高レベル放射性廃棄物処分地公募に関わって
名前が上がった地域 2007年
(「 高レベル処分に関わる 岐阜市民団体の動き」)
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2011年
更新 2007年11月5日
原子力発電環境整備機構 (NUMO※)は2002年12月、高レベル放射性廃棄物処分地の公募を開始し(公募関係資料「高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する地区」)を全国の自治体及び議会に送付した。唯一応募した高知県東洋町長は、町長選で落選し、新町長が応募を撤回した。
従来文献調査地区に対する交付金は2.1億円/年であった。応募を促すために2007年度からは10億円/年に増額した。しかし東洋町長選に破れ、応募を撤回された。
そそこで札束で当該自治体と周辺自治体を押さえ込み頬をはると同時に、国が知事に『確約書』を出した岐阜県や青森県も含む全都道府県を対象に説明会を行い、交付金に関心を寄せた自治体に応募を促す方針に変える模様だ。
◆公募検討で名前が上がった地域 (概略の経過と位置へ)
福井県和泉村、高知県佐賀町、熊本県御所浦町、長崎県五島市久賀島、鹿児島県笠沙町、長崎県新上五島町、滋賀県余呉町、鹿児島県宇検村、滋賀県余呉町(再)、高知県津野町、高知県東洋町、長崎県対馬市、青森県東通村、福岡県二丈町、鹿児島県南大隅町、秋田県上小阿仁村
・高レベル処分場問題 資料コーナ(下記以外の資料多数)へ
・リンク 高レベル誘致2006年の動きへ 2003年〜2005年の動きへ
※
NUMO:Nuclear Waste Management Organization of Japanの略称
★NUMOの応募要領 高レベル処分法 高レベル処分法施行規則
★ 地層処分問題研究グループのHP http://www.geodispo.org/
★高レベル廃棄物処分問題の参考資料(原子力資料情報室 )
・市民ネット・岐阜の主張(おもなものは資料コーナに移動)
★知事や首長に拒否権はあるの?概 要(資料をつけて差替) 詳細版
★処分は可能か? 市民ネット・岐阜の考え1 2
2007年11月5日
2007年11月1日開かれた、放射性廃棄物小委員会で意見募集を経た「放射性廃棄物小委員会報告書 中間とりまとめ(案) ー最終処分事業を推進するための強化策についてー」を提出し、委員会が了承しました。
1.国の申し入れに法的根拠はない
・意見募集に出された意見
C 国による文献調査の実施の申入れは、法的根拠がないのではないか。(1件)
・資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室の見解
国による文献調査の実施の申入れは、「経済産業省設置法」(平成11年法律第99号)第4条第1項第55号に定められている「エネルギーに関する原子力政策に関すること」という経済産業省の所掌事務の一環として行われることが可能であると考えています。
・放射性廃棄物等対策室の見解に対する市民ネットの批判
「経済産業省の所掌事務の一環として行われることが可能であると考えています。」と、質問主意書と同じ意見を並べただけで、明確にこの法律のこの条項によって申し入れるとは書けない。書けないのは、根拠がないためです。
2.意見募集への対応批判
日本の意見募集で常態化しているように、意見募集に寄せられた批判的意見は顧みられることなく、少しの修文で終わりました。しかも1つ1つの意見をあげるのではなく、大括りに示しているので、その意見の存在の根拠も曖昧です。ただ国民から意見を聞いたというアリバイづくりにすぎません。意見募集に対するこの対応は行政機関への不信感を増すだけです。
「誰が原子力政策を決めるのか」(尾内 隆之 「科学」2007年11月号)で、「もんじゅ事故」以降、原子力政策円卓会議や原子力委員会の議事録のインターネット公開、パブリックコメント制度など情報公開と意見聴取の仕組みの充実を図った。しかし実質を伴わないは形ばかりのものであったことを事例を挙げて丁寧に説いています。そして改めて最終処分地選定の手続きの透明性を検討することが、日本の原子力政策の今後の試金石となるとに尾内氏は期待しました。
しかし、国の申し入れは変更されず、日本の原子力政策には国民の声を反映させる形は意思はなく、機能しません。特に原子力発電を継続ことが大前提であるため、ガラス固化体を管理、製造する青森県への配慮から、現計画の処分地選定期限は動かさずに処分場を決めること以外に選択はありません。
3.国の申し入れで自治体内の混乱、自治体と県との亀裂を生む
1)関心を持ち文献調査の条件を満たす自治体に、国が調査を申し入れる。しかし住民にとってなぜここなのかという問いに答えることはできない。
2)県が反対でも調査に入ることは、東洋町の例で明らか。反対を言わせないために県内全体に広報を行い、県知事の批判を塞ぐ。それがだめなら2年間に25億円の交付金の準備も整っている。概要調査に入る前に知事の意見を聴くのだから、それまでは交付金をもらっておとなしく黙っていろと言うこと。そして反対を唱えない県に押しつける。
4.自分たちの地域は自分たちで守る!
そうすることで処分場をつくらせず、原子力政策の見直しを求める。
2007年10月20日
吉岡 斉氏の論文「原子力介護政策に根拠はあるか」を
「現代思想」10月号が掲載。
「はじめに」の要約
原子力事業の最大の特徴は極めて手厚い指導と援助にあり、援助は原子力介護政策と呼ぶことが適切。
介護コストが大きな国民負担となる恐れが高いことなどを具体的に提示し、今日の原子力政策は本質的に正当な根拠に基づかない政策であることを詳細に論証。
最後の一文以外は、論文のとおりだと実感しています。
2007年10月14日
国の申し入れに対する批判を中心としたパプコメへの意見
「放射性廃棄物小委員会 報告書 中間とりまとめ(案)〜最終処分事業を推進するための取組の強化策について〜」への意見募集が行われていました。そこで5項目9件の意見を提出しました。
1.「5.国が前面に立った取組」におけ「国が文献調査の実施の申入れを行うことも可能に」(P.11)することについて
1) 国による申し入れの法的根拠をしめすべきだ
2)国による申し入れは違法である
3)国が公募を認めたことと矛盾する
2. P.1「原子力発電や核燃料サイクルなど原子力の推進は、資源の乏しい我が国のエネルギー安全保障の確立と地球温暖化問題の解決を同時に実現する上で、要となるものである。」について
・ 原子力の終わりとごみの量を明確にすることが先決である
3.7「国民理解に資する研究開発及び国際的連携の推進に」の「最終処分事業は安全である」について
1) 安全な事業なら交付金は不要である
2)高レベル放射性廃棄物処分事業の安全は確立していない
3)研究機関の信頼性の問題
4.3の(1)「国民全般や行政関係者等への情報提供」における「国は都道府県単位での説明会」に取り組むべきについて
・国による岐阜県内の自治体への申し入れおよび説明会はしてはならない
5.国の担当者の不適切な説明は、不信感を増す
事実関係をありのままに説明すべきだ
全文はPDFへ 高レベル放射性廃棄物資料のページにリンク
意見募集:「放射性廃棄物小委員会 報告書 中間とりまとめ(案)〜最終 処分事業を推進するための取組の強化策について〜」
2007年9月6日
処分地調査、申し入れに変更
資源エネルギー庁 机上の空論!!
2007年9月6日の電気新聞「高レベル廃棄物最終処分地選定作業、文献調査は国が申し入れ−エネ庁が方針」によると、東洋町での敗北を受けて、資源エネルギー庁は、処分場への応募に関心を示年しながら応募しかねている地域に、調査の申し入れをし、政治問題化することを回避したいとのことです。
しかし机上の空論、失政を重ねることは目に見えています。
◆資源エネルギー庁、申し入れへの反発を反省として活かせず
もときた道に逆戻り
◆NUMOの公募容認を誤りと認めた
NUMOは国や電気事業者が原子力施設の申し入れを繰り返して、住民から強い反発を招いた経験を踏まえて申し入れではなく、応募方式を選び、資源エネルギー庁も経済産業大臣も公募の事業展開を認めました。
ところが今回の資源エネルギー庁の方針は、国が文献調査を申し入れる(関心を持っている地域に)ことは、自らの反省に蓋をし、「公募」を是認した自らの政策を誤りであったと認めることです。この行為は住民の反発を大きくするだけです。
◆住民の反発は当然
なぜなら、国が申し入れるということは自治体が応募したがっているということを公表することです。住民の頭越しに国に応募したいと表明したことになり、住民の首長や国への反発は一段強まることが目に見えています。机上の空論です。
◆地震国の現実を無視した高レベル地層処分
また、記事には国が申し入れた地域には地質的なデータ(文献調査の適地データ)も示すとしています。
しかし、地震大国日本ではM7程度の地震はいつ、どこでおきてもおかしくないというのが、多くの地震学者の見解です。文献調査の活断層への対応を見直さなければならない状況です。
柏崎刈羽原発の用地やその周辺の活断層を地滑りや再活動しない断層とごましたりも無視したりした東京電力と国の設置許可のような無謀で傲慢な結果を出さない限り、日本に高レベル放射性廃棄物処分の適地はないばずです。
特に何人もの地震学者が物証を持って巨大地震が東南海、東海地震の震源域で発生すると指摘しているにも関わらずそうした地域ですら適地であるというような対応は見直すべきです。
★岐阜県内での説明会開催:
確約書も国が破棄、知事の申し入れも無視したことになる
・国は施策文書であったも、約束を守って岐阜県内で宣伝しないこと
・現知事の意見を受けて、岐阜県内で説明会をしないこと
そうしないと、次々と辞任する閣僚同様、国の約束は無意味だという政府不信を増大させる。
2007年9月3日
高知県で高レベル放射性廃棄物処分地を勧めるNPO法人
「特定非営利活動法人高知県地層処分連絡協議会」が高知県のNPO法人として公告縦覧されています。
この法人の目的
・地層処分施設の誘致に関する支援事業等を行うこと
・地層処分施設の設置等に伴う国からの交付金で財政を豊にする
以下、「れんげ通信」ブログ版 2007.9.2 へ
2007年8月29日
9月12日に開催 放射性廃棄物小委員会
7月25日開催される予定の委員会が延期されていました。予算要求の関係からも9月には行わざるを得ないようです。
放射性廃棄物小委員会開催案内へ
電気新聞は2007年8月14日に今回の小委員会の内容を先取り報道しています。電気新聞によると(PDF 電気新聞は2007年8月14日1面へ)
1.シミュレーションの「バーチャル処分場」で、長期間安定であることを強調する。
2008年度の概算要求 1.5億円の予定。
→税金とエネルギーの無駄づかい
シミュレーションで数万年の安定性を強調してみても、あくまでもバーチャルな世界にすぎません。現実は経済産業省が認可した柏崎刈羽原発が中越沖地震で被災し、最悪事態は幸い免れたと言え、批判する住民が崎刈羽原発の「『地震想定は甘い。大地震に耐えられない』と警告し続けてきました。それがとうとう想定を越す地震に襲われたのです。」(「はんげんぱつ新聞」2007.8
第353号掲載 「柏崎刈羽原発に激震」武本和幸さん)と長きに渡ってしてきました。
柏崎刈羽原発の地盤は劣悪で、東電の想定以上の地震が起こるの国は設置許可を取り消すべきだと裁判で争い、現在最高裁に住民原告が控訴しています。そして原告の指摘を今回の地震が実証していました。しかも、今回の地震はM6.8で巨大地震ではありません。新潟地震はM7.5でした。
こうした現実の中でバーチャルのシミュレーションを見せられて、数万年の安全性を実感できる人は極めて少数でしょう。税金とエネルギーの無駄づかいです。
2.人工バリアの実規模実証施設を整備する。
場所は北海道幌延や東海村の原子力機構を拠点。
2008年度概算予算3.5億円の予定。
→人工バリアの実物を見せるより、高レベル放射性廃棄物の放射性廃棄物の各種や放射能量、日本の地質の成り立ちを誠実に正直に伝えて、原発、再処理を継続するかどうかをまず問うべきでしょう。その選択肢を与えないで、処分場が必要だというのは理論の破綻です。再処理の費用や危険性、原発震災の可能性を説明することが先です。
3.押しつけ宣伝事業の継続
→質問の機会もなく、一方的に安全だと説明することに不信感を感じる人は少なくはずです。うまい話には気を付けろという警告は消費生活センターや国が盛んに国民に発していることです。
2007年8月11日
2007年7月28日、小林宏晨上小阿仁村長は高レベル放射性廃棄物処分場、低レベル放射性廃棄物処分場の誘致を断念
7月22日に河北新報が報道し、7月23日からは多数のマスコミが報道。7月24日には村議会が反対を表明。秋田県知事をはじめ村民、村議会や村を出た元村民、秋田県内から批判や不安の声が上がり村長は断念せざるを得ませんでした。
村長は断念の理由として
・応募検討を伝える報道で、予想外の反響があり、村が混乱した
・知事、反対の意向
・村は港から遠い(検討時に分かっていたことでお粗末)
・村は火山帯にある(火山の中心から15km離れた場所は村内にもあるはず)
・村以外にも誘致に好条件の市町村がある
などを挙げたようですが、村民や元村民の批判が大きな理由でしょう。
核のゴミ処分場で自治体を維持しようとの学者村長の発想は、村民の願いとは大きく乖離していたということだと思います。
2007年7月23日
放射性廃棄物処分場誘致の可能性を検討する方針
秋田県上小阿仁村長小林宏晨氏
河北新報によると、小林上小阿仁村長はRI・研究所等放射性廃棄物と高レベル放射性廃棄物の両処分場の誘致を検討。年内にはNUMOを訪問し詳しい事業計画を確認し、応募するかどうか判断するもよう。 RI・研究所等放射性廃棄の処分場についてもく国や関係機関と協力し、地質調査などを実施したい考えといいます。
小林村長は法律学者として住民の意見を十分に確認した上で、納得が得られた場合のみ実行に移されることでしょう。今年5月村長当選後、村の広報で企業及び公共施設の誘致による職場の創設を掲げ、
「国の公共施設の誘致:施設誘致で若者のUターンを促そう。」
という方針を出していました。国の公共施設の誘致が放射性廃棄物処分場に該当するのでしょうか。村は前町長の時に合併しないことを決めています。
周辺の阿仁町(現北秋田市)は川辺町、西木村、共和町と共に、「CC地域リモートセンシング調査」の適性地区として3箇所上がっていたうちの1箇所です。
上小阿仁村ホームページ
2007年7月23日の朝日新聞秋田県内版にも掲載されていました。
2007年7月18日
岐阜県知事宛「確約書」を反故にするな!と議文提出
受け入れないと表明している岐阜県知事への協力依頼等は
高レベル放射性廃棄物処分場受けれ強要!
