高レベル放射性廃棄物最終処分場立地問題で、余呉町の畑野佐久郎町長は20日夜、町はごろもホールで開いた処分場に関する町民説明会で、「第1段階の文献調査を受け入れてみてはどうか。(調査をして)そこでできるかどうか判断したい」と原子力発電環境整備機構の公募に応じ、同機構の文献調査受け入れの意思を表明した。畑野町長はこれまで調査受け入れに意欲を示したが、受け入れまで踏み込んだ発言は初めて。
同町長は、文献調査受け入れ時の交付金が行き詰まる町財政の打開策につながる、と受け入れの背景を説明、「同機構の公募に応じることで全国の人がこの問題に関心を持ってくれる。問題提起が私の役目だ」と述べた。
説明会には、吉野恭司・資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長、浦上学・原子力発電環境整備機構技術部長、林弘・同機構理事が出席、町民約200人を前に処分場の概要、施設の安全管理などを説明。町民側から町財政運営についての責任追及、安全性への疑問など厳しい意見が相次いだ。【野々口義信】
毎日新聞 2006年10月22日