高レベル放射性廃棄物処分場応募に関わる経過(2006年)

                            2007年の状況へ

 <このページの内容>
・ここには2006年、高レベル放射性廃棄物処分場問題でマスコミ等に名前が上がった地域の動き、政府やNUMOの対応、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律の実態、国会審議との関係などついて、市民ネット・岐阜の意見を交えて掲載しています。

・主に名前が上がっている自治体は 
 鹿児島県宇検村、滋賀県余呉町(2005年10月に続き再度)、高知県津野町、高知県東洋町です。


・リンク  ※NUMO:Nuclear Waste Management Organization of Japanの略称
      ★ 地層処分問題研究グループのHP   http://www.geodispo.org/
      ★高レベル廃棄物処分問題の参考資料原子力資料情報室 

      ★「四万十源流と高レベル放射性廃棄物最終処分場」ブログへ
      ★「余呉の明日を考える会」ホームベージへ

      ★NUMOの応募要領 高レベル処分法  高レベル処分法施行規則
・市民ネット岐阜の主張
      ★
処分は可能か? 市民ネット・岐阜の考え
       ★原子力はなぜ信頼されないか−私が体験した原子力事業および原子力政策から−
         意見pdf172KB、参考資料pdf462KB議事次第46KB

    
 ★終了しました。岐阜県内2市民団体の余呉町06年12月議会への署名
       ★知事や市町村長に拒否権はあるの? 概 要(資料をつけて差替 詳細版
       

2006年12月25日
 「意に反して調査は進めない」は国の断念ではない
 真に
「意に反して調査は進めない」のであれば、法律に「同意」明記すべきです

 2006年12月24日の高知新聞によると、
 「候補地への応募後でも辞退できる保証を求めていた町側に対し、原環機構などは「意に反して調査は進めない」と文書で回答した」とあります。
 しかし「調査を進めない」だけで、国が選定を断念するとは、記されていません。
 この文書回答の真意は、調査を停止して、宣伝活動を継続する程度にすぎません。
2006年9月28日の資源エネ庁の吉野室長が、東洋町で語った「
経済産業省は28日、市町村が応募しても都道府県が反対する場合は進めない方針を強調した。」と言うことと、内容は同じです。

 高レベル処分法審議の場でも、2000年5月9日、自民党古屋圭司氏の質問に対し、河野政府参考人が、
 
「概要調査地区等の選定におきまして、地元の御理解と協力を得るべく最大限努力してまいりますけれども、それでもなお御理解が得られないというときに、概要調査地区等を管轄する都道府県知事及び市町村長の意に反して処分地の選定が行われるということはないというふうに考えております。」と答弁としています。
 
ところが同じ高レベル処分法審議をした2000年5月10日、民主党の横路孝弘氏の質問に対し、河野政府参人は
「 処分方針あるいは処分計画に即しまして、またそれまでに行われた調査に即しまして、地元の御理解と御協力を得るべく最大限努力をさせていただくつもりでございます。しかし、それでもなお、地元の御意見をいただくということでございますから、さまざまな御意見があれば、これを極めて重く受けとめて、国が決定するということでございます。」と述べています。
 同じく深谷大臣は
「調査地区等を決定する際には、先ほどからお話がありましたように、これを管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聞いて、これを極めて重く受けとめて、最終的には国が決定するものだ、そういう規定であります。」と、決定権は国にあることを明確に示しています。
 さらに深谷大臣は、知事や首長の意見に対し
「本規定は法的拘束力を持つものではありません。」と、端的に述べています。つまり、意見は聞くが、尊重はするが、それに従う必要はないのが、高レベル処分法第4条第5項の規定です。
 しかも、高レベル処分法は「同意」を入れるための改訂をしていません。従って決定権は依然として国にあります。
 東洋町長への回答に書いたことを実効性あるものにしたいのであれば、第4条第5項に「同意」を明記すべきです。
 「同意」を明記せず、言葉の言い換えをしても、信頼は得られません。

  また、高知新聞では、「周辺自治体が反対した場合はどうなるのか」との質問に対し、エネ庁の吉野室長は「知事がくんで判断することになる」と答えたと報道しています。
 これは、政府の本音です。政府は以前から、間接民主主議の日本では、周辺自治体の意向は知事が判断すると説明していました。


 高知新聞 2006年12月24日記事へ

2006年12月16日

 余呉町議会与党、16年間の畑野町長退任に拍手もねぎらいの言葉なし
 
12月14日、余呉町議会の一般質問を傍聴しました。
 町長は13回の住民説明会で出された意見をどのように受け止めたのかという質問がありました。答えは12月6日に町長が記者発表した域を出ませんでした。
 
 議会の最後に4期16年間を終える町長の挨拶がありました。
 これに対して 与党議員から拍手もねぎらいの言葉もなく閉会しました。町長の2度にわたる高レベル放射性廃棄物処分場応募問題があり、住民から厳しい批判を浴びたとはいえ、2度目の応募に水を向けた議員がいたにもかかわらず、極めて冷淡な態度を取った与党議員に驚きました。余呉町の方々にこの場面を見て欲しかったと思います。
 
 昼休みに新聞を読んでいたら、町長が瑞浪の研究所で研究して、安全に処分場できるようになる。日本の技術を持ってすれば心配ない」と、
言いたいことだけ言って部屋に入ってしまいました。捨て台詞です。町長は安全に処分できるという確信を持てないことの裏返しとして、言わずもがなのコメントを述べたものと受け止めます。
 
 請願署名についての記事
     毎日新聞 2006年12月6日
     中日新聞、朝日新聞 2006年12月6日
     
 町長、断念を伝える記事から
     毎日新聞 2006年12月7日
     讀賣新聞 2006年12月10日 滋賀県内版


  
2006年12月10日
 全国知事アンケート結果を報告と要請行動 滋賀県知事と余呉町訪問
 核のゴミキャンペーンが2006年10月、全国の都道府県知事に第3回 「高レベル放射性廃棄物最終処分場に関する知事アンケート」を実施しました。2006年11月10日に締め切った結果を2006年12月8日、滋賀県庁と長崎県庁の記者クラブで公表しました。
 同キャンペーンに所属している私たちも滋賀県知事への要望書提出、記者会見等に同行しました。


◆岐阜県知事の懸念が滋賀県知事、余呉町長に伝わっていた
 私たちは、岐阜県知事が10月議会で隣接県の自治体の応募に懸念を表明し、滋賀県知事に直接伝えるとしたことの確認をおこないました。
 滋賀県知事から「伺っております。余呉町にも伝えました。」との回答を得ました。
 余呉町では、11月に滋賀県から伝えられたので、町長に伝えたとの回答を得ました。
  高レベル処分法(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律)では、隣接県意見を汲み上げる仕組みが全くありません。そうした中で今回の岐阜県の隣接県としての対応は、今後各地で取りうる対応の前例となりうると考えています。

◆私たちは古田岐阜県知事の対応を評価しています。
 しかし原子力機構の超深地層研究所を受け入れ、撤退させないため、他県に比べ常に高レベル放射性廃棄物や高レベル以外の放射性廃棄物処分場への不安が常につきまといます。現に余呉町議長請願署名を提出した際も、記者に東濃が本命視されていると指摘されました。私たちは百も承知しているから、事あるごとに、あらゆる放射性廃棄物を拒否していると応えました。岐阜県民がこのような言葉を投げかけられていることを、岐阜県は肝に命じ、処分場拒否のためにあらゆる努力をすべきです。


◆核のゴミキャンペーンの都道府県知事アンケート結果の内、私たちにとって関心が高い、岐阜県、北海道、青森県、長野県、滋賀県についてのみアップします。
 アンケート結果抜粋
 アンケート結果全体は近日中に核のゴミキャンペーンのHPにアップされます。
 長野県知事の回答は、水源を守るという高い県民意識を評価し、財政難に苦しむ市町村への県としての対応が率直に記されていて頼もしく感じました。
 
全国知事アンケート結果についての記事
毎日新聞 滋賀県内版へ
毎日新聞 長崎県内版へ



2006年12月6日
 
畑野余呉町長、高レベル処分場応募を断念
 おめでとう!署名活動に参加された余呉町のみなさん

 
 
畑野余呉町の2度目の高レベル処分場応募問題は、12月6日午後の応募断念を表明した記者会見で、幕を閉じました。
 畑野余呉町長の断念声明(記者会見資料)へ
  

 断念の理由は、「余呉の明日を考える会」のHPに詳しく紹介されています。
 とりわけ注目すべき理由
  ★安全と考えてきたが、そうでないことが分かり勉強不足であった。
 この理由を、畑野町長が発言したことは、驚くべきことです。

 2度目の応募を発言から、断念まで、署名の中心となった「考える会の」の方々は短期間に、町長参加の公開討論会の開催、高レベル放射性廃棄物地層処分の危険性や高レベル処分法の強権性を学ぶ、住民へのチラシ作成、、議会対策、署名集め、署名の分析などたくさんのことに取組まれたことと思います。それが全て良い方向に動いて、町長に断念させました。
 余呉町の議員有志と周辺町の議員
有志が取り組んだ、ドキュメンタリー映画・「六ヶ所村ラプソディー」の上映は、高レベル処分場を受け入れた場合の余呉を予感させ、署名への協力を促す大きな力になったことでしょう。
 住民に力の大きさ、結集のすることのすばらしさを身近に感じることができて、私たちも勇気と希望を分けていただきました。
 
◆放射性廃棄物拒否条例を!
 一方、余呉町長は断念だけで自分の責任を終わらせるのでしょうか。
 2度目の応募問題の期間は長く、NUMOや資源エネルギー庁の説明会に留まらず、住民説明会での応募発言など、住民に多大な不安を与え、町政を混乱させた責任を感じて欲しいと思います。
 また、周辺自治体、隣接県民に大きな不安を与えました。
 任期終了を間近に控えた今、取りうる責任のあり方として、余呉町放射性廃棄物処分場拒否条例を制定し、町民や隣接自治体、隣接県民の安全と安心を確保べきです。

