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高度を上げていくと、やがて樹林越しに御嶽が見えるようになる。
そのバックには青空が広がっており、テンションがグッと上がる。
ただ、木の枝が邪魔をしてなかなか御嶽を見通せない。少々イライラさせられるが、トラロープと丸太の階段のある場所を登り越すと、
写真のようにどうにか見通せるようになった。
剣ヶ峰が見えるが、全体的に頂上付近には薄い雲がかかっている。
また、乗鞍岳も見えるようになるが、
こちらは御嶽よりも頂上にかかる雲が多く、頂上付近がハッキリとしない。
そして、そこから少し進めば 4合目半の 『 力水 』。
時刻は 8時29分。
4合目から 40分近く経っており、距離的にはここが 5合目でも良い感じである。むしろ 4合目が下にありすぎるのかもしれない。
積雪は 20センチ程度。なお、力水は地面にしみ出す程度であった。 |
4合目半からは急登となる。
しかし、高度がグッとあがる分、展望も良くなり、
先程よりも御嶽がハッキリと見通せるようになる。
また、御嶽の左手前には赤林山が見えるのだが、その山肌に日の光が当たり輝いている。
今や完全に快晴モードに入ったようで、テンションが上がる。出だしの暗澹たる気分が嘘のようである。 | |
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雪の上を楽しく登る。
膝に痛みは感じられないのだが、あまり無理をさせてはいけないと思い、少しペースを落とし気味にして登る。
やがて、5合目を通過。時刻は 9時1分。
5合目を過ぎると、樹林帯にも日の光が差し始め、周囲がグッと明るくなる。
これで麦草岳頂上からの展望も大いに期待できそうだが、油断は禁物。
先般の朝日岳や
烏帽子ヶ岳のようなこともあるためだからであるが、
こればかりは成り行きに任せるしかない。 |
6合目を 9時34分に通過。
やはり、4合目と 5合目の間が長い。
この点については、前回登った時にも感じており、帰宅後に調べ、1995年のアルペンガイドでは 4合目は 力水 (今の 4合目半)
となっていることを知ったのであった。感覚的にはその方がしっくりとくるが、どうして変わってしまったのだろう。
なお、この時間で 6合目と聞くと前途多難のようだが、本日は麦草岳を目指すので、このルートにおいては 7合目まで行けば良く、
気が楽である。
6合目から 10分程進むと、右手樹林越しに本日目指す麦草岳の姿が見えてきた。
あまりよく分かっていないのだが、麦草岳の頂上付近に突起が見えるので、
あれが駒石なのかもしれない (空木岳
と同じ名前の岩が麦草岳頂上にもある)。 | |
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シラビソ、トウヒなどの樹林の中を黙々と登る。
やがて、周囲のシラビソも少し細くなり始める。樹林越しに太陽を正面にして進む。今朝ほどの状態を思うと、
太陽が眩しい今の状態が不思議な感じである。
やがて、
今度は左手樹林越しに木曽駒ヶ岳の姿が見えてきた。
もう既にその山肌は雪を抱いて真っ白である。また、目を凝らすと、
木曽駒ヶ岳の右斜面下のは玉ノ窪山荘も見える。 |
そして、
その木曽駒ヶ岳が見えた場所から少し進むと、
『 見晴台 』 と書かれた標識が現れる。時刻は 10時8分。
その標識を過ぎると、
御嶽の姿が何も遮ることなく見えるようになる。
先程まで頂上付近をうっすらと覆っていた雲は消え始めており、剣ヶ峰、摩利支天山はよく見えるようになっている。
さらに右の継子岳はまだ雲がかかり気味であるが、空中に浮かぶ航空母艦のような姿は、いつ見ても美しい。
特に雪を 2,300m以上に雪を抱いている今の姿は特に魅力的である。 | |