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 近年恒例化している秋の海外旅行、今年は塩野七生著「ローマ人の物語4〜6ハンニバル戦記」を読んで、共和政ローマとカルタゴ(現チュニジア)との間で地中海世界の覇権を賭けて争われ、三度に渡るポエニ戦争(紀元前264年〜紀元前146年)の結果、ローマ帝国に滅ぼされ、歴史から抹消された幻の国、カルタゴを訪ねて見たくなりツァーに参加しました。
 今回はアリタリア航空と日本航空の共同運航便で機材及び乗務員は日本航空だった。私のように外国語が苦手な者にとっては大変有り難い。乗り継ぎ時間も含めると20時間以上の長旅では大変気持ちが楽になる。
 チュニス空港に到着し、ホテルに着いたのが真夜中の1時30分、外は小雨模様、添乗員に聞いた所、明日には雨は上がるとの話、少し安心する。
 よく眠れないまま朝を迎え、空を見上げると、雨は落ちてはいなかったが、どんよりとした曇り空、北アフリカの抜ける様な青空を期待していたが残念。
同じ季節に旅したモロッコやエジプトと比べると気温が低いと感ずる。
 チュニジアの地中海沿岸はその分気候が湿潤で農作物が良く獲れるのだと思う。
その豊な国土故に、この国の苦難の歴史が始まっている。誰もが憧れ手に入れることを望んだ大地。様々な民族の争奪戦が繰り広げられ、支配し、ここに多様な文化や民族を残していった。
それらが現在チュニジアという小国にモザイク画のように特異な魅力を作りあげている。
旅人は遺跡を巡り、ビーチに遊び、迷路のようなメディナをさ迷う。
そして遥か南へと続く広大なサハラ砂漠へと限りなく思いを巡らせる。
 日本人旅行者にとってチュニジアの最大の魅力は大サハラ砂漠へと続く乾燥地帯、大塩湖、オアシス、、山岳オアシスなどなど、日本では味わうことの出来ない大地の計り知れない雄大さに出会うことが出来る。
 チュニジアは日本の国土の40%程で、狭い国土に歴史遺産、砂漠とオアシス、地中海リゾートという多彩な観光資源に恵まれ、多くの国の人々から注目を浴びている。
年間観光客が660万人以上との事だが、殆どがローマから1時間、パリから2時間の距離にあるヨーロッパからの観光客で地中海の中央という恵まれた立地と1300キロに及ぶ美しい海岸線を生かし、シーサイドリゾートを観光客に提供している。
 まだ日本からの観光客は少なく、ローマ遺跡などを観光している人はまばらで、他の国のローマ遺跡を有する観光地に比べ殆ど人がいないと言っていい位の人出だった。
私が20年以上前に旅行した頃のイタリアもこんな様子に似ていた事を思い出す。
 現在のイタリア、ギリシャ、トルコ、ヨーロッパ中世都市等の観光地は人並みを掻き分けて観光しなければならない状態である事を思うと、隔世の感を思う。

チュニジアが誇るバンドー博物館は
チュニジアのみならず、北アフリカ
地域を代表する考古学博物館との呼
び声も高い。
カルタゴ遺跡の出土品やチュニジア
各地で発掘されたモザイク画など
考古学的に高い価値を認められた品
を数多く所蔵しており、「チュニジ
のルーブル」とも言われている。

モザイク画(写真表示)



ザクーアンの水道橋
全長132キロの長さを誇る世界最
長のローマ時代の水道橋。
その多くは地下水道を流れるが、水道
橋の部分で現在残っているだけでも
20キロもある。同じローマ時代の
水道橋、南フランスのボンジュ・ガ
ールは長さこそ短いがほぼ完全な形で
見る事が出来、観光客の私達も渡る
事が出来る。近くで見る圧倒的存在感
には、まけるかも?。



チュニス市内
新市街の西洋的街並とイスラム都市
として繁栄を極めたメディナの旧市街
、全く異なる世界が当然の如く同居し
訪れる旅行者に強い印象を与える。
イスラム国で在りながら自由な空気に
溢れ、庶民的なカフェでは当然の様に
ビールが出され、若い女性達はモダン
な西洋ファッションに身を包み町を
闊歩している。



ケロアン市内とグランドモスク
紀元640年に建てられ、イスラム世界
で最も古いモスク。
北アフリカ最古のイスラム聖都ケロアン
世界遺産に登録されている。
チュニジア第五の都市という肩書きを
持つが、都市と呼ぶには小さく、いい
意味で片田舎特有の素朴さが感じられ
る。
ケロアンの住宅街(写真表示)


ケロアンはカーペットの産地としても
有名で、毎週メディナ中央部のスークで
開かれる、カーペット市では彼女たちが
1ヶ月掛けて織り上げた手織りの作品が
華やかに並べられる。