 
★記者会見資料のタイトル
 タイトルは「高レベル放射性廃棄物最終処分施設設置の可能性を調査する区域の応募問題について、私の結論の表明」でした。
  NUMOの応募書には「文献調査への応募」ではなく「高レベル放射性廃棄物の最終処分施設設置の可能性を調査する区域」についての応募とあります。これは「概要調査地区の公募」にあたるものです。

今回、町長はタイルまでは偽ることはできませんでしたが、文中で「文献調査に応募しない」ことを表明すると、しぶとく表現しています。住民説明で、概要調査地区への応募を、文献調査への応募だと偽り、そして最後まで偽り続けました。これは、資源エネルギー庁からの指示かも知れません。

 ・町長資料のテキスト化
 町長の記者会見資料をテキスト化していただいたので、それを貼り付けます。
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高レベル放射性廃棄物最終処分施設設置の可能性を調査する区域の応募問題について、私の結論の表明

 本年8月以来、問題提起をしてまいりました標記の問題について、私は、国民的課題である本件に協力することにより、国策に貢献でき、財政再建の足がかりが得られると考え、私の任期中に調査に応募するべく住民説明会を開催するなど微力を尽くしてまいりました。

1、住民説明会における住民の反応について
 処分場の必要性や安全性に理解を示す声は小さく、
@「例え文献調査だけにしても、応募して欲しくない」との意見が多く、充分な理解を得 られなかったこと。
A 町財政の逼迫度は、町長のここまでの決断(処分場応募という)を考えると、理解はできるが、その財源をこのような方法で求めて欲しくない。
B 自然豊かな余呉町のイメージを大切にして欲しい。
といった住民の意見が多く、私の任期が迫っているなか、本件は、短期間では結論を出せる問題ではないことを自覚し、「文献調査に応募しない」ことを表明します。

2、今回の住民説明会の成果としては
@ 町財政が危機的な状況にあることを、住民に伝えることができたこと。
A 住民の中から「安易に交付金に頼ることなく、住民の力を結集して、この危機を乗り越えようではないか。」との提案もあり、拾数回に亘る説明会は、住民との対話の機会といった一応の成果はあった。

 以上の結果、高レベル放射性廃棄物処分場の調査への応募には至らなかったが、電気の3分の1を担っている原子力発電を継続する上で避けて通れない国民的課題であるとの問題提起は、近畿だけでなく全国に発信できたと思っている。
 この問題は、今後も国民的課題には間違いないので、豊富な電力の恩恵を受けていることを全国民が自覚し、積極的な議論が展開されることを念願し、私の表明とします。

平成18年12月6日    
                    余呉町長 畑野  佐久郎
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2006年12月5日
 余呉町議会議長に請願書と署名提出

2006年12月5日、余呉町議長に高レベル放射性廃棄物処分施設に応募しないことを求める
請願書と署名を提出しました。

余呉明日を考える会の請願と私たち岐阜県内の2市民団体の請願書及び賛同していただいた署名を議長に手渡しました。

12月4日現在
・余呉の明日を考える会の署名  
    余呉町内  2,114名(人口 約4000人)
    余呉町外 3,928名
・岐阜の2市民団体の署名   2,512名

   本日の提出署名合計   8,554名

 余呉町民の署名は住民の過半数を超えました!町長、議会への大きな圧力です。
 余呉町議会は12月13日、14日です。
 明日12月6日に、余呉町議会運営委員会があり、そこにあげるために、5日に提出しました。しかし署名の追加は議会の前日まで追加提出できるので、余呉の明日を考える会は12月12日に署名の最終提出をします。
 余呉町内の署名に対する対応はとてもよく、50人以上の協力があり、正確な人数はつかめないとのことでした。活気があります。

 私たち2市民団体は、署名集めを終了しました。
ご協力いただいた多くのみなさま、ありがとうございました。
紹介議員を得て、議会にかけることができて、署名いただいた責任を果たすことができました。議会も傍聴し、推進したい町長、態度を表明しない多数議員を監視していきます。

 今日の余呉は晴れて穏やかでした。


   
  暖かな陽射しの中で 猫        鏡のように静かな余呉湖
  


2006年12月4日
 ★ 関西テレビ、余呉町の高レベル処分場応募問題放送予定
 
放送日
  2006年12月4日 午後6時から7時のあいだで放送される予定とのこと。

 ★ 「六ヶ所村ラプソディー」余呉町で上映
  
 上映日時: 2006年12月9日(土) 19:00〜
   場   所: はごろもホール(余呉町

   
料   金: 無料
   
「六ヶ所村ラプソディー」上映スケジュール


 2006年12月1日
 長崎県対馬市議ら、高レベル放射性廃棄物処分場に関する勉強会
 
西日本新聞は12月1日、対馬市議らが高レベル放射性廃棄物処分場の勉強会をする予定と伝えました。西本新聞記事へ
 この学習会は同市北部の住民が計画したと報じています。
長崎県五島出身の東大教授が組織するNPOが関わっているのでしょうか。

 対馬市は1987年、原子力機構の高レベル放射性廃棄物処分候補地選定報告書で、島の北部と南部で2ヶ所処分候補地の適正地区がありました。
 しかし島は地滑り地域が多く、リニアメントを避けてやっとの事で選んだ適正地区も1地域は地滑り地域を含んでいました。しかもその地域は地熱の兆候があると記されています。
 市長の「第1次産業の振興と豊かな自然を生かした」(西日本新聞記事より)地域に取り組んでいるという地域を大切にして欲しい。目の前の金か、未来を見つめる立場に立つかで選択が大きく変わってきます。

原子力機構1987年1月の対馬、処分候補地適正地区報告書抜粋へ
 


以下、記事の転載
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対馬に核燃処分場検討 市議ら、1日地元勉強会
 長崎県対馬市の市議会議員らが、原発の使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致を検討していることが30日、分かった。最終処分場の候補地を公募している原子力発電環境整備機構(東京)を招き、1日に同市で勉強会を開く予定。市議らは「応募を考えるにしても勉強しないと判断材料が無い。勉強会が即応募につながるものではない」と話している。

 関係者によると、勉強会は処分場誘致を検討している住民らが企画した。同市北部の住民約30人は11月中旬に青森県六ケ所村にある日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターなどを視察したという。

 松村良幸市長は西日本新聞の取材に「誘致したいという話は聞いたことはあるが、勉強会開催は初めて知った。第1次産業の振興と豊かな自然を生かした癒やしの島づくりに取り組んでおり、いかがなものか」と話し、誘致に慎重な姿勢を示した。

 最終処分場は、地下300メートルより深くに高レベル放射性廃棄物を埋設する施設。同機構の公募に応じて候補地になれば数年間の調査期間に最大約70億円の交付金が地元自治体などに支給される。立地が決まれば年間2200人の雇用や年間200億円以上の生産を誘発する効果があるという。

 九州では、熊本県御所浦町(現天草市)、鹿児島県笠沙町(現南さつま市)、同県宇検村などで最終処分場誘致の動きがあったが、いずれも住民の反対などで頓挫した。

=2006/12/01付 西日本新聞朝刊=

2006年12月01日05時06分
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2006年11月29日
 岐阜県の懸念を滋賀県に申し入れ
 
11月24日、私たち2市民団体は岐阜県知事に、岐阜県の懸念を滋賀県知事と余呉町長に伝えてくれるよう、
要望書を提出しました。
 これに対し岐阜県担当課は以下のように説明しました。


 
11月21日、浜松市で開かれた中部圏知事会議の場で
1.岐阜県から滋賀県に口頭で「他県の自治体が誘致を検討する場合でも、
  周辺地域住民の安全・安心を第一に考え、慎重に検討してほしい」と
  申し入れた。
2.余呉町長には滋賀県から慎重な検討を求めていることを
  伝えてくれるようお願いした。
3.岐阜県としては申し入れを滋賀県に理解していただいたと受け止めている。
とのことでした。
  岐阜県は余呉町長の応募検討に強い危惧の念を抱いています。
 滋賀県は余呉町長に岐阜県の危惧を伝えてくれているものと思います。
 岐阜県知事は知事会議を体調不良で欠席し、副知事同士のやりとりでした。

 
岐阜新聞と中日新聞の記事はこちら



2006年11月24日
 大成功 六ヶ所村ラプソディー、滋賀県木之本町(伊香郡)上映会
 
短期間の呼び掛けにもかかわらず、開場はほぼ満席でした。
 上映会後の監督との質疑にも多くの方が残って、エネルギーデモクラシーや
 180%の電力を再生可能エネルギーで生みだしている
 岩手県葛巻町の町づくりに、耳を傾けました。



2006年11月21日
 余呉町住民有志、文献調査に応募しないことを求める請願署名を開始
 
以下、毎日新聞 2006.11.21滋賀県内版記事
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 余呉町の原発廃棄物処分場誘致:文献調査応募やめて 明日を考える会署名活動 /滋賀
 余呉町の「余呉の明日を考える会」は、高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査に応募しないことを畑野佐久郎町長と町議会に求める請願署名活動を始めた。町民約2000人を目標に戸別訪問で署名を集め、12月定例町議会に提出する。

 同会は、交付金に頼らない自立したまちを目指す町民有志の会。昨年10月以来、町の財政再建、産業振興、高齢者福祉、子育て、町の課題について学習会を重ねている。

 畑野町長は「このままでは、町財政が破たんする」と説明し、処分場について「誘致すると言っていない。あくまでも文献調査の受け入れ。次の概要調査では、知事も反対しているので、候補地から外れる可能性がある」と話している。これに対して同会は、交付金を頼りにする町づくりは誤りで、創意工夫の町づくり進めるべきだと批判。応募は処分場建設を前提にしたものであり、「町長や知事は意見を言えるだけで拒否する権限はない」と訴えている。

 同会世話人の村上宣雄さんは「町が説明会を開くたびに町民の不安は広がっている。町長は、振り上げた手を今下ろすべきところに来ている」と話している。【野々口義信】

  
 毎日新聞 2006年11月21日
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毎日新聞 2006.11.21 滋賀県内版 記事へ

 
署名を集める人、署名をする人に有形無形の圧力がかかることは想像できますが、地域の未来のために、乗り越えて欲しいと思います。
目の前の金より地域の未来を選択したいと願う住民が大多数です。

 


2006年11月20日
岐阜県と滋賀県の県境・八草(ハッソウ峠)の風景
 
岐阜県揖斐川町から滋賀県木之本町金居原、そして余呉町菅並へ
 @岐阜県側から八草トンネルに入り口   
     
 Aトンネルの由来
 
 B岐阜県側の紅葉と時雨 
   
Cトンネルを抜けて滋賀県木之本町金居原 
  

 D余呉町菅地区
 
 雪が町中でも2mも積もったことがあるという。余呉町菅並ではまだ、傾斜の急な屋根が目立つ。雪下ろしの心配なく暮らせるこの屋根は、余呉町でも少なくなっている。           

 
町長は2度目の応募表明 滋賀夕刊の予測どおりに進むか?
 滋賀夕刊200611月19日記事によると、
・余呉町長の住民説明はほぼ終わった
・説明会で出される意見は、町長の思惑に反して誘致賛成の意見は皆無
・近々六ヶ所村ラプソディーも木之本町で上映される。
・11月15日に開かれた町議会全員協議会でも年内決着を目指す議員が減っている
 こうした状況から、滋賀夕刊は「針の筵」に立たされていると町長を評しています。        
 
 しかし、町長は覚悟の2度目の誘致表明、簡単に手を下ろすことはないでしょう。
 住民の目に見える形での、意思表示が必要ではないでしょうか。
 辛くて重い部分は住民にしかできません。それが地域を変えていきます。
       

2006年11月12日
 余呉町議会議長の質問に、六ヶ所村幹部は何と答えたのだろうか?
 
