたしのいることを知る日がすぐに来る。暗黒の幕が間もなく裂かれるからである。清められていない者は、その日に堪えられないであろう。
09 それゆえ、腰に帯を締めて、備えなさい。見よ、王国はあなたがたのものであり、そして敵は勝利を得ないであろう。
10 まことに、あなたがたに言う。あなたがたは清いが、すべての者が清いわけではない。また、わたしが心から喜んでいる者は、ほかにだれもいない。
11 すべての肉なるものはわたしの前に堕落している。そして闇の力は、天のすべての衆群の前において、人の子らの中で地上に広く及んでいる。
12 そのために、沈黙が支配し、すべて永遠なるものは悲しんでいる。また天使たちは、毒麦を集めてそれを焼くために、地を刈り入れるようにとの大いなる命令を待っている。また見よ、敵は連合している。
13 さて、わたしは一つの秘密、すなわち、時がたってまことにあなたがたを滅ぼすために密室で行われている一つの事柄をあなたがたに示そう。あなたがたはそれを知らなかった。
14 しかし今、わたしはあなたがたにそれを告げる。あなたがたは祝福されているが、それはあなたがたの罪悪のゆえでも、また不信仰の心のゆえでもない。まことにあなたがたのある者はわたしの前に罪悪があるが、それでもわたしは、あなたがたの弱さを憐れもう。
15 それゆえ、あなたがたは今から後、強くありなさい。恐れてはならない。王国はあなたがたのものだからである。
16 また、あなたがたの救いのために、わたしはあなたがたに戒めを与える。わたしはあなたがたの祈りを聞き、貧しい者がわたしの前に訴えたからである。わたしは富んでいる者を造った。すべての肉なるものはわたしのものであり、わたしは人を偏り見ない者である。
17 わたしは地を豊かに造った。見よ、それはわたしの足台である。それゆえ、わたしは再びその上に立とう。
18 わたしはさらに大いなる富、すなわち、主が来るときにまったくのろいのない一つの約束の地、乳と蜜の流れる一つの地をあなたがたに差し出して授けよう。
19 あなたがたが一心に求めるならば、わたしはあなたがたの受け継ぎの地としてそれを与えよう。
20 これがあなたがたと交わすわたしの聖約である。すなわち、大地のあるかぎり、あなたがたはその地をあなたがたの受け継ぎの地として、またあなたがたの子孫の受け継ぎとしていつまでも所有するであろう。また、あなたがたは再び永遠にそれを所有し、それはもう過ぎ去ることはないであろう。
21 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。やがてあなたがたは王も支配者も持たなくなる。わたしがあなたがたの王となり、あなたがたを見守るからである。
22 それゆえ、わたしの声を聞いて、わたしに従いなさい。そうすれば、あなたがたは自由な民となり、わたしが来るときにわたしの律法のほかにどんな法も持たないであろう。わたしがあなたがたの立法者だからである。何がわたしの手をとどめることができるであろうか。
23 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしがあなたがたを任命したその職に応じて、互いに教え合いなさい。
24 各人がそれぞれ自分の兄弟を自分自身のように尊び、わたしの前で徳高く聖くあるようにしなさい。
25 また重ねて、あなたがたに言う。各人がそれぞれ自分の兄弟を自分自身のように尊びなさい。
26 あなたがたの中に、12人の息子を持っていて、彼らを決して偏り見ることなく、彼らから従順に仕えられているのに、息子の一人に「あなたは礼服を着てここに座りなさい」と言い、またほかの息子に「あなたはぼろを着てそこに座りなさい」と言い、息子たちを見て、「わたしは公平だ」と言う者がいるであろうか。
27 見よ、わたしはあなたがたに、これを一つのたとえとして告げた。これはまさにわたしのようである。わたしはあなたがたに言う。一つとなりなさい。もしもあなたがたが一つでなければ、あなたがたはわたしのものではない。
28 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。密室の敵はあなたがたの命をねらっている。
29 あなたがたは遠くの国々における戦争について聞くと、遠くの国々で間もなく大きな戦争があると言う。しかし、あなたがたはあなたがた自身の地における人々の心を知らない。
30 わたしはあなたがたの祈りにこたえて、これらのことをあなたがたに告げる。それゆえ、あなたがたの胸に知恵を蓄えなさい。人々の悪が、その悪事によって、地を震わす声よりも大きな声であなたがたの耳もとに語る方法で、あなたがたにこれらのことを明らかにすることのないようにするためである。しかし、備えていれば恐れることはない。
31 あなたがたが敵の力から逃れ、染みがなく、罪もない、義にかなった民としてわたしのもとに集められるために、
32 このために、わたしは、オハイオへ行くようにという戒めをあなたがたに与えたのである。わたしはそこであなたがたにわたしの律法を与えよう。あなたがたはそこで、高い所から力を授けられるであろう。
33 そしてそこから、わたしの望む者がすべての国民の中に出て行くであろう。また、彼らのなすべきことが、彼らに告げられるであろう。わたしには備えてある一つの大いなる業がある。イスラエルは救われ、わたしは自分の望む所に彼らを導く。そして、どのような力もわたしの手をとどめ得ないであろう。
34 さて、わたしはこの地方の教会に戒めを与える。彼らの中のある人々を任命しなければならない。教会員の声によって任命しなければならない。
35 これらの人は貧しい者と乏しい者の世話をし、彼らが苦しみを受けることのないように必要なものを与え、わたしが命じた場所に彼らを送り出すようにしなければならない。
36 この教会の財産に関する諸事をつかさどることが、彼らの仕事となる。
37 また、売ることのできない農場を持っている者たちは、それをそのままにしておくか、賃貸するか、彼らがよいと思うままにしなさい。
38 気をつけて、すべてのものが保たれるようにしなさい。人々が高い所から力を授けられて送り出されるときに、これらすべてのものは教会の懐に集められるであろう。
39 また、父があなたがたに与えたいと望んでおられる富を、あなたがたが求めるならば、あなたがたはすべての民の中で最も富んだ者になるであろう。あなたがたは永遠の富を持つからである。地の富はわたしのものであり、わたしがそれを与えるのである。しかし、あなたがたは昔のニーファイ人のようにならないよう、高慢に気をつけなさい。
40 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに戒めを与える。長老も、祭司も、教師も、また会員も、すべての人がわたしの命じたことを準備して成し遂げるために、勢力を尽くし、その手の労苦を尽くしなさい。
41 また、あなたがたの教えを説くことが警告の声となるように、各人がそれぞれ隣人に、穏やかに、かつ柔和に警告するようにしなさい。
42 あなたがたは悪人の中から出なさい。あなたがた自身を救いなさい。主の器を担う者たちよ、清くありなさい。まことにそのとおりである。アーメン。
第39章(ジェームズ・コービルへの啓示)
1831年1月5日、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してジェームズ・コービルに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、143〜145ページ)。ジェームズ・コービルは、およそ40年間バプテスト派の牧師を務めた人であるが、彼は主が預言者ジョセフを通して与えてくださる戒めには何でも従うと、主に聖約した。
1- 4 聖徒たちは神の子となる力を持っている。
5- 6 福音を受け入れることは、キリストを受け入れることである。
7-14 ジェームズ・コービルは、バプテスマを受けて、主のぶどう園で働くように命じられる。
15-21 主の僕たちは、再臨の前に福音を宣べ伝えなければならない。
22-24 福音を受け入れる者は、この世においても永遠にわたっても集められる。
01 永遠から永遠にわたって存在する者、わたしは有るという大いなる者、すなわちイエス・キリストの声に耳を傾け、聴きなさい。
02 わたしは世の光であり命である。暗闇の中に輝いている光である。そして、暗闇はそれを理解しない。
03 わたしは時の中間にわたしの民のところに来た者である。そして、民はわたしを受け入れなかった。
04 しかし、わたしは、わたしを受け入れたすべての者に、わたしの子となる力を与えた。またそのように、わたしを受け入れるすべての者に、わたしの子となる力を与えよう。
05 まことに、まことに、わたしはあなたに言う。わたしの福音を受け入れる者はわたしを受け入れ、また、わたしの福音を受け入れない者はわたしを受け入れないのである。
06 そして、これこそわたしの福音である。すなわち、悔い改めと、水によるバプテスマ、その後、火と聖霊によるバプテスマがある。聖霊すなわち慰め主は、すべてのことを示し、王国にかかわる平和をもたらす事柄を教える。
07 さて見よ、わたしはあなた、すなわちわたしの僕ジェームズに言う。わたしはあなたの行いを見てきて、あなたを知っている。
08 まことに、わたしはあなたに言う。あなたの心は現在、わたしの前に正しい。また見よ、わたしはあなたの頭に数々の大いなる祝福を授けてきた。
09 それにもかかわらず、あなたはひどい悲しみに遭ってきた。それは、あなたが高慢と世の思い煩いのために、何度もわたしを拒んだからである。
10 しかし見よ、あなたがわたしの声を聴くならば、あなたの救いの日は来ている。わたしの声はあなたに言う。「わたしの名を呼び、立ってバプテスマを受け、あなたの罪を洗い清めなさい。そうすれば、あなたはわたしの御霊と、かつて知らなかったほどの大いなる祝福を受けるであろう。」
11 あなたがこれを行うならば、わたしは一つのさらに大いなる業のためにあなたを備えている。あなたは、わたしがこの終わりの時に送り出したわたしの完全な福音、すなわち、わたしがイスラエルの家に属するわたしの民を再び元に戻すために送り出した聖約を宣べ伝えるであろう。
12 そして、力があなたに宿るであろう。あなたは大いなる信仰を持ち、わたしはあなたとともにいて、あなたに先立って行くであろう。
