平成16年度

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【平成16年10月17日(日)】

随分と練習日記を書いておりませんが・・・・。
武満の「風の馬」とメシアンの「5つのルシャン」は音取りに苦労してます。。。が、これが不思議なもので、当初の難しすぎて拒否反応を起こしていた自分は何だったのだろう?というくらい、2曲とも結構お気に入り化しつつあります。曲の魔力にかかったのでしょうかねぇ。

それよりもですね、今日はI先生にシャルパンティエの「Te Deum」を見ていただいたのですが、モウ、目から鱗状態!! シャルパティエは楽しい!! 実はね、自分達だけで音取り練習してた時は楽譜通りに歌ってたんですよ。。。したら、つまんねぇ曲だなぁ、時々妙ちきりんな音もするし・・・って思ってたんですよね。えっ、楽譜通りに歌うのが当たり前だろうってか?・・・チッ!チッ!チッ! ルネサンスやバロック時代の曲を歌う場合は、楽譜に書かれていないその時代の音楽様式というものを意識して歌わニャアいかんのですよ。私達はフランス・バロックの様式感を忘れてました。。で、それを思い出させて下さったI先生のたった一言のアドバイスで曲がガラリと様変わりしたんですよね。それはですね・・・・イネガルで歌うこと!! そうじゃん! シャルパンティエ(Marc.Antoine Charpentier 1634?-1704)はフランス・バロックの作曲家なんだから、イネガルで歌うべきなんですよ! 本当に見事、コロッと忘れておりました。

 イネガルとは「notes inegales」の省略形で意味は不等音符のこと。同じ音価で書かれた音符を長短混ぜて演奏します。例えば8分音符が続くメリスマの場合、2音ずつグルーピングし、最初の音を長めに演奏します。分かり易くいえばダーバダーバダーバというリズム、ほとんど付点8分音符と16分音符って感じになりますね。何のためにイネガルにするのかというと「良い美的感覚」のためだそうで、確かにメリスマを厳格な音価で歌うよりもイネガルで演奏したほうがスウィングした感じ、優美な感じになりますよね。特にフランス音楽では16世紀初期から取り入れられていたようで、フランス・バロックといえばイネガル! バッハの曲でさえ<フランス風>とついている曲はこのイネガルを使わないといけません。

 さて、このイネガルをつけて「Te Deum」を歌ってみると、あら不思議! それまでパレストリーナのようだった曲が、途端に洒落たエスプリのダンス・ミュージックに様変わりするじゃア〜リマセンカ! 踊りながら歌うの大好き!(笑) 軽い乗りのM団にうってつけの曲になっちゃいました。今から本番が目に浮かぶようです(爆)。とはいえ、シャルパンティエは踊るパレストリーナじゃありません。時々、現代曲顔負けのすっごい音の展開があります。I先生曰く「これがプーランクに繋がるのかぁ!」・・・ロマン派通り越して20世紀前半の近代ですか? www あり得るかも。。

  そそ、この「Te Deum」にはソロのアンサンブルがあります。Sop1はJ子、Sop2はK子の姉妹デュオなのですが、サスガに姉妹だけあって声が合います。それに、この曲のソプラノ・デュオはモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」のソプラノ・デュオを彷彿とさせるものがあって華麗ですわ〜ん♪ 蛇足ですが、この曲にイネガルをつけて歌うのは今日初めてだったので、なかなか頭と口がついていかないんですよ。だってね、楽譜は普通に書いてあるので、それを一度、頭の中でイネガルのついた楽譜に翻訳してから声を出さなきゃいけないわけで・・・1回路余分に思考を巡らさないといけないんですもの。絶対音感のあるJ子はさらにもう1回路、楽譜から半音下げた音(A=415で演奏・・・厳密に言うと半音より少しだけ高い)を出すという思考も巡らさなきゃいけない・・・で、時々、二人はスッゲー現代音楽のデュオになってました(爆)。いやはや、絶対音感がある人は、それはそれで大変なんですね。