確約書を反故にする!
資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室は2007年6月28日の総合資源エネルギー調査会第11回放射性廃棄物小委員会に対して、「最終処分地確保に向けた取組の強化策について【中間とりまとめ骨子(案)】」を提出しました。
(案)では全都道府県の県庁所在地で、高レベル放射性廃棄物処分地についての説明、都道府県への事業説明、知事への協力依頼等を行うとしています。
これを岐阜県に適用するのは、1998年9月18日の「確約書」を国が反故にする行為です。
この(案)は2007年7月25日の第12回放射性廃棄物小委員会でもっと強化されるか、このまま中間取りまとめとされる可能性が高いものです。第12回の委員会とりまとめに抗議内容を反映させるめ、本日が提出しました。
提出:岐阜県内の住民団体、市民団体9団体
抗議文 pdf
添付資料 別添 1pdf 別添 2pdf
第11回放射性廃棄物小委員会資料 【中間とりまとめ骨子(案)】
◆抗議した理由の詳細
1998年9月18日に科学技術庁長官が岐阜県知事に通称「確約書」を出しました。
この確約書には「貴職をはじめとする地元が処分場を受け入れる意思がないことを表明されている状況においては、岐阜県内が高レベル放射性廃棄物の処分地になることはないものであることを確約します。」と知事や自治体の反対を押し切って高レベル放射性廃棄物処分場を押しつけないと書かれています。
そのため前知事は「「この回答によって、安全は当然だが、安心の担保にもなると思う。国務大臣がおっしゃり、公文書にも明記されたので、間違いはない」と高く評価し、「知事として体を張って地域住民を守っていく」(朝日新聞
1998年9月19日記事)と評価しました。
前知事も古田岐阜県知事も高レベル放射性廃棄物処分場は受け入れないと表明しています。土岐市は確約書を受け取った後、放射性廃棄物持込禁止条例を2つ成立させました。超深地層研究所を市有地に誘致した瑞浪市長も役割分担として研究所は受け入れたが、処分場は受け入れないと常々表明しています。
古田知事は議会で、記者会見で受け入れないと表明し、滋賀県前余呉町長が応募を検討した際も、資源エネルギー庁長官に直接受け入れないと伝えています。
それにもかかわらず岐阜県への事業説明、岐阜県知事への協力依頼等を行うことは、高レベル放射性廃棄物処分場に協力しろと強要することです。
つまり科学技術庁長官が出した「確約書」を、甘利経産相が反故にすることすることです。法律に反しない限り政策文書を反故にしても構わないとの表明です。
一方、わたしたちは「確約書」をその場しのぎの政策文書で、都合が悪くなれば反故にされる文書であると批判してきました。資源エネルギー庁の(案)は、わたしたちの批判が正しかったことを示すものです。
わたしたちは岐阜県での事業説明や県庁所在地での説明、岐阜県知事への協力依頼を計画に強く抗議し、断固撤回を求めます。
2007年6月29日
国は約束は守らないことを表明!!
『確約書』は市民団体の指摘どおりの結果になった
・超深地層研究所を進めるための方便。
・法的拘束力はゼロ。 反故にしても国に責任はない。
・交付金が地域を縛る弱みを植え付けただけ。
2007年6月27日の総合資源エネルギー調査会 放射性廃棄物小委員会で、資源エネルギー庁は高レベル処分地確保のために、確約書を提出した岐阜県や青森県、県条例がある北海道なども対象とした、全都道府県での説明会を行うこと、関心ある自治体に応募するよう促すこと。その際障害とならないように知事や周辺自治体にも強力に働きかけていく方針を示したと東奥日報、毎日新聞は報道しています。
以下、東奥日報、毎日新聞記事引用開始**************
東奥日報
http://www.toonippo.co.jp/news_too/
nto2007/20070628172246.asp
2007年6月28日(木)
高レベル処分事業、全国で説明会
高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定が難航しているため、経済産業省資源エネルギー庁は二十八日までに、処分事業の説明会を四十七都道府県すべてで開くことを盛り込んだ取り組み強化策の原案をまとめた。
総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物小委員会で七月中に取りまとめ、今秋にも実施する。
エネ庁は「処分実施を前提としたものではなく、国民一人一人に説明するのが目的」としており、放射性廃棄物を持ち込ませないことを条例で定めている北海道や、原子力関連施設や地層研究施設受け入れにあたり、受け入れない方針を明らかにしている青森、岐阜両県でも開催する。
説明会は原則として都道府県庁所在地で、事業主体の原子力発電環境整備機構と開催。
自治体担当者や市民に参加を呼び掛け、地元の新聞、放送局にも協力を求める。
高レベル廃棄物の処分場候補地の公募では、東洋町が今年、全国で初めて調査に応募したが、町長選で調査反対派の候補が当選して頓挫。これまでに意欲を示した自治体は、いずれも住民や県などの反対で応募に至っていない。
毎日新聞2007.6.28
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/
p20070629k0000m040091000c.html
放射性廃棄物:最終処分場の建設実現へ対策案
原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設候補地選定が難航している問題で、経済産業省資源エネルギー庁は28日、建設実現のための対策案をまとめ、総合資源エネルギー調査会の小委員会に提出した。自治体の公募を待つ従来の姿勢を改め、見込みのある市町村には国から積極的に協力を依頼する。また、知事や周辺自治体の反発に対処するため、都道府県の職員を処分先進地の欧米に派遣して理解を得るとしている。
処分場候補には1月、高知県東洋町が応募したが、町民や高知県知事らが反発。4月の町長選で当選した新町長は応募を撤回した。応募の動きは他の自治体でもあったが、知事や住民らが反対し応募に至っていない。
このためエネ庁は、全都道府県で説明会を開くなど広報活動を強化し、その中で特に関心を示した市町村に、応募を依頼することにした。各知事にも協力を依頼する。
また、海外では国民の理解を得るため、▽処分場を壊し原状回復する可能性を残す(フランス)▽廃棄物を地下に埋設処分するかは将来の世代が決める(カナダ)−−などの対応を決めている国があり、日本もこうした可能性を探るため作業部会を設置する。【高木昭午】
毎日新聞 2007年6月28日 20時53分
以上引用終わり**********************************
・1998年9月18日付『確約書』 pdfへ
・1998年9月19日朝日新聞 pdfへ
『確約書』受理の記事 朝日新聞 岐阜県内版
市民団体は当初から目くらましと非難していた。
・1998年10月29日 中日新聞岐阜県内版 pdfへ
『確約書』を法的効力なしと指摘した石橋弁護士の記事
科技庁を通じて梶原前知事は石橋氏にしつこく発言内容を追求した。
・1999年12月8日 岐阜新聞社会面記事 pdfへ
確約書があってもなくても「全国が候補地」との記事を科技庁が批判。
◆怒りをバネに
1. この『確約書』を振りかざして反対する者を排除し、研究所を推進した、梶原拓前知事、高嶋芳男瑞浪市長、塚本保夫前土岐市長への怒りは消えません。
2. 10年経てば何でも反故にできる、なかったことにできるという国への怒りをバネに、岐阜県内に高レベル放射性廃棄物処分場をつくらせない運動を改めて進めます。
2007年6月22日
2つの放射性廃棄物拒否条例
◆2007年6月20日、鹿児島県宇検村で
「放射性廃棄物等の持込拒否に関する条例」が可決成立しました。
新聞報道は2006年8月でした。報道直に鹿児島県知事が「技術的に納得できるところまでいっていない」と誘致反対を表明たため、前町長が撤回しました。
2007年1月の村長選挙で放射性廃棄物拒否条例制定を公約に掲げた國馬氏が当選し、6月議会で可決されました。
地域を地域の力で守る、村長と関係者の地道な努力に敬意を表します。
村のHPに「放射性廃棄物等の持込拒否に関する条例」と國馬村長にコメントが掲載されています。
◆2007年5月21日施行 高知県東洋町
「東洋町放射性廃棄物(核燃料・核廃棄物)の持込拒否に関する条例」pdfへ
★参考資料 岐阜県土岐市の放射性廃棄物拒否条例
1999年3月30日、岐阜県土岐市では2つの放射性廃棄物拒否条例が成立しました。
1つは議員提案による「土岐市放射性廃棄物等に関する条例(案)」、もう一つは「土岐市生活環境保全に関する条例」の一部改正(第2条に追加)により成立した条例です。
土岐市役所の職員は議員提案による条例が気に入らないとして、施行時に(案)を付けて嫌がら、それを良しとしていた前塚本市長の意識のありどころを見せています。原子力施設がある限り地域のを分断します。
この2つの条例は1997年秋、原子力機構が住民や議会に知らせないまま、土岐市を中心とした4平方キロの高レベル放射性廃棄物処分場区画と同じ面積を処分場建設時の調査と同じ地上電磁探査や空中物理探査をしよというたことから、高レベル放射性廃棄物処分場建設のための調査であるとして住民や議会が激しく反発し、議員の意思として成立させました。1999年春には市長選挙が激しく闘われました。
2007年5月21日
東洋町に届いていたNUMOの
「文献調査の取止めについて(お知らせ)」
文面は以下のとおりです。 PDFへ
-------------------------------------
2007年4月26日
東洋町長宛
原子力発電環境整備機構
理事 山路 亨 印
文献調査の取り止めについて(お知らせ)
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、貴町からいただいた平成 19 年2月 25 日付「応募書」(18 東企画第 59 号)に係る平成ユ 9 年 4 月 23 日付「『 高レべル放射性廃棄物の最終処分施設の設置可能性を調査する区域について 』 の応募の取り下げについて 」 ( 19 東企画第 12 号)文書に基づき、当機構は、平成 19 年 4 月 25 日付で貴町の文献調査に関する事業計画の変更認可申請を経済産業大臣に行い、本日付で経済産業大臣から変更認可をいただきました。これにより、貴町からいただいた平成 19 年 1 月 25 日付「応募書」( 18 東企画第 59 号)に基づく文献調査につきましては、取り止めることといたしましたので、お知らせいたします。
敬具
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2007年5月16日
愛媛県松野町で高レベル処分場誘致検討?!
松野町は適地?
M−2地区報告書の位置づけと全体の結果を確かめましょう
しばらくは高レベル処分場問題が沈静化するのかと思いましたが、そうではないようです。
◆松野町を含む一帯を花崗岩地域として1984年3月旧動燃が三菱金属(株)に委託した調査報告書があります(「高レベル廃棄物の地層処分に関する調査・研究(Z)M−2地区報告書」 )。
松野町一帯も含む全国25箇所の報告書の目的は、旧動燃が高レベル処分の可能性を持った地層を原子力委員会に報告するためでした。しかし旧動燃は調査の結果から岩石の種類によって優劣をつけることは難しい。同じ岩石でも地質条件によって大きく変わる。だから人工バリアを岩石に応じて設計すれば地層処分の安全性は確保しうる、と報告するしかありませんでした(1984年3月 動燃「高レベル放射性廃棄物地層処分技術開発成果報告書−可能性ある地層の総合評価」)。旧動燃の言う人工バリアをそれほど適切に設置できれば世界の国々も苦労しないでしょう。
原子力委員会は4カ月後の1984年8月には、旧動燃の報告書を成果と認め人工バリアと天然バリアで地層処分できるという強引な結論を出しました(「放射性廃棄物処処分方策について(中間報告)」 原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会1984年8月)。
旧動燃の委託調査も現地調査はしていますが、ボーリングで調べたわけでもありません。地下水の流れなど現在同様分かっていません。一連のM−6地区調査では、必要な種類の岩石が地表で採取できなかったので、別なところでにかよった種類の岩石を採取して岩石の硬さなどの調査に代用しました。このように入り口の入り口調査で、しかも知れば知るほどあきれる実態です。一連の調査で適地とされたり、○がついていても、心配無用です。
M−2地区報告書の位置図、調査の評価抜粋
◆愛媛県知事の姿勢は??