東奥日報「 高レベル廃棄物処分場どこへ/誘致検討の自治体続々」(記事へ)
2006年11月4日) によると、10月23日、六ケ所村役を訪問した滋賀県余呉町・三國宏議長が
「青森県にはいろいろな原子力施設があるのに、最終処分場は受け入れない−と青森県知事は表明している。それはなぜか、と余呉町民は疑問に思っている。最終処分場も六ケ所村にあった方がいいと思うが、厄介な問題でもあるのか」と六ヶ所村幹部に問いかけたという。幹部がどう答えたのか知りたいと思う。しかし記事には、六ヶ所村幹部の答えはない。代わりに東奥日報が青森県の代弁者のように経過を説明している。



2006年11月11日
毎日放送が2006年11月9日放送した「 湖北の町が“核施設で財政再建”」がテキスト化されて、毎日放送のHP
  http://www.mbs.jp/voice/special/200611/09_5573.shtml
に載っています。
しかし次々テキスト化されるので数日で消えます。
 
規範となるべき町長がやって良いこと?
   食い逃げ可は、超危険な罠 
 ・国が財政難につけ込んで高レベル処分場を押しつけるのは恥ずべき行為

 
放送内容の概略と私たちの考えは、こちら


2006年11月9日
 
毎日放送が2006年11月9日、VOICE MBS NEWSで
 余呉町の高レベル処分場応募問題を放送予定

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http://www.mbs.jp/voice/
VOICE MBS NEWS
18:16〜18:55
●11月9日(木)放送予定
「調査するだけで5億円!核の受け入れと弱小自治体の台所事情」
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◆資源エネルギー庁の判断基準
 大臣がNUMOの実施計画書変更申請を承認する(概要調査地区等の明記)際の判断基準について資源エネルギー庁に電話で質問しました。
1.自治体首長の応募書の提出
2.地元の理解度を考慮する
    →議会の決議や承認の有無
3.周辺自治体のご理解
    →資源エネルギー庁が説明に回ったときの周辺自治体の首長、議長等の意見。
      議会での議員の表明、首長の表明の有無。

 
★議員や周辺自治体への働きかけが不可欠。

2006年11月8日
 
町長、「文献調査だけ受け入れ」と説明会
 
朝日新聞 2006年11月6日付滋賀県内版記事によると、
余呉町長は11月4日夜の説明会でも、
・「『文献調査』の受け入れだけを想定する意向も示した」
・「町を救う道はこれしかない。町の危機を救って次へバトンタッチしたい」
  (町長の任期は07年1月まで)
住民は
・「最終処分場の誘致は安直すぎる考えで、財政難が理由なら他にも方法があるはず」
・「安全な施設なら東京や大阪でもいいのではないか」
と処分場への不安を述べたとあります。
 処分場調査の置きみやげは、現町長以外は、誰にとっても混乱と迷惑以外の何者でもないで
しょう。
●文献調査は、概要調査地区選定ための手続きで、概要調査の一部

文献調査と概要調査を切り離して、全く別の段階の調査であるかのように説明するのは誤りです。 
 文献調査について資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室も、2006年11月6日、概要調査地区選定段階の調査であることを認めています(電話で聞き取り)。高レベル処分法第6条にもNUMOの応募要領にも、このことは明記されています。


 朝日新聞 2006年11月6日付滋賀県内版記事pdfへ

2006年11月5日

 余呉町で見かけた高レベル放射性廃棄物持ち込みお断りのステッカー

           
 12月議会までに、高レベルお断りステッカーをつけた車がたくさん
余呉の町を走るようになるだろう。


2006年11月3日
 知事や市町村長に拒否権はあるのか、住民の意見はどのように扱われのかなどQ&Aを掲載(概要版  詳細版


2006年11月2日

余呉町長、集落説明会開始
 
町長、NUMO、資源エネルギー庁の説明
 11月2日から11月17日までに8開場で8日間かけて行う。
 この説明の期間に資源エネルギー庁から周辺町長や議会に働きかけがあるのではないか。

2006年11月1日
◆ 大阪府能勢町長も応募検討?!
 
10月28日の余呉町住民主催公開討論会で、余呉町長発言
 余呉町長は10月27日、資源エネルギー庁主催の放射性廃棄物シンポジウム(大阪)に参加した時の感想を述べた。
・開場には一般市民は少なく行政関係が多かった。
・高レベル処分場に対する自治体の関心は高いと感じた。
・会が終わって帰ろうとしたら能勢町長に呼び止められた。
 能勢町長も、高レベル処分の勉強をしようと思って参加したとのことだった。
 ・応募検討の説明をする余呉町長  
(写真)
 ・余呉湖の水鳥 数はまだ少なかった (写真)
 ・余呉町は県境の町 

 栃の木峠 
(写真)    栃の木峠から福井県を望む (写真)
    


2006年10月31日
◆高知県津野町、応募しないと表明
そして、滋賀県余呉町の状況


高知新聞 2006/10/31記事一部転載
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2006年10月31日
 核廃棄物施設応募せず 津野町長が表明
 高岡郡津野町の高レベル放射性廃棄物最終処分施設問題で30日、同町議会の臨時議会が開かれ、候補地への応募を求める陳情と、施設誘致に反対する2つの陳情の計3件について審査。行財政改革特別委員会の決定通り、いずれも不採択とした。この結果を受け、明神健夫町長は「公募には応募しない」と町議会で表明。これにより、9月に表面化して以降、近隣自治体を巻き込んで激しい論議が起きた同町の候補地応募をめぐる問題は決着した。
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以下は、高知新聞のHPへ


◆津野町の高レベル処分場問題を巡る簡単な経過
 ・9月4日   町議会に推進1と反対2の陳情書提出
 ・9月16日  小出裕章さんの学習会
 ・9月24、25日 町議会、資源エネルギー庁による高レベル処分の説明会
 ・10月13日 特別委員会で3件の陳情を否決
 ・10月14日 六ヶ所村ラプソディーを上映
 ・10月27日 誘致すべきではないとする署名を提出
         (町民7159人のうち1628筆の署名を約1週間で集めた
 ・10月30日 津野町臨時会議で、経過を説明
       「議会として今後一切この問題について取り組まない」と宣言。
       改めて3件の陳情を不採択とした。
       町長はこれを受けて、「町民や(四万十川)流域自治体の
       意見、議会が全会一致で決めたことを重視し、当該公募には
       応募しないことを表明し、本日をもって問題を収束させたい」と
      意思表明しました。(高知新聞 2006.10.30より引用)

 この終息表明に至るまでには、住民の強い批判、周辺議会の包囲網に加え、「旧葉山村・旧東津野村の元首長・助役・教育長・村議会議長・議員等の要職に就かれていた方たち40名から明神健夫町長に、申し入れ書が提出されていた」とブログ『おっとろしや!! 〜土佐の高知に核のごみを埋め捨てかえ!?〜』http://geki1015.cocolog-nifty.com/10月31日に掲載。
  この申入書は町の先輩が道理を説き、行政と議会を厳しく戒め、町長や議会の取るべき方向を教えている。町を愛する思いが心にしみわたる。

 昨年からNUMOが町民100人も多額の補助で六ヶ所村を視察させたという。
 多くの人々を巻き込んだ力強い運動の成果に感動すると同時に、ここまで追い込まないと議会と自治体を断念させられない国とNUMOの強大な力を改めて感じた。

★滋賀県余呉町
 町民有志は10月28日、町長も出席した公開討論会を主催し、町民の声を町長に聞かせ、これからの町づくり語り、高レベル処分に関わる交付金以外の選択肢を町長に示した。
 しかし住民の声は文献調査、概要調査の交付金が欲しいという町長の心には届いてないと、感じた。
 10月20日の町長による最初の説明会でも、推進の意見は1つもなかったという。28日の討論会でも推進の意見はなかった。町長は町民の意見をどのように判断するのだろう。この問題は12月議会に提案されるだろう。議会の判断が町民の意見と開き直るのだろうか。
 しかも周辺自治体の反対意見書採択は高月町のみで、他は静観している。
 周辺自治体も好むと好まざるとに関わらず、巻き込まれる。静観は推進に他ならない。
 毎日新聞 滋賀県内版
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061029-00000249-mailo-l25
 京都新聞 滋賀県内版
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061029-00000006-kyt-l25


2006年10月26日
 
余呉町12月議会をめざして署名開始
 私たち放射能のゴミはいらない!市民ネット・岐阜と、くらし しぜん いのち 岐阜県民ネットワークは余呉町12月議会に「高レベル処分場のための調査に応募しないことを求める署名」を提出することにしました。多くの方の賛同と私たちの熱意で、請願として提出したいと思っています。
 署名をお願いします。
 ・署名用紙は  ワード版  PDF版
 ・署名呼びかけ文 ワード版  PDF版
 ・チラシ  PDF版(1.8MB)