13 あなたは、わたしのぶどう園で働き、わたしの教会を築き上げ、シオンをもたらして、シオンがもろもろの丘の上で喜び、栄えるようにするために召されている。
14 見よ、まことに、まことに、わたしはあなたに言う。あなたは東の地方へ行くようには召されておらず、オハイオへ行くように召されている。
15 わたしの民がオハイオに集まるならば、わたしは人の子らの間に知られていないほどの祝福を備えており、それは彼らの頭に注がれるであろう。そして、そこから人々はすべての国民の中に出て行くであろう。
16 見よ、まことに、まことに、あなたに言う。オハイオの人々は、わたしがもろもろの国民に対するわたしの裁きの手をとどめると思い、深い信仰をもってわたしに呼び求めている。しかし、わたしは自分の言葉を否定し得ない。
17 それゆえ、勢力を尽くして取りかかり、わたしのぶどう園に忠実な働き人を呼び入れて、最後の刈り込みが行われるようにしなさい。
18 人々が悔い改めて、わたしの完全な福音を受け入れ、聖くなるならば、わたしは裁きの手をとどめよう。
19 それゆえ、出て行き、大声で叫んで、「天の王国は近づいている」と言い、また、「ホサナ。いと高き神の御名がほめたたえられますように」と叫びなさい。
20 出て行って水でバプテスマを施し、わたしの来臨の時のためにわたしの前に道を備えなさい。
21 時が近づいているからである。その日、その時間は、だれも知らない。しかし、それは確かに来る。
22 これらのことを受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。彼らは、この世においても永遠にわたっても、わたしのもとに集められるであろう。
23 さらにまた、あなたが水でバプテスマを施すすべての者に、あなたは手を置かなければならない。そうすれば、彼らは聖霊の賜物を受け、わたしの来臨のしるしを待ち望むようになり、わたしを知るであろう。
24 見よ、わたしはすぐに来る。まことにそのとおりである。アーメン。
第40章(ジェームズ・コービルの背教)
1831年1月、ニューヨーク州フェイエットにおいて、預言者ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、145ページ)。預言者はこの啓示を記録するに先立ち、次のように記している。「ジェームズ・コービルが主の言葉を拒んで、彼の以前の信条と人々のもとに戻って行ったので、主はわたしとシドニー・リグドンに次の啓示を与えられた。」(『教会歴史』第1巻、145ページ)
1- 3 迫害の恐れと世の思い煩いは、福音を拒む原因となる。
01 見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕ジェームズ・コービルの心は、わたしの前に正しかった。わたしの言葉に従うと聖約したからである。
02 そして、彼は喜んで御言葉を受け入れたが、サタンはすぐに彼を誘惑した。そして、迫害の恐れと世の思い煩いが、彼に御言葉を拒ませた。
03 それゆえ、彼はわたしの聖約を破った。そこでわたしは、わたしがよいと思うままに彼に行うことにする。アーメン。
第41章(最初の監督の召し)
1831年2月4日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して教会に与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、146〜147ページ)。当時、当教会のカートランド支部の会員数は急激に増加していた。預言者はこの啓示の前書きとして、次のように記している。「幾つかの奇妙な考えや偽りの霊が会員たちの間にひそかに入り込んでいたが、彼らは神の御心を知っている範囲内で行おうと努めていた。……(そこで)主は教会に次の啓示を与えられた。」(『教会歴史』第1巻、146〜147ページ)
1- 3 長老たちは、啓示の霊によって教会を治めなければならない。
4- 6 まことの弟子は、主の律法を受け入れて守る。
7-12 エドワード・パートリッジが、教会のために監督に指名される。
01 耳を傾けて聞きなさい、おお、わたしの民よ。主であり、あなたがたの神である者は言う。わたしの語ることを聞く者よ、わたしはあなたがたを、すべての祝福の中で最も大いなるものをもって祝福することを喜びとする。また、わたしの名を公言しながら、わたしの語ることを聞かない者よ、わたしはあなたがたを、あらゆるのろいの中で最も厳しいのろいをもってのろうであろう。
02 聴きなさい、おお、わたしが召したわたしの教会の長老たちよ。見よ、わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたはわたしの言葉について一致するために集まりなさい。
03 あなたがたは、わたしの教会を治める方法を知り、すべてのことをわたしの前に正すために、あなたがたの信仰の祈りによってわたしの律法を受けるであろう。
04 わたしが来るとき、わたしはあなたがたを治める者となる。見よ、わたしはすぐに来る。あなたがたは気をつけて、わたしの律法を守るようにしなければならない。
05 わたしの律法を受け入れて、それを行う者は、わたしの弟子である。また、律法を受け入れると言って、それを行わない者は、わたしの弟子ではなく、あなたがたの中から追い出されなければならない。
06 王国の子らに属するものを、ふさわしくない者や犬に与えることはよくないからである。すなわち、豚に真珠を投げ与えることはよくないからである。
07 さらにまた、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアが住んで翻訳するための家を1軒建てるのは、適切なことである。
08 さらにまた、わたしの僕シドニー・リグドンは、わたしの戒めを守るならば、彼がよいと思うままに住むのは適切なことである。
09 さらにまた、わたしは、わたしの僕エドワード・パートリッジを召した。そして、戒めを与える。彼は教会員の声によって指名され、教会のために監督に聖任されなければならない。それは、彼が自分の商売をやめて、教会の仕事に全時間を費やし、
10 わたしが律法を授ける日に、その律法によって彼に定められるままにすべてのことを取り計らうためである。
11 これは、彼の心がわたしの前に清いからである。彼は心に偽りのない、昔のナタナエルのようである。
12 これらの言葉はあなたがたに与えられており、わたしの前にあって清い。それゆえ、これらをどう扱うか、あなたがたは気をつけなさい。裁きの日に、あなたがたはこれらに対して責任を問われるからである。まことにそのとおりである。アーメン。
第42章(主の律法)
1831年2月9日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、148〜154ページ)。これは、12人の長老たちの前で受けたもので、オハイオで「律法」が与えられると言われたかつての主の約束を果たすものである(第38章32節を参照)。預言者はこの啓示を、「教会の律法を含むもの」(『教会歴史』第1巻、148ページ)と明記している。
1-10 長老たちは、福音を宣べ伝え、改心した人にバプテスマを施し、教会を築き上げるために召されている。
11-12 彼らは召され、聖任され、聖文に見いだされる福音の原則を教えなければならない。
13-17 彼らは御霊の力によって教え、預言しなければならない。
18-29 聖徒たちは、殺さないように、盗まないように、偽りを言わないように、情欲を抱かないように、姦淫をしないように、ほかの人々の悪口を言わないように命じられる。
30-39 財産の奉献に関する律法が明らかにされる。
40-42 高慢と怠惰が非難される。
43-52 病人は癒しの祝福と信仰によって癒しを受けなければならない。
53-60 聖文は教会を律するものであり、世に宣言されなければならない。
61-69 新エルサレムの場所と王国の奥義が示される。
70-73 奉献された財産を教会役員の生活を支えるために使わなければならない。
74-93 不貞、姦淫、殺人、盗み、罪の告白に関する律法が明らかにされる。
01 聴きなさい、おお、わたしの名によって、すなわち生ける神の子イエス・キリスト、世の救い主の名によって集まったわたしの教会の長老たちよ。あなたがたはわたしの名を信じ、わたしの戒めを守っているからである。
02 重ねて、わたしはあなたがたに言う。耳を傾けて聞き、わたしが与える律法に従いなさい。
03 まことに、あなたがたに言う。あなたがたはわたしが命じた戒めに従って集まり、この一つのことについて心を一つにし、わたしの名によって父に求めてきたので、そのとおりに与えられるであろう。
04 見よ、まことに、あなたがたに言う。わたしはあなたがたにこの最初の戒めを与える。あなたがたは、わたしの僕であるジョセフ・スミス・ジュニアとシドニー・リグドンを除いて、一人残らずわたしの名によって出て行かなければならない。
05 また、わたしは彼らにも、しばしの間出て行くようにとの戒めを与える。そして、彼らがいつ帰るべきかは、御霊の力によって知らされるであろう。
06 あなたがたはわたしの御霊の力をもって出て行き、2人ずつ組んでわたしの名によってわたしの福音を宣べ伝え、ラッパの音のように声を上げ、神の天使のようにわたしの言葉を宣べなければならない。
07 また、あなたがたは出て行って水でバプテスマを施し、「悔い改めなさい。悔い改めなさい。天の王国は近づいているからである」と言わなければならない。
08 あなたがたはこの場所から西の地域に出て行かなければならない。そして、あなたがたを受け入れる人々を見いだしたら、それぞれの地域でわたしの教会を築き上げなければならない。
09 あなたがたが一つに集められて、それによってあなたがたがわたしの民となり、わたしがあなたがたの神となるために、新エルサレムの都がいつ備えられるかが高い所から示される時が来るまで、そのようにしなさい。
10 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕エドワード・パートリッジは、わたしが任命した職において務めなければならない。もし彼が戒めに背くならば、彼の代わりに別の者が任命されるであろう。まことにそのとおりである。アーメン。
11 重ねて、わたしはあなたがたに言う。だれか権能を持つ者によって聖任され、そして権能を持っていることと、教会の長たちによって正式に聖任されたことが教会員に知られないかぎり、だれもわたしの福音を宣べ伝えるために出て行くこと、あるいはわたしの教会を築き上げることは許されない。