愛媛県知事は2007年2月20日の定例記者会見で以下のように述べています。
<一部抜粋>------------------------------------
「記者:最終処分場について、愛媛県内で受け入れるという動きが出てきた場合、どのような対応を取るのか。
知事:判断の考え方としては、プルサーマル問題への対応と同様な形で考える、その延長線上にあることかなという感じはいたしております。
少なくともちょっと高知県、徳島県と立場が少し、ニュアンスが異なるのは、伊方原発によって当然生じてくる高レベル放射性廃棄物ですから、それを高知で受け入れるということと比べると、愛媛で受け入れるという方が、それは地域性からするとそういう可能性がないとは言えないと。」
「記者:基本的スタンスとしては、絶対にノーということではないということか。
知事:頭からノーとかかっていくべきではない事柄だと思います」---------------------------------------------<抜粋終わり>
原子力にもプルサーマルにも積極的な知事の姿勢は、高レベル処分場についても変わらないようです。
知事の2007年2月20日の定例記者会見へ
愛媛県知事のように「ノー」と言わない知事の出現を経済産業省やNUMOは勿論、電力会社、原子力推進国会議員は待ち望んでいました。産経新聞の2007年4月29日インターネット版の記事を引用します。
引用開始----------------------
最終処分開始までの間は、青森県六ケ所村にある日本原燃の高レベ ル放射性廃棄物貯蔵管理センターに中間貯蔵されるが、処分場建設の遅れは中間貯蔵の長期化につながるため、最終処分場の建設用地選定は急務だ。
処分場建設地の決定までには3段階の調査が行われる。その間、候 補地の市町村長と知事のどちらかが反対すれば建設できなくなる。このため経産省は、知事と市町村長から同時に理解を得られるよう働きかけを強める。今
後は双方を対象に、建設の可能性がある地域を中心に説明会を催していくとみ
られる。
-------------------------引用終わり
地域で説明会を開いたときには、知事と首長が内々でOKの状況と考えておいたほうが良いかもしれません。
2007年5月14日
検証 東洋町で何が問われたのか
東洋町で高レベル処分場誘致問題が表面化したのは、2006年9月10日の高知新聞の記事によってでした。その高知新聞が4月の町長選挙終了までの7ヶ月間を振り返る「拒んだ春 核廃 東洋町の7カ月」を7回掲載しました。
今回の問題を振り返るためにも、今後にとっても参考になる良い企画と考え、記事を掲載します。
連載1より、特集の意図を掲載します。
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町内は確かに、得体の知れないものへの反射的な恐怖感、拒絶感で覆われていた。審判を決定づけたのは「『核』は嫌」という強い思いだったように見える。
ただし、一連の過程で問われ、拒まれたのは決してそれだけではない。 「核燃料サイクル」の確立に向けて最終処分施設の立地を急ぐ国の姿勢、疲弊する地方の自治体、その中でもがき、半ば強引に交付金事業に手を挙げた首長の手法・・・。すべてが重なり、もつれ合った。
地域を分けた東洋町の七カ月を顧みながら、町民が突きっけた「ノ-」の意味を考える。
(高知新聞 2007年4月28日 「拒んだ春 東洋町の7カ月 1 問われたのは何か」より)
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以下、高知新聞 「拒んだ春 東洋町の7カ月」の連載
2007年4月28日 「1 問われたのは何か」
2007年4月29日 「2 さまざまな戸惑い」
2007年4月30日 「3 「公募」の落とし穴」
2007年5月1日 「4 打ち出の小づち?」
2007年5月2日 「5 歯止めになった?」
2007年5月3日 「6 約束は「一時貯蔵」」
2007年5月4日 「7 一人ひとりが関心を」
2007年4月29日
甘利経済産業大臣、高レベル放射性廃棄物処分場は迷惑施設と発言
2007年3月8日の参議院予算委員会で民主党・新緑風会の広田一氏への答弁で、最終処分場は「迷惑施設」と2回発言し、質問者の広田一氏に「地元でこのことを推進していらっしゃる方々、そういうことを踏まえたことは非常に逆なでするんじゃないかなというふうに思います」と指摘されてはじめて「訂正します」と言うほど、感度の鈍い方です。
高レベル処分場に限らず、原子力施設は金で解決が付く、文句を言うのは金が欲しいからだ。交付金をつり上げれば何とでもなるという奢りと差別感が推進側の根底にあるためででしょう。東洋町長選挙はこうした推進側の常識が通用しなかったことに対する苛立ちが、甘利大臣の暴言につながったのでしょう。
東洋町の町長選挙の影響が如何に大きいかを示すものです。
2007年4月28日
東洋町長選挙結果に対する経済産業大臣の暴言
甘利経済産業大臣の暴言
・(有権者が)誤解したまま投票した
・処分場は120%安全
・処分場は保管施設
推進側に求められているのは、安全性の強調ではなく、処分の何がどこまで確立し、どくに問題があるのかを明確に国民に示すことです。
甘利大臣の意に反した選挙結果に暴言を吐くことは推進側にとって大きなマイナスです。甘利大臣の発言に対する東洋町長や町の人たちの考え(高知新聞 2007年4月26日記事へ) です。
岐阜県瑞浪市に建設中の超深地層研究所では立坑建設すら、大量の地下水対策に悩まされ、2年以上遅滞しています。処分場は立坑の地下約2キロ四方に、長さ300キロもの処分坑道を建設する計画です。亀裂が無数にあり地下水の流れが複雑な日本の地下で、120%の安全をもって処分できると言い切る根拠は非常に薄弱で、無責任です。
120%の安全なら交付金など付けずに公募すべきです。昨年度まで2.1億円の交付金を今年度10億円に引き上げる必要など毛頭ないはずです。
また、処分場は廃棄施設であって、保管施設ではありません。法第2条2項からも明らかです。閉鎖後保護する必要があれば保護地区を指定するに過ぎません。
高レベル放射性廃棄物の地層処分は地下に埋め捨てることが目的です。
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経産相、東洋町長選の敗因「有権者の誤解」
2007年04月24日 朝日新聞
高レベル放射性廃棄物最終処分場の立地調査受け入れが争点となった高知県東洋町長選で、受け入れ推進派の現職が落選したことについて、甘利経済産業相は24日の閣議後の記者会見で「(有権者が)誤解をしたまま賛否が諮られると、当然こういう結果が出る」と述べた。安全性に関する国などの説明が不十分だったとの認識を示したものだが、電力会社の不祥事が頻発しているだけに、地元の反発を招く可能性もある。
甘利経産相は「(処分場は)保管施設で、安全性は120%確保されている」と強調。「処分場が危険という誤解、処分場がなくても生活を維持できるという誤解は、解いてもらわないといけない」とも述べた。
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2007年4月26日
経済産業大臣、NUMOの変更申請(取下げ)を認可
経済産業大臣が、NUMOの事業計画変更申請を認可しました。
近々、完全に白紙に戻ります。
東洋町役場にアップされた応募取下げ書
NUMOの取り下げ書に対する対応はこちら
NUMOの対応を報じた高知新聞の記事 PDF
2007年4月25日
NUMO 取り下げに応じる
NUMOは2007年4月23日、沢山東洋町長が提出した、「応募取り下げ理由書」に応じ、田嶋前町長が独断で提出した応募書を取り下げる決定しました。
沢山保太郎氏を圧倒的大差で町長に選んだ成果です。沢山町長は最大の公約を果たしました。
そもそも2004年1月25日付田嶋前町長が提出した応募書は
・提出してはならず
・NUMOは受理してはならず
・経済産業省は認可してはならない
ものでした。
2007年1月25日の田嶋前町長の応募は、63%の応募反対請願を無視し民主主義を踏みつけにした応募です。NUMOも経済産業省資源エネルギー庁もこの経過を東洋町議会の反対派から再三再四指摘されていました。町民による放射性廃棄物持込拒否条例が再議で否決されたことを受けて、経済産業省資源エネルギー庁が認可しました。
前町長の応募、NUMOの受理、資源エネルギー庁の認可の過程の全てが姑息で、町民や周辺自治体の意向に反したものでした。
経済産業大臣はNUMOの事業計画変更申請を認めるのは当然ですが、首長の独断で応募できる制度を見直し、沢山町長誕生に至る過程で極度の緊張を強いられた東洋町民に謝罪すべきです。
2007年4月23日、沢山東洋町長が提出した、「応募取り下げ理由書」
2007年4月23日、取り下げ書に町長印を押す沢山町長(写真)
2007年4月21日
高知県東洋町 町長選挙終盤の状況、徳島県知事の考え
マスコミは今回の選挙に至る原因と経過を説明することはほとんどないので簡単に経過を載せます。
今回の町長選挙は、2006年9月高レベル処分場の検討が表面化し、2007年1月に町民が6割以上の応募反対請願書名を提出、2006年3月すでに応募していた事実が発覚、それにも関わらず2007年1月独断で応募(NUMOの受理、経済産業大臣の認可)、町議会が2度の辞職勧告決議を可決、町民が放射性廃棄物持込拒否条例直接請求の可決と前町長再議で否決。町民リコール運動を開始直前に、前町長が辞任し、信を問うとして立候補するという経過の中で、応募撤回を目指す新人候補との間で戦われています。
告示直前までNUMOや経済産業省の高レベル処分説明会、NUMOのチラシ配布、高レベル処分模型展示車の役場前及び町内他の場所での展示がありました。
高知新聞(2007年4月20日夕刊)が終盤の状況を伝えていると考え、全文を転載します。高知新聞ホームページ記事はこちらへ
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2007年04月20日
最終盤つばぜり合い 東洋町長選
核廃決戦、最終盤へ―。核廃棄物最終処分施設をめぐる安芸郡東洋町の出直し町長選は、前職の田嶋裕起候補(64)と、新人で前室戸市議の沢山保太郎候補(63)が22日の投開票に向け、激しいつばぜり合いを展開。両陣営は昼に夜に、街頭や水面下で、最後の票固めに奔走している。
田嶋陣営は、町外出身者の対立候補に対し、町長としての10年余りの実績をアピール。街頭演説などで窮迫する町財政の状況などを繰り返して説明し、交付金事業による町の浮揚を訴えている。
支援者は「これまでは身内、友人、仕事関係の“三本柱”をしっかり回れば票は取れたが、今回は(そうした周辺の人の間で)意見が分かれている」としながらも地道な活動を展開。反核ステッカーが家々の軒先に多く張られているため、表面上は反対派の“包囲網”が目立っているが、陣営幹部らは「周囲の目を気にして張っている家がある」「同じ反対でも濃淡はある」と、「見かけ上の反対」の人らの意思確認などを進め、水面下での票掘り起こしに力を注ぐ。
陣営は「文献調査後でも住民投票の結果によっては、手続きが止まる」とする一方、「町民のことを考えてやってきた本当にまじめな人」と候補の人柄をアピール。20日から本格的な電話作戦を展開し票固めを進める。
一方、沢山陣営は知名度のアップも課題だったが、連日の町内回りで支援の輪を拡大。遊説中、候補本人が顔見知りになった支援者らに大きく手を挙げて応えるなどムードは高まっている。
1月に施設反対の請願書を町議会に出した際に町内で集めた反対署名は約1400人分。陣営はこれを“基礎票”に声掛けの範囲を拡大し、これまでに「反対署名数を相当上回る後援会名簿が集まった」としている。
町内での票争奪戦は厳しい空気を伴いながら展開されており、沢山陣営は連夜、相手陣営をけん制する「見回り」を白浜地区などで実施。町民有志が2―3人一組で街道を歩いたり、核廃施設反対の旗を立てて要所で張り番を続け、民家への人の出入りや車の動きをチェックしている。
支援町議は「家族間で割れているところなどは無理はしない」。陣営幹部は「最終盤は賛否の明確な人ではなく、意見のはっきりしてない人への働き掛けに時間を割く」としている。
法定ビラ2枚ずつ
また、両陣営はこれまでそれぞれ2枚の法定候補者ビラを作成、町内で配布している。
田嶋候補は顔写真に、公約や文献調査への理解を求める文章をつづったシンプルなデザイン。保育学校給食費の無料化▽白浜地区の橋の耐震化による避難道路確保▽深層水事業の誘致による雇用確保―などを公約に挙げて、「東洋町で生まれ育った田嶋にご支援を」を呼び掛けている。
沢山候補は顔写真のほか似顔絵などのイラストを盛り込み、核廃棄物の導入阻止▽反核、民主的なまちづくり▽経費節減による福祉、失業対策―を列挙。放射性廃棄物のガラス固化体を注射器に見立て、「交付金は使い始めたらおしまい!」と“反核”を全面的に押し出している。
【写真説明】町民と候補の握手。「選択」の時、間近。賛否の票はどう出るか(東洋町内)
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沢山候補の法定ビラ 1表 沢山候補の法定ビラ 1裏
沢山候補の法定ビラ 2表 沢山候補の法定ビラ 2裏
◆飯泉嘉門徳島県知事、東洋町有権者への期待
記者会見の引用
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平成19年4月16日 定例記者会見
【高知県の東洋町長選に係る同町の有権者への期待について(質疑)】
(朝日新聞社)
明日、高知県東洋町で町長選が告示されると思うんですけども、隣接する徳島県としては、どんなようなことを東洋町の有権者に期待されますでしょうか。
(知事)
我々としては、この文献調査の絶対的な阻止ということで高知県とも連携をとりですね、県内の関係する町の皆さんともね、市・町かもしれませんが、連携を。また県議会にも大きなその一翼を担ってきていただいたわけでありますんで、こうした結果になるようなですね、形での民意と言いますかね、なっていただければなと。
ここはまずは、町長選挙ということになってきますんでね。やはり東洋町の皆さんのご判断、これが第一になってきますので、今のところとしては、そうした期待を申し上げるしかないかなといったところですね。
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2007年4月19日
高知県知事が東洋町で前町長と面談した際の報道
「高知民報」のホームページに4月6日、前町長と面談した際の記事と知事の記者会見の様子を中心とした動画が掲載されています。
「高知民報」のホームページへ
2007年4月18日
◆長崎市長銃撃による死亡
長崎市の伊藤一長市長が選挙事務所の前で銃撃され、出血多量で死亡しました。
自分と異なった考えを持っているから、あるいは自分の意に従わないから
という理由で、言葉や凶器で脅すことはあってはならないことです。まして生命を奪うなど、言語同断です。
犯人に対する怒りと、核兵器廃絶のために尽力された伊藤長崎市長に深い哀悼の意を表します。
一方、高知県東洋町でも同様な事態が発生しかねない状況が、4月5日に予兆されました。
これに対して告訴はされていますが、室戸警察署は地域性から「この程度では・・・」として動きません。事件が発生してからでは、手遅れです。何社かのマスコミも状況を知っています。未然防ぐ方策の早急な実施を求めます。
◆橋本知事のブログ「デコポンの味」に感激
橋本知事が4月6日に東洋町役場で前東洋町町長と面談した内容と応募に対する明快な考えが、知事のブログ「だいちゃんぜよ」で語られています。
タイトルは「デコポンの味」(2007年4月6日)です。
前町長が、経済産業大臣やNUMO理事長の回答を根拠に、途中で降りられると説明したことについて、知事は以下のように語っています。
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僕からは、多額の交付金を支出しながら、途中で簡単に中止をするという判断を、国がするでしょうかとの投げかけをしましたが、その場には、肝心な回答文の現物がありませんでしたので、後で、その書類に目を通してみました。
すると、回答文には、「当該都道府県知事又は市町村長が概要調査地区等の選定につき反対の意見を示している状況においては、(中略)概要調査地区等の選定が行われることはありません」とあります。
