Eumaniraptora

エウマニラプトラ

定義:デイノニコサウリア(Deinonychosauria)とアヴィアラエ(Avialae)よりなる

Definition of Eumaniraputora : the node uniting the stems Deinonychosauria and Avialae ( Padian et al 99, pp73 )

 

 ヴェロキラプトル:国立科学博物館・新館地下1階の標本を撮影

ヴェロキラプトルはエウマニラプトラの代表的な動物です

 

 エウマニラプトラの系統:

________Deinonychosauria:デイノニコサウリア 

    |    ディノニクス、ヴェロキラプトル、ミクロラプトル、トロオドン?

    | 

    |____Troodontidae:トロオドンティダ 

    |    トロオドン、サウロルニトイデスなど

    |

    |____Avialae:アヴィアラエ 

         始祖鳥、モノニクス、カラスなど  

 

 エウマニラプトラとは?:

 エウマニラプトラ(Eumaniraputora)は意訳すれば”真のマニラプトラ”ですね。”マニラプトラらしいマニラプトラ”というところです。1999年、パディアンたちによって提案されました(Padian et al 99)。日本語の訳としてエウマニラプトル類という呼び方もあります。

 恐竜(および鳥)の系統を解析すると鳥が肉食恐竜の一部と姉妹グループをつくるという結果が得られます。具体的にいうと肉食恐竜ディノニクスの仲間と鳥が姉妹のような関係にあることがはっきり分かるわけですが、エウマニラプトラとは(すこし乱暴な言い方ですが)このグループのことです。つまり鳥とそれにもっとも近縁な恐竜であるディノニクスの仲間をあわせたグループ、それがエウマニラプトラですね。

 ちなみにこのコンテンツのトップで述べられているディノニコサウリアというのは鳥よりもディノニクスに近い動物たちのこと、そしてアヴィアラエというのはディノニクスよりも鳥に近い動物たちのことです(つまるところディノニコサウリア+アヴィアラエとはディノニクスと鳥が作る系統/あるいはグループであるということになる)。

 さて、少し詳しい分岐図でエウマニラプトラ内部の系統関係を具体的に示すと、以下のピンクの部分がディノニコサウリア、グリーンの部分がアヴィアラエとなります(あるいはその名前で呼ばれることになる)。

 エウマニラプトラ内部の系統関係を少し詳しく示す↓ 

 ____________ディノニクス

   |  |  |___ドロマエオサウルス

   |  |______ミクロラプトル

   |_________トロエドン

   |  |______シナベナトール

   | ?_______モノニクス

   |_________ペドペンナ

   |_________始祖鳥

     |_______現生鳥類

 

 なおペドペンナとトロエドンがエウマニラプトラであるのは確かなようですが、系統関係はいまひとつはっきりしません。またモノニクスは鳥である可能性があります。しかし最近の系統解析だとエウマニラプトラでないという結果も示されています。

  

 エウマニラプトラの特徴:

1:後ろに向いた恥骨

2:丸い頭蓋骨

など。

  

 エウマニラプトラの共通の祖先は飛んだのか?:

 この話題は2005年3月の時点でちょっとしたトピックスなわけですが、現時点ではこのHPでは詳しく触れません。

 参考としては2004年に書いた記事の補完情報を参考のこと→ミクロラプトル グイの発見は鳥の進化仮説にいかなる影響をもたらすか? 

  

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 2:アヴィアラエ(Avialae)へ進む→   

 

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