Comet Lovejoy
C/2014 Q2
ラブジョイ彗星 (C/2014 Q2)
ラブジョイ彗星という呼び名を持つ彗星は幾つかあって、2012年に南半球で見ることができた大きな彗星(C/2011 W3)はそのひとつです。ここで紹介するラブジョイ彗星はそれとは別、2014年の年末から北半球で見られるようになったC/2014 Q2のことです。C/2014 Q2は2014年の12月下旬には、はと座を北上し、うさぎ座に入りました。うさぎ座はオリオン座の下にある、南天に低い星座です。
2014年12月31日 00:29
うさぎ座の星h3750の脇を移動中のラブジョイ彗星
うさぎ座を移動中のラブジョイ彗星(C/2014 Q2)。予報された光度は5等級。都市部の明るい空でも、望遠鏡でならば観測が可能。ただ当日は、月齢8、半月をわずかに過ぎた月が出ていて空が明るく、観測の条件はあまりよろしくありません。
2014年12月31日 23:35
2015年1月1日 1:00
2014.12.31深夜23:35、さらに日付が変わって、2015.01.01 1:00のラブジョイ彗星。当日、ラブジョイ彗星はうさぎ座μ(ミュー)星とε(イプシロン)星の間にある暗い星の脇を移動中。画面右上は望遠鏡のファインダーで覗いた時に見える、うさぎ座μ(ミュー)星とε(イプシロン)星、そして目標の星の位置関係を示したもの。画面左は25倍の視野を重ねたもので、左端の円、中央がμ(ミュー)星とε(イプシロン)星の間の星。
下にある二つの円は50倍の視野を示し、左が23:35時点のスケッチ、右が1:00時点のスケッチ。1時間35分の間に、彗星が移動している様子が分かります。当日の月は、月齢9。
2015年1月1日、2日、3日
うさぎ座R星の近くを移動するラブジョイ彗星(C/2014 Q2)
A4サイズの紙(ブラックボード)に直径7センチの円を25倍の視野としてスケッチしたもの。画面右上が元旦深夜のラブジョイ彗星、中央上が2日、画面左が3日のもの。2日の時点でラブジョイ彗星はエリダヌス座に入っています。画面中央下の赤い星はうさぎ座R星。光度は、見た感じでは5.9等に達している印象。極大の予報は去年の10月末だったし、この光度は明るすぎるように思えるけども、自分の目で見た限りでは5.9等。
2015年 1月3日、4日、5日
3日の位置は前のスケッチからあらかじめ転写したもの。画面上をラブジョイ彗星が移動していきます。ラブジョイ彗星は4日から5日にかけて、二重星Σ570の近くを通りました。画面右下の円は50倍の視野でΣ570を描いたもの。主星は青く、伴星はくすんで茶色がかかった色に見えます。画面左下にあるエリダヌス座55番星(55 Eridani)も二重星。
2015年1月7日、8日
エリダヌス座42番星(42 Eridani)の脇を移動するラブジョイ彗星
2015年1月8日
ラブジョイ彗星のスケッチ、50倍
ラブジョイ彗星は8日以後、おうし座に入りました
2015年1月10日、11日、12日
おうし座ν星の近くを移動するラブジョイ彗星
2015年1月12日
これはスケッチではなくデジカメの画像。撮影は23:26 。
すでにおうし座は天頂を過ぎて西の地平線に傾きかかっています。デジカメの画像なので、向きは肉眼で見た時と同じ。望遠鏡のようにひっくり返ってはいません。画面は下が西で左が南です。撮影は手持ちのポケットサイズのデジカメで行ないました。こんな機械でも撮影が可能なほど明るい彗星だということが分かるでしょう。肉眼では白い色にしか見えませんが、デジカメで光を集めると緑色であることが見て取れます。画面左下にあるやや明るい星は29 Tauri つまり、おうし座29番星です。なお、この画像の前にある12日付けのスケッチは19:04、以上の撮影は23:56分なので、よく見ると彗星の位置が違うことが分かります。
2015年 1月17日、18日、19日
少し間が開いて、ラブジョイ彗星はすでにおひつじ座に入っています。 以上はおひつじ座の尻尾であるボテインの脇を通り抜ける様子。ラブジョイ彗星の動きはじょじょに遅くなって、1日ごとの位置の間隔が狭まってきています。
2015年 1月 23日、24日
おひつじ座41番星(41 Arietis:画面左)の脇を通り抜けるラブジョイ彗星。2015年1月は前年から引き続き、いつもよりも寒さの到来が早く、その一方では関東だというのに冬の晴れがあまり長続きせず、まるで冬の終わりのような天気。天候の悪い日が続きます。スケッチは断続気味。
2015年、1月31日、2月1日、2日、3日、4日、5日
天候などのせいもあって1月24日から一週間後の31日よりスタート。この間にラブジョイ彗星はおひつじ座を抜け、さんかく座を通り、31日、アンドロメダ座に入りました。アンドロメダ59番星の近くを抜け、2月5日、アルマクに最接近しています。彗星の運行はさらに遅くなりました。
2月4日のみ、18:34と21:20、二つの位置を示しています。視野を示す円は25倍。5日、アルマクを視野の中心にすえた時、ラブジョイ彗星は同一視野に入りました。角度にして、アルマクから半度よりも近い場所を通過したことが分かるでしょう。5日は雨が降り、雲がかかっていたのですが、たまたま晴れ間が広がっていたので位置を確認できました。月は月齢が16、ほぼ満月なので空は明るく、湿気もあるので観測条件は悪。
2015年、2月6日、8、9、10、11、12、13日
アルマクとアンドロメダ座60番星の間をすり抜けて移動するラブジョイ彗星(2014Q2)。7日は雨のため記録なし。画面左端の星はペルセウス座の二重星Σ162。