鶏冠尾根( 縦走路中の最高峰は 甲武信岳:2,475m ) 2010.9.20 登山



【PHOTO & 記録 鶏冠尾根 7】

斜面を登って甲武信岳を振り返れば、 先程とは違ってガスが退き、甲武信岳三宝山の姿がよく見える。
ただ、その後方は雲が多いようで、もう少し長く山頂に居ても、展望は先とほとんど変わらなかったと思われる。
木賊山の頂上は 13時59分に通過。鶏冠尾根を登ってきた樹林帯を覗くと、木に付けられた赤テープがハッキリと見えていた。
木賊山の頂上から少し進むと、『 破不山 甲武信岳 』 を示す標識に、 『 鶏冠尾根通行止 』 と書かれた方向指示板が鶏冠尾根方面を向いて付けられているのに気がついた。 鶏冠尾根に入らないように、標識の手前にはロープも張られている。
そうである、ネットで調べるまでは、鶏冠尾根を登ると、この場所に飛び出すものと思っていたのであった。

戸渡尾根・ 破不山 (破風山) の分岐には 14時3分に到着。 ここで右に曲がり、戸渡尾根へと入る。
苔むした地面の中に掘られた溝状の道を進む。この辺も苔の絨毯に土も岩も倒木も覆われていて、奥秩父という雰囲気を十分に感じさせてくれる所である。

展望の良い (はずの) ガレ場には、 14時12分に到着。 しかし、状況は写真の通り、辺り一面のガスである。
本来ならば、岩に腰掛けての休憩が楽しみな場所であるが、この状況では休まずに先を急ぐ。

樹林帯に入るとガスがかなり立ちこめてきており、鶏冠尾根の時と同じような状態の中を下ることになった。
普段はメガネに偏光グラスを取り付けて山に登っているのだが、うっかり 今日は偏光グラスを車の中に忘れてきてしまったのであった。 しかし、今の状態は、偏光グラスを付けているのではないかと勘違いするほどの暗さである。
ガスの中の樹林帯は神秘的と言えば聞こえは良いが、少々 気味が悪い。

しかし、尾根の分岐から50分程下ると、周囲も明るくなり始め、 前方 上方には形の良い黒金山も見えるようになったのであった。

15時2分に近丸新道と徳ちゃん新道の分岐に到着。
ここで 5分程休憩した後、当初の目論見通り近丸新道を下る。
10分程下ると、道の傍らに小さな祠があった。以前にはなかったはずだし、祠も何となく新しい。どういう背景があるのであろう。
やがて、足下に白い硅石の屑が散乱し始める。かつてはここに硅石採掘場があり、後に出てくるトロッコ軌道を使って硅石を麓まで運んでいたはず。 その際にこぼれた岩屑であろうが、登山道を白く彩ってなかなか美しい。
以前は、この近丸新道を通ると、硅石採掘場と思われる洞穴が見えたものだが、今はその場所はすっかり樹木に覆われており、 場所の特定が難しい。登山道途中に、向かいの斜面へと向かう道があったので、 その先が採掘場跡なのかもしれない。

良く踏まれた道をひたすら下り、15時52分にヌク沢に到着。
かつて、このヌク沢は雨後などで水量が多いと渡るのにかなり苦労したのであった。
しかし、今は上流に大きな堰堤ができていて、流れが抑えられており、しかも、その堰堤の方に進めば、流れが細く分かれている上に、 簡易な橋も掛けられているので、簡単に渡ることができる。
そのことに気づかず、進んできた登山道の延長上で向こう岸に渡ろうとすると、岩が濡れていて滑りやすいので少々苦労すると思う。ご注意を !

さて、ヌク沢を渡って少し登っていくと、 トロッコの軌道跡が現れる。先程述べたように、採取した硅石を麓まで運ぶのに使ったトロッコの軌道跡であり、 この先 途切れ途切れではあるが軌道跡が頻繁に現れる。確か、途中に積み込みの駅のような場所もあったはずだが、今回は見落とししたらしい。

この西沢渓谷には、この場所の他、木材運搬用に使われたトロッコの軌道跡がかなり残っているという。

写真は、まだ 16時頃というのに、周囲が既に暗かったため、 シャッタースピードが遅く、少々 ピンボケ気味。ご容赦。

ほとんど傾斜の無い道を順調に進み、近丸新道登山口には 16時26分に到着。
林道を駐車場に向かって進んで行くと、ネトリ橋への分岐にあるトイレ付近を中心に、かなりの観光客が現れ始めた。 紅葉にはまだ早いが、皆 西沢渓谷の眺めを楽しんだことであろう。
車道まで進み、駐車場近くの歩道から鶏冠尾根を振り返る。鶏冠山にガスはかかっていないものの、 鶏冠尾根は上に行くに連れてガスがかかり、木賊山はガスの中のようである。今日は終日そういう状況であったに違いない。
駐車場には 16時46分に戻り着く。ガスで展望がほとんどなかった上に、道迷いまでしてしまったが、念願の 鶏冠山頂上も踏むことができ、 また鶏冠尾根を何とか登りきった充実感もあって、なかなか楽しめた山行であった。



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