12 さらにまた、この教会の長老と祭司と教師は、『聖書』と完全な福音が載っている『モルモン書』の中にあるわたしの福音の原則を教えなければならない。
13 また、彼らは聖約と教会の規定とを守って実行しなければならない。また、御霊に導かれるままに、これらを彼らの教えとしなければならない。
14 御霊は信仰の祈りによってあなたがたに与えられるであろう。そして、御霊を受けなければ、あなたがたは教えてはならない。
15 わたしの聖文のすべてが与えられるまで、あなたがたの教えることについてわたしが命じたとおりに、以上のことをすべて守って行うようにしなければならない。
16 あなたがたは慰め主によって声を上げるとき、わたしがよいと思うままに語り、預言するであろう。
17 見よ、慰め主はすべてのことを知っており、父と子のことを証するからである。
18 さて見よ、わたしは教会員に語る。あなたは殺してはならない。殺す者は、この世でも来るべき世でも、赦しを得られない。
19 また重ねて言う。あなたは殺してはならない。それでも殺す者は、死ななければならない。
20 あなたは盗んではならない。盗んで悔い改めようとしない者は、追い出されなければならない。
21 あなたは偽りを言ってはならない。偽りを言って悔い改めようとしない者は、追い出されなければならない。
22 あなたは心を尽くして妻を愛し、妻と結び合わなければならない。その他のものと結び合ってはならない。
23 情欲を抱いて女を見る者は、信仰を否定するのであり、御霊を受けることはない。もしも悔い改めなければ、彼は追い出されなければならない。
24 あなたは姦淫をしてはならない。姦淫をして悔い改めない者は、追い出されなければならない。
25 しかし、姦淫をしても、真心から悔い改め、それを捨てて、再び行わない者を、あなたは赦さなければならない。
26 しかし、再び行うならば、赦されることはなく追い出される。
27 あなたは隣人の悪口を言ったり、隣人に害を与えたりしてはならない。
28 あなたは、これらのことに関するわたしの律法がわたしの聖文の中に与えられていることを知っている。罪を犯して悔い改めない者は、追い出されなければならない。
29 あなたはわたしを愛するならば、わたしに仕え、わたしのすべての戒めを守るべきである。
30 また見よ、あなたは貧しい者を思い起こし、破ることのできない聖約と証書をもって、彼らに分け与える必要のある分を、彼らの扶養のためにあなたの財産のうちから奉献するであろう。
31 あなたがたが貧しい者に持ち物を分け与えるのは、すなわち、わたしにするのである。それらは、わたしの教会の監督、ならびに彼がその目的のために指名して任命する、あるいは指名して任命した、2人の長老または大祭司である副監督の前に置かなければならない。
32 それらをわたしの教会の監督の前に置いた後、また、監督がわたしの戒めにかなって、それらを教会から取り去ることはできないという、わたしの教会の財産の奉献に関するこれらの証書を受け取った後、すべての人はわたしに対して責任を持ち、自分自身の財産、すなわち、奉献によって受け取った自分自身と家族に足りる分の財産の管理人とされる。
33 さらにまた、この最初の奉献の後、教会または教会のだれか個人の手に、自らの生活に必要な分以上の財産、すなわち監督に奉献すべき残余があれば、持っていない人々に折々与えるためにそれを蓄えて、困窮しているすべての人が十分に供給を受け、彼らの入り用に応じて与えられるようにしなければならない。
34 それゆえ、残余はわたしの倉に蓄えておき、教会の高等評議会、および監督とその評議会が指定するままに、貧しい者と乏しい者に与えるために、
35 また教会の公益のための土地を買い、礼拝の家を建て、この後啓示される新エルサレムを築くために使うようにしなければならない。
36 それは、わたしが神殿に来るその日に、わたしの聖約の民を一つに集めるためである。わたしがこれを行うのは、わたしの民を救うためである。
37 また、罪を犯して悔い改めない者は、教会から追い出されなければならず、彼がわたしの教会の貧しい者と乏しい者のために奉献したもの、言い換えれば、わたしにささげたものを、再び受けることはない。
38 あなたがたがこれらの最も小さい者にするのは、すなわち、わたしにするのである。
39 わたしの預言者たちの口を通してわたしが語ったことは成就する。わたしは、異邦人の中でわたしの福音を心から受け入れる者の富を聖別し、イスラエルの家に属するわたしの民の貧しい者に与えるからである。
40 さらにまた、あなたは心の中で高ぶってはならない。あなたの衣服はすべて簡素で、その美しさはあなた自身の手の業の美しさであるようにしなさい。
41 また、すべてのことがわたしの前に清く行われるようにしなさい。
42 あなたは怠惰であってはならない。怠惰な者は働く者のパンを食べてはならないし、その衣服も着てはならないからである。
43 また、あなたがたの中のだれかが病気で、癒される信仰はないが主を信じているならば、優しさの限りを尽くし、薬草と柔らかい食物によって養われるようにしなければならない。それが敵の手によって行われることがあってはならない。
44 また、教会の2人またはそれ以上の長老を呼んで、わたしの名によって彼らのために祈り、彼らに按手をするようにしなければならない。もしも彼らが死ぬならば、彼らはわたしのために死ぬのであり、また生きるならば、わたしのために生きるのである。
45 あなたは死ぬ者を失うことで涙を流すほどに、また特に、栄光ある復活の望みがない者のために涙を流すほどに、ともに愛をもって生活するようにしなければならない。
46 わたしにあって死ぬ者は死を味わわないであろう。死は彼らにとって甘いからである。
47 また、わたしにあることなく死ぬ者は、災いである。彼らの死は苦いからである。
48 さらにまた、わたしによって癒されるという信仰を持っていて、死に定められていない者は、癒されるであろう。
49 見る信仰を持つ者は、見るであろう。
50 聞く信仰を持つ者は、聞くであろう。
51 足の不自由な者で跳びはねる信仰を持つ者は、跳びはねるであろう。
52 また、このような信仰は持たないが、それでもわたしを信じる者は、わたしの子となる力を持つ。彼らがわたしの律法を破らないかぎり、あなたは彼らの弱さを負わなければならない。
53 あなたは、自分の管理の職の場に立たなければならない。
54 あなたは、兄弟の衣服を取ってはならない。あなたは、兄弟から受けるものに対して支払わなければならない。
55 自分の生活に必要な分よりも多く得るならば、すべてのことがわたしの言ったとおりに行われるように、それをわたしの倉に渡さなければならない。
56 あなたは求めなければならない。そうすれば、わたしが定めたように、わたしの聖文が与えられるであろう。そして、それは安全に保存されなければならない。
57 また、あなたはそれについて黙していて、そのすべてを受けるまで人々に教えないようにすることが必要である。
58 また、わたしはあなたがたに戒めを与える。それらを受けたならば、あなたがたはすべての人に教えなければならない。すべての国民、部族、国語の民、民族に教えなければならない。
59 あなたは受けたこと、すなわち、わたしの聖文の中で律法として与えられたことを、わたしの教会を治めるわたしの律法として受け入れなければならない。
60 これらのことに従って行う者は、救われるであろう。また、これらのことを行わない者は、もしもそれを続けるならば罰の定めを受けるであろう。
61 あなたは求めれば、啓示の上に啓示を、知識の上に知識を受けて、数々の奥義と平和をもたらす事柄、すなわち喜びをもたらし永遠の命をもたらすものを知ることができるようになるであろう。
62 あなたは求めなければならない。そうすれば、新エルサレムがどこに建てられるかが、わたしがふさわしいと思うときにあなたに示されるであろう。
63 また見よ、わたしの僕たちは、東に、西に、北に、南に遣わされるであろう。
64 そして今や東に行く者は、改宗する者たちに教えて西へ逃れさせなさい。これは、地上に起ころうとしていることと秘密結社のゆえである。
65 見よ、あなたはこれらのことをすべて守らなければならない。そうすれば、あなたの受ける報いは大きいであろう。あなたがたには王国の奥義を知ることが許されているが、世の人々には許されていない。
66 あなたがたは受けた律法を守り、忠実でなければならない。
67 あなたがたはこの後、この地と新エルサレムの両方であなたがたを確立するのに十分な、教会の聖約を数々受けるであろう。
68 それゆえ、知恵に不足している者はわたしに願い求めなさい。そうすれば、わたしはとがめもせずに惜しみなく与えるであろう。
69 心を高めて喜びなさい。あなたがたに王国、言い換えれば、教会の鍵が授けられたからである。まことにそのとおりである。アーメン。
70 祭司と教師は、会員と同じように自分の管理の職を持たなければならない。
71 また、すべてのことについて副監督として監督を助けるように任じられている長老や大祭司は、前に述べたように、貧しい者のためと、ほかの目的のために監督に奉献された財産によって、自分の家族の養いを受けなければならない。
72 あるいは彼らは、副監督と監督が最善であると考えまたは決定したとおりに、自分のすべての務めに対して、管理の職またはほかの形で正当な報酬を受けなければならない。
73 監督もまた、教会での自分のすべての務めに対して、生活費または正当な報酬を受けなければならない。
74 見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたの中のだれかが、不貞が原因でその伴侶を去らせたとき、言い換えれば、これが事実であることを彼らができるかぎりへりくだった心であなたがたの前に証言するとき、あなたがたは、彼らをあなたがたの中から追い出してはならない。
75 しかし、姦淫のために自分の伴侶を見捨てた者がいて、罪を犯したのが本人で、その伴侶がまだ生きていることをあなたがたが知ったならば、その者をあなたがたの中から追い出さなければならない。
76 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは十分に問い尋ねて用心深くまた注意深くあり、このような者が結婚していれば、彼らをあなたがたの中に受け入れないようにしなければならない。