 
 
署名の〆切:2006年11月25日(土)必着
 集約先:〒502-0823 岐阜市光栄町1-1-2-402 兼松秀代
 問い合わせ先:電話&FAX 058-232-2073 兼松
 

 
2006年10月25日

 余呉町議員6名、六ヶ所村訪問と東奥日報が報道
 
東奥日報 2006.10.24 記事へ

2006年10月24日(火)  東奥日報  <記事転載>
滋賀の余呉町議が六ケ所村を訪問
 使用済み核燃料の再処理で発生する高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、町長が誘致の意向を示した滋賀県余呉町の町議会議員が二十三日、視察のため六ケ所村を訪れた。同町の三國宏議長は、取材に対して私見と断った上で「町の財政状況を考えれば、誘致を選択肢の一つとして考えていかなければならない」と語った。

 村役場を訪れたのは、三國議長ら六議員。同処分場実施主体の原子力発電環境整備機構関係者も同席した。一行は、役場内で古川健治村長ら村幹部、村議会関係者と意見交換。村の独自事業、現在の問題点・課題、合併問題などについて説明を受けた。

 質疑では、核燃料サイクル施設受け入れ当時の村内状況や、議会の対応のほか、県の基本姿勢、若者の定住、誘致企業の状況など、多岐にわたって質問が出た。また、「再処理工場と違い、高レベル廃棄物の最終処分は企業誘致として説明しにくい。住民からどう理解を得ればいいのか」との町議からの問いかけに対し、同機構の林弘理事が「四万本のガラス固化体を埋めるため、地下に長いトンネルを五十年ぐらいかけて掘ることになる。その間、公共事業がそこに発生するということ」などと答えた。

 同町からは六月に畑野佐久郎町長が村を訪れた後、九月二十日に誘致の意向を表明しており、周辺自治体を含めた商工会関係者も研修に訪れている。取材に答えた三國議長は「議会内も賛成ばかりではないため私個人の意見ではあるが、国に協力するという町長の気持ちを理解していかなければならない。住民の理解を得るため私たちが協力していかなければ。住民は不安を持っており、どう理解していただくかが課題になる」と語った。

2006年10月23日
★余呉町主催の住民説明会 (毎日新聞 滋賀県内版2006.10.22記事)
余呉町の原発廃棄物処分場誘致:説明会で町長「文献調査受け入れ、判断を」 /滋賀

 高レベル放射性廃棄物最終処分場立地問題で、余呉町の畑野佐久郎町長は20日夜、町はごろもホールで開いた処分場に関する町民説明会で、「第1段階の文献調査を受け入れてみてはどうか。(調査をして)そこでできるかどうか判断したい」と原子力発電環境整備機構の公募に応じ、同機構の文献調査受け入れの意思を表明した。畑野町長はこれまで調査受け入れに意欲を示したが、受け入れまで踏み込んだ発言は初めて。

 同町長は、文献調査受け入れ時の交付金が行き詰まる町財政の打開策につながる、と受け入れの背景を説明、「同機構の公募に応じることで全国の人がこの問題に関心を持ってくれる。問題提起が私の役目だ」と述べた。

 説明会には、吉野恭司・資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長、浦上学・原子力発電環境整備機構技術部長、林弘・同機構理事が出席、町民約200人を前に処分場の概要、施設の安全管理などを説明。町民側から町財政運営についての責任追及、安全性への疑問など厳しい意見が相次いだ。【野々口義信】

毎日新聞 2006年10月22日

★朝日新聞 大阪本社 声欄 余呉町の方の投稿pdfへ 
         タイトル:「交付金頼りは町の自立阻害」
  
 余呉の明日を考える会」HP開設
 自治体を変えていくのは、そこに住む住民の力以外にはない。
 この会は、2006年10月28日 町長との公開討論会を開く。
 
2006年10月12日 余呉町探訪 
余呉駅前から余呉湖を望む (写真)
・ウッディ・パル余呉
 余呉町のスポーツ、体験、学習など総合観光施設
 1992年電源立地促進対策交付金(敦賀市の隣接町で原子力交付金)による施設  (写真) 
 スキー場 (写真)
・ウッディパル近くの林道入り口に散乱する柿の実  (写真)猿の仕業とのこと
・はごろも会館 山並みのうねりをかたどった屋根   (写真) 
 施設内  (写真)にはふんだんに木材が使われているが、余呉町産の材木ではないとのこと。

 
驚くほど豪華な施設だった。このように施設を造っていては、仮に処分場の交付金を受け取ったとしても、糠に釘であろう。議会はこの建設費を認めたはず。議会は監視の役割を果たしたであろうか。
 施設内の図書室は本が整頓されていおらず、隅は道具置き場のように物が置かれ、あまり使われていないと感じた。


 
2006年10月21日
住民説明は形だけ 町長の判断で議会に提案
余呉町長、10月20日の住民説明会で語る


余呉町町長
 町長の判断で議会に提案する
 滋賀県知事が反対しているので、処分場はつくれないだろう
 処分場はつくれなくても、とりあえず、今文献調査の交付金が欲しい
 説明会は集落単位から、小学校単位に減らす


★町長の解釈は誤っている。
 滋賀県知事が反対しても、国は文献調査、概要調査、精密調査、処分場建設へと進めることができる。
 資源エネルギー庁は町長の間違った法解釈を、承知の上で放置してとにかく応募させようとしている。或いは町長と資源エネルギー庁双方が暗黙の了解の上のことかも知れない。
 その背景には、
@青森県知事の手前、1箇所でも良いから、応募させたい資源エネルギー庁の思惑がある。
A知事の反対で処分場が作れないかのように見せかけ住民の警戒心を解く狙いがある。
 資源エネルギー庁の吉野放射性廃棄物等対策室長は、高知県東洋町での説明会で、「知事が反対なら、進めない」(2006年9月28日 東奥日報)と答えたこととほぼ同じである。
 現実には自治体が応募したら受け付け、時間をかけてあらゆる手段を使って知事の意見を賛成や容認に変える工作が水面下激しくなされることを忘れてはならない。

◆高レベル処分法の解釈
 高レベル処分法:知事や当該首長が反対しても処分場をつくることはできる

●特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律
「第4条5項 経済産業大臣は、第二項第三号に掲げる概要調査地区等の所在地を定めようとするときは、当該概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重してしなければならない。」と規定されている。


 しかし知事や市町村長の「同意」を必要とはしない。意見を聴いて尊重はするが、同意を求めるものでなく、
決定するのは「国」である
 
●2000年5月10日 衆議院 商工委員会 高レベル処分法審議で横路孝弘代議士の質問と政府答弁より
・横路委員
 「自治体の知事並びに市長の意見を聞かなけれならないという点でございますが」「意見を聞いてどうされるんですか。反対だと言われたら、どういうことになるんですか。」

・河野政府参考人
「地元の御理解と御協力を得るべく最大限努力させていただくつもりでございます。しかし、それでもなお地元の御意見をいただくというというでございますから、さまざまな御意見があれば、これを極めて重く受け止めて、国が決定するとうことでございます。」

・横路委員
「同意がなければやらないというように解釈してよろしいんでね。反対してもやるということですか。」

・深谷国務大臣
「これを管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聞いてこれを極めて重く受け止めて、

最終的には国が決定するものだ、そういう規定であります。

 

2006年10月13日
おめでとう!誘致は白紙へ
津野町で誘致反対に立ち上がったみなさん
周辺自治体および議会の皆さん

 議会では誘致反対の陳情まで否決するという対応には疑問。
今後も処分場誘致に向けて勉強していくという議員はいるのは確か。
 しかし白紙を勝ち取ったのは、住民の力、周辺自治体の反対決議や首長の反対表明。

高知新聞 2006年10月13日 夕刊より
 
核廃棄物施設応募陳情を不採択 津野町議会委

 高レベル放射性廃棄物最終処分施設に関する高岡郡津野町議会の行財政改革特別委員会(大地勝義委員長)が13日開かれ、候補地への応募を求める陳情と、施設誘致に反対する2つの陳情について審査。「町内の混乱を早期に収めなければならない」として、いずれも全会一致で不採択とした。これにより、当面は同町議会としての対応は白紙の状態となったが、一部議員は今後も施設について勉強を続けるとしている。
以下、高知新聞 夕刊へ

「四万十源流と高レベル放射性廃棄物最終処分場」のブログへ
・六ヶ所村ラプソディーの上映会
・10月15日と20日の学習会
・NUMOの説明会
 他、高知県の住民情報がたくさん掲載されている。


2006年10月11日
◆滋賀県余呉町、10月20日 住民説明会
説明者は畑野町長、NUMPO、資源エネルギー庁
場所は余呉町役場に隣接した「はごろもホール」
時間:19:00〜
今年中に地区での住民説明会実施予定。
NHK 大津放送局 ニュースより

 余呉町の高レベル処分場誘致問題に反対を表明したのは、高月町議会のみ。
 他の周辺自治体や議会は意思表示をしない。
 意思表示をしないのは、賛成したことになる。
周辺自治体や住民住民は何が起こっているのか、何が問題なのか最低限、知りる必要がある。自分と家族と子孫のために。知れば意思表示せずにはいられなくなる。
下記の高知県津野町を巡る周辺自治体がなぜ、反発するのか学んでほしい。

◆高知県津野町の高レベル処分場誘致検討に
  周辺8市町議会、猛反発
以下、毎日新聞 2006年10月11日 高知県内版より一部引用

◇「反対」決議や意見書
 津野町で高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致運動が起きていることを受けて、周囲の8市町の議会が9月議会では、誘致に反対する決議案や意見書案を可決した。明神健夫・津野町長らに書面を郵送した。明神町長は「周辺自治体からも意見を聞く」との姿勢だが、周囲首長に続いて議会の猛反発を受け、理解を得るのには厳しい状況となっている。【米山淳】
 
◇「安全」保証ない−−仁淀川、越知、須崎
 仁淀川、越知、須崎の3市町の議会は地方自治法に基づき、明神町長あての意見書案を全会一致で可決した。3市町の意見書では「放射性廃棄物地下処分の技術は確立されているとは言えず、安全の保証はない」と批判。「最終処分場候補地に応募しないことを強く要請する」と求めている。

