Tyrannosauroidea

ティラノサウロイディア

(ティラノサウルス上科)

Eotyrannus lengi

エオティランヌス

Cretaceous Research (2001) 22, 227~242, Hutt et al 2001. より描く。

骨の特徴などに関してはこのコンテンツの最後にある「ティラノサウルス全百科」を参考のこと。

 

 ティラノサウロイディアの系統:

 

__  ?____シャモティランヌス

   | ?____アヴィアティラニス

   | ?____ストケソサウルス

   | ?____ディロング

   | ?____エオティランヌス

   |________Tyrannosauridae:ティラノサウリデー (ティラノサウルス、ゴルゴサウルス、アウブリソドンなど)

  

 このコンテンツでいっているティラノサウロイディア(日本語に訳すとティラノサウルス上科)とは、

オルニトミムスやディノニクスよりもティラノサウルスに近い系統に含まれる動物たち

という意味です。この定義自体はネット上の情報、Holtz 2000 に基づいています。彼らの系統関係ははっきりしません。

 

 ティラノサウロイディアと考えられる動物たち:

 

 シャモティランヌス

 Siamotyrannus isanensis , nature, vol.381, 20, 1996, pp689^691, Buffetaut et al 1996.

 タイ、白亜紀前期の地層から見つかった骨盤と尻尾の幾つかの骨です。この骨格にはティラノサウルスに見られる特徴が幾つか見られまが、ティラノサウルスにあまり近縁でない可能性もあるようです。

 

 アヴィアティランニス

 Aviatyrannis jurassica , Paleontology, vol.46, 5, 2003, pp903~910, Rauhut 2003.

 ポルトガルのジュラ紀後期の地層から見つかった断片的な腰の骨で知られています。幾つかティラノサウルスと共通する特徴があります。

 

 ストケソサウルス

 Stokesosaurus clevelandi , Journal of Paleontology, vol.48,1,pp27~31,1974, Madsen 1974.

 アロサウルスなどが産出するジュラ紀後期、モリソン累層という地層から見つかった比較的小さな肉食恐竜の化石です。記載された標本はプレマクシラとイリアムです。それらの図と写真を見る限りでは非常に印象的な形をしています。特徴はティラノサウルスとよく似ていますね。なお、記載された論文では Family Tyrannosauridae ? となっています。

 

 ディロング

 Dilong paradoxus , nature, vol.431, 7, pp680~684, 2004, Xu et al 2004.

 中国の白亜紀前期の地層から見つかったかなり保存のいい化石です。とても小さな動物で全長はおよそ1.6mしかありません。羽毛がはえていた証拠も見つかっています。特に頭の形と特徴は非常に印象的で、ティラノサウルスに近縁であることはかなり確かではないでしょうか。

参考までに北村の恐竜学講座を→ 

4月9日、3月12日の内容紹介がこれに該当します。あくまで北村の感想ですが。

 

エオティランヌス

Eotyrannus lengi , Cretaceous Research (2001) 22, 227~242, Hutt et al 2001.

 イギリスのワイト島、白亜紀前期の地層から見つかった断片的な骨格です。頭骨の長さは60センチくらいでしょうか?。頭の一部、手、脚の骨の特徴を見ると、ティラノサウルスに近いことはかなり確かであろうと考えられています。おそらく手の指は3本で、手首の関節は派生的なティラノサウロイディアとかなり異なって、原始的です。

 

 ティラノサウリデーの恐竜たち 

 アウブリソドン、アレクトロサウルス、アリオラムス、ゴルゴサウルス、アルバートサウルス、ダスプレトサウルス、タルボサウルス、ティラノサウルスなどが含まれます。

詳しくはリンク先へ→ティラノサウリデー(ティラノサウルス科) 

 

 また以上の生き物についてももう少し詳しい解説は記述した記載論文を見るか、あるいは手軽には以下の本を参考に

  なお、こちらの本ではシャモティランヌスはシャモティラヌス、エオティランヌスはエオティラヌス、アヴィアティランニスはアヴィアティラニスと表記しています。

 ナノティランヌスもナノティラヌスと表記されています。これは出版物との統一のため。純粋にラテン語発音して学名を読むと、また違う読み方になるでしょう。

 

 

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