77 また、結婚していなくても、このような者は罪をすべて悔い改めなければならない。そうでなければ、あなたがたはこのような者を受け入れてはならない。
78 さらにまた、キリストのこの教会に属している人は皆、教会のすべての戒めと聖約を守るように努めなければならない。
79 もしあなたがたのだれかが人を殺すならば、その者を引き渡し、その地の法律に従って処置することになる。彼は決して赦されないことを覚えておきなさい。また、それはその地の法律に従って立証しなければならない。
80 もしだれか男または女が姦淫をするならば、彼または彼女は、教会の2人またはそれ以上の長老たちの前で審理を受けなければならない。そして、彼または彼女に対するすべての言葉は、敵の証人によってではなく、教会の2人の証人によって確定しなければならない。2人以上の証人がいれば、もっとよい。
81 しかし、彼または彼女は、2人の証人の口によって罪に定められる。そして、長老たちはこの件を教会の前に持ち出し、教会員は彼または彼女に対して挙手をし、彼らが神の律法に従って扱われるようにする。
82 可能であれば、監督も出席することが必要である。
83 あなたがたの前に持ち出されるすべての件について、あなたがたはこのように行わなければならない。
84 もしある男または女が物を奪い取るならば、彼または彼女をその地の法律に引き渡さなければならない。
85 もしある男または女が盗むならば、彼または彼女をその地の法律に引き渡さなければならない。
86 もしある男または女が偽りを言うならば、彼または彼女をその地の法律に引き渡さなければならない。
87 もしある男または女が何らかの罪悪を犯すならば、彼または彼女を法、すなわち神の律法に引き渡さなければならない。
88 もしあなたの兄弟または姉妹があなたに対して罪を犯すならば、あなたは彼または彼女と2人だけで会い、そして、もし彼または彼女が告白すれば、あなたは和解しなければならない。
89 もし彼または彼女が告白しなければ、あなたは彼または彼女を教会に、すなわち会員ではなく長老たちに引き渡さなければならない。それは一つの集会において行うべきもので、世の人々の前で行ってはならない。
90 もしあなたの兄弟または姉妹が多くの人に対して罪を犯すならば、彼または彼女は多くの人の前で懲らしめを受けなければならない。
91 もしだれかが公然と罪を犯すならば、彼または彼女が恥じるように、公然と責めなければならない。もし彼または彼女が告白しなければ、彼または彼女を神の律法に引き渡さなければならない。
92 もしだれかがひそかに罪を犯すならば、彼または彼女をひそかに責めなければならない。そのことによって、彼または彼女が、自分が罪を犯した相手と、神とに、ひそかに告白する機会を持てるようにして、教会員が彼または彼女についてとがめるような話をすることのないようにするためである。
93 あなたがたは、すべてのことについてこのように行わなければならない。
第43章(教会の秩序2)
1831年2月、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、154〜156ページ)。この当時、教会のある会員たちは、啓示を受けたと偽りの主張をする人々によって心を乱されていた。そこで預言者は主に尋ね、教会の長老たちにあてたこの教えを受けた。初めの部分には教会の方針についての事柄が取り上げられており、後の部分には、長老たちが地のもろもろの国民に伝えなければならない警告が挙げられている。
1- 7 啓示と戒めは、任命された人を通してのみ与えられる。
8-14 聖徒たちは、主の前に聖さを尽くして行動することによって聖められる。
15-22 長老たちは、悔い改めを叫んで人々を主の大いなる日に備えさせるために遣わされる。
23-28 主は御自分の声によって、また自然の力によって、人々に呼びかけられる。
29-35 福千年が来て、サタンが縛られる。
01 聴きなさい、おお、わたしの教会の長老たちよ。わたしがあなたがたに語る言葉に耳を傾けなさい。
02 見よ、まことに、まことに、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは、わたしの手から戒めと啓示を受けるようにあなたがたのためにわたしが任命した者を通して、わたしの教会のために律法として戒めを受けた。
03 あなたがたは、このことをよく知っておかなければならない。すなわち、もし彼がわたしにつながっているならば、彼が取り去られるまで、あなたがたのために戒めと啓示を受けるよう任命される者は彼のほかにだれもいない。
04 しかし、まことに、まことに、あなたがたに言う。彼によらずに、この賜物を受けるように任命される者はほかにだれもいない。もしもそれが彼から取り去られるならば、彼は、自分に代わる別の者を任命する力のほかに何も持たないであろう。
05 あなたがたへの律法はこれである。すなわち、あなたがたの前にやって来るだれかの教えを、あなたがたは啓示または戒めとして受け入れてはならない。
06 これをわたしがあなたがたに与えるのは、あなたがたが欺かれることのないため、またそれらの教えがわたしから出ていないことをあなたがたが知るためである。
07 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしから聖任を受ける者は、わたしが以前にあなたがたに告げたように、門から入って聖任を受けて、わたしが任命した者を通して受けた啓示を、また将来受ける啓示を教えるであろう。
08 さて見よ、わたしはあなたがたに戒めを与える。あなたがたは集まるとき、どのように行動し、わたしの教会を導くか、またどのようにわたしが与えた律法と戒めの要点を実行するかを知ることができるように、互いに教え合い、教化し合わなければならない。
09 このようにして、あなたがたはわたしの教会の律法に通じた者となり、あなたがたが受け入れたものによって聖められるのである。またあなたがたは、わたしの前に聖さを尽くして行動する義務を自ら負わなければならない。
10 あなたがたがこれを行うならば、あなたがたの受けた王国に栄光が加えられるであろう。あなたがたがそれを行わなければ、あなたがたの受けたものさえも取り去られるであろう。
11 あなたがたは、あなたがたの間にある罪悪を清めなさい。わたしの前に自らを聖めなさい。
12 あなたがたは王国の栄光を望むならば、わたしの僕ジョセフ・スミス・ジュニアを選び、信仰の祈りによってわたしの前で彼を支持しなさい。
13 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは王国の奥義を望むならば、彼に食物と衣服を与え、また、わたしが彼に命じた業を成し遂げるために必要とするすべてのものを与えなさい。
14 もしもあなたがたがそれを行わなければ、彼は自分を受け入れた人々のもとにとどまって、わたしが一つの清い民をわたし自身のためにわたしの前に残しておけるようにするであろう。
15 重ねて言う。わたしが任命したわたしの教会の長老たちよ、聴きなさい。あなたがたは教えを受けるためではなく、わたしが御霊の力によってあなたがたの手の中に置いたものを、人の子らに教えるために遣わされているのである。
16 あなたがたは高い所から教えを受けなければならない。自らを聖めなさい。そうすれば、あなたがたは力を授けられて、わたしが語ったように与えることができるであろう。
17 あなたがたは聴きなさい。見よ、主の大いなる日はもう近い。
18 主が天から声を発する日が来る。天は震え、地は揺れ動くであろう。神のラッパが長くかつ高く鳴り響いて、眠っているもろもろの国民に、「あなたがた聖徒よ、立ち上がって生きなさい。あなたがた罪人よ、わたしが再び呼ぶまで、そのまま眠っていなさい」と言うであろう。
19 それゆえ、あなたがたは悪人の中に見いだされることのないように、腰に帯を締めなさい。
20 あなたがたの声を上げなさい。惜しんではならない。もろもろの国民に、老いた者にも、若い者にも、束縛された者にも、自由な者にも、悔い改めを呼びかけて言いなさい。「主の大いなる日のために、自らを備えなさい。
21 人間であるわたしが声を上げてあなたがたに悔い改めを呼びかけ、そのことであなたがたがわたしを憎むならば、やがて雷が地の果てから声を発して、『悔い改めよ、主の大いなる日のために備えよ』と、生きているすべての者の耳に告げる日が来るとき、あなたがたは何と言うつもりか。
22 さらにまた、稲妻が東から西に走り、生きているすべての者に向かって声を発し、聞くすべての者の耳を鳴らして、『悔い改めよ。主の大いなる日が来たからである』というこれらの言葉を告げる日が来るとき、あなたがたは何と言うつもりか。」
23 さらにまた、主は天から声を発して言うであろう。「聴きなさい、おお、地のもろもろの国民よ。あなたがたを造った神の言葉を聞きなさい。
24 おお、地のもろもろの国民よ、めんどりが羽の下にひなを集めるように、わたしはあなたがたを幾度集めようとしたことか。しかし、あなたがたは応じようとしなかった。
25 わたしの僕たちの口により、また天使たちの働きにより、またわたし自身の声により、また雷の声により、また稲妻の声により、また暴風雨の声により、また地震と雹を伴う大嵐の声により、また飢饉とあらゆる疫病の声により、またラッパの大きな音により、また裁きの声により、また終日続く憐れみの声により、また栄光と誉れと永遠の命の富の声により、わたしはあなたがたを幾度呼び、永遠の救いをもってあなたがたを幾度救おうとしてきたことか。しかし、あなたがたは応じようとしなかった。
26 見よ、わたしの憤りの激しい怒りの杯が満ちる日は来た。
27 見よ、まことに、あなたがたに言う。これは主なるあなたがたの神の言葉である。」
28 それゆえ、あなたがたは働きなさい。あなたがたはわたしのぶどう園で最後の働きをしなさい。地に住む者に最後の呼びかけをしなさい。
29 わたしはふさわしいときに、裁きのために地上に来る。そして、わたしの民は贖われ、わたしとともに地上を治めるであろう。
30 わたしが僕たちの口を通して語った、大いなる福千年が来る。
31 そして、サタンは縛られる。また、彼は再び解放されると、しばしの間だけ支配し、その後地球の終わりが来る。
32 義のうちに生活する者は一瞬のうちに変えられ、地球は火によるかのごとくに過ぎ去るであろう。