【平成16年8月8日(日)】

 期待と不安でワクワク、ドキドキした東京公演も終わってしまいましたね。
100%満足のいく本番なんて私は経験したことないのですが、少なくとも悔いが残らないよう、やることはやったと思えるほど練習ができたか・・・と言うと、ああ、あそこをもっと練習しておけば良かった、ああ、この音がまだ不安だと思うこともシバシバ。歳をとると特にそう思います。集中力が落ちてきたのかな? 結局、練習日記も今回は演奏会までに1回しか書くことができませんでした・・・f^_^;ポリポリ
 ということで、年度を前半後半にわけるほどのこともないので、このまま書いていきます。

 さて、次回の大きな演奏会は来年2月20日の第21回定期演奏会。演奏する曲目は練習日程に載ってますのでそちらをご覧になってネ♪ 
で、今日は演奏会後の初練習で出席人数も少なかったし、まだ決定版「メンバー分け」ができてなかったので、とりあえず、…なんとなく、…これまでの例に従ってパートにわかれ2曲を初見で歌ってみました。

 武満徹「風の馬」より第3ヴォカリーズ

まず「風の馬」とは何なのか・・・楽譜にある武満氏の解説の一部を載せておきます。

  『「風の馬」とは、チベットの遊牧民族が、移動して行くべき次の土地を定めるのに行う
   占いのことである。高原の広い空間に、一条の縄が張られ、それに色とりどりの民族
   衣装のきれはしが結ばれ、つり下げられる。やがて風が吹いて、高原の冷たい澄んだ
   空気の中ではたはたと音をたてる。ひとびとは、その布のたなびく方へ移り進んで行く。
   「風の馬」とは、その布が結ばれた縄のことを指す。』(武満徹)


  ちなみに「ここ」で「風の馬(Lung‐ta=ルンタ)」の実物がみれます。

 え〜と、私、この「風の馬」5曲全曲を生で聴いたことは、たぶん1回しかありません。コンクールでは女声の曲を聴いたことがあると思うんですが・・・なんたってこの曲で一番耳に残るのは♪A bi Yo Yo A bi Yo Yo…♪でしょ! それ以外は印象に残ってない・・・なんて言ったら作曲家は泣いちゃうかしら?(爆)  少なくとも私にとって「コレめっちゃイイ曲やん! 歌いたい!」ていう曲ではなかった。。。ということですね。(暴言ご容赦!) でも、今回はそんなこと言ってられしまへん! だって、演奏会で歌わなきゃいけないんだものね。そそ、♪A bi Yo Yo A bi Yo Yo…♪のメロディですが、最初に聴いた時、モンゴルの大草原をイメージしてました。ところがです、あらまっ、武満さんはチベットの高原をイメージされてたんですね。。。^_^ゞポリポリ (まあ、その両方に行ったことがないので無責任なイメージかもしれませんが・・・^_^;) 

 どういうでもいい前振りは置いておいて、まずは取っつきやすいその♪A bi Yo Yo♪の部分から練習しました。まっ、この部分はそれほど難しくはないですね。アルトとテナーが綺麗な二度を響かせるのがミソかしら。では、この曲の最初に戻って・・・今日はメンバーが少ないので、パート内で分かれた時の微妙なぶつかる音が怪しいのですが、それでも結構イイ音がするんですネ!! 「イイ曲じゃん!!」(←すぐに手のひら返すんかよ! 爆) なんだか某TV局の大河ドラマの曲みたい。武満さんは確か大河ドラマ「源義経」の曲だけでなく、映画音楽なども沢山手がけてらっしゃいましたから、どこかで聴いたことがあるのかもしれませんね。ヨッシャ〜!! あとの曲もまずはイイ音を目指してがんばるじょ〜!!

