白い街の坂道 (ミハス)
40P
闘牛場はシーズンオフ、てっぺんの観客席から
向こうの山にへばりつくような白い街の
坂道をぼんやり眺めていた
#88・日本水彩展出展作品 日本水彩会講評
思い切った構図に、新鮮さを感ずる
白壁や屋根の色が更に引きたてている
左、白壁の影もう少し暗く
(会誌150号 岩瀬 勲氏)
雑誌 「美術の窓」2000/8月号 批評: 高山 淳氏
白い壁と赤茶色の屋根。あいだに真っ直ぐ道路が
通っている。子供を連れた母親が道路の中景にいて、
手前は階段になっている。町の一隅を表現している
わけだが、その幾何学的な形を画面の中に入れる
独特の感性がある。それは幾何学形態が持つリズム
を絵の中のリズムとして取り入れる力である。
言ってみれば室内楽を聞くような一種の音楽性を
筆者は感じる。
とくに対象の細部を描写するのではなく、どれぞれの
ディテールが画面の中のリズムとなるように構成して
いるように思われるところが興味深い。
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