 
10月11日朝刊
毎日新聞高知県内版へ



2006年10月6日
岐阜県知事の県議会答弁(2006年10月5日
余呉町の検討に重大な関心をもって、動向を注視している
岐阜県の姿勢を滋賀県や余呉町に伝える

 
2006年10月5日 岐阜県議会 大西啓勝さんの質問
1.隣接県滋賀県余呉町の応募検討について、どう考えるか
2.自治体が財政困難に陥っている中で国が交付金を条件に処分場の募集をしていることをどう思うか。

古田岐阜県知事の答弁概要
 現在高知県津野町、東洋町、滋賀県余呉町がNUMOの概要調査地区への応募の前段階である文献調査への応募を検討している。

 岐阜県は県内に処分場を受け入れることはないと常々述べている。

 余呉町の検討に対し隣接している自治体である岐阜県は、重大な関心をもって観ている。
今後の動向十分注視し、情報を収集し、県民の安全安心を最優先に考えて状況に応じて適切に対処していく。

 施設検討にあたっては周辺住民の安全を最優先に検討すべきだ。
 機会を捉えて滋賀県や余呉町に岐阜県の考えを伝えたい。
                          以上

古田岐阜県知事の
・余呉町については重大な関心を持って情報を集めていること
・高レベル処分場誘致検討には、周辺住民の安全安心が最優先されるべきこと
・岐阜県の姿勢を滋賀県知事や余呉町に伝えたいと考えている
ことは評価できる。

 しかし、古田岐阜県知事は財政難にあえぐ自治体に、交付金で応募を迫るやり方に対しては、答えを避けた。財政難に追い込み、交付金ばらまいて国の政策を推し進めるやり方を批判して欲しかった。


2006年10月5日
 
2つの社説 南日本新聞(2006年8月27日)と東奥日報(2006年10月4日)

★南日本新聞 社説のタイトル【核処分場】誘致断念は民意くんだ適正な判断だ
 
 「重大な計画が住民の知らないうちに進められることだ。昨年1月、町長の年頭あいさつで突如表面化した旧笠沙町の無人島・宇治群島への誘致構想のように、住民不在のまま何年も前から検討されていた事実もある。
 宇治群島や宇検村の例で明らかなように離島やへき地が候補地として唐突に持ち上がってくる動きに危うさを感じる。
ガラス張りの原子力政策でなければ国民の核アレルギーは解消されないことを、国はあらためて自覚してもらいたい。」
(一部抜粋)

★東奥日報 社説のタイトル 【候補地選び間に合うのか/高レベル最終処分】
 『経済産業省資源エネルギー庁は交付金の拡充を〇七年度概算要求に盛り込み、テコ入れに乗り出した。文献調査地域への交付金を現行の二年間四億二千万円から二十億円へと大幅に引き上げる内容だ。財政難に悩む地方自治体にとって魅力は格段に高まる。
 しかし、町村対策の拡充だけでは、最終処分計画は進展しない。これまでに動きのあった九町村の場合、県知事も誘致反対の意向を示し、ネックとなったケースが多いからだ。しかも、経産省は「県が反対すれば立地を進めない」と明言している。
 経産省は今夏から都道府県に対する説明を始め、理解を求めているという。だが、それだけでは十分とは言えない。
 最終処分場の誘致は知事の政治生命を左右しかねない重大問題になる可能性がある。有権者である住民の理解を得ることができなければ、知事の同意を得るのも難しいだろう。やはり原子力施設立地の基本である地道な広報活動が欠かせない。』
(一部抜粋)

 
東奥日報の主張は原子力事業の危険性を金で解決してきた青森県の姿勢を是とし、政府関係機関に都道府県への働きかけの強化と、原子力の安全性を宣伝するように訴えている。
 南日本新聞は、住民の知らないところで重大な問題が水面下で進められ、突然浮上していくることに対する不安、不信、離島や僻地を狙うことへの不信感から、まず原子力政策はガラス張りにすべきだ主張する。
 東奥日報の主張に沿う形は、水面下で都道府県への働きかけを強めるここと、青森で行われている以下のような広報活動を国民に雨霰と振り掛けて、麻痺させてしまうことなのではないか。しかし水面下での働きかけは国民の不信感をかうことで、放射線の安全宣伝はするほどに、不信感を抱く結果を招くだろう。
原子力本音で語ろう/資源エネ庁青森事務所が独自の広聴活動
 東奥日報記事 2006年10月2日(月)
青森支部設立へ準備/NPO放射線フォーラム
  東奥日報記事  2006年10月2日(月)

 「水面下での働きかけ」とは例えばどんなものであったかは、兼松の原子力はなぜ信頼されないか」をご覧いただきたい。


2006年10月4日
 福井県敦賀市長、「未来永劫に心配ない施設なのであれば」
 余呉町にとって悪い話ではないと語ったと毎日新聞が報道。
 
 原子力発電やもんじゅによっている河瀬敦賀市長をしてさえも、
「未来永劫に心配ない施設なのであれば」という重大な前提条件
を付けざるを得ないのが
高レベル放射性廃棄物処分場である。
 そのように安全な施設はあり得ず、河瀬敦賀市長は福井県が
認めないからとの理由を付けて決して処分場には手を出さない。
 余呉町長や推進したい方々は河瀬敦賀市長の発言の意図を考
えるべきだ。

 毎日新聞 2006年10月4日 福井県県内版


 2006年10月4日
 高レベル処分場応募検討に「反対」意見書を決議、滋賀県高月町議会
 滋賀県議会でも余呉町の高レベル処分場誘致問題で質疑
 
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毎日新聞 10月3日朝刊 滋賀県内版より
もったいない県政:攻防 高月町議会、原発廃棄物処分場「反対」意見書を議決 /滋賀
 高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査受け入れ問題で、高月町議会は2日、余呉町長あての「高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査の公募に応じないよう求める意見書」を議決した。意見書は近畿の水がめである琵琶湖周辺に危険施設を造らないのは県民の誇りの問題で、「1地域の問題ではない」と指摘。全国どこの自治体も応じていない現状で、拙速に、処分場誘致にかかる文献調査の公募に応じないよう強く求めている。この日の町議会一般質問で、周辺町の町長として考えを問われた北村又郎町長は「受け入れには多くのハードルがあり、簡単に一挙には進まない。正確によく研究して公正な立場で判断する時間が必要だ」と慎重な言い回しの答弁を繰り返した。【野々口義信】

10月3日朝刊   (毎日新聞)

 滋賀県議会でも余呉町の高レベル処分場誘致問題で質疑
 ・県議、福井の原子力発電にどのような貢献をするのか。
 ・知事、水源を守ることが滋賀県の役割

 余呉町出身の橋本正県議が
「『「滋賀は電力の移入県で、いいとこ取りでは信頼は生まれない。福井県の原子力発電に対し、隣接県としてどのような貢献をするのか』と質問。嘉田知事は『各自治体には特性に応じた役割がある。琵琶湖を抱える滋賀は貴重な水源を守る役割を果たしている』と述べ、県に処分場はふさわしくないという認識を改めて示した。」(10月3日朝刊 (毎日新聞)という。
 
橋本県議はどことの信頼関係を必要とするのだろうか、福井県の原子力発電になぜ貢献しなければならないと考えるのだろうか。敦賀市の隣接県町として、交付金を受け取っていることを指すのであろうか。記事を読んだ限りでは、言いがかりに近い発想としか考えられない。
 敦賀市や日本の原子力発電に貢献したいのでのであれば、放射能のゴミを増やさないために豊かな森林資源を使って、バイオマスや小水力による発電の検討をお勧めしたい。


2006年9月30日
高知県東洋町長
誘致について周辺自治体と話し合う
反対派の専門家も招いての説明会も開催したい
 
 
町や議会が推進したいのであれば、推進と批判双方の話を公平に聴く機会を設けることは当然だが、当然のことがやっと実現しそうだ。
NUMOや資源エネルギー庁は仕事で給料をもらって説明をしている。旅費も宿泊費も十分に税金で、或いは処分費用から確保されている。批判する専門家も同等な扱いで、批判する住民に負担をかけずに行われるべきだ。
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毎日新聞 高知県内版(9月30日)より
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致の動きがある東洋町の田島裕起町長は毎日新聞の取材などに、「(誘致するかどうかは)周辺自治体とも話し合う」との姿勢を示した。さらに、10月11、12日両日には推進派による住民説明会を開くが、「反対派の専門家を招いての説明会も開催したい」と述べた。
 田島町長は最終処分場について「国全体の事業で、東洋町のような小さい自治体が国家プロジェクトに貢献できることはめったにない。貢献した自治体には交付金がもらえるので、勉強する価値は十分ある」との認識を示した。誘致については「勉強中ですぐに決める話でない。期限も決めていない」とした。
 また、橋本大二郎知事が誘致反対を明言していることに関しては、「知事には知事の考えがあるが、町としてはさらに理解を深め、適切に判断する」と橋本知事の意向とは距離を置く考えを明らかにした。【米山淳】

9月30日朝刊
(毎日新聞) - 9月30日14時0分更新
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2006年9月28日
 
資源エネルギー庁の発言には警戒を
 共同通信によると、資源エネルギー庁は知事が処分場に反対している
 場合は、市町村が応募しても進めないことを強調したという。
 ここから見えてくる資源エネルギー庁の方針
 ・応募をさせて、知事をあらゆる方面から説得する
 ・それでダメならスキャンダルで追い出すかもしれない
 
 1.「進めない」は無意味なまやかし

 知事が反対している場合は、応募はしてもそれ以上は進めないとはどういうことか。
 文献調査は知事の目の前で実施するわけではない。NUMOを監視するシステムなどない。
 資源エネルギー庁のこの言葉は無意味なまやかしに過ぎない。
 
2.決定するのは「国」である
  知事の意思が「尊重される」ことはあっても、決定するのは国である。
  資源エネルギー庁は法律を誠実に伝えるべきだ。

 共同通信は法律を確認し、資源エネルギー庁に再度取材して欲しい。
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 東奥日報   2006年9月28日(木)

