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やがて、目の前に鹿除けの柵 (ネット) が現れる。
2008年に同じルートを辿って飛龍山に登った時には、
このような柵は全く無かったのだが、それから 4年、それだけ鹿の食害が深刻になってきているということなのだろうか。
柵の出入り口に結んである紐をほどき柵の内側に入る。入ったら当然入口を閉め、紐で結んで開かないようにする。
周囲は完全に雪に覆われており、所々に踏み抜いた跡も見られるが、2日続けて寒い日が続き、さらにはまだ朝の内なので雪は固く締まっている。
見上げれば、樹林の先に唐松尾山・黒槐の頭へと連なる山並みが見える。
その後方は青空、気持ちが良い。 |
都合 3回の柵の出入りを行い、
少し進むと、かなり古びた標識が現れた。標柱に牛王院平の文字も見える。時刻は 8時55分。
さらに先に進めば、山ノ神土を経て和名倉山や
唐松尾山へと至るし、
右に曲がれば、将監峠への道となる。ここは道を外れて、将監峠への道のさらに右側へと入り、牛王院平の高みを目指す。
8時58分、高みに登り着くと、そこには 牛王院平 1,860mの標識。いつも思うが、地図とは場所が違う。
ここからの眺めは素晴らしい。目の前に雪原が広がり、その後方にはこれから登る竜喰山方面が見える。 | |
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そして、南を見れば、大菩薩嶺と
富士山が見える。
暫し写真を撮った後、東側の斜面を下って将監峠へと向かう。
途中、将監峠からの登山者と擦れ違う。挨拶を交わしただけであったが、それ程大きな荷物を背負っていなかったので、竜喰山に登ってきたのかもしれない。
他に登る山はないはずである。
このまま気持ちの良い雪原をずっと進みたかったのだが、ここはやはり登山道を行くべきと思い、
左手の樹林の中の道に入る。前回、飛龍山に登った際、
この道で滑って尻餅をついたのだった。同じ失敗を繰り返さぬよう慎重に進むが、樹林の中の下り斜面は凍っているところも多く、
滑りやすくて苦労する。 |
下り着いた所が将監峠。時刻は 9時8分。
峠の傍にはテントが一張り張られていた。先程擦れ違った方のものではないと思われるので、この将監峠を起点に周囲の山に登っている方なのであろう。
峠から南を見れば、ササの斜面が下ったはるか先の方に、なかなか形の良いピラミッド型の山が見える。
どうやら、雁ヶ腹摺山のようである。 | |
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将監峠を過ぎ、そのまま まっすぐ飛龍山への縦走路に入ると、
すぐに竜喰山への取り付き口になる (写真)。
左のササの斜面に入っていくのだが (右は縦走路)、今回は地図上にない山に登るので、
下調べを十分にしてきたため、迷わずに取り付くことができたのだった。
もし、今後 竜喰山に登られる方がおられるなら、飛龍山への縦走路左側の斜面に鹿除けの柵 (ネット) が現れたら、
柵はそこを起点に左右 2つに分かれて V字形になっているので、左手の柵沿いを登って行けば良い。 |
ただ、この斜面の登りが結構辛い。
無雪期なら全く問題ないのだが、ササの斜面にほぼ一直線につけられた道はかなり急で、しかも足下に雪があったり、少々凍っていたりして歩き辛いのである。
余程 軽アイゼンを着けようかと思ったのだが、そんな余裕もない斜面であり、また雪がない所が多いので、植生を傷つけてしまう。
這いつくばるようにして右手に握ったストックでバランスを確保し、左手でササを掴みながら登る。
ようやく、一息つける場所に到達して一安心。ここからは富士山が素晴らしい。
また、西の方を見やれば、唐松尾山山がよく見える。
あの稜線上には展望の良い西御殿岩もあったはずである。 | |