33 悪人は消すことのできない火の中に入るであろう。彼らの末路を、地上の人はだれも知らず、彼らが裁きのためにわたしの前に来るまで決して知らないであろう。
34 あなたがたはこれらの言葉を聴きなさい。見よ、わたしは世の救い主イエス・キリストである。これらのことをあなたがたの心の中に大切に蓄えておきなさい。永遠の厳粛さを心にとどめなさい。
35 まじめでありなさい。わたしの戒めをすべて守りなさい。まことにそのとおりである。アーメン。
第44章(総大会)
1831年2月下旬、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスとシドニー・リグドンに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、157ページ)。この中で述べられている要件に従って、教会は来る6月の初めに大会を催すことを決定した。
1- 3 長老たちは大会に集まらなければならない。
4- 6 彼らはその地の法律に従って組織を作り、貧しい人の世話をしなければならない。
01 見よ、主はあなたがた、すなわち、わたしの僕たちにこのように言う。わたしが必要としているのは、わたしの教会の長老たちが手紙やそのほかの方法で、東から、西から、北から、南から呼び集められることである。
02 彼らが忠実であり、わたしを信じる信仰を働かせるならば、わたしは、彼らが集まる日にわたしの御霊を注ごう。
03 それから、彼らは周りの地域に出て行き、人々に悔い改めを宣べ伝えなければならない。
04 そして、多くの人が改宗するので、あなたがたは人間の法律に従って自らを組織する力を得るであろう。
05 それは、あなたがたの敵があなたがたを支配する力を持たないようにするため、またあなたがたがあらゆる点で守られるため、またあなたがたがわたしの律法を守ることができるようになるため、また敵がわたしの民を滅ぼそうとして立てたあらゆる盟約が打ち破られるためである。
06 見よ、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは貧しい者と乏しい者を訪れ、彼らに必要なものを与えて、あなたがたの受けたわたしの律法に従ってすべてのことが行われるまで、彼らを守るようにしなければならない。アーメン。
第45章(主の来臨)
1831年3月7日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して教会に与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、158〜163ページ)。預言者はこの啓示の記録の前書きとして、次のように述べている。「教会のこの時代に、人々が御業を研究するのを、あるいは信仰を受け入れるのを妨げようとして、多くの偽りの記事や愚かな作り話が出版されたり、流布されたりした。……しかし……聖徒たちにとって喜ばしいことに、わたしは次の啓示を受けた。」(『教会歴史』第1巻、158ページ)
1- 5 キリストは御父に対するわたしたちの弁護者である。
6-10 福音は主の前に道を備える使いである。
11-15 エノクとその同胞は、主によって主御自身のもとに受け入れられた。
16-23 キリストは、オリブ山で述べられたように、御自分の来臨のしるしを示された。
24-38 福音は回復され、異邦人の時は満ち、荒廃をもたらす病気が地を覆う。
39-47 しるしと不思議と復活が再臨に伴う。
48-53 キリストはオリブ山に立たれ、ユダヤ人はキリストの手足の傷を見る。
54-59 主が福千年の間治められる。
60-62 預言者は『新約聖書』の翻訳を始めるように指示され、それによって重要な事柄が知らされる。
63-75 聖徒たちは、集まって新エルサレムを建てるように命じられる。そこには、すべての国から人々がやって来る。
01 聴きなさい、おお、王国を与えられたわたしの教会の人々よ。聴きなさい。地の基を据え、もろもろの天と天の万物を造り、生きて、動いて、存在している万物を造った者の言葉に耳を傾けなさい。
02 さらにまた、わたしは言う。死があなたがたを捕らえることのないように、わたしの声に聞き従いなさい。あなたがたの思いがけないときに、夏が過ぎ去り、刈り入れが終わり、あなたがたが救われないということのないように。
03 父に対する弁護者であって、父の前であなたがたのために弁じる者の言葉を聴きなさい。
04 すなわち、「父よ、罪を犯したことがなく、あなたが御心にかなうとされた者の、苦しみと死を御覧ください。あなたの子が流した血、すなわち、あなた御自身が栄光を受けるために、あなたがお与えになった者の血を御覧ください。
05 そのために、父よ、わたしの名を信じるこれらわたしの兄弟たちが、わたしのもとに来て永遠の命を得られるように、彼らをお救いください」と。
06 聴きなさい、おお、わたしの教会の人々よ。長老たちよ、ともに聴きなさい。今日と呼ばれる間に、わたしの声を聞きなさい。そして、心をかたくなにしてはならない。
07 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしはアルパでありオメガであり、初めであり終わりであり、世の光であり命である。わたしは暗闇の中に輝いている光である。そして、暗闇はそれを理解しない。
08 わたしは自分の民のところに来たのに、民はわたしを受け入れなかった。しかし、わたしを受け入れたすべての者に、わたしは多くの奇跡を行う力と、神の子となる力を与えた。まことに、わたしの名を信じる者に、わたしは永遠の命を得る力を与えた。
09 まことにそのように、わたしの永遠の聖約を世に送って、世の光とし、またわたしの民とそれを求める異邦人のための旗とし、さらにわたしに先立ち、わたしの前に道を備える使者とする。
10 それゆえ、あなたがたはそのもとに来なさい。そうすれば、昔の人々と論じたように、わたしはやって来る者と論じよう。そして、わたしは力強い論拠をあなたがたに示そう。
11 それゆえ、あなたがたはともに聴きなさい。わたしはあなたがたに、まことにわたしの知恵を、すなわち、エノクとその同胞の神であるとあなたがたが言う者の知恵を示してみせよう。
12 エノクとその同胞は地から分けられて、わたし自身のもとに受け入れられた。それは、義の日が来るまで残しておかれる町である。その日はすべての聖なる人々が捜し求めた日であるが、悪事と忌まわしい行いのゆえに、彼らはその日を見いださなかった。
13 彼らは自分たちが地上における寄留者であり、旅人であることを告白したが、
14 その日を見いだして肉体にあってそれを見るであろうとの約束を得た。
15 それゆえ、聴きなさい。わたしはあなたがたと論じ、昔の人々に行ったようにあなたがたに語り、預言しよう。
16 わたしは肉体にあってわたしの弟子たちの前に立ち、彼らに語りながら示したように、分かりやすくそれを示そう。「あなたがたは、わたしがあなたがたの先祖に与えた約束を果たすために栄光をもって天の雲の中を来る日の、わたしの来臨のしるしについて尋ねた。
17 あなたがたがそれについて尋ねたのは、自分の霊が体から長い間離れていることを一つの束縛と考えてきたからである。そこで、わたしは贖いの日がどのように来るか、また散らされたイスラエルの回復がどのように起こるかをあなたがたに示そう。
18 さて、あなたがたは、エルサレムにある、あなたがたが神の宮と呼んでいるこの神殿を見ている。また、あなたがたの敵は、この宮は決して倒れないと言う。
19 しかし、まことに、わたしはあなたがたに言う。夜の盗人のように、荒廃が今の時代の人々に及ぶであろう。そして、この民は滅ぼされ、またすべての国民の中に散らされるであろう。
20 また、あなたがたが今見ているこの神殿は、一つの石が他の石の上に残ることのないように崩されるであろう。
21 そして、わたしがあなたがたに告げた荒廃がことごとく起こるまで、この時代のユダヤ人は世を去らないであろう。
22 あなたがたは、世の終わりが来ることを知っていると言う。あなたがたはまた、天地が過ぎ去ることも知っていると言う。
23 これについて、あなたがたは真実を述べている。そのとおりだからである。しかし、すべてが成就するまで、わたしがあなたがたに告げたこれらのことは過ぎ去ることがない。
24 わたしはエルサレムに関して、以上のことをあなたがたに告げておく。その日が来ると、残りの者はすべての国民の中に散らされるであろう。
25 しかし、彼らは再び集められる。それでも、異邦人の時が満ちるまで、彼らはそのまま残るであろう。
26 その日、戦争と戦争のうわさが聞かれ、全地が混乱し、人々は気落ちするであろう。また、人々は、世の終わりまでキリストは来臨を延ばされると言うであろう。
27 人々の愛が冷え、不法がはびこるであろう。
28 また、異邦人の時が来ると、暗闇に座する者たちの間に光がさすであろう。それはわたしの完全な福音である。
29 しかし、彼らはそれを受け入れない。彼らはその光に気づかず、また人の訓戒のゆえに、わたしから心をそらすからである。
30 そして、その時代に異邦人の時は満ちる。
31 また、その時代に生きていて、あふれる懲らしめを見るまで世を去らない人々がいる。荒廃をもたらす病気が地を覆うからである。
32 しかし、わたしの弟子たちは聖なる場所に立ち、動かされない。しかし、悪人の中では、人々が声を上げ、神をのろって死ぬであろう。
33 また、方々に地震もあり、また多くの荒廃もある。それでも、人々はわたしに対して心をかたくなにし、互いに剣を取り、殺し合う。」
34 さて、主なるわたしがこれらの言葉を弟子たちに語り終えると、彼らは心配した。
35 そこで、わたしは彼らに言った。「心配することはない。これらすべてのことが起こるとき、あなたがたは、与えられた約束が果たされることが分かるからである。
36 そして、光がさし始めると、それは彼らにとって、わたしがあなたがたに示すたとえのようになる。
37 すなわち、あなたがたはいちじくの木を眺めて見る。あなたがたは自分の目でそれを見る。そして、いちじくの木が芽吹き始め、その葉がまだ柔らかいと、夏がもう近いと、あなたがたは言う。
38 同じように、人々はこれらすべてのことを見るその日に、時が近いことを知るであろう。
39 そして、わたしを畏れる者は、主の大いなる日が来るのを、すなわち人の子の来臨のしるしを待ち望むであろう。
40 彼らは数々のしるしと不思議を見るであろう。これらは、上は天に、下は地に示されるからである。
