高レベル放射性廃棄物処分場応募に関わって
   名前の上がった地域
(2003年、2004年、2005年)
  「(高レベル処分に関わる岐阜市民団体の動き」と統合させた)
      
       2006年の動きへ 2007年 2008年 2009年 2010年

 このページには2003年から2005年までの経過が載っています。

 地域は福井県和泉村(現 大野市)、高知県佐賀町(現 黒潮町)、熊本県御所浦町(現 天草市)、鹿児島県笠沙町(現 南さつま市)、長崎県上新五島町、滋賀県余呉町です。

 この時期の自治体の対応の特徴は、自治体で表面化すると、知事が受け入れないと拒否し、住民が強く反対することにより、白紙撤回するという形が主で、高知県佐賀町のように議会でNUMOが説明するという状況が希でした。



7.2005年10月 滋賀県余呉町
 2005年10月27日
 高レベル放射性廃棄物処分場誘致断念発表
 徹底した情報管理のもとで密かに進められた高レベル処分場検討


◆検討から、知事の反対で誘致断念表明まで
 2005年7月    余呉町長が誘致を検討。
 2005年8月    町議会全員協議会で、応募を検討する意向を
            表明。
 2005年10月    原環機構立地部門の3人から説明を受けた。
         19日 町議会全員協議会、20日 町の課長会。
 2005年10月26日 町長、高レベル放射性廃棄物処分場誘致で
          滋賀県知事と2時間面談。(一説に町長か4時
          間粘ったともあり)
          知事の理解が得られず。知事、琵琶湖は400万年前
          からの古代湖で近畿の水瓶でもあり、みんなが心配
          する施設はふさわしくないと説明。
 2005年10月27日 町長、知事の理解が得られなかったとして断念を
          表明。
          (知事の理解が得られていたら、11月に町長が区長
          会で説明する予定だった。)

◆水面下で密かに進んた、余呉町高レベル放射性廃棄物誘致問題
 余呉町の誘致問題は町長が検討し、8月に全員協議会で表明を経て、原環機構の説明会、知事との面談まで、約4ヶ月情報は徹底して隠された。
 今後、処分場はこのように首長、議会の間で徹底的に秘密裏に進められるだろう。
 原環機構は首長が応募書を出すまで、徹底的に情報が漏れないように指導しながら話を進めているはずだ。市町村長の応募と知事の了承さえ得られれば、法律上は進めることができる。
知事の判断は常識にかない、県民の理解が得られるだろう。一方、余呉町職員や町議会には批判がなかったと受け止めるしかない。


◆2005年11月2日 韓国の低中レベル処分場誘致住民投票

 慶州市(キョンジュ市)に決まった。
 
 韓国では放射性廃棄物処分場問題が起きると住民の強い反対運動がつぶしてきた。
 そこで政府は高レベル放射性廃棄物処分場と低中レベル処分場を分けて建設することを表明。
 2005年11月2日、誘致申請期限の2005年8月31日までに低中レベル処分場誘致を表明した4自治[慶州市(キョンジュ市)、群山市(クンサン市)、浦項市(ポハン市)、盈コ郡(ヨンドク郡)]で、住民投票が行われ、4自治体中慶州市(キョンジュ市)の賛成が89.5%で最高だった。慶州市が予定している陽北面奉吉里に低中レベル処分場が建設されると、(財)原子力環境、資金管理センターが伝えた。
 (財)原子力環境整備促進・資金管理センター のHP
  http://www2.rwmc.or.jp/overseas/nf/page/20051108.asp
  「韓国の中低レベル放射性廃棄物処分施設のサイトが決定
         −住民投票の結果、慶州市に− 」
 
 慶州市は古い寺が多く日本の京都のような町と言われている。
 賛成が得られた理由は、支援金の支給、廃棄物の搬入手数料、韓国原子力株式会社の本社移転が功を奏したと言われている。日本の原子力交付金と良く似た制度であろう。
 
 日本の原子力施設立地と同様、韓国の低中レベル処分場問題も金で地域を買うしかない。原子力は税金と寄付金で地域を縛り上げていくもの。国の多大な庇護と多額の金が落ちなければ成り立ち得ないもの。純然たる産業としては成り立たないもの。
 

6.2005年7月 長崎県新上五島町
2005年7月6日
 新上五島町のNPOが青森県六ヶ所村を視察するなど水面下で、高レベル放射性廃棄物処分場誘致の動きありと、長崎新聞が報道。
・2005年7月25日の長崎県知事定例記者会見で、被爆県でなぜ処分場誘致話が出るのか理解に苦しむと発言。
 一方誘致を、「気持ちとして、わからないではないという点もあります」とも発言があり、微妙に含みを残している。


5. 2005年1月 鹿児島県笠沙町
・2005年1月5日
 町長が町有地の宇治群島への誘致構想検討を表明
・2005年1月7日
 住民、漁協、周辺自治体の反対、県の批判、笠沙町議会全会一致の反対
 により、町長は白紙撤回を表明。

    町長、核燃に質問状提出


4. 2004年12月 長崎県五島市久賀島(ひさかじま)
・2004年12月 福岡市の業者が「久賀島開発計画」※を島内4ヶ所で説明し、島民の島外移転に理解を求めた。補償費用等の金額を提示し、立ち退きの承諾書や土地建物の字図や謄本、漁船登録証明書の提出を求めた。
業者は原環機構、防衛施設庁と話しをながら進めているとするが、原環機構や防衛施設庁は否定している。
五島市長は「荒唐無稽。コメントに値しない」と新聞社に語った。

※「久賀島開発計画」:高レベル放射性廃棄物処分場と米軍NLP・
  夜間離着  陸訓練用滑走路の建設セットで建設する計画


3. 2004年4月 熊本県御所浦町 
  町議会が町に誘致を求めたが、新聞報道の翌日、白紙撤回
・2004年4月6日 熊本日日新聞報道。潮谷知事「腰が抜けるほど
 驚いている」とコメント。
・2004年4月7日 御所浦町と議会が共に白紙撤回を表明。
 周辺自治体の批判、町民や県民から多くの反対意見が寄せられ
 た。


2. 2003年12月 高知県佐賀町 
 町民が誘致検討を請願 
・2003年12月 一部の町民が高レベル放射性廃棄物処分場誘致を
 議会に請願。
・2003年12月 町議会、産業建設委員会に付託。 
・2004年1月 委員会で原環機構を招いて質疑。(原環機構が自治体
 で説明するのは初めて)
・2004年3月2日 県議会で橋本知事、在任中は受け入れないと表明
 した。
・2004年5月8日 高知大学岡村真教授を招いて地質の安全性につい
 て質疑。
・2004年6月 佐賀町議会、六ヶ所村を視察。
・2004年7月 佐賀町産業建設委員会、請願を不採択。
・2004年9月6日 漁協から約1,100人の署名を添えて町議会に誘致反
 対の要望書を提出。
・2004年9月16日 佐賀町議会、処分場誘致請願を不採択とした。
   (2004年には中村市、大方町、土佐清水市、窪川町が誘致反対
  決議をあげている。) 

1.2003年4月24日 福井県和泉村
 一部村議や村職員が原環機構から説明を受ける
・2003年4月24日 福井県和泉村の一部村議と村職員1人が原環機
 構から処分事業についての説明を受けたと新聞報道。
・2003年4月30日 和泉村は「立地要件」を考え、公募についての検
 討を断念すると発表。
 (和泉村は火山に近く、断層が多い地域。合併協議の大野市に
 説明せず。)