ローマ遺跡スベイトラ
大廃墟都市スベイトラはビザンチン帝国
(東ローマ帝国)が647年にアラブの
侵攻を受けて敗北、ビザンチン文化の
廃墟となった。神殿、円形劇場、凱旋門
共同浴場、野外劇場などが50ヘクタール
もの地に残っており、最盛期には1万人
以上の市民が住んでいた。



tun5.jpg 山岳オアシスツアー
4WDにてオアシスツアーにトズールを出発。
行けども行けども延々と続く乾燥地帯、砂漠
地帯を走り続けて約1時間、ようやくアルジ
ェリアとの国境に近い山岳オアシス「タメル
ザ、シェピカ、ミデス」に到着する。




ミデス
バルコニー・オアシスと言って切立った渓谷の上に有る。
下を覗くと、ゾッとするほど深い。
この山肌には太古からの年輪が深く刻まれており、雄大な
景観が展開する。
ミデスのオアシスは暖かい上に、水が豊富な為多種多様な
果物が実る。
私達の訪問したシーズンはオレンジやナツメヤシなどが
たわわに実っていた。
シェピカ
トズールから行くと、高い岩山が目に飛び込んでくる。
岩山を登り、車を降りて、歩くことしばし、あっと驚く
パノラマが展開する。青々とした椰子の林その下を
流れる透き通った水は村人の飲料水です。冷たいと
思って触ると生暖かい。冬でも38度も有るとの事。

タルメザ
シェピカをでて山岳道路をくねくね登ると高台からオアシス

を見下ろすビューポイント(写真表示)
があります。オアシスには大きくは無いが充分な水が流れ
落ちる滝が眺められる。滝を形ち作っている岩の造形は見
ていて飽きない。

サハラ動物園
サハラ砂漠に生息する
蛇やトカゲやサソリなど
砂漠で出会う動物や
爬虫類を中心にライオン、
カゼル、オオカミ、サル
など哺乳類も多種類。
動物園の人気者コーラが
大好きなラクダが楽しい。



北アフリカ最大の塩湖
(ショット・エル・ジェリド)
チュニジアの砂漠は何億年か前は海底だった
ところで、現在も海抜0メートル以下。
海の水が干上がって出来た塩が砂漠の砂に
沢山含まれており、植物が全く育たない。
チュニジアには塩湖は沢山有るが、この塩湖
は群を抜いて大きくおよそ5000キロ平方
東の端は地中海沿岸までのびている。



マトマタの穴倉住居
古くからこの地に住んでいた先住民族ベルベル
人の住居。
雨が少ない地域で乾燥している為湿気がなく、
夏は強い日差しを避け、冬は保湿性に優れ
大変住み易い



サハラの魅力はラクダの背に乗り砂漠を
体感すること。
ラクダは思いのほか乗り心地がよく、ゆうに
2メートルはあろうと思われる高さだが1時間
程も眺望を楽しむ事が出来ました。



エル・ジェム(円形闘技場)
このコロセウムは2世紀にローマ帝国が建設
したもの。
チュニジアの大地の惠はローマ帝国の食料供給
地として大変重要視され、ローマの高度な建築
技術を駆使して神殿、闘技場、大浴場などを
建築した。
ローマの闘技場よりも保存状態がよく規模も
ローマに匹敵する。



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シデイ・ブ・サイド
チュニス北東18キロの岬の高台にあり
チュニジアで最も美しい町と言われているのが、
シディ・ブ・サイドです。石畳の坂道を登り
真っ白な壁とチュニジアンブルーと言われる
鮮やかな青の扉や窓枠、白と青の美しい家並の街、
ジャスミンやブーゲンビレア、ハイビスカスの
花が咲き誇り、たわわに実ったオレンジが
この街の美しさに彩をそえる。
カフェ・デ・ナット
坂道をそのまま進めば突き当りがカフェ・デ・
ナット、の階段だ、チュニジアの昔ながらの
カフェでローマで言えばスペイン階段の様な
もので、腰を下ろす観光客の姿が一日中絶えない。
シーズン中ともなれば周辺のカフェテラスも人々で
賑わいをみせる。
カフェ内部の写真表示






アントニヌスの共同浴場
海を背景に建てられた広大な共同浴場で
二世紀に建設された。
当時の建物は二階建てで、更衣室、温浴風呂
水風呂、サウナ、プール、トイレなど100を
超える部屋が二階部分に左右対称に配置されて
いた。

全景(写真表示)



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古代カルタゴの復元図。
古代カルタゴの軍港跡。

地球の不思議 砂漠のバラ
道路標識
チュニス市内

ラクダに乗って砂漠見学
穴倉式ホテル
スベートラ遺跡にて

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スターウォーズ撮影場所
穴倉住居の住人
穴倉住居の周辺風景

ローマ時代の見張塔
露天のパン売り
街角のゴミ箱


街角の鳥かご

闘技場にて


チュニジアの国旗


遺跡に咲く花
たわわに実ったナツメヤシの実

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第一展示室へ
油彩・水彩

第二展示室へ
油彩・水彩

第三展示室へ
油彩・水彩

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