41 彼らは血と、火と、立ち込める煙を見るであろう。
42 また、主の日が来る前に、太陽は暗くなり、月は血に変わり、星は天から落ちるであろう。
43 また、残りの者はこの場所に集められるであろう。
44 そのとき、彼らはわたしを待ち望むであろう。見よ、わたしは来る。そして彼らは、天の雲の中に、力と大いなる栄光とをまとって、すべての聖なる天使たちとともにいるわたしを見るであろう。また、わたしを待ち受けない者は絶たれるであろう。
45 しかし、主の腕が下る前に、一人の天使がラッパを吹き鳴らし、眠っていた聖徒たちは雲の中でわたしに会うために出て来る。
46 さて、あなたがたは安らかに眠っていたならば、幸いである。なぜなら、今わたしを見て、わたしがいることを知っているように、あなたがたはわたしのもとに来て、生きて、あなたがたの贖いは完成されるからである。また、聖徒たちは地の四方から出て来るであろう。
47 それから、主の腕がもろもろの国民に下る。
48 そしてその後、主はこの山の上に足を置く。すると、これは2つに裂ける。また、地は揺れ動き、あちらこちらとよろめき、また天も震える。
49 また、主は声を発し、地の果てに至るすべての者がそれを聞く。そして、地のもろもろの国民は嘆き悲しみ、笑った者たちは自分の愚かさを知るであろう。
50 災いがあざ笑った者を覆い、あざける者は焼き尽くされるであろう。また、罪悪の機をうかがう者は、切り倒されて火の中に投げ込まれるであろう。
51 それから、ユダヤ人はわたしを見て、『あなたの両手と両足のこの傷は何ですか』と言うであろう。
52 そのとき、彼らはわたしが主であることを知る。わたしは、『この傷は、わたしの友の家で負った傷である。わたしは上げられた者である。十字架につけられたイエスである。神の子である』と彼らに言うからである。
53 そのとき、彼らは自分たちの犯した罪悪のゆえに涙を流す。そのとき、彼らは自分たちの王を迫害したので、嘆き悲しむであろう。
54 それから、異教の諸国民が贖われる。そして、律法を知らなかった者は第1の復活にあずかる。彼らはそれに堪えられるであろう。
55 また、サタンは縛られて、人の子らの心の中に決して場所を得られないであろう。
56 わたしが栄光のうちに来るその日に、わたしが10人のおとめについて語ったたとえは成就するであろう。
57 賢くて、真理を受け入れ、自分の導き手として聖なる御霊を受け、そして欺かれなかった者、すなわち、まことにわたしはあなたがたに言うが、彼らは切り倒されて火の中に投げ込まれることなく、その日に堪えるであろう。
58 そして、地球は受け継ぎとして彼らに与えられる。彼らは増えて強くなり、その子孫は罪のないまま成長して救いを得るであろう。
59 主は彼らの中にあり、主の栄光は彼らのうえにあり、主は彼らの王となり、立法者となるからである。」
60 さて見よ、わたしはあなたがたに言う。『新約聖書』が翻訳されるまで、この章についてこれ以上知ることは許されないが、その『新約聖書』の中で、これらすべてのことが知らされるであろう。
61 それゆえ、あなたがたが来るべきことのために備えられるように、わたしはあなたがたが今それを翻訳できるようにする。
62 まことに、わたしはあなたがたに言う。大いなることがあなたがたを待ち受けている。
63 あなたがたは諸外国における戦争について聞いている。しかし見よ、わたしはあなたがたに言う。それは近く、あなたがたの戸口まで近づいている。これから多くの年を経ずに、あなたがたは、あなたがた自身の地における戦争について聞くであろう。
64 それゆえ、主なるわたしは言ったのである。あなたがたは東の地から集まりなさい。あなたがた、わたしの教会の長老たちは集まりなさい。あなたがたは西の地に出て行き、住民に悔い改めるように呼びかけなさい。そして、彼らが悔い改めるならば、わたしのために教会を築き上げなさい。
65 また、心を一つにし、思いを一つにし、あなたがたの富を集めて、この後あなたがたに指定される受け継ぎを購入するようにしなさい。
66 それは、新エルサレム、平和の地、避け所の都、いと高き神の聖徒のための安全の地と呼ばれるであろう。
67 そして、主の栄光がそこにある。また、主の恐怖もそこにあるので、悪人はそこに来ようとしない。そこはシオンと呼ばれる。
68 そして、悪人の中にいて、隣人に対して自分の剣を取らない者は皆、安全のために必ずシオンに逃れて来なければならない。
69 そこには天下のあらゆる国から人々が集められるであろう。その民は互いに戦争をしない唯一の民である。
70 また、悪人の間では、「我々は上って行ってシオンと戦わないようにしよう。シオンに住む者は恐ろしいから。だから、我々は立ち向かうことはできない」と言われるであろう。
71 また、義人はすべての国の中から集められ、永遠の喜びの歌を歌いながらシオンに来るであろう。
72 さて、わたしはあなたがたに言う。わたしが必要とするまで、これらのことを世に広めないようにしなさい。それは、あなたがたが人々の目の前で、またあなたがたの敵の目の前でこの業を成し遂げるためであり、また、わたしが命じたことをあなたがたが成し遂げるまで、彼らがあなたがたの業を知らないようにするためである。
73 それによって、彼らがそれを知るとき、これらのことを考えることができるようにするためである。
74 主が現れるとき、主は彼らにとって恐ろしい存在となり、恐れが彼らを捕らえ、彼らは遠く離れて立っておののくであろう。
75 すべての国民は、主の恐怖と主の強い力のゆえに恐れるであろう。まことにそのとおりである。アーメン。
第46章(御霊の賜物)
1831年3月8日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して教会に与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、163〜165ページ)。教会のこの初期の時代には、教会の集会の執り行い方についてまだ統一された方式が定着していなかった。しかしながら、聖餐会やそのほかの教会の集会への出席は、教会員と熱心な求道者だけに認めるという習わしが、やや一般的となっていた。この啓示は、集会を管理し、執り行うことに関する主の御心を表している。
1- 2 長老たちは、聖なる御霊によって導かれるままに集会を執り行わなければならない。
3- 6 真理の探求者を聖餐会から締め出してはならない。
7-12 神に願い、御霊の賜物を求めなさい。
13-26 これらの賜物の幾つかが挙げられる。
27-33 教会の指導者は、御霊の賜物を見分ける力を与えられる。
01 聴きなさい、おお、わたしの教会の人々よ。まことに、わたしはあなたがたに言う。これらのことは、あなたがたに益を与え、教えるために語られたものである。
02 しかし、書き記されたそれらのものがあるにもかかわらず、聖なる御霊によって指示され導かれるままにすべての集会を執り行うことが、初めから常にわたしの教会の長老たちに指示されてきたし、またこれから先いつまでも指示されるであろう。
03 それでも、あなたがたは、世の人々の前で開かれるあなたがたの公の集会から、決してだれも追い出さないように命じられている。
04 あなたがたはまた、教会に属する者をだれもあなたがたの聖餐会から追い出さないように命じられている。しかしながら、だれかが過ちを犯したならば、和解するまで彼に聖餐を受けさせないようにしなさい。
05 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたは、真剣に王国を求めている者をだれもあなたがたの聖餐会から追い出してはならない。わたしは、このことを教会に属していない者について語っている。
06 さらにまた、わたしはあなたがたの確認の会についてあなたがたに言う。教会に属していない者がだれかいても、真剣に王国を求めていれば、あなたがたは彼らを追い出してはならない。
07 しかし、あなたがたはすべてのことについて、惜しみなく与える神に願い求めるように命じられている。また、あなたがたがまったく聖い心をもって、わたしの前をまっすぐに歩み、あなたがたの救いの結末について考え、祈りと感謝をもってすべてのことを行いながら、御霊があなたがたに証する事柄を行うようにと、わたしは望んでいる。それは、あなたがたが邪悪な霊、あるいは悪霊の教義、または人間の戒めに打ち負かされないためである。あるものは人間から出ており、またほかのものは悪霊から出ているからである。
08 それゆえ、欺かれないように気をつけなさい。そして、欺かれないために熱心に最善の賜物を求め、それらが何のために与えられているのかを常に覚えておきなさい。
09 まことに、わたしはあなたがたに言う。それらは、わたしを愛してわたしのすべての戒めを守る者たちと、そうしようと努める者たちのために与えられる。それは、わたしを求める者たちや、わたしに願い求める者たち、願い求めるけれども自分の欲のために使うようにしるしを求めるのではない者たちのすべてが、益を得られるようにするためである。
10 さらにまた、まことに、あなたがたに言う。教会員に与えられているそれらの賜物が何であるか、常に覚えておき、また常に心に留めておくようにと、わたしは望んでいる。
11 すべての人があらゆる賜物を与えられるわけではない。賜物は多くあり、各人に神の御霊によって一つの賜物が与えられるのである。
12 ある人にはある賜物、またある人には別の賜物が与えられて、すべての人がそれによって益を得られるようになっている。
13 ある人には、イエス・キリストが神の子であり、世の罪のために十字架につけられたことを知ることが、聖霊によって許される。
14 ほかの人には、続けて忠実であれば自分もまた永遠の命が得られるように、彼らの言葉を信じることが許される。
15 さらにまた、ある人には、様々な管理の務めを知ることが、同じ主の心にかなうままに、すなわち人の子らの状態に応じて憐れみを施す主が望むとおりに、聖霊によって許される。
16 さらにまた、ある人には、種々の働きが神から出ているかどうかを知ることが、聖霊によって許される。それは、御霊の現れがすべての人に与えられ、これによって益するためである。
17 さらにまた、まことに、あなたがたに言う。ある人には、神の御霊によって知恵の言葉が与えられる。
18 別の人には、知識の言葉が与えられる。それは、すべての人が教えられて賢くなり、また知識を得るためである。
