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さらに少し先に岩場があるので、そこに登ってみる。
この岩場からの展望は抜群で、御嶽はもちろんのこと、
その右方に乗鞍岳 (写真)、
穂高連峰が見える。
しかし、残念ながらこの 2つの山には雲がかかっており、今朝ほど見た時よりもコンディションが悪くなっている。
11月の初めに十石山に登ってから 3週間。
その時にはまだ岩肌が見えていた山々は、今や真っ白である。 |
そして、
左 (南) の方に目を向ければ、これから目指す麦草岳の姿が大きい。今は雲がすっかり取れ、バックに青空が拡がっている。
これは本当に嬉しい。
また、振り返れば、茶臼山、行者岩、将棊頭山と続く尾根が見える。
暫し岩場で景色を楽しんだ後、7合目を目指して出発する。
時刻は 10時13分。
少し下って、また徐々に高度を上げていくと、上方、樹林の先に避難小屋が見えてくる。 | |
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最後に一踏ん張りして避難小屋の前に飛び出す。7合目到着である。時刻は 10時23分。
小屋前のベンチには 6名程の男女の中高年パーティーが休憩されておられた。
聞けば木曽駒ヶ岳を目指したものの、
玉窪カールの底手前で危険を感じ引き返してきたとのこと。一方、同じルートを進んでいた単独の方は木曽駒ヶ岳を目指して登っていったとのことであったが、
前日北アルプス真砂岳の雪崩事故があっただけに、集団を預かるリーダーとしては慎重にならざるをえないのは致し方ないところであろう。
小生は木曽駒ヶ岳には登らず、麦草岳が本日の目的地であると告げると、
彼らもこれから麦草岳に登ることにしたとのことであり、小生にベンチを明け渡すようにして麦草岳へと向かっていった。 |
小生の方はトイレを使わせて戴いた後、
ベンチ前で食事をする。
この後かなりの急斜面が続くことが分かっているので、出発に際しアイゼンを装着することにする。上の方は 2,700mを越えていて状況が分からないため、
安全を考えて 10本爪アイゼンを装着する。
10時43分、小屋前を出発し、
木曽駒ヶ岳への道と分かれて麦草岳の斜面に取り付く。
やはり、ここからはかなりの急斜面が続く。本来であればジグザグに道を作るべきところを、急ごしらえなのか、直線の登りが多く、
それがかなり急なのである。
小生はここまで使用してきたストック (1本) でそのまま登ったが、ザックに括り付けていたピッケルの方がこの斜面には有効だったと思う。 | |
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傾斜のきつい斜面は、置いた足が雪ごと滑り落ちたりしてかなり苦労する。
周囲の木々に掴まりながら何とか登っていく。雪が締まっていればアイゼンも有効なのであろうが、
柔らかい雪ではなかなか足が進まない。
喘ぎつつも足を進めていくと、
やがて樹林越しに木曽駒ヶ岳が見えるようになる。
こちらから見る木曽駒ヶ岳は綺麗な三角形をしていてなかなかの美しく、
さらには雪化粧のため一層魅力的である。 |
やがて反対側に御嶽や
乗鞍岳、
そして穂高連峰が見えようになる。
最高の気分である。
御嶽は先程まで継子岳に残っていた雲もすっかり取れ、
青空をバックに今やスッキリとした姿を見せてくれている。
乗鞍岳の方は、先程よりも雲が無くなり、剣ヶ峰、大日岳も見えているものの、
まだ薄いベールが掛かっているようである。 | |