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2つほど鎖場を登りきったところで、休憩に適した場所に出た。ここが天狗の露地と呼ばれる場所なのかもしれない。
周囲はガスで全く見えない。ただ分かるのはここが切れ落ちた崖の上であると言うことである。
天狗の露地からも鎖場は続く。しかし、先に述べたように肝を冷やす、肝が縮むといったような難所はない。
慎重に足を運べば問題なく越えられるレベルである。
やがて、ガスの中に両側がスパッと切れ落ちた細いナイフリッジ状の岩場が現れた。ここが蟻の戸渡である。 |
両側が切れ落ちているのは分かるものの、
ガスでその切れ落ちた先が見えないのが却って不気味である。
少々ビビってガスが流れるのを待つ。先が見えない、左右の切れ落ちた先が見えないという状況は、本当に不安にさせられる。
やがて、ガスが少し引き、先がどうにか見渡せるようになった。これならいけそうだということで、
蟻の戸渡に足を踏み入れる。 |  |
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這って渡るのもシャクに思い、できるだけ立ったまま進む。とは言え、ところどころでは四つん這いにならざるをえない場所もあり、
やはり難所という気にさせられた。
最初の部分は巻き道もあるようで、そこから突然人が登ってきたのには驚かされた。
この人こそが 安原 修次さんであった (詳しくは ここ を参照)。
蟻の戸渡の後は、剣の刃渡となる。実際は、どこまでが蟻の戸渡で、どこから剣の刃渡というのか分からず仕舞いで通過。
むしろ、途中の難所で、安原さんが中型カメラを取り出して撮影を始めたことの方が驚きであった。 |
安原さんと少し話をする。
別れ際に、安原さんが作られたミニぞうりを戴いた。そこにはこう書かれている。
ミニぞうりをどうぞ (安原修次)
同封のものは私が作ったもの。大切にして下さい。花のない 1月に 800個ぐらい作りその日出会った人にあげています。
これだけ小さいのを作れる人は全国でもあまりいません。私は有名 (?) なカメラマン。全国各地の山野に咲く花を写し 26冊 写真集を出しました (読者の人の調査では日本一のよう)。
今年は長野市の花を写そうと 4月14日に来ました。10月中旬まで戸隠高原に滞在し 200種写す予定です。
来年 10月 「花咲く長野」 出版予定。予約受け付けます。 |  |
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写真を撮り続けている安原さんと別れ、先に進む。
蟻の戸渡、剣の刃渡りを過ぎてしまえば、もう難所はない。少し登っていくと、登り着いたところが八方睨であった (9時40分着)。
八方睨という名が付いているのだが、この日は残念なことにガスのため全く視界がない状態であった。
晴れていればさぞかし素晴らしい景色を得られたことであろう。
5分ほど休憩して先に進む。道は一旦下ることになる。 |