しかし、そこには、知事や市町村長の反対意見があれば、一連の調査を「中止」するとか「断念」するとは、ひと言も書いてありません。
ましてや、住民投票などによって示される、地域の住民の意思をどう評価するかには、まったく触れられていません。
ですから、この回答文を、国の立場で読み込めば、「知事や市町村長が反対の意見を言っている間は、概要調査には入らないが、建設までには、優に20年から30年はかかるので、4年でも5年でも、知事や市町村長が交代するのを待てばいい」ということになります。
もっとわかりやすく言えば、「文献調査という、形ばかりの調査を行う2年の間に、東洋町には、これまで財政上の理由で出来なかった事業を、交付金を使って実施することで、町民の中に理解者を増やしてもらいたい。その状況を見て、全国の他の地区からも、応募の手があがればめっけ物だし、そうならなければ、東洋町に処分場が作れるように、知事なりが替わるのを、時間をかけて待てばいい」というのが、国の本音でしょう。
さらに、その上で考えておかなくてはならないことは、一旦概要調査に入ってしまえば、その後の手続きの中には、知事や市町村長の意見を尊重するという、おぼろげな関門さえなくなって、地域の側に、この事業を差し止めるカードは、もはや一枚も残されていないということです。
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知事の考えは至極もっともです。
知事が応募前の早い段階でこの内容を発信していたら応募が食い止められたかも知れないと考えると、経済産業省が文献調査を認可した後であることが、とても残念です。今後も応募の問題点についての明快な発言を期待します。
経済産業大臣の2006年12月21日付回答
東洋町の質問書(2006年12月14日付)
2007年4月15日
◆ 「東洋町長選 両陣営が始動」
(2007年4月12日高知新聞 27面)
高知新聞の特集 「夢の轍−岐路に立つ東洋町−」
離れた地域ではなかなか知り得ない東洋町の遠くない過去、
国策に翻弄される地方の姿が浮かび上がってきます。
◆1 「国策から国策へ」
(2007年4月12日 高知新聞 1面 6版)
◆2 「途絶えた“大動脈”」
(2007年4月13日 高知新聞 1面 6版)
2007年4月13日
エネ庁、町長が応募取り下げを申し入れたら、応じる
2007年4月12日、講演会のために東洋町を訪れていたエネ庁の和田真佐人原子力立地広報対策室長に、町議会議員が町長の応募取り下げに応じるかどうか尋ねました。和田原子力立地広報対策室長は、調査はすぐに止め、取り下げに応ずると語りました。
取り下げの申し入れに応ずるのは当然です。なぜなら
1.2006年3月20日付田嶋前町長が内緒で応募し、その後NUMOから確認を求められた際、NUMOは取り下げに応じました。決してNUMOが差し戻したのではなく、田嶋前町長が取り下げたから、応じたのです。NUMOは3月1日の核ゴミキャンペーンとの交渉で、返したのではなく、町長が「取り下げた」と強調しました。
2. 2月28日の衆議院予算委員会で吉井英勝氏が同様の質問をし、エネ庁の舟木参考人が「NUMOとしましては、市町村長から応募の取り下げの申し出があれば、これを尊重するというふうにしているものと承知しております。」と語っています。
3.NUMOは「取り下げの意思を尊重せざるを得ない」(高知新聞4月5日)と語っています。
それでもなお、議員は自分の耳で確かめる必要がありました。応募の扱いに対する国の進め方が強引で、信頼できなかったためです。さらに室長の了承を得て録音、証人として新聞記者2人が立ち会ったとのことです。
◆東洋町バージョン処分場のイメージ図作成、文献調査終了時
2007年3月28日、経済産業省はNUMOの東洋町への文献調査を認可しました。NUMOは同日、ホームページに、「高知県東洋町文献調査計画書」をアップしました。
計画書で一番目を引いたのは、東洋町バージョン高レベル処分場のイメージを提示するとしていることです。具体的には「応募区域に処分場を設置した場合の施設のイメージなどについても」取りまとめるとしています。
認可が下りるまで隠されてきた東洋町版処分場概要作成という事実です。
前町長は応募は即誘致ではないと常に語ってきました。しかし処分場を誘致する意思があるからこそ概要調査地区に応募しました。概要調査の先に精密調査と処分場建設があることを承知で応募しました。応募は処分場の誘致です。このことを最も端的に示したものが東洋町版「文献調査に基づく処分場の概要」です。NUMOの目的は高レベル処分場を建設し処分することです。そのために文献調査を行います。その結果を処分場のイメージとして住民に示すのはNUMOに取っては、当然のことです。
「高知県東洋町文献調査計画書」7ページの引用
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4. 補充情報収集と「文献情報に基づく処分場の概要」の作成
地域の方々などに機構の事業内容について理解を深めていただくため,応募区域に処分場を設置した場合の地上・地下施設のイメージを示すことも重要だと考えます。また,次段階以降に実施する自然環境に係わる調査計画の検討のためには,応募区域の自然環境の現況などを把握することも必要と考え,文献調査と並行して,それらに関連した既存情報の収集(以下「補充情報収集」といいます。)も実施します。
補充情報収集あるいは文献調査で得られた情報に基づき,応募区域に処分場を設置した場合の地上・地下施設のイメージなどを「文献情報に基づく処分場の概要」として取りまとめます。
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2007年4月11日
★東洋町で沢山保太郎後援会事務所開き
多くの支持者が駆けつけ、事務所開き。参加した人達は「感動した」と語っています。
高知新聞 2007年4月11日夕刊
「沢山氏が出馬表明 東洋町長選」記事へ
★4月12日 NUMO主催の説明会
電気新聞の記事どおりに進む宣伝活動
場所 東洋町福祉センター 18:30〜21:00
NUMO、資源エネルギー庁、北野 大氏も参加
★NUMO、国、電力が一体となった宣伝に次ぐ宣伝
電気新聞 2007年4月6日 1面記事によると
・NUMOが東洋町の事務所を構える。
・理解活動と称した学者、タレントなどの講演会、原発や六ヶ所
見学(調査の結果が良ければ、処分場になるフィンランドオル
キルオトやアメリカのヤッカマウンテンなども?)を行う。
・四国電力による説明会や日常的な宣伝を行う。
・国の電源三法による交付金事業とは別に、NUMOの「地域
共生」計画づくり。
・テレビや新聞、雑誌への宣伝攻勢
・高知県や徳島県も対象とした「理解活動」(押しつけ活動)を
展開する。
電気新聞 2007年4月6日 1面記事
しかし、東洋町に高レベル放射性廃棄物処分場はいらないと思っている人たちの心を変えることは困難でしょう。
高知新聞 2007年4月11日夕刊
「交付金、補償でなく買収」
2007年4月9日
東洋町長辞職を伝える高知新聞記事 PDFへ
辞意再出馬へ 2007年4月5日 高知新聞 6版 1面
辞職決定 2007年4月5日 高知新聞夕刊 2版 1面
22日投開票 2007年4月6日 高知新聞夕刊 2版1面
チラシ「今回分かった電力会社ウソ 国のウソ」へ
(2007年3月30日時点の『ウソ』発表を対象
核のゴミキャンペーン作成、市民ネット・岐阜編集)
「土佐高知の雑記帳」(ブログ)へ
2007年4月4日
リコールを恐れ 東洋町長辞職
町長選挙に再出馬へ
高知県東洋町の田嶋裕起町長は、4月5日付で辞職し、次の町長選挙に出馬することを、議会運営委員会で表明しました。
町長は4月9日から予定されている町長リコールを恐れ、次期選挙で信任を得て独断で高レベル放射性廃棄物処分場への応募したことを正当化しようとしています。
しかし町民は町長のこうした姑息な対応を許すはずがありません。町長を辞職に追い込んだのは、町民の勝利です。
辞職で選挙がはやまり、最終目標の新町長による応募取り下げが早まります。
町民の皆さんの真の勝利を祈ります。
電気新聞 2007年3月29日、「NUMO 東洋町で文献調査へ」という記事の解説中で、町、NUMO、国の三者協定の動き、知事の訪問などいくつかの節目をあげ、「リコールの動きが本格化すれば、町長自らが選挙に打って出て、5月中に選挙になることも想定される」と書いていました。
5月中の選挙は辞任以外にあり得ず、辞任することがNUMOや電機業界、経済産業省内部で共有されていた(或いは指導した可能性もあり)と観ていました。
2007年3月28日
エネ庁が東洋町の文献調査認可発表、
NUMO、「高知県東洋町文献調査計画書」公表
住民の6割を越える反対、議会の反対を押し切って認可しました。
この認可は、処分事業の強権性を明確に物語っています。
経済産業大臣が、「地元の反対を押し切って強引に進めることはしない」(3月7日)と発言した「地元」とは、住民でも議会でもありません。東洋町長だけです。
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1.資源エネルギー庁 2007.3.28 報道発表
「高知県東洋町での文献調査の実施に係る原子力発電環境整備機構の事業計画の変更認可について」
本件の概要 : 高知県東洋町での文献調査の実施に係る原子力発電環境整備機構の事業計画の変更認可申請に関し、審査を行った結果、機構の業務の適正かつ確実な実施に支障を及ぼすおそれがないと認められることから、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律第64条の規定に基づき、平成19年度事業計画の変更認可を行いましたのでお知らせいたします。
担当 : 資源エネルギー庁 放射性廃棄物等対策室
公表日 : 平成19年3月28日(水)
発表資料名 : 高知県東洋町での文献調査の実施に係る原子力発電環境整備機構の事業計画の変更認可について(PDF形式:218KB)
2.NUMOの発表 (含む「高知県東洋町 文献調査計画書」)
調査結果の報告時には「機構は,応募区域に処分場を設置した場合の施設のイメージなどについても,参考資料として取りまとめる予定」とありました。
具体的には、報告書「文献情報に基づく 処分場の概要」に東洋町処分場のイメージが描かれます。調査は処分場の一里塚そのものですね。
2007年3月27日
◆東洋町議会、町長の再起を受けて拒否条例を否決
再議を受けて可決するための2/3の賛成(7名)を得られず
来年度予算の成立を受け経済産業省、
文献調査の認可を強行か
◆南大隅町長、知事の反対を受け応募断念
知事「県としては造るべきではないと考える」と表明
以下、南日本新聞HPへ
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南日本新聞 2007.3.27 14:29
核処分場誘致を断念/南大隅町長
知事の反対表明受け
(03/27 14:29)
南大隅町が原発の使用済み核燃料を再処理して出る高レベル放射性廃棄物最終処分場の誘致を検討している問題で、伊藤祐一郎知事は27日、「県としては造るべきではないと考える」と誘致反対の姿勢を表明、これを受け、税所篤朗町長は「知事が反対ならあきらめざるを得ない」と述べ、事実上誘致を断念する方針を明らかにした。正式な断念表明は議会との協議後に行うという。
税所町長は取材に対し、処分場の場所は同町辺塚地域の山林を予定していたと説明。「当初から辺塚の住民か県が反対なら撤退するつもりだった。議会の議員も全員賛成で勉強を始めたばかり。町の財政浮揚の切り札として勇気を出したのだが、残念だ」と語った。
伊藤知事は誘致反対の理由について「南大隅地域は観光産業の発展や新たな農業の可能性が開ける地域。安心安全な食の供給という面に悪い影響が出るようなものはやめるべきだと思う」と述べた。
最終処分場は、高レベル放射性廃棄物にガラスを混ぜて固化体にしたものを地下300メートルより深くに埋設。原子力発電環境整備機構(原環機構)の公募に自治体が応じ、適地かどうか調べる文献調査が始まれば、国から年間10億円が交付される。全国で公募に応じたのは高知県東洋町だけ。
南大隅町は20日、原環機構の担当者を町役場に招き、説明会を開いた。税所町長は、今回の予定地は県が募集している産業廃棄物管理型処分場候補地としても名乗りを上げているとし、「核廃棄物がだめなら産廃処分場として採用してほしい」と語った。
◆南大隅町(鹿児島県)、応募検討
南日本新聞よると2007年3月20日、南大隅町がNUMOを呼んで、みなみ大隅町は高レベル放射性廃棄物処分場の概要や応募に伴う交付金の説明受け、今後も検討を続けるとの同町の考えを報道しました。
2006年7月21日、伊藤鹿児島県知事は定例記者会見で、同県宇検村が公募を検討しているとの報道を受けて、「高レベル放射性廃棄物の最終処分は、まだ技術的に納得できるところまでいっていない。最終処分をどうするかはもう少し時間がかかる」(2006年8月22日南日本新聞インターネット版より)
と表明しています。
しかし高知県東洋町長の独断応募を政府を認めた前例から、知事の反対反対、住民の反対を無視し、応募することもあり得ます。
町長は「事業について勉強しただけ。誘致するかどうかは白紙だが、今後も勉強を続けたい」(下記、記事より)との発言は、今までの多くの首長と同じ。応募の意思がなければ説明会は不要なもの。住民や周辺地域の人々は、早急に自らの意思を表示すべきです。
以下、南日本新聞記事へ
核燃料廃棄物最終処分場 南大隅町が誘致検討
原環機構招き説明会
(03/27 07:31)
南大隅町(税所篤朗町長)が、原発の使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致を検討していることが26日、分かった。20日、建設調査候補地を公募している原子力発電環境整備機構(原環機構)を招き説明会を開いた。税所町長は「事業について勉強しただけ。誘致するかどうかは白紙だが、今後も勉強は続けたい」と話した。
町によると、説明会は町役場で行われ、町長や助役、町議会議員ら23人が参加した。原環機構の職員から約1時間半、処分場の概要や必要性、安全性、調査に伴い支出される交付金などについて説明を受けたという。
原環機構は2002年末から全国の自治体を対象に公募を開始。公募に応じ資料で適地かどうか調べる文献調査が始まれば、当該自治体と周辺の自治体に国から年間10億円が交付される。
南大隅町は人口約1万人で、高齢化率42.1%は県内最高。07年度予算の自主財源比率は18.3%に過ぎない。出席した町幹部は「町が生き延びていくための一つの選択肢ではある」と応募に前向きな姿勢を示した。
最終処分場では、高レベル放射性廃棄物にガラスを混ぜて固化体にしたものを地下300メートルより深くに埋設する。
これまで公募に応じたのは高知県東洋町のみ。県内では旧笠沙町が誘致を検討、宇検村も説明会を開いたが、いずれも住民らの強い反対で断念している。
2007年3月24日
神戸大学教授 石橋克彦教授に続いて、高知大学 岡村真教授
東洋町は「日本で最も埋めてはいけない場所の一つ」と指摘
以下、高知新聞 2007年3月24日 夕刊 インタビュー記事 一部引用
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2007年03月24日
東洋町は処分地に不適 高知大・岡村教授に聞く
誘致か、拒否か。高レベル放射性廃棄物の最終処分施設問題で安芸郡東洋町が揺れている。しかしそもそも東洋町の地質は放射性廃棄物を埋めるのに適した場所なのだろうか。南海地震の影響はないのだろうか。同町で行われた討論会に参加した推進派の研究者も、地質や地震に関してはいわば素人。実態を踏まえて「安心」を説明することはできなかった。
高知新聞の取材班は、本県の地質に詳しく南海地震の研究でも知られる高知大理学部の岡村真教授に話を聞いた。同教授は「地質や地震活動の観点から東洋町は国内で最もまずい場所の一つ」と明言。「一帯が世界有数の変動帯。約100年に1度の周期で起きる南海地震の影響で、(高レベル放射性廃棄物を覆った)人工バリアが壊れたり、地下水が地表に流れ出す恐れもある」と説明した。 ―東洋町は最終処分にふさわしい場所か。
地質帯としてはまずい所。日本で最も埋めてはいけない場所の一つといえる。
―根拠は?