都道府県反対なら進めない 原発ごみ処分場で経産省

 原発の使用済み核燃料を再処理して出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、経済産業省は28日、市町村が応募しても都道府県が反対する場合は進めない方針を強調した。

 応募を検討している高知県東洋町が開いた町内の各種団体への説明会で、同省の吉野恭司放射性廃棄物等対策室長が述べた。

 橋本大二郎高知県知事は、在任中は最終処分場を受け入れないと表明しており、東洋町に隣接する徳島県海陽町の職員は「知事の意見は尊重されるのか」と質問。吉野室長は「(知事が)認めないという意見なら先には進めない」と答えた。

 東洋町が応募する意思があるかを確認する質問も出たが、田嶋裕起町長は「反対意見も聞きながら、十分勉強した上で決断する」と述べた。

 これまでも応募に関心を示す自治体はあったが、県の反対などで誘致に至っていない。滋賀県余呉町長は20日に誘致の意向を表明したが、知事は反対する考えを示している。

(共同通信社)
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2006年9月28日
 徳島県議会でも高レベル処分場誘致を警戒
   高知県東洋町の隣接県として
 徳島県海陽町が東洋町と隣接しているため、2006年9月27日の徳島県議会代表質問で、自民党明政会の嘉見博之氏が高レベル処分施設に県民の不安があること、南海地震の発生も予想されていること、徳島県は非核の県宣言をしていることなどから、飯泉徳島県知事の考えをただした。

 飯泉徳島県知事は「本県に隣接する地域であり、十分関心を持って状況を注視している」と説明。南海地震の発生や県民の不安に加え、室戸・阿南海岸国定公園の区域で豊かな自然が残されていることや、県外からの移住・交流による振興を図ろうとしている地域であることを強調、問題点を指摘した。
 徳島新聞 2006年9月27日 記事はこちらhttp://www.topics.or.jp/News/news2006092710.html
  (リンクが切れる場合あり)


2005年9月27日
 推進側による 一方的な説明会
◆ 津野町 9月25日 住民説明会
◆ 東洋町、
住民説明会へ 10月上旬までに3回 
 
以下、毎日新聞  2006年9月27日記事 高知県内
**********************************************

核廃棄物の行方:誘致、どう判断 東洋町、住民説明会開催へ /高知
 ◇動き見守る周辺自治体

 東洋町で高レベル放射性廃棄物の最終処分場施設誘致に向けた動きが起きている中、周辺の自治体は同町の動きを慎重に見守る対応をしている。同町は10月上旬までに住民説明会を3回開く予定だが、橋本大二郎知事が誘致反対を宣言しており、説明会後の東洋町の判断が注目される。【米山淳、近藤諭】

 室戸市の武井啓平市長は「東洋町から何の連絡もないのでコメントのしようがない。東洋町の動きを見極めて対応を検討したい」と、賛成、反対を明らかにしていない。

 北川村の大寺正芳村長は「まさか隣接する自治体で誘致の動きがあるとは思わなかった」と困惑した様子。今後については「地方自治体は財政難だが、交付金目当ての応募は認められない。賛成という立場になかなかならないが、村としても知識を深める必要がある」と話している。

 東洋町に隣接する徳島県海陽町の多田保政助役は「東洋町が調査に応募すれば誘致反対の立場を取るだろう。施設管理の面でも不安があり、水質に悪影響が出る可能性がある」と懸念を示す。

 また、同県牟岐町の池内正勝町長は「我々も勉強会や説明会で知識を深めたうえで、賛成か反対かを表明する。徳島県側の自治体にも意見を聞いて検討したい」と慎重な姿勢を見せている。

 ◇安全性や経済効果を強調−−津野町議会が住民に説明会

 一方、津野町議会は原子力発電環境整備機構などと25日夜、町役場で住民説明会を開いた。

 町民ら約160人を前に長崎晋也・東京大大学院教授は「放射性廃棄物はガラス固化体を金属製の容器で覆うなど多重バリアが施され安全。放射性物質が漏れたとしても、地上に出るには長い年月がかかり、被ばく量を低く抑えられる」と安全性を強調した。

 同機構の石黒勝彦技術部長は「活断層の研究は進んでおり、南海地震を想定し、安定な地層を選ぶことは可能」。また、同機構の横井川寛理事は「誘致による雇用増などの経済効果が期待できる」と説明した。

 ◇「正しい選択にもっと議論を」

 津野町北川の農業、高橋幸雄さん(67)は「処分場誘致が表面化してまだ1カ月もたたない。正しい選択をするためにはもっと長い議論が必要だ」。同所、パート、三宅美枝さん(39)は「地層処分が安全だとは思えなかった。子供たちのためにも誘致には反対」と強い口調で話した。

 説明会開催で、町民の理解が得られたとは言えない状況だ。

毎日新聞 2006年9月27日



2006年9月23日

 
「処分は可能か?」にリンク
 
原子力機構超深地層研究所付近のボーリングコア(サンプル)の写真を追加。
 日本の地下の状況の一端をボーリングサンプルで見て欲しい。日本の地下は地震活動で、隆や沈降などの地殻変動で多少の差こそあれ、類似した状況であろう。

 研究所の「立坑建設も簡単ではない」(2006.9.23)へ


2006年9月22日
◆余呉町長出席で公開討論会
・テーマ:緊急 原発・高レベル放射性廃棄物最終処分場を考える公開討論会
・日 時:2006年9月24日(日) 午後2時〜
・場 所:伊香郡民会館2階
    (平和堂木之本店前 R8沿い)
・出席者 衆議院議員  吉井 英勝 氏
       余呉町長    畑野 佐久郎氏
 毎日新聞 滋賀県内版へ


◆中日新聞 2006年9月21日 記事

中日新聞 2006年9月21日 1面 滋賀11版へ pdf

中日新聞 2006年9月21日 18面 滋賀県内版へpdf

◆高知県知事9月14日 記者会見の記録 テキストへ
 
 
高レベル放射性廃棄物処分場について、それぞれの立場の人に強く問いかける橋本知事の発言。

2006年9月21日
 
余呉町長 高レベル放射性廃棄物処分場誘致を表明

以下、共同通信 記事より
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2006年(平成18年) 9月20日 共同通信
最終処分場誘致を表明 琵琶湖北部の滋賀・余呉町
 原発の使用済み核燃料を再処理して出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、滋賀県余呉町の畑野佐久郎町長は20日、記者会見し「処分場問題は国民的課題。国の役に立ちたい」と述べ、町内に誘致する意向を示した。
 畑野町長は昨年も誘致を表明、県の反対で撤回した。今回は、資料により処分場としての適否を調べる「文献調査」には、県に反対されても応募する意向を示した。
 今後住民説明会を開き、住民の合意と議会の議決を得た上で、「できるなら2006年度中に応募したい」と述べた。
 処分場を公募している原子力発電環境整備機構(原環機構)によると、これまで正式に応募した自治体はない。
 畑野町長は誘致の理由として、応募した際に国から出る交付金を挙げ「厳しい財政状況を救う財源になる」と説明した。また「ただちに県の了解が得られると思っていないが、理解を求めていく」と述べた。
 嘉田由紀子知事は「現時点では社会的な状況として議論を受け入れる準備ができていない」とのコメントを出し、反対する考えを示した。
 最終処分場は、原環機構が2002年12月から、全国の自治体を対象に公募している。
 余呉町は人口約4000人で琵琶湖の北に位置し、福井、岐阜両県に接する。

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 ◆余呉町周辺の活断層
 中部地方は日本でも活断層が多い地域である。余呉町には福井県から続いている柳ヶ瀬断層帯や関ヶ原断層帯が走っている。さらに野坂・集福寺断層帯や湖北山地断層帯などの活断層が交差するように密集している。琵琶湖西岸の山地には三方・花折断層帯が延びている。こうした断層が余呉湖や琵琶湖の形成に大きく影響している。
 このような地域を文献で調査し、更に概要調査に進むことがあれば、恐ろしいことだ。隣接する岐阜県坂内村には柳が瀬断層に直角に近い形で何本もの断層の疑いのあるリニアメントが存在する。

 活断層や断層帯については
「地震調査研究推進本部」のHPへ
http://www.jishin.go.jp/main/index.html
       ↓
 【報告書・会議資料など】
       ↓
【日本の地震活動 −被害地震から見た地域別の特徴−】
    <追補版>
       ↓
 滋賀県や岐阜県の被害を及ぼした地震や活断層の情報へ


◆万一、余呉町にガラス固化体を埋めたら、真っ先に漏れた放射能の影響を受けるのは、処分場の下流域に住む余呉町民自身であることを忘れないで欲しい。

◆高レベル放射性廃棄物地層処分の困難さ
・断層帯
 危険は活断層だけではない。断層も厄介な存在だ。処分場建設では、断層破砕帯が水を運び、処分場の建設が困難になる場合も十分ある。
・高レベルガラス固化体と地下水
 地下水はガラス固化体を保護するためのベントナイトやオーバーパックを腐食させ、 ガラス固化体に到達するだろう。強い放射能に晒され続けたガラスは細かい亀裂が生じ、水が触れると亀裂から放射能が漏れる。
 ガラスはNUMOや原子力機構、国が宣伝するような安定した物質ではない。特に高レベル放射性廃棄物の熱と放射線晒され続けたガラスは。
・地震と地下水の変動
 推進側の人は地震の際も地上に比べて、地下の揺れは非常小さいという。
 しかし地下水は地震の影響をの敏感に反映する。兵庫県南部地震で、200km以上離れた岐阜県瑞浪市の天然温泉・白狐温泉のラドン濃度が大きく変化した。
 原子力機構の東濃ウラン鉱山に設置された、地下水位計は北海道東方沖地震、三陸はるか沖地震、兵庫県南部地震のたびに、減少を繰り返し、しばらくして従前水位を取り戻している。 地下は押し合いながらかろうじて均衡を保っている。しかし地震動で均衡が崩れたときは、水位に直接影響する。処分場の近傍で地震が起きたとき、処分場が直接破壊されなくても、水位の影響は必ず受け、ベントナイトやオーバーパック、ガラス固化体に影響を与えることは想像に難くない。
   
