巻機山( 巻機山:1,967m ) 2011.6.19 登山



【PHOTO & 記録 巻機山 1】

ついにこの 6月19日を以て、土日休日高速料金 一律千円という大変ありがたい制度が廃止となった。 東日本大震災の復興財源確保ということでやむを得ないところであるが、小生にとってはメリット大だっただけに残念である。
と、同じようなことを何回も書いているので 新・山の雑記帳参照)、 未練がましいことこの上ないが、最後となった 19日はこの制度を使って山に行くことができ、 雨でどこへも行けないまま廃止 という残念な終わり方にならずに本当に良かったと思っている。

制度廃止を前に、何としてもこの週末は山に行きたいと強く思い、 頻りにネットの天気予報にアクセスして状況を掴んでいたところ、思いが通じたのか、19日は晴れの地域が結構出てきたのであった。
中でも、新潟県の方は好天が期待できそうなので、13年ぶりとなる巻機山に登ることに決めたのだった。 新潟の山としては他に越後駒ヶ岳、 浅草岳なども浮かんだのであるが、日曜日にあまりに無理をすると翌日からの仕事に支障をきたすということで、 前回も意外に早い時間で下山できた巻機山を選んだ次第である。

前回この山に登った時はヌクビ沢を登ったのであった。 しかし、最初に巻き道を進んでしまったため、途中から沢に降り立つことになり、最初の吹上の滝やアイガメの滝などはパスした形になってしまったのである。 従って、今回、ヌクビ沢の再チャレンジといきたかったのだが、まだ沢にはかなりの雪が残っていて、その雪渓の状況変化が激しく、 立入禁止になっているとのこと。仕方なく、井戸尾根のピストンにて我慢することにしたのだった。
とは言え、前回は稜線上に立った時にガスが多く、あまり景色を楽しむことができなかったことから、 今回稜線上の天候が良いのであれば、井戸尾根を使ってのピストン登山でも納得できるところである。

朝の 3時過ぎに横浜を出発。東名高速道、環状八号線と順調に進み、 練馬ICから関越自動車道に入る。
家を出る時は曇り空。さらに環八では小雨までぱらついたものの、関越トンネルを抜ければ青い空が待っていると信じて先に進む。
その関越トンネル手前では、最初ガスが周囲の視界を妨げていたのだったが、徐々に視界が利き始め、 トンネルに入る直前には谷川岳の双耳峰も見ることができるようになったのだった。
当然、トンネルを抜けた後の晴天に 俄然期待が膨らむ。
が、しかし、トンネルを抜けても抜けるような青空とはいかず、少々ガッカリ。 それでも雨の心配は全くないようであり、周囲の山々も良く見えているので、気を取り直して塩沢石打ICへと進み高速道を下りる。
登山口のある清水へはナビ任せであるが、前回はナビの付いていない車だったこともあり、確認の意味で今回も事前に地図にて行き方を調べておいた。
その結果、塩沢石打ICを下りた後、県道28号線にて北東の方向に進み、国道291号線にぶつかったところで右折すれば、 そのまま清水に着くことがきることが 分かったのだった。
しかし、さすがナビである、途中で農道に入り、大幅に道をショートカット。 想定した場所よりも大分清水に近い場所で国道291号線に合流。かなり得をした気分である。

清水に着いてからは、清水バス停のところにある巻機山登山口の標識に従い、 鋭角に左折。そのまま道なりに細い山道を進めば (但し、きちんと舗装されている)、桜坂の駐車場である。
途中、第二駐車場に着く手前の空き地にすでに車が数台駐まっており、さらには桜坂駐車場へと歩いている登山者もいたのでビックリ。 もしかしたら 駐車場は満車かと少々心配しながら先へと進む。
すると、やはり第二駐車場はほぼ満車状態。これでは、さらに先の第一駐車場は推して知るべしと思い、 そのまま第二駐車場に入って最後の一台に滑り込んだのだった (尤も、下山したら、第二駐車場の側面部分にも数台が縦列駐車していたが・・・)。 到着時刻は 5時54分。

身支度をして 6時丁度に第二駐車場を出発し、第一駐車場へと向かう。
途中にあったトイレで小用を足す。トイレを過ぎて上を見上げれば、天狗岩の鋭角な三角錐とその右後方に割引岳の鈍角な三角錐が見える。 また、天狗岩の左は割引沢であるが、完全に残雪に覆われているのがよく見える。


