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脆そうな岩場を鎖を使って下る。
鎖は古いものと新しいものがある。このルートも手入れがなされている証拠と少し安心する。
この鎖場自体はあまり厳しいものではないが、それでも左右は崖。ましてや本日は平日で人が通る気配はないことから、万が一のことがあっても発見されることはない。
気を引き締めて進む。
写真は崖を下りきったところ。 |
目の前にはいかにも厳しそうな斜面が待っている。
道は、ごっそり崩れ落ちてしまった跡のようなその斜面を鎖に掴まりながら横切り、左手の樹林帯まで進むことになる (と言っても、
足場はしっかりしているので、鎖は保険程度に握っていればよい)。そしてその先にアルミ梯子が待っている (写真の左下に小さく見える)。
梯子を登り切ったら、樹林とガレ場の境をロープや鎖に掴まりながら登る。
見た目ほどに危険を感じることはない。 |  |
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高度を上げ、少し余裕が出たところで振り返れば、先ほど下降した鎖場のあるピークが見える。
標識を見つけられなかったので定かではないが、あれが白山であろうか。
それにしても、こうして眺めるとかなり厳しい岩場だと分かる。岩も脆く崩れやすいと感じたがどうであろう。浸食が進まなければよいが・・・。 |
右の写真は、
小さなピークを梯子を使って乗り越えてきたところである。このピークの裏側にも小さな梯子が付けられている。
つまり、梯子を登ってピークに立ち、梯子を使って下りるというしくみだが、もしかしたらこのピークが剣ノ山かもしれない。
以前は、南面をトラバースしてピークに立つことができたようなのだが、そのルートが崩壊してしまったため、梯子が付けられたとのこと。
ちょっとユニークさを感じるところである。 |  |
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その後も鎖場が現れたが、それを乗り越した後はなだらかなササの中の道が続き、まもなく鋸山に到着した。
時間は11時29分。
鋸山からは皇海山がよく見える。
しかし、気持ちとしてはこの鋸山までの登りで一仕事を終えた気分である。
この鋸山の展望は素晴らしい。皇海山の展望があまり芳しくないことを知っているだけに、
この鋸山からの展望は貴重である。ただ、
今までよく見えていた奥白根山に雲がかかり始めているのが少々気になるところである。
当然のごとく誰もいない頂上で、昼食にする。 |
この鋸山から辿り来たりし尾根道を振り返る。
庚申山からここまで小さなピークがいくつも連なっている。よくもまあ ここまで越えてこられたものである。
13年前を思い出すと、苦労してたどり着いた鋸山はガスの中。
全く展望を得られなかったのであった。
そして、ここで皇海山を往復してきた男性と会い、
やはり皇海山に登るのなら庚申山を抜きには考えられないと話が盛り上がったのだった。
今 思えば、若気の至り。人がどのルートを取ろうと自分が取るルートに納得していれば良いのであって、人のことをとやかく言う筋合いのものではない。 |  |