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写真のような布引大崩れの縁を登る。
不思議なもので、良い景色が目に入ると元気が出てきて、足取りも軽快になる。
もし、今朝ほど懸念したように曇りやガス状態になり、何も見えなかったら、本当にやりきれないであろう。やはり厳しい山なので、
もう一度トライする気にはなれないからである。
梅雨明け 10日と言われる安定した天候のもと、狙い通り 快晴であったことに本当に感謝である。 |
さらに高度を上げて振り返れば、
富士山も見えるようになってきた。
ただ、こちら側、東方面はやや雲が多くなってきているのが気にかかるし、それとは別にガスも上がって来つつあるようである。
従って、富士山の左下に見える毛無山はもう雲に隠れつつあり、
富士山自体も薄いガスの膜がかかっているようである。
ところで、富士山の手前にズングリとした山が見えるが、方角、高さから見て、
身延山のように思えるがどうであろう。 | |
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富士山とは反対側の西方を見やれば、
聖岳の右側に 中盛丸山、
大沢岳を間に挟んで赤石岳のどっしりとした姿が見える。
正確に言えば、写真の真ん中、一番高いところが赤石岳。
赤石岳の右に見える次のピークが小赤石岳ということになる。 |
カメラの倍率を下げて、
聖岳、
赤石岳のツーショットを撮ってみる。
もう素晴らしいの一言。ここまでの苦労が報われた感じである。
こうなると赤石岳のさらに右にあるはずの荒川岳、悪沢岳も見たいところだが、
残念ながら展望は布引山の斜面に遮られて赤石岳で終わり。続きは笊ヶ岳でということのようだ。
道は再び樹林帯に入り、シラビソの林の中を進む。道は緩やかな登りで、
もうキツイ坂道はないようだ。途中、所ノ沢越へ下るルートがあったが、そこはもはや藪こぎの世界のようである。
樹林の中ではほとんど展望が利かないものの、時折 立ち枯れの向こうに聖岳の姿を見ることができた。 | |
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そして、11時3分に布引山頂上に到着。
桧横手山からは1時間42分の時間を要したことになる。しかし、地図では 2時間40分となっていたので、随分得した気になるとともに、
本日の笊ヶ岳往復日帰りも、明るい内に帰れる目処が立ったのだった。
イヤ、地図ではここからの笊ヶ岳往復に 2時間45分を要することになっている。油断は禁物である。
頂上は樹林に囲まれていて狭く、展望はほとんどない。しかし、
三等三角点とともに東海パルプの立派な標柱が立っている。
5分程休んで先に進む。 |
頂上を過ぎると、格好のテント場があった。
2〜3張は大丈夫そうである。本日 出会った 3人は、それぞれここにテン泊したのかもしれない。
山頂からも樹林の中の道が続く。しかし、完全に展望が遮られているのではなく 所々で周囲の山々を見ることができる。
まずは富士山。
雲やガスが懸念されると書いたが、先程とあまり変わっていない状況であった。
そして、ついに見ることができました。荒川岳と悪沢岳。
正確には、前岳、中岳、東岳 (悪沢岳) の荒川三山と言うべきであろう。
こちらも主役級の山々なので堂々としているが、特に悪沢岳が前岳、中岳を押しのけてその存在感を誇示している。 | |