(原子力機構「地層を科学する」1999年12月増刷 
 東濃地科学センターのパンフレットより)
 上記解説に、
「地震発生と地下水挙動に関する研究:地震の前兆現象を捉えることを目標にして、岩盤や地下水の動きを常時観測し、これらの変化と地震発生との関連を調べています。」とあり。



2006年9月18日
 
応募を期待する電力会社

 
 東奥日報2006年9月17日(日) 記事一部抜粋

「最終処分誘致検討の自治体次々と

 使用済み核燃料の再処理に伴って生じる高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の最終処分候補地への応募を検討している自治体が、鹿児島県や高知県などで次々と浮上している。最終処分事業については、本県がなし崩し的に処分地化することを懸念する県民世論を背に、三村申吾知事が国などに全力で取り組むよう要請してきた経緯がある。このため電力関係者は、事業に進展がなければ、来年夏に予定されている六ケ所再処理工場の本格操業の支障になりかねない−として事態の推移を注視している。」

「 電事連幹部は「韓国では中・低レベル廃棄物の処分場をめぐり、四地点が誘致を競った。日本でも、同じ時期に多く自治体が名乗りを上げれば誘致合戦になることも想定され、反対派の攻撃が一地点に集中することもない」と話す。「再処理工場受け入れ時のような、県レベルでの取り組みが不可欠になる」(青森県幹部)との見方も。」

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2006/20060917141930.asp

 
電事連幹部の発言は福井県和泉村が検討した際、福井県が和泉村に指導したこととほぼ同じである。推進側は原発立地経験を活かしながら、水面下工作を継続している。

2006年9月15日
 
津野町周辺の市町が反対表明、反対決議

  

反対を表明した市町:仁淀川町、梼原町、四万十町、中土佐町、須崎市、四万十市
・仁淀川町議会、全会一致で反対意見書可決

 
 「放射性廃棄物地下処分の技術は確立されているとはいえず、安全の保証はないと考えられる」とし、「貴町(津野町)におかれては、応募しないよう強く要請する」となっている。全会一致で可決し、15日にも津野町長に提出(郵送)する予定。」
(高知新聞 2006.9.15より引用  高知新聞へ
・津野町町長は誘致の是非を検討すると議会で答弁(2006年9月14日 毎日新聞高知版)



2006年9月14日
核廃棄物施設に否定的 橋本知事 国の手法を問題視


高知新聞  2006年09月14日 夕刊より 

http://www.kochinews.co.jp/0609/060914evening01.htm#shimen1
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2006年09月14日

核廃棄物施設に否定的 橋本知事 国の手法を問題視

 橋本大二郎知事は14日の記者会見で、高岡郡津野町と安芸郡東洋町で高レベル放射性廃棄物最終処分施設の候補地応募の動きが相次いで表面化した状況に触れ、「(三位一体改革などで)地方を追い込み、交付金をばらまいて国の政策を進めるやり方に強い疑問を感じる」と指摘。応募への賛成、反対両派の主張にも違和感をにじませながら、県内への立地に否定的な考えを示した。

 橋本知事は平成15―16年に旧幡多郡佐賀町(現黒潮町)で同施設の誘致を求める動きが起きた際にも、県議会で「私の在任中にはこうした施設を受け入れるつもりはない」と答弁。この日の会見でも「考え方に変わりはない」と述べた。

 その上で応募を求める動きについて「受け入れるのであれば『交付金なんか要らない。エネルギーや地球温暖化を考えた時に絶対に必要な施設だ』という意思を表明すべきだ」と指摘。反対する動きにも「単に危険だではなく、もっと地域に密着したまちづくりの提案が必要だ」と注文を付け、原子力政策や地域づくりを総合的に検討した議論が不可欠との考えを強調した。

 また津野町周辺の首長が明確に「誘致反対」を表明していることにも言及。「(反対の人は)自然を生かした地域づくりや交流人口拡大を図っている方向性とはマッチしない、と考えているのではないか」と述べ、知事自身も県の政策とは相いれにくいとする考えを示した。

 一方、施設建設の調査段階から巨額の交付金が交付される状況に「札びらをばらまく原子力政策はやめるべきだ」と語気を強め、「こんな政府や国のかたちでいいのか、県民一人一人が意思表示すべき時にきている」と指摘した。

転載終わり
 
 橋本知事の高レベル放射性廃棄物の発言に共感する点は多い。
 しかし反対する住民の率直な反応も受け入れて欲しい。
 高レベル処分場誘致問題に直面した住民が、「危険だ」と感じ、それを素直に表現することは当然で、批判されることではない。「危険だ」から出発して、暮らし方を考えることに至ることが多い。そうであって欲しい。 


 
2006年9月12日
 
津野町議会、継続審議
高知県津野町、高レベル処分誘致陳情を受けて、協議を付託された行財政改革特別委員会は、9月12日、推進反対の両陳情の扱いを継続とした。

◆毎日新聞 高知県内版 2006.9.12
放射性廃棄物最終処分施設:「誘致、容認しない」
 知事の同意、不可欠−−県 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060912-00000151-mailo-l39


◆高知新聞  2006.9.12
http://www.kochinews.co.jp/0609/060912headline06.htm#shimen6
2006年09月12日
東洋町近接3町村に説明 核廃棄物施設問題

 高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の候補地への応募を検討している安芸郡東洋町の田嶋裕起町長は11日、近接する安芸郡北川村と徳島県海陽町、牟岐町の3町村を訪れ、施設についての勉強を進めていく考えを伝えた。

 ◆朝日新聞 高知県内版2006年09月12日
http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000609120004
東洋町でも応募検討/放射性廃棄物処分場


2006年9月10日
高知県東洋町でも高レベル廃棄物処分場誘致検討表面化
2006年3月、推進派は10近い自治体が応募を検討していると言った。
これから5,6箇所は自治体名が上がるだろう。


高知新聞 2006年09月10日 抜粋
http://www.kochinews.co.jp/0609/060910headline01.htm
核廃棄物処理施設 東洋町でも応募の動き

 安芸郡東洋町が高レベル放射性廃棄物の最終処分施設の候補地への応募を検討していることが、9日までに明らかになった。既に町執行部と議会は原子力発電環境整備機構(原環機構・東京)の職員を招いた勉強会を開いたが、正式応募するかどうかを含め今後のスケジュールなどは未定。同施設をめぐっては、高岡郡津野町でも候補地への応募を求める陳情書が同町議会に提出されている。県内の2つの町で応募に向けた動きが明らかになったことで、周辺自治体を巻き込んだ議論が活発化しそうだ。

 
以下、略

2006年9月8日
 高知県津野町以下、南部一帯の地質
 高レベル放射性廃棄物処分場の候補地と想定している場所は「鈴が森」(標高1,054m)という。
・鈴ヶ森の地質
鈴が森は1988年1月、旧動燃が高レベル放射性廃棄物地層処分のための候補地選定調査の一環として、愛媛県全域と高知県の西部約8,200平方キロメートルを対象として調査し、11箇所が高レベル放射性廃棄物処分の」適正地区」として選定された地区の1つである(「四国西部リモートセンシング調査」)。
 しかし鈴が森は処分場の適地か。
当報告書でも、鈴ヶ森以下、高知県の処分候補地は、愛媛県の花崗岩地域よりも劣ると明記している。
 津野町以下、高知県調査地域一帯は大きな構造線が走り、褶曲が激しい。
当然亀裂は予想される。しかも、砂岩と泥岩。
亀裂があれば水が通っているのは日本の地質では当然こと。
 鈴が森を選んだのがNUMOなのか住民なのかは不明だが、まさに不適地。
・旧動燃の報告書に信頼性はない
 一連の報告書で旧動燃は、中越地震で大きな被害を受けた新潟県の旧守門村、旧入広瀬村境を処分候補地に選んでいた。
 当時の技術の限界なのか、旧動燃の調査能力の不足なのか、両方なのかは不明だが、一連の報告書に信頼性がないことは明らかだ。

 
 
2006年9月5日
高知県津野町議会に高レベル放射性廃棄物処分場誘致陳情
鹿児島県宇検村(検討白紙撤回)、滋賀県余呉町、高知県津野町と続いている。
約10億円/年の文献調査費用につられて今後も表面化する可能性が高い。
NUMOが地域間で競わせる可能性もある。

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高知新聞 2006.9.5記事抜粋http://www.kochinews.co.jp/0609/060905headline01.htm#shimen1
2006年09月05日

津野町で応募の動き 核廃棄物処理施設

 原子力発電環境整備機構(原環機構・東京)が公募する高レベル放射性廃棄物の最終処分施設をめぐり、高岡郡津野町で候補地への応募を求める動きが出ている。4日には町民有志が町議会に陳情書を提出。

 これに対し、誘致反対を求める町民有志も同日、陳情書を出し、それぞれ全議員で構成する町行財政改革特別委員会(大地勝義委員長)に付託された。いずれの陳情も、12日に開かれる予定の同特別委で協議されるが、これまでに全国で正式応募した自治体はなく、大きな論議を呼びそうだ。

*************************以下略*******************

◆朝日新聞 高知県内版 2006.9.6記事抜粋

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放射性廃棄物処分場 津野町で誘致の動き
2006年09月06日

  原発核燃料の再処理で出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致を巡り、津野町で前向きな住民有志と、反対する住民有志の双方が町議会にそれぞれ陳情書を提出したことが5日わかった。最終処分場は、経済産業省の認可法人「原子力発電環境整備機構」(原環機構)が候補地を全国から公募しているもの。県内では旧佐賀町で公募に応じるべきだとの請願が出され、同町議会が04年9月に不採択とした経緯がある。津野町議会は双方からの陳情を町行財政改革特別委員会に付託し、12日に開く同特別委で審議する。

  町議会に対して4日、建設会社役員高橋幸人さん(56)=同町芳生野甲=ら2人が、原環機構による概要調査地区選定への応募に向けて手続きを進めるよう求める、明神健夫町長、山本昇平・町議会議長あての陳情書を約100人分の署名を添えて提出した。
---------------------------------------------
以下asahi.comへ

http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000000609060004


2006年8月31日
 
滋賀県余呉町が高レベル放射性廃棄物処分場を
 再度誘致検討

 中日新聞 2006年8月31日 より転載 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060831-00000003-cnc-l25
余呉町が誘致再検討 核燃廃棄物の最終処分場

