ニチコン

ニチコン

ニチコン本社は烏丸御池駅1番出口の北側です。ニチコンはアルミ電解コンデンサや電力用コンデンサなどのメーカーで最近は正特性サーミスタやスイッチング電源などもやっているようです。スイッチングレギュレータは電源センタでやっているのでしょうか。昭和25年8月1日設立、平成22年現在7315名とのこと。平成23年売上1077億で京都駅に広告看板があるようです。アルミ電解コンデンサーに限ると日本ケミコン(売上1003億)の方がシェアが大きいようです。

 4級アンモニウム塩(4級塩)は陰極付近でのOH-を捕捉できず、強アルカリ性になるため、封口ゴムを侵し液漏れするという故障が頻発しました。1988年頃に生産された低ESR(等価直列抵抗)品では液漏れにより、プリント板上のパターンがショートする事故もあったようです。その影響でインフラ設備では、アルミ電解コンデンサの交換騒ぎがありました。現在は3級アンモニウム塩や環状アミン塩系電解液が用いられているようです。また、三洋が開発したOSコンデンサは低インピーダンスと長寿命を実現しましたが、コピーしたメーカ品では不具合が頻発したようです。経年変化などは十分に評価しないと時限爆弾をかかえた製品をばらまくことになります。タンタル電解コンデンサの逆極性も時限爆弾になります。

産業分野でのインバータ普及に伴い、アルミ電解コンデンサの高耐圧化が求められており、ニチコンは基板自立型で600VのLGNシリーズをニチコン大野の第三工場(安曇野市)で平成28年から量産を開始したとのこと。日本ケミコンは、ねじ止め端子型で700VのRHBシリーズをケミコン福島で量産しており、平成29年までに800V品の市販化を目指しているとのこと。

NEDOプロジェクトでニチコンと大阪大学、理化学研究所で開発したSiC電力変換モジュールの動作検証を完了し、高度医療用加速器電源や産業用蓄電システムなどへ展開するようです。新開発のSiCモジュールは86×84×25mmとのことで従来比2/3の体積に小型化できたようです。

電源事業を譲り受けるようです。なお、村田製作所の電源関係の売上高は400億円とのことですが、高付加価値電源は村田製作所に残すようです。ちなみに電源の開発拠点は東京のようです。

ニチコンは、平成29年にEV、PHV用の急速充電装置を300台/年で国内シェア30%以上を目指すとのことで出力50kWの急速充電器を体積従来比10%減の440Lとしたようです。

 以下の表は、個人的に品質が良いと思っている国内メーカの順位ですが、韓国や中国メーカに比べて事故品は少ないようです。

メーカ 本社 2014年売上 創業/設立
日本ケミコン 五反田 1140億円 6800名 昭和6年8月創業
パナソニック 門真
ニチコン 京都 1050億円 5800名 昭和25年8月01日設立
エルナー 新横浜  310億円  581名 昭和16年5月25日設立
ルビコン 伊那市  650億円  630名 昭和27年4月28日設立
マルコン 長井 1995年4月日本ケミコン山形となる。
三洋電子 OS(有機半導体)コンデンサが有名

コンデンサメーカ各社は車載対応として高耐熱化を急いでいるようです。
太陽誘電 250℃耐熱
積層セラミックコンデンサ
TDK 200℃耐熱
積層セラミックコンデンサ
村田製作所 200℃耐熱
積層セラミックコンデンサ
京セラ 関連会社AVX(米国)
200℃耐熱タンタルコンデンサ
ニチコン 170℃耐熱
アルミ電解コンデンサ

一般に高耐熱化はセラミックコンデンサの方が有利ですが、容量を大きくするためには、アルミ電解コンデンサに頼るしかありません。しかしながら、170℃耐熱となると電解液の蒸発と高熱でも密閉性のある封口ゴムを開発するという難題を乗り越えなければいけません。現状では家電などは85℃品で通信機器では105℃品が一般的なようです。一般にアルミ電解コンデンサは実使用温度が10℃下がると寿命が2倍になるようです。
平成30年にコンデンサで1000億円の売上を計画し、車載コンデンサで300億円の売上を計画しているようです。