東洋町や室戸市の地質の成り立ちだ。室戸沖では海洋プレートが陸側のプレートとぶつかって沈み込み、海洋プレート上の堆積(たいせき)物が陸側に押し付けられる。押し付けられた堆積物は脱水され、ちぎれ、変形するため、分かりやく言えば“ぼろぼろ”の状態。それが押され続けて陸地に付加され、室戸市や東洋町を形作っている。地質的には変形した堆積岩でできた「せん断変形帯」だ。地下300メートルも1キロも同じ地質といえる。
以下、高知新聞 2007年3月24日 夕刊 インタビュー記事へ
東洋町東隣海陽町竹島 東洋町奥河内の中腹
鬼の洗濯板のような海岸 強い衝撃を受けて地層が直立
岩に岩を打ち付けるときれ レンガを積み上げたよう
いな断面を見せて割れる
東洋町の東隣海陽町宍喰浦
「化石漣痕」(漣の化石)国指定
天然記念物
海岸の漣の化石が強い地殻変動で、直立
「化石蓮根」の解説は海陽町観光協会HPへ
2007年3月22日
「震源断層上に核のゴミ捨て場」石橋氏のウエブにアップ
毎日新聞2007年3月18日「発言席」の内容が「石橋克彦 私の発言」の中の「地震学からみた高レベル放射性廃棄物地層処分について」に紙面のコピーではない形で掲載されています。
石橋氏はこのウエブで過去に発表された論文や書き下ろし論文を掲載されるとのことで、更新が待たれます。
「地震学からみた高レベル放射性廃棄物地層処分について」ウエブへ
2007年3月19日
長崎県対馬市議会、高レベル処分場誘致反対決議を可決
過去に原子力船「むつ」の母港誘致が反対でつぶれたことから、核のゴミ処分場は誘致すると推進側は執念を燃やしていましたが、15対8で反対決議が可決されました。
少数の方の地道な努力が確実に伝わって、多くの理解者を得ました。3月2日には合併前の旧6町議会議長経験者が市長に誘致に反対するよう求める要請書を提出しました。
しかし毎日新聞 長崎県内版(2007.3.20)では、以下のように報道され、まだまだ注意が必要なようです。
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松村市長は、個人的には反対で処分場立地に応募する考えはないとしながら「賛成・反対とも島の将来に危機感を持った行動。一方を支持したり押さえつけたりはできない」と静観の立場を崩していない。
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2007年3月18日
「震源断層上に核のゴミ捨て場」
神戸大学都市安全研究センター教授 石橋克彦氏の論文が毎日新聞
2007年3月18日 オピンオンの「発言席」に掲載されました。
論文より抜粋
「東洋町は、安全な処分場の選定が全般的に困難な地震火山列島の・日本の中でも、特に条件が悪い。100から150年ごとに発生する南海地震の巨大な震源断層の直上に位置するからである。このことは、中央防災会議による、次の南海地震の想定震源域からも明らかだ。」
「震源断層上に核のゴミ捨て場」PDFへ
2007年3月15日
参議院議員 広田 一氏(高知県選出)の質疑
2007年3月8日 参議院予算委員会
広田氏の前提:応募が高知県、徳島県にとって最大の問題になっている。
応募で3,400人の町民を二分する 大混乱に陥っている。
現在高レベル放射性廃棄物があり、処分場は必要。
大臣答弁には数ヶ所で誤りかあります。
2007年3月8日 参議院予算委員会議事録へ
<質 疑 の 概 略>
・広田氏
町長が応募した原因、理由、背景についての基本認識を問う。
・大 臣
原子力政策に不可欠な処分場の文献調査に応募いただき評価する。
国のエネルギー政策に貢献する可能性があり、交付金で町の発展を
図るため。
→「文献調査に応募」したとの表現は間違い。※1
・広田氏
町が混乱している、高知県や徳島県、両県議会、周辺自治体が反対し
ている。
地元の合意の有無を国は認可の判断材料とするのか。
・大 臣
町の混乱、県や周辺自治体の反対を認可の判断材料にはしない。
法に従ってNUMOの事業実施に支障がないかどうかがを判断基準
とする。
町の混乱は処分場は安全であるために万全を措置をしているにも
関わらず危険であるかのように誤解しているためである。
→今の技術で安全fは確保されているのか?※2
地元の事情を勘案するのは概要調査に入る前。
文献調査は知事や首長が判断する際の判断材料をそろえるため。
→文献調査に対する、この説明はごまかし。※3
・広田氏
誤解していはない。住民の6割、議会の過半数が反対している。
放射性廃棄物拒否条例制定が認可の判断材料になるのか。
大 臣:放射性廃棄物拒否条例が成立していないので、予断を与える
回答は控える。
・広田氏
安全性のことも含めて、仮定の議論は必要だ。
条例が制定の可否が判断材料になるかならないのか。
・大 臣
賛成・反対がそれぞれに自分たちの考えを理解してもらうために、
努力しいてるので見守る。
→成立しても無視できるが、成立したら目障り。再議で阻止するはず。
広田氏
一部報道では数週間後に認可とあるが、国の認可の目途は数
週間後か数ヶ月かかるのか?
・大 臣
認可の判断は、5,6ヶ月とはかからない。(法にのっとった技術的な
ことも含めて詳細は分からない)
・広田氏
交付金増額の積算根拠を示せ。
・財務大臣
原発の1.4億円より高く設定したが4年間応募がなかった。原子力政策
に必要不可欠で早期に応募自治体を獲得するために増額した。
→まさに交付金で応募自治体を釣る手法であった。
大 臣
交付金増額の積算根拠はを示せない。迷惑施設を受け入れる政治的リスクを乗り越えての応募に対し国ができるだけのことをする。
→まさに、迷惑施設に対す迷惑料と認めた。
・広田氏
国は迷惑施設に多額の交付金を出して、受け入れさせてきた。公募は自治体の自主性を重んじるとしながら、誘致を引き出すために多額の交付金を使っている。
しかし多額の交付金、補助金で4年間も応募がなかったことを総括すべきだ。
・大 臣
世界の状況からみて地域から手をあげてもらうことがベターだと判断した。
提案があったら示して欲しい。
・広田氏
処分場は公共性の高い施設なので、国が科学的根拠に基づいて最も
ふさわしい場所を設定し、国の努力で理解を得るべきだ。
(申し入れ方式は広田氏個人の考え方。)
・大 臣
日本では昭和52年から62年までの間衛星写真などにより候補地選定の基礎的調査をやって、関係自治体の反発を招いた。フランス等でも一方的に場所を選定したたため激しい反対運動があった。そこで、公募という方法を取った。
→公募にした理由で誤った答弁※4
広田氏
今、国がすべきことは交付金をつり上げることではなく、高レベル放射性廃棄物の処分の必要性を国民に理解してもらうこと。処分の重要性を理解できないままこういうことになることに強い懸念をもつ。
------------質疑は以上---------------
※1→今の技術で安全fは確保されているのか?
今も国は多くの委託費を使って処分の研究を継続している。今現在で安全が確保されているかのようにいうのは間違っている。
そもそも処分研究の立坑すら大量の地下水湧出で、建設に2年以上の遅れが出ている。
※2→文献調査に対する、この説明はごまかし。
「高レベル放射性廃棄物の最終施設の設置可能性を調査する地区」つまり、概要調査地区に応募したものである。そもそも応募は最終処分場を設置することを想定した上では行うもの(NUMOの応募要領P.3※印に明記。2001年10月NUMOの「特定放射性廃棄物の概要調査地区等選定手順の基本的考え方
NO.3」にも明記)。「文献調査に応募」したということで、高レベル放射性廃棄物最終処分場とは関わりの薄いものであるかのごとく印象づけようとしており、意図的すり替え。
※3→文献調査に対する、この説明は正しくない。
文献調査は当該調査地域が概要調査地区に値するかどうかを文献により調査することが目的である。結果として知事や首長に示すことがあっても、知事や首長の提示するためではない。
大臣は文献調査の結果を知事に示し、知事に「心情的反対」ではなく「科学的」反論することを求めるもくろみがあり、知事や首長への判断材料提供を強調するのであろう。
※4→公募にした理由で誤った答弁
動燃の処分候補地選定調査が関係自治体の反発を招いたので、公募方式にしたとの説明は誤り。
・2001年10月 NUMO、公募計画公表。
・2002年12月 NUMO、公募の開始。
・2003年2月 旧動燃が航空写真と現地調査で処分候補地を選んで
いた報告書の地名の公開を求め名古屋地裁に提訴。
・2004年12月 旧動燃、名古屋地裁で敗訴。
・2005年1月 旧動燃、控訴断念、開示。
旧動燃、処分候補地に選ばれていた自治体から反発を
受けた。
2007年3月13日
東洋町町長の応募を巡る高知新聞の特集記事
◆核廃ショック 東洋町・文献調査申請
上 「怪文書の指摘的中 町民不在の応募」(2007年3月2日)
中 「交付金で“実績”狙う 推進のシナリオ」(2007年3月3日)
下 「住民に深い“亀裂” 届かぬ反対の声」 (2007年3月4日)
◆住民主催公開討論会(2007.2.27開催) (2007年3月7日)
◆東洋町核廃に自民の影!?( 高知新聞 2007年3月4日)
◆「窪川原発騒動の悲劇を思い出す」 (高知新聞 投稿 2007年3月7日)
「本紙で東洋町の高レベル核廃棄物処分施設問題の記事に触れるたびに25年前の旧窪川町でのつらい過去が脳裏に思い浮かびます。原発推進・反対で町は二分し、親子・夫婦・親戚・隣近所で意見の違いから対立が生じ、地域社会が数々のトラブルに見舞われたことでした。
大学を卒業し、都会から帰ってきた文化人気取りの私はジャズのライブや映画の上映会にうつつを抜かす政治無関心の“遊び人”でした。しかし、そんな人間に対しても原発騒動が激しくなるにつれ、嫌がらせ電話やカミソリ入りの手紙が舞い込みだし「活動を止めなければ殺す」と脅迫される。土佐人らしい反逆精神から原発反対に傾きだすにつれ、推進派だった父親とけんかが絶えなくなる。父親いわく「商売人は見ザル、言わザル、聞かザル、ただ金もうけだけを考えていたらいい」。対して私は「お父さん、原発に反対するのは人類の進むべき道。お金を超えた問題だ。もっと視野を広くて」と。
ある日、父親は猟銃を持ち出し、「金もうけを邪魔する息子は殺す」と引き金を引こうとし、パトカーが駆けつける騒ぎもありました。その父親も「チェルノブイリの事故を見たら、おまえが正しかった。」との言葉を最後に病死しました。
東洋町長や東洋大敷組合長さん、このままだと旧窪川町と同じ十年騒動になります。その中で若者や子どもたちが差別を受けたり、人権を侵害をされたりして苦しみ続けます。あの悲劇を繰り返さないで!」
2007年3月9日
応募したら おりるのは困難
◆概要調査に反対するなら、知事や首長は科学的な理由を述べよ
2007年2月28日、衆議院予算委員会 第7分科会で吉井英勝氏が東洋町の状況について質問しました。
この質疑の最大のポイントは、概要調査に入る前に知事や首長の意見を聴くことになっている、その際には心情的ではなく、「反対の理由を述べよ」と限定しようとしている点です。つまり国は、知事や首長はNUMOの出したデータの誤りを指摘し、その指摘が正しくない限り、おろさない方向です。※
吉井氏:住民、町議会、徳島県を含む隣接自治体首長及び議会、高知県及び徳島県知事の反対がある中、町長一人が手を挙げたからということで、強引に突っ走って文献調査を認可すべきではない。
甘利経済産業大臣:文献調査、概要調査、精密調査に行くためには「ちゃんと了解をとらないと行きませんということを申し上げているわけです。その判断をするための材料はそろえなきゃならならぬと思います。心情的に嫌だから反対だということの反対ではなくて、これこれこういう理由があって、心情的なものも当然、出しちゃいかぬとは私は申し上げません。だけれども。科学的な資料、データもおそろえした方がより親切ではないというふうに思っております。」
◆町長の独断応募を認める理由
・NUMOの公募という事業計画を経済産業省が認可した。
・地方自治法上も、地方自治体の長はその地方公共団体を代表する。
・市町村長名で応募するきまりである。
・東洋町長名で応募した。
・東洋町長に応募の意思があった。
・町長の応募をNUMOが審査し、NUMOから申請が上がったものを
経済産業省が適正に審査していく。
(舟木政府参考人の答弁)
<意図的に手続きの欠陥をつくり、首長の独断応募を狙った。>
◆リコール後の新町長の取り下げにNUMOは応ずる
吉井氏:リコール後、新町長が取り下げたら文献調査はなくなるか?