 
【滋賀県】滋賀県余呉町の畑野佐久郎町長は、原発の使用済み核燃料から生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致を再検討する考えを明らかにした。昨年10月に県などの反対でいったん断念したが、財政難で方針を転換した。

 畑野町長は今月8日の町議会全員協議会で、青森県六ケ所村の核関連施設の視察報告をして「高レベル放射性廃棄物の最終処分場の応募をもう一度、考え直したい」と発言した。議会側は町長の意向を聞くにとどめたが、議員12人の中には反発の声も上がっている。

 同町は人口約4000人で、過疎化や近隣市町との合併協議の破たんなどで、財政再建が大きな課題。畑野町長は「このまま行けば数年後に財政は破たんする」としている。

 同町は昨年、候補地として名乗りを上げた自治体に支払われる交付金で財政を立て直そうと誘致を検討。しかし、県が「琵琶湖のある滋賀は近畿の水源県。了解するわけにはいかない」とし、理解が得られなかった経過がある。

 経済産業省資源エネルギー庁は8月、候補地の第1次調査「文献調査」の段階で地元などに支払う交付金を、当初の年間2億1000万円から10億円規模に増額する方針を固めた。畑野町長はこうした交付金で、財政難を乗り切りたい考えだ。

 処分場は、原子力発電環境整備機構が2002年12月、全国の市町村から公募を開始したが、正式に応募した自治体はない。

 畑野町長は「安全の確保や住民、議員の意向を見極めて(応募を)進めたい。(候補地として手を挙げることで)国民全体での議論の場を作り出したい」と話している。
(中日新聞) - 8月31日11時33分更新

2006年8月22日
南日本新聞 2006 08/26記事より
核燃処分場 宇検村長「検討を中止」
村議会、特別委で検証へ

 宇検村が高レベル放射性廃棄物最終処分場の候補地を公募している原子力発電環境整備機構(原環機構)の説明を受けていた問題で、同村の元山三郎村長は25日、村役場で記者会見し、「処分場に関する検討作業は今後一切行わない」と表明した。一方、村議会は同日、全員協議会を開き、「一連の経緯が不透明」として、9月下旬開会の定例会で同問題を検証し、誘致に反対する特別委員会を設置することを決めた。
 議会全協は非公開。議員12人のうち11人が出席した。終了後、会見した国馬和範議長は、「誘致に反対の立場を明確にした特別委員会を設置することにした。二度とこの種の施設の誘致話が出ないよう対策も考えたい」と話した。
 特別委設置は賛否同数のため、国馬議長が採決に加わり賛成を決めた。全協に村長出席を求める声もあったが、特別委で経緯を明らかにする方針を確認し見送られた。
 同議長は、元山村長に対し「口に出した言葉に責任を持ち、もうちょっと慎重に事を進めてほしい」と批判した。
 特別委設置について、元山村長は「議会の立場で対応されるのだろう。説明会の持っていき方に不手際があったかもしれない」と話した。村民への説明不足の指摘については「月1回の区長会などあらゆる機会を通じ経過説明する」と述べた。


2006年8月21日
知事、核燃処分場誘致 鹿児島知事が反対 「技術、得心できぬ」
 
=2006/08/21付 西日本新聞夕刊=一部抜粋
 「鹿児島県宇検村(奄美大島)が使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討している問題で、伊藤祐一郎同県知事は21日の定例会見で、「県としては奄美群島周辺に(同施設を)置くつもりは全くない」と述べ、誘致に反対する考えを表明した。」 



2006年8月21日
鹿児島県宇検村(奄美大島)が高レベル放射性廃棄物処分場誘致を検討
 宇検村は住民説明会の結果を受け、2005年3月「奄美大島地区合併協議会からの離脱を決定し、単独での行政運営を行うことを決め」(広報 うけん2006年3月号)、その財源として高レベル放射性廃棄物処分場の誘致を検討している。
 今年度まで文献調査の交付金は年間2.1億円であった。ところが応募がないため2007年度からは文献調査の交付金が年間10億円に増額される予定。2006年度当初予算が約30億円の自治体にとって、10億円の交付金は大きい。


 西日本新聞によると、6月下旬、村議全員と村長、助役らがNUMOから説明を受け、7月上旬に同村商工会役員らがNUMOから説明を受けたという。
 この構図は、滋賀県余呉町、鹿児島県笠沙町、熊本県御所浦町、高知県佐賀町など応募を検討した地域に共通している。
 資源エネルギー庁が
高レベル放射性廃棄物処分場の条件を「安全性」で探すのではなく、地域の弱みにつけ込んで金で地域を買い取ろうとする限り、この構図は変わらない。

 言い換えれば日本に安全な場所がない、どこに処分しても安全性は確保されないということだ。花崗岩の超深地層研究所の立坑ですら、壁面をコンクリートで厚く覆わないと立坑の安全性すら確保されないのだ。
 
西日本新聞 2006年8月21日 HP 



2006年8月21日
 
資源エネルギー庁、処分場への仕掛け金年間10億円の方針
文献調査に応募すると年間2.1億円から10億円に約5倍のアップという
 (電気新聞 2006年8月11日 1面記事より)


2006年8月5日
 処分場への仕掛けに交付金大幅増額

資源エネルギー庁は2007年度の概算要求に高レベル放射性廃棄物処分場に応募した文献調査地域に対する交付金を、年間数十億円に増額し、期間中に数十億円を交付する予定という。

資源エネルギー庁がやれることは、交付金の増額しかない。
今回の増額でも応募がなかったら、文献調査地区に年間20億円の交付金を出すことも辞さないだろう。地域を金で買い取るしかすべがないのだ。
地質も安全論議もなく、原子力機構の2000年レポートの延長線上で処分する事だけが至上命題だ。


知事が反対を表明してもなお、高レベル放射性廃棄物処分場誘致を検討している地域住民がいる。多額の交付金を付けなければならない理由を冷静に考えて欲しい。

  中日新聞 2006年8月5日 夕刊 1面へ




 9.2006年5月17日
 ◆高レベル最終処分場候補地で10近い自治体が検討と東奥日報が報道
    (2006年5月16日)
 青森市で開かれた自民党の電源立地および原子力等調査会と県幹部との原子力政策対話集会に出席した松島衆議院議員は、
「概要調査地区(処分場候補地)への応募を検討中の自治体が全国で十カ所近くあることを明らかにした。松島議員は「(概要調査地区を)ここ二、三年で決めなければならない」とも述べ、最終処分問題に全力を挙げる考えを示した。」
  東奥日報へ 
  http://www.toonippo.co.jp/kikaku/kakunen/new2006/0516_1.html


 8. 2006年4月20日
 非公開に徹したNUMOの発言
 参議院外交防衛委員会2006年4月18日の審議


 長崎県出身の民主党犬塚直史氏が高レベル放射性廃棄物処分場の公募に関わるNUMOの非公開体質を問い、NUMOによって六ヶ所村を視察した自治体の一覧表の提出を委員長に求めた。
 長崎県新上五島町の町議とNPO 29名が1人7,000円の費用で六ヶ所村の再処理施設をしたのは事実か。
 その際NUMOは交通費と宿泊費を負担したのかとの質問しました。

 NUMOの竹内専務理事は全国の自治体に処分場への応募を行っている。地域から要望があれば近くの原子力施設や六ヶ所村の再処理施設を視察してもらっている。交通費と宿泊費はNUMOが負担している。食費7,000は(参加者から)もらっている。 
  しかし29人が視察に行ったかどうかは、答えられない。
  応募するまで個別の地域については答えられない。
 全国で何ヶ所の自治体が視察に行ったのかという質問に対しても、かなりの数視察してもらったが、その数もNUMOとしては答えられない。
という 参議院外交防衛委員会2006年4月18日の審議 http://www.sangiin.go.jp/
で、 長崎県出身の民主党犬塚直史さんが高レベル放射性廃棄物処分場の公募に関わるNUMOの非公開体質を問い、NUMOによって六ヶ所村を視察した自治体の一覧表の提出を委員長に求めました。
長崎県新上五島の町議とNPO29名が1人7,000円の費用で六ヶ所村の再処理施設をしたのは事実か。その際NUMOは交通費と宿泊費を負担したのかとの質問しました。

 NUMOの竹内専務理事は全国の自治体に処分場への応募を行っている。地域から要望があれば近くの原子力施設や六ヶ所村の再処理施設を視察してもらっている。交通費と宿泊費(日当と発言したはずですが、この発言が適切かどうかは、分かりません)はNUMOが負担している。食費7,000は(参加者から)もらっている。 
 しかし29人が視察に行ったかどうかは、答えられない。応募するまで個別の地域については答えられない。
 全国で何ヶ所の自治体が視察に行ったのかという質問に対しても、かなりの数視察してもらったがその数もNUMOとしては答えられない。
という非公開に徹した答弁でした。
 
 質問者の犬塚さんはNUMOの不透明な姿勢が地域を疑心暗鬼にさせていると批判しました。この経過から NUMOによって六ヶ所村を視察した自治体の一覧表の提出を委員長に求めました。委員長は質問者の一覧表の要求に対し、理事会で協議すると答えました。

 水面下で応募の準備が進み、それを知るすべがない状態は、申し入れ同様、地域住民を疑心暗鬼にさせるものだと改めて思います。
 今後はさらに水面下でのNUOMと自治体、自治体の中で駆け引き、県とのやりとりが徹底されるでしょう。
であった。
 
 質問者の犬塚氏はNUMOの不透明な姿勢が地域を疑心暗鬼にさせていると批判した。この経過から NUMOによって六ヶ所村を視察した自治体の一覧表の提出を委員長に求めた。委員長は質問者の一覧表の要求に対し、理事会で協議すると答えた。

 水面下で応募の準備が進み、それを知るすべがない状態は、申し入れ同様、地域住民を疑心暗鬼にさせるものだと改めて思う。
 今後はさらに水面下でのNUOMと自治体、自治体の中で駆け引き、県とのやりとりが徹底されるであろう。


    犬塚直史氏の国会質疑 原環機構(NUMO)関連 議事録抜粋 PDF