 “Magnificat” G.Swayne

 正直言って、私、この作曲家は知りませんでした。もちろん曲のことも…。
まず楽譜を開いて3頁めに目が行った途端、オッタマゲてしまいました・・・ダブルコーラス、それも6声ずつじゃん!! この曲、今のM団でできるの? 誰かが今度の演奏会で一番大変な曲かも・・・と言っていたし...www 今日の予定は4声のところまでだったのですが、歌い出したら4声のところなんてあっと言う間に終わっちゃった。「どうする?」「グループわけもパートわけもやってないから、とりあえず、まずコーラスTをみんなで歌ってみようよ!」ということになって歌い出したら、「アラッ、そんなに難しくないじゃん!」 音も多くないし、同じ音型の繰り返し。途中でわずかに4声になって、またダブルコーラスに分かれます。アルトとテナーがどちらも2声にわかれますがひとつは定旋律的なメロディを歌うソロだしね。コーラスTが終わったので次はコーラスUを・・・こちらもTとは違うパターンが繰り返されますが、「この音、どこからとるのよ!?」的な難しさはありません。たぶん、全パートで歌うとリズムのズレとか音のぶつかりとか和声の変化がムズイかもしれませんが、音をとってリズムも正確に歌えばそれなりに聞こえる曲(笑)の部類ですかね、多分。(←ごっつう、エラそうじゃん! 爆) でもそういう情緒に直接訴えかけるのではなく、ミニマルな音とリズムの繰り返しが重なり合う音楽は、人間の身体の中にある特定のリズムと同調したり、音の重なりが楽譜にない音空間を作り出したりして、不思議な世界へ聴衆を導いたりするんですよね。惜しむらくは、そういう体験は演奏してる側にはできないってこと・・・だから演奏しながら体外離脱(幽体離脱)をしてみたいって思うのよね、いつも。

 ということで、次回の練習は今日やった2曲の復習と『風の馬』「第1ヴォカリーズ」(女声)と「第2ヴォカリーズ」(男声)だったかな? メンバーわけのメールは届いてますよね? 予習しておきませう♪(曲が違ったらおせ〜てっ!)  さて、北島選手が金、中西選手が銅をとったのでもう寝ます。。ZZZzzz 8/19 AM2:30

【平成16年1月11日(日)】    (4/28 追記あり)

 明けましておめでとうございます。
今年の大きなイベントは8月1日の東京公演(於:第一生命ホール)です。

 Singet dem Herrn ein neues Lied J.S.Bach
 Komm, Jesu, komm J.S.Bach
 Liriche Amorose 鈴木輝昭
 Messe en Sol Majeur F.Poulenc
 Three Motets Op38 C.V.Stanford

曲目は以上ですが、曲順は未定。
また、上から3曲は過去にも演奏しましたが、プーランクの「ミサ曲ト長調」は今回が初めて。スタンフォードは3曲のうち1曲だけはアンコールで演奏したことがありますね。

バッハのモテット2曲は基本的にダブルコーラスです。今回のメンバーわけは先日のバッハ「ロ短調ミサ曲」Osanna in excelsisのメンバーわけを基本にしましたので、前回歌った群と違う群を歌うことになる人もチラホラ・・・中にはパートまで違う人が・・・・って、それは私ですけどね。Kommは前回、2コーラスのソプラノでしたが、今回は1コーラスのアルト。最近ソプラノは人数もメンバーも充実してきましたから、私は今回の演奏会、リリケ以外は基本的にアルトを歌います。

 今年最初の練習は17日土曜日に結婚する○キちゃんの披露宴で歌うTea for twoからたちを練習しました。去年一年間、ロ短調を練習してきたのでなんだかとっても新鮮! ジャジーなスウィングと美しい日本語・・・これもまたイイっすね。当日は指揮者がいないけど、この2曲なら大丈夫♪ もともと指揮者を見ない合唱団とまで言われてるし。。(^◇^;)

 次に、私達が是非また歌いたい!と言って入れてもらったKomm・・・・前回は第15回定期演奏会で歌ったんですよね。今回初めて歌う人もいるので、音取りのつもりで最初からゆっくり縦の音を確認しながら練習。この曲もやっぱりロ短調を練習してきたおかげでバッハの美しい音色を再認識させられます。それにパートが違うととっても新鮮♪ 今日は前半のホモフォニックな部分までと最後のアリアを歌ったのですが、ふむ、アリアはやっぱりなんと言ってもソプラノがおいしいですね。アルトは何歌ってんだか私にはまだわかんない。そのうちわかってくるのか?(笑) それにしてもKomm, Jesu, kommは名曲ですわ! この曲も私がこの世を去るときに聴きたい曲のひとつ。