舟木政府参考人:「NUMOとしましては、市町村長から応募の取り下げの
申し出があれば、これを尊重するというふうにしているものと
承知しております。」
※補足
エネ庁放射性廃棄物等対策室の話し
公式に知事や首長に意見を聴くのは最終段階。その前に説明や話し合いを行う。 文献調査終了時には、概要調査の概略が示す。
<全てが、次の概要調査に進むように仕組まれている。>
吉井氏の東洋町についての質疑の部分のみPDF
2007年3月7日
◆「地元」とは誰のこと?
2007年3月7日の高知新聞は、東洋町が「文献調査に応募したことは大変ありがたいことだが、地元の反対を押し切って強引に進めることはしない」と甘利経済産業相の言葉を伝えました。経済産業大臣、資源エネルギー庁、NUMOのいう「地元」とは東洋町長のことで、東洋町の議会や住民は含みません。
「強引には進めない」2007年3月7日の高知新聞記事へ
2007年3月9日
TRU廃棄物の危険性
高レベル放射性廃棄物処分場に併置でいいの?
TRU廃棄物を高レベル処分場に併置可能にする法改正が国会で審議されようとしています。TRU廃棄物はヨウ素129(半減期 1,570万年)は水に溶けやすく、しかも水と共に移動し、私たちの生活圏に到達しやすく危険です。
原子力資料情報室の共同代表 西尾漠氏は「TRU廃棄物とは、TRU(超ウラン元素:ウランより重い元素で、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウムなど)をふくむ廃棄物で、再処理工場やMOX燃料加工工場の操業・解体により発生する。「長半減期低発熱性廃棄物」には、TRUのほかに炭素14やヨウ素129などもふくまれている。いずれも半減期が非常に長く、強い放射能毒性を有する。」と説明し、
その問題点を
「1.オーバーパックの腐食などへの影響
2.緩衝材(ベントナイト)の止水性などへの影響
3.処分場近くあるいは広域での地下水の流動特性などへの影響
4.同じく岩盤の透水性などへの影響
結果として人工バリアでも天然バリアでも、放射能をより移動させやすくする可能性がある。
国や電力業界は、TRU廃棄物と高レベル放射性廃棄物の処分施設を併置するとはいっても300メートル程度の距離をあけてつくれば大丈夫としているが、その根拠はないに等しい。高レベル放射性廃棄物の処分についても、とりわけ広域・長期の影響は、ほとんど未解明だが、それよりさらに知見は乏しいのである。
線量評価では、高レベル放射性廃棄物処分の最大被曝線量は処分から約80万年後で、年間約0.000005ミリシーベルトとされているのに対し、TRU廃棄物では約1万年後で、年間約0.002ミリシーベルトと、最大被曝予想量は400倍となり、最大を迎えるまでの期間も短い(ともに当時の核燃料サイクル開発機構=現・日本原子力研究開発機構の評価)。この評価値はどちらも数ケタの過小評価が疑えるが、それはともあれ、TRU廃棄物が加わることで危険性がより高く、かつ身近になることは間違いない。
処分作業時の事故を考えても、アスファルト火災や、炭素14、ヨウ素129の揮発など、TRU廃棄物の危険性は大きいと言えるだろう。」と警告しています。
原子力資料情報室「高レベル放射性廃棄物処分関連の法改正の動きについて」(2007.3.9 西尾 漠氏)
「埋め捨てにしていいの?原発のゴミ」(地層処分問題研究グループ)の解説「将来の被曝」(6-7p)では、
「これまではガラス固化体だけが地層処分の対象でしたが、再処理工場から発生する放射性廃棄物の一部も、同じ処分場に地層処分できるように法律が変わります。これらの廃棄物に含まれるヨウ素や炭素は地下水中の移動が速いので、ガラス固化体の100倍以上も被曝の影響が大きくなります。
将来の世代に取り返しのつかないことが起きる可能性を否定することはできません。」と危険性を指摘しています。
こうした危険なTRU廃棄物を、低レベル放射性廃棄物という区分で、高レベル放射性廃棄物共に受け入れさせようとする姑息さを強く指摘していきたい。
2007年2月27日
原子力は常に民主主義を踏みつけて、金で事業を強硬する。
NUMO、強い反対(東洋町住民60%以上、町議6割、高知県知事、徳島県知事、周辺自治体)を無視、東洋町を文献調査対象として国に申請を決定
2007年2月27日、NUMO理事会は東洋町を文献調査地域として、経済産業省に事業計画変更申請することを、決定しました。
・徳島新聞の記事はこちら 徳島の憤りを率直に伝えています。
・高知新聞の記事はこちら
・中日新聞の姿勢が伝わる記事はこちら
・NUMOの発表はこちら
最近、高知県東洋町、長崎県対馬のことがテレビで放送されるようになりました。とりわけ東洋町長の独断応募は問題視されます。新聞は多くの場合は、地方の問題として取り上げます。
ところが、高レベル放射性廃棄物地下処分は可能なのかとの視点が全く見落とされています。経済産業大臣の幾重にも防護して埋めるのだから、危険は無いというコメントだけが流れます。
しかし地下水と地震の日本で、人間に影響を与えないまで放射能が減衰する期間が100万年はかかると言われている高レベル放射性廃棄物を埋め捨てて、安全性が確保できるのか、世界の各国で処分が進まない理由について検証されたことはありません。仮に事故がなくても日常的に放射能を排出し、放射性廃棄物を発生させる原子力を使い続けるのかという視点を持たない限り、取り返しのつかない汚染物質を作り続けることに荷担していることになります。
2007年2月26日
福岡県二丈町でも応募の動きが2005年から水面下で継続していました。
私たちの町でもひそかに進行しているかも知れません。
毎日新聞 2007年2月26日 記事転載
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放射性廃棄物最終処分場 二丈町で誘致の動き
シンポに町議ら参加 町長は「寝耳に水」
「原子力発電環境整備機構」(東京都港区、原環機構)が全国の自治体に公募している高レベル放射性廃棄物最終処分場を巡り、福岡県二丈町で誘致の動きがあることがわかった。05年以降、原環機構からの説明会を数回開き、茨城県東海村の原子力関連施設への視察も実施した。参加者には町幹部や町議も含まれ、統一地方選後の町議会に請願を出すことも検討しているが、筒井秀来町長は反対の立場を明言している。
関係者によると、05年以降、一部の町議が中心となり。地元建設業者や町幹部らとともに原環機構の職員を招いた説明会が町内で開かれた。06年7月に福岡市で経済産業省などが開いた放射性物資処分関連のシンポジウムには町幹部、町議ら20数人が参加した。
筒井町長は「04年ごろに誘致話を聞いたが断った。今回の動きは寝耳に水。周辺市町との合併を検討中で、話が出ること自体が迷惑な話。処分場の安全性には疑問があり反対だ」と語った。同機構は「説明会の事実について一切明らかにできない」としている。
二丈町は福岡県西部にあり、人口1万3000人。前原市などとの合併を再検討するなど厳しい財政運営が続いている。
最終処分場は、原環機構に応募するだけで10億円の交付金が2年間、自治体に交付される。処分場となった場合には年200億円を超える交付金や固定資産税が見込まれる。誘致の動きは02年以降、熊本、鹿児島、処分場が、長崎などで相次いで表面化したが、強い反対運で多くが頓挫。高知県東洋町は先月、町長の判断で全国で初めて応募したが、議会が辞職勧告決議を可決するなど激しい反対運動が起きている。 【横田信行】
2007年2月23日
徳島県庁のHPに「東洋町の応募に対する徳島県の動き」が新設されました。
知事がNUMOや経済産業大臣に提出した文書、知事の記者会見での発言などが資料として掲載され、この問題に対する徳島県の姿勢がよくわかります。
2007年2月21日
愛媛県知事、市町が応募なら、全面否定せず
2月21日の愛媛新聞の報道より
愛媛県知事は定例記者会見で、市町が応募した際のスタンスを記者から問われ、「頭からノ−と、かかっていく事柄ではない」
「原発立地県を理由に、受け入れ可能性は「ないとはいえない」
等とも語ったとのことです。
以下、愛媛新聞記事へ
愛媛県は1980年代の旧動燃の処分候補地調査報告書で適正地区とされた地域が3箇所ありました。その3箇所は、高知県側の処分候補地よりランクが上とされていました。
・菊間町と大西町との境界部分
・北条市西部
・東伊予市と玉川町の境界部分
でした(市町名は旧の表示です)。
旧動燃は一連の報告書で新潟県中越地震被災地の守門村、入広瀬村を処分候補地とするなど報告書に信頼性はありませんが。
旧動燃報告書のうち
★リモートセンシング(航空写真およびランドサット調査)による適正地区等に関する自治体リスト
★地層処分にかかわる調査報告書の公開について(お知らせ)2005.3.30に
一連の報告書名や適正地区等の自治体リスト、言い訳が納められています。
原子力機構となっても、当時の様々な資料をHP上残していることは評価します。
2007年2月14日
東洋町をめぐる新聞記事 アップ
1.ばれた2006年3月20日の応募
2007.1.15 高知新聞 夕刊
「東洋町長 昨春に応募 軽率行為に批判必至」
2007.1.16 高知新聞
「『無責任』渦巻く不信」 「町民6割超が反対署名」
2.東洋町長独断応募
2007.1.26 高知新聞
「東洋町長 核廃施設に応募」「反発強く混乱必至」
2007.1.26 高知新聞
「突然の応募に衝撃」「『横暴だ』議会に怒号」
2007.1.27 高知新聞 「室戸市長ら反対申し入れ」
2007.1.29 徳島新聞夕刊
「海部3町議会が反対決議」「町長に手渡す」
2007.1.31 徳島新聞
「調査書受理 撤回を」「知事 国などに要請」
3.放射性廃棄物持込拒否条例署名開始
2007.1.31 徳島新聞 「拒否条例求め署名開始」
4.特集
2007.2.1 東京新聞 「勉強したら45億円」 「貧しくてもこの自然」
2007.2.1 電気新聞 「東洋町長の決断上 応募時期と手法」
2007.2.2 電気新聞 「東洋町長の決断下 合意形成に向け」
5.高知県知事と徳島県知事 NUMOと国へ
高知県内の周辺議会も反発
2007.2.6 徳島新聞 「知事ら国に反対申し入れ」
2007.2.6 朝日新聞 「3議会誘致反対可決 東洋町長に決議文」
6.東洋町臨時議会、特別委員会
2007.2.9 高知新聞 「東洋町長に辞職勧告 辞職の考えない」
2007.2.10 高知新聞 「『なぜ急ぐ』『財政厳しい』」
「賛否二分 混迷深まる」
2007.2.10 高知新聞 「国側 首長、知事の意見重視」
◆応募したら、市町村長を変える以外に取り下げる方法がない
電気新聞のタイトル「応募時期と手法」にあるように、東洋町長の応募は請願の議会判断を恐れ、高知県議会改選に伴うリコール署名などの動きが取りにくい時期、国会の動きなどを見定めたものでした。
また、NUMOや経済産業省は、規定どおりに進みます。
従って住民や議会の批判の有無は全て地域の問題、住民と首長の問題。
首長の応募を批判するなら住民が首長を変えろと言っています。これは1999年の当時の通産省の考えと同じです。こうしなければ、高レベル放射性廃棄物処分場はおろか調査すらできないと、原発や再処理の立地経験から知っているのです。
今後は、NUMOの事業計画変更申請を受けて早い時期に認可し、徳島県側を含めた地域に交付金を与えるでしょう。地方を混乱させ、疲れさせ、地域が口をつぐむのを待つのが経済産業省とNUMOの仕事です。
私たちが高レベル放射性廃棄物処分場から地域を守るためにすべきことは明確に示されています。
2007年2月10日
2月13日(火) 町民決起集会
町長への抗議と反対する町民の方々へのメッセージを!!
