皇海山 再登山 ( 皇海山:2,143.6m ) 2009.10.22 登山



【PHOTO & 記録 皇海山再登山 6】

鋸山で 9分ほど休憩して 11時38分、先へと進む。
ここからは足場の悪い急傾斜の下りが待っている。足場は湿っていて滑りやすく、またうっかり木の根に足を置こうものならそこでも滑り、 掴まっているロープに助けてもらうことになる。
それほど緊張感はないが、それでも長い下りには気を遣う。帰路、これを登り返すかと思うと うんざりする程の急下降であるが、 実際は登りの方が楽しむことができたのであった。
鞍部のササ原から振り返れば、鋸山の鋭角な姿に驚かされる。山というものは角度によって色々形を変える場合があるのは分かっているが、 この鋸山は庚申山側から見た姿との差がかなり大きいのでビックリである。

12時10分、不動沢のコルに到着。左に下れば、 不動沢から皇海橋に至る栗原川林道からのコースとなる。
ここで庚申山を過ぎてから初めて人に会う。恐らく皇海橋から登ってこられた方であろう。
ガイドブックによれば、このコルから皇海山まで標高差 350mとか。確かに10峰を越えてきた者にとっては辛い登りが待っていた。
暫く進むと、枯れ木が目立つササ原。当時の記憶通りである。振り返れば、鋸山を初めとする峰々が鋸の歯のように並んでいるのが見える。

後は黙々と樹林の中を登るだけ。途中、ロープを必要とする斜面もあったが、先ほどまでのルートに比べれば、どうということはない。時々振り返れば、 鋸山とそれに続く峰々のギザギザな形をした稜線が見える。
この頃になると、先ほどまで曇りがちになりかけていた空に再び日の光が戻り、ポカポカして気持ちよい。
周囲はシラビソの原生林。シラビソ独特の臭いが周囲に立ちこめる中、黙々と登り続ける。
やがて、道は大きな岩の間を通る。岩に名前はないのだろうか。

徐々に勾配が緩やかになり、 先の方の木々の間に青空が見え始める。頂上も近いかなと思っていると、目の前に青銅の剣が現れた。13年ぶりのご対面である。
剣には『庚申二柱大~』 と彫られているが、かつて庚申山の麓にあり、今は銀山平手前にある庚申山猿田彦神社は天津祖庚申猿田彦大神、 地津主甲子大己貴大神、人津霊己巳小彦名大神の三柱の大神を奉祀したとのことなので、二柱大~とはいずれの神を示すのであろう ?
しかし、よくもまあこんな山の中までこの剣を運んできたものである。江戸〜明治時代に立てられたようだが、当時のルートは例の 10峰を越えるしかなかったはず。 大したものである。

この青銅の剣が現れれば、もう頂上が近いことが分かる。
青銅の剣から 1分ほど先に進めば、皇海山の頂上であった。
時刻は 12時52分。前回の記憶にある通りの標柱が迎えてくれた。
頂上には誰もおらず、独り占め状態である。しかし、如何せん 展望があまりないのでそれほどの嬉しさはない。
平日の木曜日であることを考えると、頂上に誰もいなくてもおかしくないが、不動沢のコルからこの頂上までの間に 4名ほどの人と擦れ違った。 そちらの方が驚きであった。

皇海山頂上には二等三角点が置かれている。誰も来ないことを良いことに、 その三角点に腰を掛けて休憩する。
但し、座って周囲を見渡しても、木々に囲まれていて展望は得られない。少し歩いて北側斜面に進むと、木々の間から周囲の山を見ることができる。
まず目に飛び込んでくるのは奥白根山であるが、 これは庚申山の展望台以降ずっと見えていたので当たり前。
やはり、燧ヶ岳の双耳峰が見えたのがハイライトであろう。

13時5分、皇海山頂上を後にする。



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