19 さらにまた、ある人には、癒される信仰を持つことが許される。
20 また、ほかの人には、癒す信仰を持つことが許される。
21 さらにまた、ある人には、奇跡の働きが与えられる。
22 また、ほかの人には、預言することが許される。
23 また、ほかの人には、霊の識別が与えられる。
24 さらにまた、ある人には、異言で語ることが許される。
25 また、別の人には、異言の解釈が与えられる。
26 これらすべての賜物は、神の子たちを益するために神から来る。
27 また、教会の監督、および教会を見守るように、また教会の長老となるように神が選んで聖任する人々には、それらすべての賜物を見分けることが許される。それは、あなたがたの中に、神から出ていると公言しながらそうではない者がいることのないようにするためである。
28 そして、御霊によって求める者は、御霊によって与えられる。
29 それは、ある人にそれらすべての賜物を持つことが許されて、一人の長がいるようにし、すべての会員がそれによって益を得るためである。
30 御霊によって求める者は、神の御心にかなって求めるのである。それゆえ、彼が求めるとおりに行われる。
31 さらにまた、わたしはあなたがたに言う。あなたがたが御霊によって行うことは何であろうと、すべてのことはキリストの名によって行わなければならない。
32 また、与えられる祝福が何であろうと、あなたがたは御霊によって神に感謝をしなければならない。
33 また、あなたがたは絶えずわたしの前で徳高く聖くなければならない。まことにそのとおりである。アーメン。
第47章(教会の歴史を記録せよ)
1831年3月8日、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、166ページ)。このときよりも前に、オリバー・カウドリは、教会歴史家兼記録者として働いていた。ジョン・ホイットマーは歴史家としての任命を求めていなかったが、この職に就いて働くように求められたので、この件について主の御心に従いたいと言った。彼はすでに預言者の秘書として、ニューヨーク州フェイエットとその近くで受けた多くの啓示を記録していた。
1- 4 ジョン・ホイットマーは、教会の歴史を書き残し、また預言者のために書き記すように指名される。
01 見よ、わたしが必要としているのは、わたしの僕ジョンが、さらに別の務めに召されるまで正式な歴史を書き記して残すこと、またあなた、すなわちわたしの僕ジョセフを助けてあなたに与えられるすべての事柄を書き取ることである。
02 さらに、まことに、わたしはあなたに言う。彼もまた必要なときにはいつでも、集会において声を上げることができる。
03 さらにまた、わたしはあなたに言う。彼は教会の記録と歴史を絶えず書き残すために任命される。わたしはオリバー・カウドリを別の職に任命したからである。
04 それゆえ、彼が忠実であれば、これらのものを書き記すように、慰め主によって彼に知らされるであろう。まことにそのとおりである。アーメン。
第48章(オハイオの土地問題)
1831年3月、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、166〜167ページ)。預言者は、聖徒たちの定住のために土地を入手する手順について主に尋ねた。オハイオに集まるようにとの主の命令に従って、合衆国東部から教会の会員が移り住んで来たことを考えると、これは重要な問題であった(第37章1〜3節、第45章64節を参照)。
1- 3 オハイオの聖徒たちは、彼らの土地を兄弟たちと分かち合わなければならない。
4- 6 聖徒たちは土地を購入し、町を築き、管理役員の助言に従わなければならない。
01 あなたがたの事情にかなうままに、あなたがたは今のところ、あなたがたの住んでいる場所にとどまる必要がある。
02 そして、あなたがたは土地を持っていれば、東部の兄弟たちに分け与えなければならない。
03 また、土地を持っていなければ、今のところ、その周りの地域で、彼らがよいと思うままに彼らに購入させなさい。今のところ、彼らが住む場所を得ることは、ぜひとも必要だからである。
04 あなたがたができるかぎり金銭を蓄えること、また義をもってできるかぎり金銭を得ることは、ぜひとも必要である。それは、やがてあなたがたが受け継ぎとしての土地、すなわち町を購入できるようにするためである。
05 その場所はまだ示されない。しかし、あなたがたの兄弟たちが東から来た後、ある人々が任命されて、彼らにその場所が知らされるであろう。すなわち、彼らにそれが示されるであろう。
06 また、彼らは任命を受けてその土地を購入し、その町の基を据えることを開始しなければならない。そのとき、すべての人が自分の家族に応じて、自分の事情に応じて、さらに、あなたがたがすでに受けた、またこの後受ける律法と戒めにかなって教会の大管長会と監督より指定されるままに、家族とともに集合を始めるであろう。まことにそのとおりである。アーメン。
第49章(シェーカー派への伝道)
1831年3月、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通してシドニー・リグドン、パーリー・P・プラット、およびリーマン・コプリーに与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、167〜169ページ)。(ある歴史資料では、この啓示の日付は1831年5月とされている。)リーマン・コプリーは福音を受け入れたが、以前に所属していたシェーカー派(キリスト再出現信者連合会)の教えの幾つかをなお信じていた。シェーカー派の人々が信じていた事柄を幾つか挙げると、次のとおりである。キリストの再臨はすでにあり、キリストは女の姿を取ってアン・リーとして現れた。水によるバプテスマは必須のものとは見なされない。豚肉を食べることは特に禁じられ、多くの者がまったく肉を食べない。独身生活は結婚生活よりも尊いとされる。預言者はこの啓示の前書きとして、「この件についてさらに完全な理解を得るために、わたしは主に尋ねて、次の啓示を受けた」(『教会歴史』第1巻、167ページ)と記している。この啓示は、シェーカー派の人々の基本的な考えの幾つかについて、その誤りを指摘している。前述の兄弟たちは、この啓示の写しを持って(オハイオ州クリーブランド近くの)シェーカー派の共同体へ行き、その全文を彼らに読んで聞かせた。しかし、これは拒絶された。
1- 7 キリストの来臨の日時は、キリストが来られるまで知らされない。
8-14 人々は救いを得るために、悔い改め、福音を信じ、儀式に従わなければならない。
15-16 結婚は神によって定められた。
17-21 肉を食べることは認められている。
22-28 再臨前に、シオンは栄え、レーマン人はばらのように花咲く。
01 わたしの僕たち、シドニーとパーリーとリーマンよ、わたしの言葉を聴きなさい。見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしはあなたがたに一つの戒めを与える。あなたがたは行って、シェーカー派の人々に、あなたがたが受けたわたしの福音を、受けたそのままに宣べ伝えなければならない。
02 見よ、わたしはあなたがたに言う。彼らは真理を一部分知りたいとは望んでいるが、すべてではない。彼らはわたしの前に正しくなく、必ず悔い改めなければならない。
03 それゆえ、わたしは彼らに福音を宣べ伝えるためにあなたがた、すなわちわたしの僕たち、シドニーとパーリーを遣わす。
04 また、わたしの僕リーマンは、この業に聖任されなければならない。それは彼が、彼らから受けたことに従ってではなく、わたしの僕であるあなたがたより教えられたことに従って彼らと論じるためである。そのようにすれば、わたしは彼を祝福しよう。そうしなければ、彼は栄えないであろう。
05 主はこのように言う。わたしは神である。わたしは、世の贖いのためにわたしの独り子を世に遣わし、そして彼を受け入れる者は救われ、彼を受け入れない者は罰の定めを受けると宣言した。
06 人々はまことに彼らの欲するままに、人の子をあしらった。人の子は神の栄光の右手にあって自分の力を得て、現在は天において治めており、また地上に降って来てすべての敵を自分の足の下に置くまで治めるであろう。その時はもう近づいている。
07 主なる神であるわたしがこれを語った。しかし、その時、その日は、だれも知らず、天にいる天使たちも知らない。人の子が来るまで、彼らは知らないであろう。
08 それゆえ、わたしはすべての人が悔い改めることを望んでいる。わたしがわたし自身のもとに残しておいた者たち、すなわちあなたがたの知らない聖なる人々のほかは、すべての者が罪の下にあるからである。
09 それゆえ、わたしはあなたがたに言う。わたしは、わたしの永遠の聖約、すなわち初めからあったものをあなたがたに送った。
10 わたしが約束したことを、わたしはそのように果たした。地のもろもろの国民はそれに身をかがめるであろう。また、たとえ自らそうしなくても、彼らは低くなるであろう。現在自ら高ぶっている者は、力によって低くされるからである。
11 それゆえ、わたしはあなたがたに一つの戒めを与える。あなたがたはこの民の中に行き、その名をペテロといった昔のわたしの使徒のように、彼らに言いなさい。
12 「かつて地上におり、またやがて来る、初めであり終わりである主イエスの名を信じなさい。
13 悔い改めなさい。そして、聖なる戒めのとおりに、罪の赦しのためにイエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。
14 だれでもこれを行う者は、教会の長老たちの按手によって聖霊の賜物を受けるであろう。
15 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。だれでも結婚を禁じる者は、神から聖任されていない。結婚は人のために神によって定められているからである。
16 それゆえ、人が一人の妻を持つこと、また彼ら2人が一体となることは正当である。これはすべて、地がその創造の目的にかなうためであり、
17 世界が造られる前の人の創造に応じて、地が人の数で満たされるためである。
18 また、だれでも肉を断つように言う者、すなわち、人は肉を食べてはならないとして禁じる者は、神から聖任されていない。
19 見よ、野の獣と空の鳥、また地から生じるものは、食物として、また着る物として人が使うように、また人が豊かに持てるように定められているからである。