思った通り、第一駐車場は満車状態。
しかし、早朝で管理人がまだいないため、車がドンドン入ってきて無理な駐車を試みている。
駐車場を通り抜けて林道に入ると、天狗尾根・ヌクビ沢コース (左) と井戸尾根コースとの分岐になるが、 雪渓の状態が不安定のため、天狗尾根・ヌクビ沢コースは現在 立入り禁止である。
道を右にとって少し進むと、すぐに井戸尾根コースの登山口。林道と分かれて山に取り付く。
この時期、緑が美しい。

ネットで事前に情報は得ていたが、 この梅雨の時期、登山道はぬかるみ状態。ズボンを汚さぬよう、スパッツの装着は必須である。 流水で大きくえぐられ、土がむき出しになった道に水分が多く残っており、足下がかなり滑る。 その証拠に、登山道には足を滑らせた跡が数多く残っている。
それでも登りの方はまだ何とかなる。ここを下る際はきっと地獄であろうと思いながら登り続ける。

足下に苦労しながらも順調に高度を上げていく。
30分程登ると、周囲はブナ林となる。秩序立てて生えており、木肌がまだ若々しく美しい。なかなか、気持ちの良い林である。

ブナ林を抜けると、五合目展望台に到着。時刻は 6時53分。
五合目というが、先程の登山口から少し登った所に、何とも中途半端な 『三合五勺』 の標識があったので、 ゼロ合目は麓の清水であろうと思われる。
展望台の名がついているように、ここは見晴らしが良い。東を見れば、 巻機山と覚しき稜線と、 そこに向かう米子沢と思われる沢筋が見える。
また、南には 「上越のマッターホルン」 と呼ばれる大源太山 平標山の南にある 大源太山とは別) の鋭峰、 その左に七ツ小屋山が見える。その 2つの山を結ぶ稜線の後方には茂倉岳が見え、 大源太山のずっと右手後方には万太郎山と覚しき山も見える。

五合目展望台に 5分程止まって写真を撮った後、 先へと進む。
少し進めば、再びブナ林となる。先程のブナ林の上部に当たるようである。
ここのブナ林は先程のそれに輪を掛けて美しい。右手前方から陽が当たっていることもあるのだろうが、 大変雰囲気が良い。
同じ上越にある守門岳のブナ林を思い出す。

道は、ブナ林の端を登っていく。上述のように、ブナ林は美しいが、足下はいけない。 関東ローム層のように粘着質の土、そこに落ち葉が絡み、さらに水分が加わっているのであるから、 足を置く場所に大変苦労しながらの登りであった。

やがて、ブナ林を抜け、五合七勺という中途半端な標識を確認。時刻は 7時14分。
それにしても、本当に中途半端な距離を示す標識が立っている山である。

周辺にはコブシと思われる白い花が見られるようになる。 またムラサキヤシオであろうか、赤紫色をしたツツジも登山道周辺に見られ、目を楽しませてくれる。

道の状況は相変わらず。先にも述べたように、関東ローム層を思わせる粘着質の赤土に岩が加わって、 大変滑りやすい道が続く。

7時25分に六合目の展望台に到着。
ここからは、天狗岩、ヌクビ沢、そしてそこを登り詰めた先に割引岳の姿を見ることができる。
ヌクビ沢はまだまだ残雪に埋まっており、現時点で 立入り禁止であるのも頷ける。
割引岳の右手にも山が見えるが、これは巻機山ではなく、 その手前にある前巻機であろう。
この前巻機にはニセ巻機などという有り難くない名前が付けられているが、大変気の毒である。 しかも、別称というのならまだしも、この名前が正式になりつつあるようだ。 事実、前巻機の頂上には 『ニセ巻機山』 と書かれた正式な標柱が立てられていた。



巻機山再登山データ

上記登山のデータ登山日:2011.6.19天候:晴れ単独行日帰り
登山路:桜坂第二駐車場−桜坂第一駐車場−井戸尾根登山口−五合目展望台−六合目展望台− 前巻機(ニセ巻機)−巻機山避難小屋−御機屋−巻機山−牛ヶ岳−巻機山−御機屋−割引岳−御機屋−巻機山避難小屋−前巻機−六合目展望台−五合目展望台− 井戸尾根登山口−桜坂第一駐車場−桜坂第二駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−東京IC−(環状八号線)−練馬IC−(関越自動車道)− 塩沢石打IC−(県道28号線−農道−国道291号線)−清水−桜坂第二駐車場 (車にて)
交通復路:桜坂第二駐車場−(国道291号線−農道−県道28号線)−塩沢石打IC−(関越自動車道)−練馬IC−(環状八号線) −東京IC−(東名高速道)−横浜IC−瀬谷

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