Tyrannosauridae

ティラノサウリデー

(ティラノサウルス科)

 

Dinosaurus of Tyrannosauridae

Aublysodon....premax teeth is unique.

Gorgosaurus.libratus....Their lachlymal make horn.

Tarbosaurus.bataar....Mongolian Tyrannosaurus.

Nanotyrannus.lancensis....maybe Juvenile of Tyrannosaurus.

Tyrannosaurus.rex....Last Tyrannosauridae.

 ティラノサウリデーの恐竜達:

 トップのイラストに描かれているのはティラノサウルスと、それに近縁な動物たちです。身体の幾つかの特徴から考えると、ティラノサウルスはコエルロサウリアであると考えられています。コエルロサウリアとはいわゆるコエルロサウルス類のことですが、彼らの多くは数メートル程度の小さな動物です。

 ティラノサウルスはその身体の巨大さから長い間カルノサウリア(カルノサウルス類)であると考えられてきました。なぜならカルノサウルス類とティラノサウルスは身体が巨大であること、眼の入る穴(眼窩)が上下に長いこと、骨格が頑丈なことなど共通の特徴を持つからです。

 しかし身体の特徴を詳しく調べた結果、現在ではティラノサウルスはコエルロサウリアであり、小さな祖先から独自に巨大化した動物であると考えられています(言い方を変えれば、ティラノサウルスがコエルロサウリアであるという仮説はかなり確からしいということ)。

 ティラノサウリデーの多くは恐竜時代の終わり頃、今から7500万年〜6500万年あまり前の地層から見つかっています。とはいえ、それよりもずっと前の地層からティラノサウルスに近縁であろう動物の化石が見つかっています。その多くは部分しか残っていませんが、例えば1億2000万年あまり前の日本の地層からティラノサウルス類のものと思われる歯が見つかっています。

 ここでは比較的原始的で小さな動物であったらしいアウブリソドンのイラストをかかげておきます。初期のティラノサウリデーのイメージをつかむ参考にしてください。

 なお、ジュラ紀の終わりの地層からもティラノサウルスの仲間に似た動物の化石が見つかっています。そのことからするとティラノサウリデー、あるいはティラノサウリディアの歴史はさらに昔にさかのぼるのでしょう。

 ティラノサウリデーは恐竜時代の終わりに急激に巨大化しました。進化の様子を探ると、ゴルゴサウルスのような比較的きゃしゃな姿をした動物から、骨格のがっしりしたダスプレトサウルスが現われ、さらにその後、モンゴルに分布したタルボサウルス、より巨大化したティラノサウルスが現われたことが分かっています。

 *ティラノサウルス科の進化の詳しい様子は「恐竜と遊ぼう」を参考のこと→ 

 

 ティラノサウリデーの豆知識:^^)/

 アウブリソドン

 この名前で呼ばれる動物の前歯は非常に特徴的で、肉食恐竜に特有のギザギザがありません。一見すると哺乳類の前歯のようにも見えます。アウブリソドンとはこの特徴的な前歯について名付けられた名前なので、この名前で呼ばれる動物には明らかに”こりゃあ別種だろ?”という生き物が幾つか含まれています。ちなみに、このことを得意げに指摘するマニアックな人が結構いるみたいですが。見れば分かることなんで、騒ぐようなことじゃあありません。研究者なら誰でも知ってるようなことですね(研究者はいちいちそんなこと言わないだけ)。

 ジョーダンの獣脚類と呼ばれる動物はティラノサウルスの子供である可能性もあります。

 

 ゴルゴサウルス

 身体の大きさは9メートルもありますが、後の時代に出現した仲間にくらべるときゃしゃな動物です。顔もダスプレトサウルスやティラノサウルスにくらべると面長です。ゴルゴサウルスの目立つ特徴のひとつは眼の前のラクリマルという骨が面白い形の角を作っていることです。

 この特徴はアルバートサウルスと共通するので、ゴルゴサウルスは先に命名されたアルバートサウルスと同じものであるとみなされることがあります。その場合、ゴルゴサウルス・リブラトスはアルバートサウルス・リブラトスと呼ばれます。とはいえ、体の他の特徴を総合的に考慮すると、ラクリマルの特徴が2つの恐竜を同じものとする積極的な証拠になるかというと、そうではないようです。最近ではゴルゴサウルスとアルバートサウルスは別々の名前で呼ばれることが多いですね(正確にいうと2つの属を同じものにする積極的な理由がない、ということ)。

 

 アルバートサウルス

 ゴルゴサウルスと大きさも形も良く似ています。また、こちらの方が先に命名されました。ただし、この名前をつけられたもとになった化石は保存があまりよくなくて、部分しか見つかっていません。アルバートサウルスとゴルゴサウルスはラクリマルの角など共通点がある一方で、頭骨のどちらかというと内側の部分の骨に違いがあるそうな。

 

 ダスプレトサウルス

 大きさはゴルゴサウルスと同じくらいですが、骨格はがっしりしています。また、頭骨の特徴の幾つかがティラノサウルスと共通しています。ラクリマルの角もティラノサウルスに似ています。そうした理由からゴルゴサウルスよりはティラノサウルスに近縁なのだろうと考えられています(このあたりの話は「恐竜と遊ぼう」に書きました)。

 

 タルボサウルス

 モンゴルから見つかるティラノサウルス類で、見た目はティラノサウルスそのものですね。ティラノサウルスとの違いはきゃしゃであるということと、腕が小さいこと、顎の骨であるマキシラの比率などしかありません。ようするにモンゴルのティラノサウルスです。

 

 ナノティランヌス

 ゴルゴサウルスと思われていた頭骨、ただひとつでしか知られていません。後にゴルゴサウルスとは違う動物であろうと考えた研究者によってナノティランヌスという名前がつけられました。しかし最近の研究ではティラノサウルスの子供であろうと考えられています(この話、今はなき雑誌「サイアス」で紹介しましたっけねー^^;)なつかしやなつかしや)。

 

 ティラノサウルス

 恐竜時代最後に現われたティラノサウルス類です。全長は12メートルあまり、最大のコエルロサウリアです。肉食恐竜のなかでもユニークな存在で、独特な頭骨を持っていました。どうやら獲物への攻撃の仕方が他の肉食恐竜や肉食爬虫類とは根本的に違うようです。身体の大きさから考えると大きく成長した個体は走れなかったと考えられています。とはいえ、獲物の動きも同じようなものだったから狩りをするにはそれで十分だったんでしょう。ちなみに、移動する最大のスピードは時速20キロとか13キロとも言われます。絶対的には案外と速く動けるってことではないでしょうか。

 狩りをしないで死体ばっかり食べていたんだろうという説もありますが、根拠はあまりないですね。以上の動物に加えて、ティラノサウルスの生態などの詳しい事柄は左の本を参考にしてください。

 

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