20 しかし、人がほかの人以上のものを持つようには定められていない。それゆえ、世は罪の状態にある。
21 必要がないのに、血を流したり、肉を無駄にしたりする者は、災いである。
22 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。人の子は、女の姿や地上を旅する男の姿では来ない。
23 それゆえ、欺かれてはならない。引き続き確固としていて、天が震え、地が揺れ動いて酔った者のようにあちらこちらとよろめくのを、またもろもろの谷が高くなるのを、また山々が低くなるのを、また起伏の激しい所が平らになるのを待ち望みなさい。これはすべて、天使がラッパを吹き鳴らすときに起こるであろう。
24 しかし、主の大いなる日が来る前に、ヤコブは荒れ野に栄え、レーマン人はばらのように花咲くであろう。
25 シオンはもろもろの丘の上で栄え、山々の上で喜び、わたしが指定した場所に集められるであろう。」
26 見よ、わたしはあなたがたに言う。わたしがあなたがたに命じたように、出て行きなさい。あなたがたのすべての罪を悔い改めなさい。求めなさい。そうすれば、与えられるであろう。たたきなさい。そうすれば、開かれるであろう。
27 見よ、わたしはあなたがたの前を行き、またあなたがたのしんがりとなろう。わたしはあなたがたの中におり、あなたがたは打ち破られないであろう。
28 見よ、わたしはイエス・キリストである。わたしはすぐに来る。まことにそのとおりである。アーメン。
第50章(心霊現象)
1831年5月、オハイオ州カートランドにおいて、預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた啓示(『教会歴史』第1巻、170〜173ページ)。預言者は、ある長老たちが地の方々に見られる様々な霊の現れを理解していなかったこと、またこの啓示がその件について彼が特別に尋ねた問いへの答えとして与えられたものであることを告げている。いわゆる心霊現象は会員たちの間では珍しくなく、彼らの中のある者たちは示現や啓示を受けていると主張した。
1- 5 多くの偽りの霊が地の方々にいる。
6- 9 偽善者と教会から絶たれる者とは、災いである。
10-14 長老たちは、御霊によって福音を宣べ伝えなければならない。
15-22 宣べ伝える者も聴く者も、御霊に照らされる必要がある。
23-25 人を教化しないものは、神から出てはいない。
26-28 忠実な者はすべてのものの所有者である。
29-36 清められた者の祈りはこたえられる。
37-46 キリストは良い羊飼いであり、イスラエルの石である。
01 聴きなさい、おお、わたしの教会の長老たちよ。生ける神の声に耳を傾けなさい。また、知恵の言葉を心に留めなさい。それは、あなたがたが教会と地の方々にいるもろもろの霊とについて尋ね、心を一つにしてきたのに応じて与えられるものである。
02 見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。偽りの霊である多くの霊がおり、その霊たちは地に出て行き、世の人々を欺いている。
03 また、サタンもあなたがたを打ち破るために、あなたがたを欺こうと努めてきた。
04 見よ、主なるわたしはあなたがたを眺め、わたしの名を公言する教会員の中に忌まわしい行いを見た。
05 しかし、忠実であって堪え忍ぶ者は、生きるも死ぬも幸いである。彼らは永遠の命を受け継ぐからである。
06 しかし、欺く者と偽善者は災いである。主が、「わたしは彼らを裁こう」と言うからである。
07 見よ、まことに、あなたがたに言う。あなたがたの中に偽善者がおり、彼らはある人々を欺いてきた。このことが敵対する者に力を与えてきた。しかし見よ、このような者たちは救い出されるであろう。
08 しかし、偽善者たちは、生きるも死ぬも、わたしが望むとおりに見破られ、絶たれるであろう。そして、わたしの教会から絶たれる者は災いである。彼らは世に打ち負かされるからである。
09 それゆえ、すべての人に、わたしの前に真理と義にかなわないことを行わないよう気をつけさせなさい。
10 さて、主は御霊によって、主の教会の長老たちに言う。さあ、あなたがたが理解できるように、わたしたちは論じ合おう。
11 人が顔と顔を合わせて互いに論じるように、わたしたちは論じよう。
12 さて、人は論じるときに、一人の人として論じるのでほかの人から理解される。そのように、主なるわたしはあなたがたと論じて、あなたがたが理解できるようにしよう。
13 それゆえ、主なるわたしはあなたがたにこう尋ねる。すなわち、「何のためにあなたがたは聖任されたのか。」
14 御霊、すなわち真理を教えるために遣わされた慰め主によって、わたしの福音を宣べ伝えるためである。
15 その後、あなたがたは、あなたがたが理解できないもろもろの霊を受け、それらを神からのものとして受け入れた。これに関して、あなたがたは義とされるであろうか。
16 見よ、あなたがたはこの問いに自ら答えなければならない。それでも、わたしはあなたがたを憐れもう。あなたがたの中の弱い者は、この後、強くされるであろう。
17 まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしから聖任され、慰め主すなわち真理の御霊によって真理の言葉を宣べ伝えるために遣わされる者は、真理の御霊によってそれを宣べ伝えるか、それとも何かほかの方法によって宣べ伝えるか。
18 もしもそれが何かほかの方法によるとすれば、それは神から出てはいない。
19 さらにまた、真理の言葉を受け入れる者は、真理の御霊によってそれを受け入れるか、それとも何かほかの方法によって受け入れるか。
20 もしもそれが何かほかの方法によるとすれば、それは神から出てはいない。
21 それゆえ、真理の御霊によって御言葉を受ける者は、真理の御霊によって宣べられるままにそれを受けるということを、あなたがたが理解して知ることができないのはなぜか。
22 それゆえ、説く者と受ける者が互いに理解し合い、両者ともに教化されて、ともに喜ぶのである。
23 また、人を教化しないものは、神から出てはおらず、暗闇である。
24 神から出ているものは光である。光を受け、神のうちにいつもいる者は、さらに光を受ける。そして、その光はますます輝きを増してついには真昼となる。
25 さらにまた、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしがそれを語るのは、あなたがたが真理を知り、暗闇をあなたがたの中から追い払うためである。
26 神から聖任され、遣わされる者は、最も小さい者であってすべての者の僕であるにもかかわらず、最も大いなる者となるように任命されているのである。
27 それゆえ、彼はすべてのものの所有者である。天においても地上においても、すべてのものが彼に従うからである。父の御心によってその子イエス・キリストを通じて送られる、命も光も、御霊も力もそうである。
28 しかし、だれもすべての罪から清められてきれいにされなければ、すべてのものの所有者ではない。
29 もしもあなたがたがすべての罪から清められてきれいにされるならば、何であろうと自分の望むことをイエスの名によって求めると、それは行われる。
30 しかし、このことを知っておきなさい。願い求めるべきものはあなたがたに知らされるであろう。また、あなたがたは長に任命されているので、もろもろの霊はあなたがたに従うであろう。
31 それゆえ、もしもあなたがたが自分の理解できない霊が現れたのを目にし、かつその霊を受けていなければ、あなたがたはイエスの名によって父に求めなければならない。もしも父がその霊をあなたがたに与えられなければ、それが神から出ていないことが分かる。
32 また、その霊を制する力があなたがたに与えられるであろう。そこで、あなたがたは、その霊が神から出ていないことを、大きな声でその霊に対して宣言しなければならない。
33 そのときに、あなたがたは打ち負かされないために、ののしり責めることなく、またその霊に捕らえられないために、誇ったり喜んだりして宣言してはならない。
34 神から受ける者は、それが神からのものであることを考えなさい。また、それを受けるにふさわしいと神から認められたことを喜びなさい。
35 それも、注意を払いながら、あなたがたが受けたこれらのこと、またこの後あなたがたが受けることを実行することによってである。王国は父からあなたがたに与えられており、また父から定められていないすべてのものに打ち勝つ力も、あなたがたに与えられている。
36 見よ、まことに、わたしはあなたがたに言う。わたしの僕の口から今わたしのこれらの言葉を聞いているあなたがたは、幸いである。あなたがたの罪は赦されたからである。
37 わたしが心から喜んでいるわたしの僕ジョセフ・ウェイクフィールドと、わたしの僕パーリー・P・プラットは、諸教会の中に出て行き、勧めの言葉によって彼らを強めなさい。
38 また、わたしの僕ジョン・コリルや、この職に聖任されるわたしのすべての僕たちも、同様である。これらの者はぶどう園で働きなさい。また、わたしが定めたことを彼らが行うのを、だれも妨げてはならない。
39 それゆえ、このことに関して、わたしの僕エドワード・パートリッジは義とされない。しかしながら、悔い改めなさい。そうすれば、赦されるであろう。
40 見よ、あなたがたは幼い子供であり、今はすべてのことに耐えることはできない。あなたがたは恵みと真理の知識とにおいて、成長しなければならない。
41 幼い子供たちよ、恐れてはならない。あなたがたはわたしのものであり、わたしはすでに世に勝っており、そしてあなたがたは父がわたしに与えてくださった者に属しているからである。
42 父がわたしに与えてくださった者は、だれも失われない。
43 父とわたしとは一つである。わたしは父におり、父はわたしにおられる。そして、あなたがたがわたしを受け入れたので、あなたがたはわたしにおり、わたしはあなたがたにいる。
44 それゆえ、わたしはあなたがたの中にいる。わたしは良い羊飼いであり、イスラエルの石である。この岩の上に建てる者は、決して倒れることはない。
45 そして、あなたがたがわたしの声を聞き、わたしを見て、わたしがいることを知る日が来る。
46 それゆえ、目を覚ましていて、用意ができているようにしなさい。まことにそのとおりである。アーメン。