鶏冠尾根( 縦走路中の最高峰は 甲武信岳:2,475m ) 2010.9.20 登山



【PHOTO & 記録 鶏冠尾根 5】

視界が全く得られない中、黙々と進む。
足下のシャクナゲはかなり少なくなり、カラマツなどが敷き詰められた快適な道が時々現れる。
やがて、樹林帯を抜け、岩稜帯の登りとなる。
岩場のピークらしきところに立ったが、無論 標識など全くなく、ここがどこなのか分からない。
こういう時、ハンディGPSなどがあれば良いと思うが、少々 お高く、値段を無視しても買いたいという気持ちは起こらない。
感覚的には、ここが 2,177m峰と思うのだが、どうであろう。
ここも、本来ならば展望が良いと思われるのだが、この日は全くダメ。わずかに、ガスの中に ザレた山腹の一部が見えただけであった。 時刻は 11時26分。

道は再び樹林帯へと入る。
道は写真の様に苔むした倒木や岩、そしてコメツガ ? の幼木などが見られる中を進むことになる。いかにも奥秩父の山という雰囲気である。
また、道は斜面を直登するのではなく、斜めに横切りながら登っていくので、体力的には大変楽である。
こうした樹林の中の道も、大きな岩が現れた後は、再びシャクナゲの繁茂する道へと変わる。加えて、倒木も目立って多くなり、 倒木のトンネルなども現れ、少々 苦労するようになる。
所々で、樹林に隙間ができるが、見えるのはガスの白い壁のみ。ここは黙々と進むしかない。

やがて、進む道の右側に写真のような大岩が現れた。
見方によっては、一番上にある岩は新幹線のようであるし、全体を見ればスフィンクスのようでもある。
この道が皆が通るポピュラーなルートであれば、この岩にも名前がつけられたことであろう。周囲の木々も今までとは違って、 白樺なども見ることができ、なかなか面白い雰囲気の場所である。

暫く進むと、道の周囲は またまた様相が変わり、下生えの草がほとんどないような樹林の中を進むようになる。 樹木は恐らくコメツガであろう。本当に、変化に富んだ登山道である。ここに展望が加われば、かなり楽しい山歩きができると思われる。

暫く登って振り返ると、ガスが少し切れて、 登ってきた峰々の一部が見えた。ガスに隠れた右側の峰が 2,177m峰だろうか。
帰宅後、ネットを見ていたら、この写真と同じ構図の写真が掲載されたページがあった。そこには、『 2,280m地点から見た鶏冠山方面 』 と書かれている。 無論、その写真は晴天時に撮られているので、この写真には写っていない 鶏冠山やその後方の黒金山も写っているが、 それを見ると、この場所までかなりの距離を登ってきたことがよく分かる。
高さの記述を信じるならば、木賊山まで あと 200m弱。まだまだ距離がある。勿論、その時はそんなことは知るよしもなかったのだが・・・。

道は木の根がむき出しになった細い尾根を登り、その後 またまた下生えのあまりない樹林の中、斜面を横切るように登っていくことになる。
木々には赤テープがしっかり巻かれ、足下も良く踏まれているので、全くこの辺は問題なく進むことができる。
やがて、樹林を抜けると足下が砂礫というか岩屑がある場所を横切ることになった。右上を見ると、写真の様にこの場所が崩壊してザレ場となっていることが分かる。
少々 休もうかとも思ったが、展望もないことからそのまま進み、再び樹林帯に入る。時刻は 12時32分。

道は再び足下に下生えがほとんどない樹林帯を登っていく。 木はコメツガ、カラマツなどが混在している。
しかし、下生えのない斜面の登りもそれほど長くは続かず、すぐに足下はコメツガの幼木やシャクナゲに覆われ始め、道が隠れてしまう程である。
上を見上げれば、樹林の中に白い空間がチラチラ見え、それが左右に続いていて、稜線が近いことを示している。
この辺は傾斜がかなりきつくなってきており、木賊山の頂上も近いのではないか と感じさせてくれる。
疲れてはいるが、足が速まる。

やがて、足下に見られたコメツガの幼木、シャクナゲも疎らになり、斜面の傾斜も徐々に緩み始める。
ほぼ傾斜がなくなってきたなと思ったら、赤テープによって、立派な木賊山の標識の裏へと導かれ、木賊山頂上三角点の前に飛び出したのだった。 時刻は、12時45分。道迷いもあり、『山梨百名山』 の標識のあるピークから、 3時間8分もかかってしまったことになる。山は涼しいのにTシャツは汗でビッショリである。

三角点の傍らのベンチで 1人休憩されていた。挨拶しかしなかったが、 ルートとは思えないところから飛び出してきたので、さぞかし驚かれたことであろう。 その人はすぐに甲武信岳へと出発。 小生はベンチで 6分ほど休憩した後、同じく甲武信岳を目指す。



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