和名倉山 (白石山) ( 和名倉山:2,036.2m ) 2016.5.6 登山



【PHOTO & 記録 和名倉山 6】

また、この辺では面白い岩が見られるようになる。
岩の構成が層状になっており、しかもその層が真っ直ぐではなく途中で褶曲しているのである。

NHKの ブラタモリ 嵐山編にて、 チャートから地形の成り立ちを知るということをやっていたが、専門家にとっては、この 和名倉山においても、 これらの岩から地形の成り立ちを説明することができるのであろう。

道はこの辺から小さなアップダウンを繰り返していくことになり、加えて樹林に入ったり、 開けた場所を通過したりといったことが続くようになる。
基本的に尾根の左側 (西側) を進むことになるため、開けた場所では 甲武信ヶ岳方面を見ることができる。

吹上ノ頭と言われる高みの西側を巻き、シラビソの樹林帯を進む。
足下の岩や倒木は苔生しており、如何にも奥秩父という雰囲気が漂う。

また、この辺からは道の周辺に錆びたワイヤーロープがかなり多く見られるようになる。
林業が盛んだった頃に使われていたものと思うが、道の周辺に見られたものだけでもその量はかなり多く、 合わせればその長さは “ km ” という単位になるのではなかろうか。

山に登っていると、トロッコ軌道やウインチ類の残骸などを多く見かけるが、 日本全国の山々に放置されているそういった金属類を合わせると、相当な量になることであろう。勿体ないことである。

樹林帯を黙々と進む。

一方で、体の方は頻りと休憩を求めてくるのだが、なかなか良い場所が見つからない。
時刻は 10時をとっくに回っており、また少し風を受けて肌寒く感じるので、休憩して体制を整え直したいところなのだが、 休むのならそれなりの開けた場所が良いと思い、ズルズルと進んでしまう。

さすがにノドの渇きに耐えられなくなり始めた頃、周囲の木々が疎らになってきたかと思うと、 道は樹林を抜け出し、奥の方にダケカンバが生える広い場所に飛び出す。恐らくここが八百平であろう (写真)

実際には、道の方はこの八百平には踏み込まずに、西側の樹林帯の中を進むのであるが、 時刻を見ると既に 10時38分、かなり空腹を覚えてきているので、道を外れて小さな岩に腰掛けて休憩することとする。

しかし、この場所は奥のダケカンバがなかなか美しいものの、 周囲は樹林に囲まれていて展望もあまり無く、とにかく静か。
その上、足下には草も生えておらずに倒木が骨のように散らばっていることから、木々の墓場という雰囲気を感じてしまい、どうも落ち着かない。

ノドを潤し、空腹を満たし、さらには薄手のアウターを着込んで 10時44分に出発する。
やはり、あまり落ち着いて休むことができなかった次第である。

再び樹林帯を進んでいくと、今まで ほぼ平らであった道が一旦下りに入り、 その後、久々の登りが始まるようになる。
この辺から周囲はカラマツの林に変わり、ほとんど下草がない斜面を登っていく。

周囲に再びシラビソが現れるようになると、 前方に 『 川又分岐 』 と書かれた手書きの標示板が見えてくる。
和名倉山の山頂は右、 左は秩父湖の西にある川又へと下る分岐となっている。

久々に文字を見た気になったが、そう言えば、 東仙波からこの分岐までの 1時間程の行程の間、全く標識を見なかったのであった。
時刻は 10時53分。



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