Lepus
うさぎ座
2014年10月17日 04:34明け方近く、南天のオリオン座とおおいぬ座のシリウス、そしてうさぎ座
画面はほぼ南を見ており、画面右側が西に当たります。右上にわずかに見えているのはオリオン座の下半身。そしてその下に見えるつづみのような星の並びがうさぎ座です。日本から見るとうさぎ座は南天に低い星座です。画面左には全天で一番明るい恒星シリウスとおおいぬ座が見えています。恒星は東から西に運行するので、うさぎ座は画面右へ進み、おおいぬ座とシリウスがその後を追います。ギリシャ神話において、オリオンは狩人ですが、うさぎ座はその狩人の足下にあって、猟犬であるおおいぬ座に追われる位置にあります。
うさぎ座をより大きく写した画像は以下
うさぎ座はあまり明るい星がありません。南天に低いこともあって、都市化が進んだ地域では、以上のうち、ζ(ゼータ)星、α(アルファ)星、μ(ミュー)星、γ(ガンマ)星、β(ベータ)星、ε(イプシロン)星がつくる、つづみのような星の並びしか見ることができないでしょう。 うさぎの頭部にあたるμ(ミュー)星の上には、うさぎの耳を連想させる二列の星の並び、
ν(ニュー)星とλ(ラムダ)星
ι(イオタ)星とκ(カッパ)星
がありますが、これらはいずれも4等級か、あるいは5等級の暗い星で、都市部では見るのが難しい部分です。ただ、双眼鏡や望遠鏡のファインダーでは分かりますし、うさぎ座R星を見る時、ガイドとして有用です。オリオン座のリゲルからうさぎの耳を通り、μ(ミュー)星に至り、さらにそこから微星伝いにR星に到達することが可能です。
以上の画面でRとあるのは、うさぎ座R星の大体の位置を示したものです。撮影した時期から考えると、この時、うさぎ座Rはほぼ極大であったはずですが、この画像ではどうも写ってはいません。
その下のβ314は分離の難しい二重星で、手持ちの資料では5.5等とされているものです。うさぎ座Rは変光星なので、その時の光度を知りたい時に参考になる星のひとつでしょう。
以下は文字の無い画像です。
Lepus レプス
うさぎ座
所有格はLeporis レポリス
主な星は以下の通り。
Arneb アルネブ α(アルファ)星 2.58等 アラビア語で”うさぎ”の意味という。
Nihal ニハル β(ベータ)星 2.8等 アラビア語で”のどがかわく”の意味という。
R Leporis アール・レポリス 固有名は無い うさぎ座R星 5.5~11.7等 変光周期427日(資料によっては426日) 別名クリムゾンスター(Crimson Star)。すなわち、血のごとき深紅の星。全天で最も赤い星のひとつ。発見者である天文学者ハインドの名前を冠してHaind's Crimson Star とも呼ぶ。ミラ型の変光星で、その光度やその周期にはぶれや変動がある。
その他の天体
参考:
「星の事典」鈴木駿太郎 恒星社
[Guidebook to the Constellations ] Patrick Moore's Practical Astronomy Series 2012