鶏冠尾根( 縦走路中の最高峰は 甲武信岳:2,475m ) 2010.9.20 登山



【PHOTO & 記録 鶏冠尾根 2】

そして、目の前には第二岩峰が現れる。時刻は 8時37分。
この辺は、本来ならば見晴らしの良い場所であるが、この日はガスに囲まれて全く視界がない。

目の前の第二岩峰を見れば、岩にホールドしやすい箇所が多く見られ、 何となく直登できそうな気がする。前回は直登を避け、テープに従って岩の右手から回り込んで岩峰の上に立ったのだったが、 今回は挑戦しようかな という気が心に湧いてくる。
しかし、それも一瞬のこと。
果たして登り着いた所が正しいルート上にあるのかどうか、しっかりした情報を得ていなかったので、 前回同様、素直にテープに従うことにする (そう言えば、前回もこのパターンだった)

8時43分、第二岩峰の上に到着。
本来、ここから良く見えるはずの第三岩峰はガスで霞んでいる。
況してや、周囲の景色など望むべくも無く、周りはガスの白い壁に囲まれ、前回見えた 富士山国師ヶ岳、 そして国師ヶ岳から富士見へと続く尾根など、全く見ることができない。
辛うじて、右 下方に西沢渓谷の流れが見えたが、それもあっという間にガスに飲み込まれてしまったのだった。

8分程休憩した後、先へと進む。ルートは岩場の上を少し進み、 その後一旦岩場を下るのだが、下る前に次に登らねばならないロープがフィックスされた岩が見えた。ここも難関の一つである。
よく見ると、前回よりロープの数が増えている。

目の前の第三岩峰はガスの中に浮かび上がって、まるで中国の墨絵のようである。
第三岩峰より先は全く見えず、この先の行程に不安を感じる。
加えて、実を言うと、先程 第一岩峰の下の荒れた斜面を登っている時に、首筋にポツリと来たのだった。エッと思って周囲を見ると、 疎らではあるが、岩に黒いシミができていくのが見える。
ここで雨の追い打ちとはと暫し絶句したのだったが、ありがたいことにその後 雨は止んでくれたのだった。
しかし、今後 また降る可能性は十分に考えられる。とにかく、真の鶏冠山頂上までは行き、 その時の状況で更に先に進むかどうか決めることにする。

前回の学習効果であろうか、 ロープがフィックスされた岩は、ロープと岩の突起、割れ目をうまく使って、難なくクリア。前回よりもロープに頼らずに登れたのであった。
岩場からさらにアップダウンを繰り返していくと、やがて 前回 一番苦労した岩場の登りとなった (写真)
しかし、ここも前回の学習のお陰であろうか、かなり手前から岩に取り付いて地面から離れ、その状態から岩に斜めに立てかけられた丸太をうまく使うことで、 意外と簡単に登れたのであった。
暫し岩の上を進んだ後、一旦 グッと下って、苔むした大岩のある鞍部に至る。 ここから登り返せば、第三岩峰の下に出ることになる。

さて、目の前に現れた第三岩峰であるが、この時が一番ガスが濃くなり、それでなくても威圧感を感じさせる岩峰が、黒々としてさらに厳めしく立ちはだかる。 時刻は 9時11分。
ここは端から直登するつもりはなく、右手の迂回路へと進む。この迂回路は相変わらず穴の中に入っていくようなイメージである。
一旦下った道は、岩峰を巻いて進み、左へと回って登りに変わる。登り着いた所は尾根上の 丁字路となっており、右に進めば、 真の 鶏冠山頂上を経て木賊山へ、 左は 『山梨百名山』 の標識が立つ第三岩峰の上部に出ることになる。
まずは左に曲がって 『 山梨百名山 』 の標識を目指す。

灌木の間を縫うようにして 2分程進めば、 『山梨百名山』 の標識が立つ第三岩峰の頂上に到着。 時刻は 9時23分であった。
道の駅 みとみ の駐車場から 3時間28分かかったことになる。前回は東沢の渡渉で時間を遣ったとはいえ、3時間45分程かかっているから、 志気が上がらない割には早かったと言えよう。尤も、ガスのため、脇目もふらず状態にならざるを得なかったことが大きいと思われる。
さて、ここからの展望も、写真の通りほとんどない状況である。
見えるのは、この第三岩峰の傍にある岩峰のみ。 国師ヶ岳から富士見へと続く稜線も全く見ることができない。
これも想定内の状況ではあるが、やはり寂しい。これが初めて登った山だったらかなり悔しいと思うことであろう。
展望が得られない中、暫し休憩し、9時37分に出発する。



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