田嶋町長が住民6割の応募反対請願を議会に諮ることを恐れ、独断で高レベル放射性廃棄物処分場に応募した高知県東洋町で、町民による
「2.13 高レベル放射性廃棄物の東洋町持込に反対する町民決起集会」が開かれます。
★決起集会に向けて町長への抗議文と、反対する町民の方々へのメッセージを寄せてください。
東洋町だけの問題ではないこと、支援している人がいることを伝えましょう。
2.13決起集会の呼びかけ檄文へ
◆町長への抗議文などの届け方
1.開催日までに届くように直接、呼びかけ人の方に郵送などで届ける
2.市民ネット・岐阜 toyogikai@yahoo.co.jp にメールを入れる
メールの場合は2月13日(火) AM6:00までにお願いします。
放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜から町長への抗議文
2007年2月9日
・東洋町長の辞職勧告決議可決、
・応募反対請願、可決
・放射性廃棄物等持ち込みに反対する決議を可決
高知新聞- 2007.2.9夕刊より
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東洋町長に辞職勧告 核廃施設問題
安芸郡東洋町の高レベル放射性廃棄物最終処分施設問題で9日、同町議会の臨時議会が開かれ、「議会や住民の意思を無視して処分施設候補地に応募した」として、田嶋裕起町長に対する辞職勧告決議案を賛成多数で可決。さらに、放射性廃棄物の持ち込みに反対する決議を可決、応募反対の請願も採択した。決議などに法的拘束力はないものの、町議会として初めて明確に「核廃施設反対」の意思を示したことになり、候補地選定への手続きを進めている原子力発電環境整備機構(原環機構・東京)や国の対応が注目される。
以下、高知新聞 夕刊へ
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国もNUMOも目の前で、議会の意思と町民の意思を見せつけられながら、それでも手続きを進めるといいます。
このまま進めたら日本の原子力政策への不信として、大きな反発を受けることになるでしょう。しかも、交付金の徳島県海陽町側への交付や県への交付など露骨な口封じは、反発を一層激しくするだけです。
電気新聞 2007年2月7日 記事へ
なお、町長の2006年3月の応募書類の公文書毀棄(きき)容疑告発が、受理されたと2月8日付讀賣新聞 高知県内版に掲載されました。
以下、部分粋
<応募書類破棄で町長告発状受理>
一方、室戸署は7日までに、田島町長が昨春、原子力発電環境整備機構から返された応募書類を破棄したとして、「町の核廃棄物埋設施設建設に反対する県民連絡会」の沢山保太郎代表から公用文書等毀棄違反容疑で出された告発状を受理した。
讀賣新聞 高知県内 2007.2.8
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2007年2月8日
岐阜県知事に要望書を提出
高知県東洋町長のような暴挙を二度と繰り返さないために、岐阜県を高レベル放射性廃棄物の処分場にしないめに
・文献調査段階から知事の意見を反映させる制度とするよう、経済産業大臣に強く要請すること
・岐阜県は高レベル放射性廃棄物処分場を受け入れないことを、知事から経済産業大臣に文書で申し入ること
この2点を古田知事に要望しました。要望書へ
回答日は設けていません。知事が口頭で経済産業大臣に要請されたり、文書を出されたときは、担当課から私たちに連絡や提出した文書の写しを見せてもらうようお願いしました。
古田知事は昨年、資源エネルギー庁官に、岐阜県は高レベル放射性廃棄物処分場を認めないと、直に伝えています。それを聞いて私たちは嬉しく、頼もしく思います。
しかし、要望書に具体的に述べている滋賀県知事の意思確認の事例があります。
もう一つは、高レベル放射性廃棄物処分場の候補地が決まらないことに苛立つ自民党議員は、公募だけでなく幅広く検討すべきだ。つまり、申し入れも検討すべきだといいます。今国会でも、公募方式の是非が取り上げられる可能性があると、電気新聞が2007年1月18日の記事で伝えています。
仮に申し入れが水面下でされるとしたら、地下調査が最も進んだ、岐阜県東濃地域の可能性が高いのです。しかも、市町村長に水面下で申し入れられても、概要調査段階に入る前まで、意見を述べる場が法的に確保されません。このような状況を避けるために、文書で知事の意思を表明して欲しいと強く要望しています。
2007年2月5日
経済産業省すら懸念 町長の独断応募
経済産業省の常識を歓迎
町長は応募の撤回又は取り下げを!!
東洋町町の独断応募は、NUMO、経済産業省、電事連にとっても、諸手をあげて歓迎するような状況にはないことが、2月4日の中日新聞 36面「」原発ゴミ処分場誘致に町長が独断応募」で明らかになりました。
同記事より、町民の6割の反対署名、議員の6/10人の反対の中で応募を宣言したことを受けて、「『熱心な賛成派もいるが、もっと地元の理解が必要だ』。処分場建設地を決め、核燃料サイクル政策を進めたい経済産業省の幹部も、突出した動きを懸念する。」と語っています。
2007年2月4日中日新聞 36面11版 記事
2月1日にNUMOや経済産業省と話した際、本心から応募を歓迎しているとは、受け取れませんてせした。
経済産業省の常識を歓迎し、町長の応募を撤回又は取り下げを強く求めます。
2007年2月4日
徳島県議会、初日(2月15日)に誘致反対決議採択へ
朝日新聞 徳島県内( 2007年2月3日)記事より抜粋引用
◆県議会が誘致反対決議へ
高知県東洋町が高レベル放射性廃棄物最終処分場の調査候補地に名乗りを上げた問題で、県議会が誘致反対決議をすることになった。2日の各会派の会長・幹事長会で自民党明政会の福山守議員が提案、了承され、2月定例議会初日の15日に採択する。
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毎日新聞 徳島県内( 2007年2月3日)記事より抜粋引用
高知県東洋町が高レベル放射性廃棄物処分場調査を申請した問題で、開会日に反対決議案を採決することも決まった。
毎日新聞 2007年2月3日
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決議を、東洋町長だけでなく、NUMOと経済産業省大臣、首相に必ず届けて欲しい。
NUMOと経済産業省は文書を持参するか、送付されない限り、調べようがない、確認できないとの理由で無視する。必ず、届けて欲しい。直に届けるのが一番有効。
2007年2月2日
NUMOに応募書を「受理」するなと申し入れ
2月1日、核のゴミキャンペーン設定のNUMOと経済産業省に話し合いに、市民ネット・岐阜も参加させてもらい、NUMOには申入書を提出しました。
NUMOへの申入書はこちら
NUMOの規定には、「受理」という言葉がない!
だからHPでは「いただいた」と表現している。しかし一般的な「受理」と受け取ってもらって良い。
ナポレオン以上に、すごい組織だと関心(寒心?)しました。
詳しくは、ふくろうの会のブログへ
●NUMOと経済産業省の結論
NUMOは応募書をいただいたので、文献調査の手続きに従って、進めるだけ。
東洋町内とその周辺自治体にどのような動きがあっても、それを含めて首長の判断。
経済産業省はNUMOから申請があったら、法律に則って進める。
●岐阜県の6団体の申し入れは「とりあえずお預かり」!!
1時間のはずが、最初から30分の約束だったと、声を張り上げていたので、読み上げずに、概要を説明して手渡しました。
業務部総務吉松氏が「とりあえずお預かりします」と言ったのにも『エッ!』です。
吉松氏に渡したのではない!理事長に必ず渡すようにと念押し。
●受理ではなく「受領」のと訂正したことに文書で説明を求める
「受理」ではなく「受領」と何回も訂正した立地広報課のIさん確かにNUMOの職員でした。
NUMOには受理という言葉がないのに、なぜ「受理」ではなく「受領」だと、何回も繰り返しこちらの発言を訂正したのか。しかも、Iさんは「受理」という言葉がないとか、「いただいた」や「受領」を「受理」と受け取って良いとは、説明しなかった。狐か狸に化かされたような気分です。
そこで以下の説明を文書でするよう念を押して帰りました。
・Iさんが「受理」ではなく「受領」だと繰り返し説明したのはなぜか。
・組織として不統一な説明をしたら、国民は困る。 信頼が置けない。
「受領」と訂正した(組織内の)経緯を文書で説明すること。
2月2日夕方になっても、NUMOから説明は届きません。
●感想
1. こんな強硬姿勢を貫いたら推進側は、今後困るはず
2. 首長の判断1つで応募できる、こんな暴挙が「民主主義」と言われている社会で許されるはずがない。
3. 特にNUMOには言葉のすり替えで、言い繕う可能性が高いと不信感を抱きました。
1と2のこの感想を裏付けるかのように、東洋町の議員らが、東洋町長を告発しました。
高知新聞 2007年02月02日より転載
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2007年02月02日
東洋町議らが町長告発 核廃施設問題
安芸郡東洋町の高レベル放射性廃棄物最終処分施設問題に絡み同町議らが1日、田嶋裕起町長が昨年3月に原子力発電環境整備機構(原環機構)に提出した応募書を破棄したとして、公文書毀棄(きき)容疑で室戸署に刑事告発した。
告発したのは、「東洋町の核廃棄物埋設施設建設に反対する県民連絡会」の沢山保太郎代表と田島毅三夫町議。
告発状によると、田嶋町長は昨年3月20日付で高レベル放射性廃棄物最終処分施設候補地への応募書を作成。原環機構に提出したが受理されず、同28日に返還された後に破棄したとしている。田嶋町長は応募した事実の証拠を隠滅するために、公文書を破棄したと考えられる―などとしている。
同署は、応募書が公文書に該当するかどうかや破棄したとされる事実関係を調べ、受理するかどうかを決める見通し。
この問題に関しては、1月22日に開かれた町議会全員協議会で、返還された応募書の行方について質問があった。これに対し田嶋町長は、探したが見つからないことを説明していた。
田嶋町長は「破棄したかどうかは定かではないが、現実に見つかっていないのは事実。告発に対しコメントできる立場ではない」としている。
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NUMOの玄関(人を拒むドアの掲示)
東京都港区芝 三田NNビル2階
2007年1月31日
東洋町長の応募が、住民の力を引き出した
・東洋町長の独断応募で、町の方々の動きが一段と積極的なり、条例制定を求める直接請求の署名集めに入りました。
・東洋町の徳島県側周辺3町(海陽町、牟岐町、美波町)議会が臨時会で反対決議をあげ、即日東洋町長に手渡しました。
・朝日新聞高知県版によると、徳島県側周辺3町は合同でNUMOに対し、「手続きの取り消しと同処分場設置反対を申し入れる」とのことです。
NUMOや経済産業省に文書で申し入れることは大変有効です。
以下、関係記事へ
■高知新聞 2007.1.30
「核廃持ち込み拒否条例を 東洋町民有志」
「徳島の3町議会反対決議」
■徳島新聞 2007.1.30
「核廃棄物拒否条例を」 高知・東洋町住民、近く署名集め直接請求
■徳島新聞 2007.1.29 夕刊
「海部3町議会が反対決議 東洋町の核廃棄物最終処分場の誘致 」
■ 朝日新聞 高知県内版 2007.1.30
拒否条例署名活動へ/核処分場応募の波紋
2007年1月29日
東洋町の応募書は「受理」ではなく、「受領」しただけ
ならば
「受理するな」の声をNUMOに届けましょう
誤解ないで!「受理」ではありません
NUMOの立地広報部立地グループ・I氏は東洋町の応募書は「受領」した。「受理」してはいないと1月29日、電話での質問に答えました。「受領」とは「応募書をうけとっただけ」という意味だそうです。
現在は受領した応募書の地域が、文献調査の対象となる地域かどうか、確認している段階で、この確認に数週間かかるとのことでした。
町長の応募は暴挙です。この確認期間中に、受理するなの声をNUMOに届けましょう。
◆簡単な経過と知事や周辺自治体の対応
・1月15日
町民の6割を越える高レベル処分場への応募反対の請願署名を、
5人の紹介議員を得て議長に提出。議長も反対。
・1月25日
午後、請願の取扱を相談するため、全員協議会開催。
全員協議会の場で町長が、同日午前に応募書を提出したことを報告。
・高知県知事は勿論、隣接自治体の室戸市長も、議会も反対。
隣の徳島県知事も隣接する海陽町も強く反対。
田嶋町長は、町民の意思も、議会の判断も、隣接自治体の批判も、知事の批判も、一切無視して応募しました。町長の暴挙です。
◆電事連会長 事態を憂慮
電事連の勝俣会長でさえ1月26日の記者会見で、東洋町が文献調査に応募したことをありがたいとしながらも「住民の合意が十分ではないとうかがっており、憂慮している。」(電気新聞 1月29日)と述べています。 身内の電事連でさえ憂慮しています。
このような状況での応募を、NUMOが受理することは許されません。
「受理するな」との声をNUMOに届けましょう。
●NUMOの連絡先
◆ NUMOのメールアドレス:webmaster@numo.or.jp
◆電話:03−4513−1113 立地広報部広報グループ
◆FAX:03−4513−1299
◆住所:〒108−0014 東京都港区芝4−1−23
三田NNビル2階 原子力発電環境整備機構(NUMO)
◆NUMOのHP「高知県東洋町からの応募について」には
「応募書」を高知県東洋町よりいただきました」とあり、「受理」とはせず、さりとて「受領」ともありません。原子力機構と同等かそれ以上に、言葉の使い分けを意識しています。
わたしたちは注意深く確認する必要があります。
2007年1月27日
NUMO 東洋町の応募を受理
高レベル処分地選定は強権で行うことを実証
・町 長:5人の紹介議員による住民の6割以上の反対請願審議を恐れ、
議会での審議前に応募
周辺自治体首長の慎重な対応を求める要請を無視
・NUMO:高知県知事の受理しないようにとの要請を無視
町長、NUMO、それを支えた経産省資源エネ庁の暴挙です。
この事実は、高レベル処分が強権のもとで行われることを私たちに示しました。
わたしたちの地域でも起こりうるこの現実を、多くの人に伝えましょう。
「私たちは微力でも、無力ではない」という六ヶ所村ラプソディー鎌仲監督の言葉を心に刻んで。
★高知県では「核廃棄物拒否条例」制定をめざして、署名活動を行っています。
エール、知り合いが高知県にいるかたは、ぜひ、こちらのブログにアクセスを!