 次はその昔よく歌ったSinget・・・・一応前半を歌ってみたのですが、なんだか音がちゃんと鳴らない間に次に行っちゃってるみたいで音空間がKommより空虚。これも今後はゆっくりとメリスマの音を確認しながら練習したほうが良いですね。慣れすぎちゃってる人と音のわからない人で音楽が見えなくなってる感じがします、個人的な感想ですが。。。(^^ゞ

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 休憩後は初体験のプーランクのミサ曲ト長調・・・この曲はこれまでコンクールで何回か聴いたことがあります。最初に聴いたのは今から二十数年前の横浜であった全国大会。東京の某合唱団が歌ったのですが、なんと制限時間を3秒オーバーして失格に・・・この年だけコンクール大賞がないんですよね。幻のコンクール大賞とまで言われた演奏でした。もちろん当時大学生で初めて全国大会を聴いた私も「スッゲ〜!」て感動。演奏も然りでしたが女性の衣装にもド肝を抜かされました(^◇^;)。ちなみにこの時、同じ会場でO先生もI先生も聴いてらしたそうです。さらに当時学生でこの演奏をした某氏が今、M団にいる・・・その場に居合わせたのに当時はお互い見ず知らずの人間が・・・縁て不思議ですよね。まさかこの曲を自分が歌うことになるとは想像だにしなかった。。。

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4/28追記
 (↑の***で囲まれた部分の記述について間違いがありますので、訂正します。
横浜の全国大会で東京の某合唱団が歌ったのはプーランクの
「悔悟節のためのモテット」です。「ミサ曲ト長調」は翌年の名古屋の全国大会でした。ここに謹んで訂正させていただきます。が、名古屋での演奏を聴いて、東京へ就職したら某合唱団へ入団しよう!と私が思ったわけですから、今の私があるのはやっぱりこの曲のおかげ?(笑) もっと大袈裟に言えば、私が某合唱団にいたからK山先生とM団が繋がったわけだし、まあ、その後のM団のいろんな事にも繋がっていくわけで.....な〜んてね。某合唱団、名古屋での演奏もモチロン上手かったですよ! それなのに、、、ああ、それなのに、某合唱団はそのあとの打ち上げで・・・ウッ…( ̄x ̄;)" 翌年、私が新社会人として東京へ行ったら、新生・某合唱団になってたんですよね。。。(;^_^A アセアセ…
実は、この曲の勘違いについては練習日記を書いた数日後に気がついていたんです。続きの練習日記をサボッてたので、訂正しなかったのですが、某合唱団関係者2名から指摘をうけたので、やっと重い腰を上げました。すいません。<(_ _)> それにしても読んでる人がいらっしゃるのね?^_^; 某合唱団関係者Tさん! 訂正しましたのでM団の東京公演ヨロシクネ!! (^_^)v )


 て、前振りが長くなりましたが、とりあえず初見で歌ってみました。久しぶりのプーランクなので目まぐるしく変化する和声に慣れないものの、さすがに綺麗な音・・・つーか、人を幻惑させ、道を外させてしまうような魔力を持った音がしますね。やっぱり20世紀の作曲家の中でもけた外れの存在だと思いますよ。それにしてもプーランクはアルトやバリトンにとっても高い音を歌わせる人です。(^◇^;) 7つのシャンソンでもアルトに上のAがありましたものね。そそ、この曲はフランスの出版社の楽譜を使っているんですが、フランスの出版社ってミスプリントが多いのが難点。臨時記号は落ちてるし、付点がずれて真上に重なってるし・・・「しょうがないわね、フランスの出版社だから」・・・・って、言ってしまう私達も私達だけど、なんとかなりませんかね?(笑) 
 最初なのでKyrieしかできませんでしたが、某女史が練習後に「なんでこの合唱団は最初からこんな音がするの!」と独り言のように呟いていたけど、最初だからこんな音がする・・・というのがM団で。。。慣れてくるといい加減になって微妙な音の違いがなくなるんです。。www 今回はそういうことがないように、、ガムバリマス!!!

特に意味のないカラムですが・・・♪