「それがたまるか!」
2007年1月26日
東洋町長、議会の判断を恐れて応募を急いだ
1月25日午後、東洋町議会は全員協議会を開催し、応募反対の請願の扱いを審議する場でした。その日の午前中に町長は町職員に書類を作成させ、応募書を提出するという暴挙に出ました。
◆暴挙に出た理由
・自治体の長としてやってはならない暴挙に出たのは、全員協議会で請願取扱を検討する前に、応募の既成事実を作りたかった。
それほど請願署名の数と紹介議員の多さを恐れた。
・そして、NUMOの本音が後押しした。
1月23日付読売新聞によると、NUMOは1月22日の東洋町全員協議会で、
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議員からは「賛成、反対両派がいがみ合っており、このままでは決定的な
亀裂が生じてしまう」として、同機構側に当面、応募を受け付けないように
迫る意見も出たが、機構側は「応募に関しては、首長に判断してもらえばいい。
町や議会でどのような議論になっているかは斟酌する必要がない」とした。
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と答えています。まさにNUMOの本音です。
同様の内容は、高地新聞2007年1月26日の記事にも「不備なければ受理 原環機構 」との小見出しがあります。
高レベル処分場についての説明が開かれたから、応募の要件は整ったとNUMOは言い訳するでしょう。
NUMOには一切説明をさせない、地域に立ち入らせないことが地域を守る方法です。
・エネ庁とNUMO、電力の国会対策
資源エネ庁とNUMOが決めた予定通りに処分地の選定が進まないことに、自民党の国会議員は苛立ち、公募だけでなく申し入れを取り入れることを資源エネ庁やNUMOに働きかけていました。青森県知事も同様の意向を示していました。
国会で公募の状況や処分地選定に関わる質問が出されることは必至の情勢。
(関連する電気新聞2007年1月18日記事へ)
非難を回避するためや、突破口となる地域を求めていた。
高地新聞記事 2007年1月26日
「東洋町が核廃施設に応募 田嶋町長が決断 混乱必至」へ
「突然の応募に衝撃 核廃棄物処分施設」へ
高知県東洋町HPの高レベル処分場問題の窓口
NUMOのHP
資源エネルギー庁高レベル処分のHP(問い合わせ窓口あり)
◆混乱と恐怖を与える原子力政策
原子力は民主主義とは相容れないことは、超深地層研究所をはじめ過去の原子力施設立地が証明している。
しかし、数百万年にわたる放射能の猛毒を地下に抱える地域に、町長の独断で応募できるとしたら、日本は民主主義国家ではない。原子力を進めるためなら何でも許される社会にすること。 わたしたちは原子力にひれ伏す地域社会にしてはならないと考え、様々な行動をとります。
◆暴挙の波紋 岐阜県内は大丈夫?
東洋町長の暴挙の波紋はは高知県や東洋町と隣接する徳島県内だけでなく、岐阜県にも及びます。水面下で応募書が出されているかも知れない不安、明日出されるかも知れない不安から自治体への不信感が増大します。
まして、岐阜県のように日本で最も地下調査が進んだ地域は、調査の手間も省け、NUMOにとって最良の条件が揃っています。
◆東洋町の混乱の責任は誰に??
NUMOは地域がどんな状況になろうとも、知ったことではなくいとうそぶく。しかし混乱の原因はNUMOにあり、電力に、資源エネルギー庁にある。
原子力発電という1つの産業のために地域を混乱の極みに突き落とす権利はない。
2007年1月25日
東洋町長、独断で再度高レベル処分場に応募
町長の公印と町長の署名だけで応募できる
公募の恐ろしさを白日の下に曝した町長の暴挙
高地新聞より引用
>>フラッシュニュース 1月26日付朝刊掲載予定
◆東洋町の田嶋裕起町長が25日、高レベル放射性廃棄物最終処分施設候補地へ応募。原環機構が受理すれば全国で初めて。
http://www.kochinews.co.jp/
読売新聞記事へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=
20070125-00000114-yom-soci
1月25日、高知県東洋町の町長が、高レベル処分場に再度応募しました。
東洋町住民は1月15日に、住民の6割を超える高レベル処分場応募しないことを求める請願署名を、5名の紹介議員を得て提出しました。その請願に対する審議も開かれていない中で、住民の願いを踏みつけにしての暴挙です。
それにもかかわらず違法ではないことに、公募の問題があります。
一方、NUMOとしてはありがた迷惑。受理することはできないでしょう。
受理したら、社会的信用を回復できないまでに、失墜することは明らかです。
以下、公募の問題点について、放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜の見解
★独断で応募はあり得ること 公募の大きな問題点
住民と議会を無視したという点では、言語道断ですが、町長の応募書提出は、
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律には抵触しません。
そもそも公募はNUMOが決めたこと。法律に定められた手続きではありません。
公募は、最も重大な段階に、首長だけに資格を与え、それ以外は何の規制もありません。
従って今回のように、独断で応募することは可能で、大変危険です。
★困難なことは自治体に押しつけ
高レベル処分場に応募するかどうかを決める債の最も困難作業を首長に押しつけ、NUMOはは涼しい顔で首長や議員の対応を見ていられる。それが応募です。
★NUMOが公募を検討したとき、私たちは首長の独断で応募する可能性を否定できず、非常に危険だと判断しました。
しかし多くの方は“まさか、そこまではしないだろう”と首長の良識を信頼されました。
★私たちの体験:首長、議会を信頼できない
超深地層研究所建設が自治体と原子力機構の間で決められて、住民が最後に知らされた。
更に移転で同じことが繰り返されるという苦い経験をしました。
だから首長の常識、良識など信用しません。
こんな背景が、私たちを行政と原子力への根強い不信感を持たせています。
これ以上私たち住民が騙されないために、1995年以来闘ってきました。
一方、いつ、申し入れが追加され、東濃に申し入れがあるかも知れない状況です。
極論ですが、今東濃に申し入れがあっても手続き上、違法ではありません。
法律は怖いです。
本当は、信頼したいのです。現実はなかなかそうはなりません。
★★金で首長と地域を買う原子力政策に根本問題がある
そもそも、高レベル放射性廃棄物が処分できるのかどうかを考える前に処分できると決めて、
金で処分場を押しつけよう、首長と議会を交付金で釣ろうという政府の方針を変えない限り、繰り返されること。
2007年1月20日
滋賀県余呉町長選挙
「余呉の明日を考える会」が支持した二矢秀雄氏が当選
任期満了に伴う余呉町長選挙は、高レベル処分場誘致を断念した畑野佐久郎町長の不出馬で、多くの町議の支援を受けた元議長の久保田順一氏と、処分場に応募しないことを求める請願署名を行った「余呉の明日を考える会」が支持した、二矢秀雄氏が争いました。
1月20日(日)に投開票が行われ、二矢秀雄氏が80票差で当選しました。
元議長の久保田順一氏を応援するために、国会議員、県議会議員、周辺市長や町長が入っていました。
余呉町は新しい町づくりへの扉を開きました。
2007年1月16日
◆高知県東洋町長、独断で2006年3月応募書を提出、
差し戻されていた
・現実になっていた 公募のこわさ!!
・議会は町長不信任決議を!!
・交付金で地域を買い取ろうとする政府の姿勢が根本問題
2007年1月15日 高知新聞夕刊
東洋町長昨春に応募 核廃棄物施設 合意なく不受理
2007年1月15日毎日新聞東京夕刊 高知県東洋町、最終処分地に応募
2007年1月16日 高知新聞 朝刊
「無責任」渦巻く不信 核廃棄物施設応募 東洋町長
NUMOが高レベル処分場を公募すると公表した時、こうした事態を危惧しました。その危惧が現実になっていたとは、まさに、公募の怖さであり、最大の問題点です。
さすがのNUMOも議会の決議で議論も住民説明も一度もなく提出された応募書を受け取ることせず、差し戻しました。
しかし現実には応募があったのです。NUMOが受け付けないかっただけのことです。
それにも関わらず応募は無いと嘘の説明を約1年間続けました。
NUMOは“応募はあったが、地域の理解が無いので、差し戻した”と言うべきです。それが最低限の情報公開です。
最低限の情報公開できないような組織が、高レベルを埋め捨てる組織であることは論外です。
町長は、差し戻されたことで白紙にもどった責任を問われることはない、改めて住民説明をしているので問題ないとの考えているようですが、あまりの非常識と無知、無責任です。
せめて経緯を詳細に説明してお詫びし、辞職で責任を取るべきです。
リコールを受ける資格もありません。
それでも居座るなら住民としてリコールするしかないですが、議会の責任として、不信任決議をすべきでしょう。
2007年1月16日
「最終処分場受け入れに意欲/東通」
(2007年1月1日東奥日報)と報道
東通村は青森県六ヶ所村の隣にあり、原発20基分の用地東北電力の原発が1基稼働しています。村長が受け入れを考える理由を
「自分たちの地域で出た廃棄物は、自分たちの地域で処理する−という考えに基づいて物事を進めるのは当然だと思う。」と説明しています。
村長のこの理由は、高レベル放射性廃棄物が本当に処分できるという仮定に立つならば、理論的には正しいと思う。
知事は1月3日に、
「核燃サイクル事業は、青森県を最終処分地にしない−ということを絶対的な原則として進められてきたことを忘れてもらっては困る」と述べ、県の姿勢に変わりがないことを強調した。」と東奥日報が報道したが、東通村長の言い分の方が、理に適っている。
勿論、青森県民感情として、受け入れるなという思いも十分理解できる。
◆東奥日報の特集
最終処分の行方/高レベル廃棄物 東通村が意欲
(上)原発20基分の用地/構想縮小で“後続”模索 (2007.1.3)
(中)3兆円事業/原発10基立地に相当?(2007.1.4)
(下)原発隣接地へ設置/北欧の事例がヒント(2007.1.5)
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◆外国では高レベル放射性廃棄物処分場建設が順調に進んでいるか
世界中のどこにも高レベル放射性廃棄物を地層処分した国にはない。
世界的に古い岩盤で安定しているといわれるバルト盾状地の国でさえも処分場はなかなか決まらない。
しかし日本の多くの人々は公募から2年経っても応募がないことを問題にする。安全に処分できると考えているのだろうか。処分場が決まったら安心するのだろうか。あなたの地域で処分場を受け入れますか、と聴いてみたい。日本世論調査会の2001年2月18日発表によめと、地元への埋め捨てに反対が90パーセントだった。やり直しがきかない、一発勝負の地層処分では、安全性を実証できないことが大きな理由と考える。
世界的に見ても高レベル放射性廃棄物処分場は地質的要因よりも、社会的要因で決められる。フィンランドやアメリカがどのような経過で処分場を決めたのか、その過程を「原子力村」の説明ではなく、独自に確かめる必要があると思う。
高レベル放射性廃棄物処分場の立地は原発や原子力施設と関わりない地域では、批判が強く困難である。処分場が決定したフィンランドや決定間近といわれているスウェーデンの候補地は、すでに原子力発電所が設置され、使用済み燃料が貯蔵されている地域であることからも、社会的要因が果たす役割の大きさが分かる。
アメリカ連邦議会はネバダ州ユッカマウンテンを処分場と決めた。核実験場ですでに汚染されていること、政治的発言力の弱いことで標的とされた。しかしネバダ州は一貫して反対している。
・アメリカ
1950年代から処分場建設は国が責任を持つことになっていた。60年代から処分場探しが始まった。1982年、東部と西部に処分場をつくることにした。しかし東部の反対が強く、1987年の法改正で、西部の中でも国会議員数の数が少ないネバダ州を唯一の処分候補地とした。
2002年、米議会は立地承認決議を行った。
しかしネバダ州は一貫して反対している。
・フィンランド
2001年、原発があり、使用済み燃料がたくさん溜まっているエウラヨキが処分場を受け入れた。ロビーサにも原発はあるがエウラヨキよりも強固な反対運動があった。
・スウェーデン
いくつもの自治体が住民投票で処分場に関わる調査を拒否した。結局、原発のある地域が受け入れことになりそうだ。
・フランス
1991年末に制定された放射性廃棄物管理研究法に基づき、@核種分離・変換、A深地層への処分、B長期地上貯蔵の3分野の研究を15年間にわたって実施し、2006年末までに総括評価が行われる。
2000年、深地層処分研究の一環として、ムーズとオート=マルヌ両県にまたがる粘土層のビュールで地下研究所建設(処分場につながる可能性あり)が開始された。一方花崗岩での地下研究施設は処分実施主体ANDRAが15の調査地域を秘密裏に選定していたことが判明し、反対運動が激化し調査に入ることもできない状況にある。
・イタリア
チェルノブイリ原発事故を契機に原発を止めた。2003年11月、国がバジリカータ州マテラ県の岩塩層に処分場を建設すると発表した。しかし住民や地域経済界の強力な反対運動でわずか15日間で撤回させた。
・韓国
ヨンドク・ウルジン、アンミョン島、クルオプ島などでの処分場問題を住民がことごとく拒否した。
公募方式をとっているが2003年7月、プアン郡長が住民との約束を無視してウィドに誘致表明。強い反対運動が続き2004年2月、自主住民投票で91.8%が拒否した。
2004年2月、再公告された処分場誘致について、期限の2004年11月30日までに、手続きをした自治体は一ヶ所もなかった。
・カナダ
2004年10月、オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社が、低中レベル処分場をブルース原発サイトに建設する協定を地元のキンカーディン自治体と結んだ。住民の賛同が得られた場合、中低レベル放射性廃棄物処分場が建設される。
高レベル放射性廃棄物の処分場建設はこれからの問題。
放射性廃棄物の処分に最善も最良もないと語った人がいる。
まさにその通りだと思う。
高レベル放射性廃棄物処分問題や放射能に関してお勧めするホームページ
1.埋め捨てにしていいの?原発のゴミ 地層処分問題研究グループの
ホームページ
http://www.geodispo.org/
地層処分の問題を研究者の視点で解説したイラストパンフレット「埋め捨てにしていいの?原発のゴミ」や様々な活動紹介の項目などを参照されたい。
2.原子力教育を考える会のホームページ
http://www.nuketext.org/index.html
原子力の問題点が健康、環境、社会・経済との関わりなどから説明され、高レベル放射性廃棄物については「高レベル放射性廃棄物 ートイレなきマンション」の項目もある。
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