針ノ木岳 蓮華岳 ( 針ノ木岳:2,820.6m ) 2011.8.10 登山



【PHOTO & 記録 針ノ木岳、蓮華岳 9】

11時48分、蓮華岳山頂を後にして帰途につく。
周囲の山々も再び雲に覆われるようになり始めており、 剱岳は既に山頂が見えなくなっているし、 水晶岳 (黒岳) も山頂は雲の中である。 また、槍ヶ岳はまだ見えているものの、 前穂高岳の方は最早 見ることができない。
針ノ木岳、立山はまだよく見えている。

順調に下りつつも、時々足を止めて砂礫の斜面に咲くコマクサを眺める。 盛りを過ぎて茶色に変色し始めているものも多い。
しかし、高山植物の女王と言われるだけあって、例え 1輪でも気品が感じられる。

砂礫の道を順調に下る。
正面には針ノ木岳、スバリ岳の姿。針ノ木岳の山頂でこれだけ天候に恵まれていたのなら、スバリ岳への往復も試みたかもしれない。 こちらから見る針ノ木岳、スバリ岳は素晴らしい。

順調に下る中、やたらと大きな金属的な音が聞こえる。 「ギギィー・・・」 という感じで、何かリールを巻いているような音である。 荷揚げするロープウェイでもあるのかと周囲を見回したが、そんなものは見当たらない。
そして気がついた。音の発生源はハイマツの中である。ということは昆虫類と思われるが、姿は見えない。
帰宅後調べたところ、どうやらエゾゼミの鳴き声だったようである。

本日 3回目となる針ノ木峠には 12時31分に到着。
小屋で休むことなくそのまま雪渓へと向かう。最初はジグザグに切られたザレ場を落石に注意しながら下る。
夏道を下った後、1つ雪渓を通り過ぎた先で軽アイゼン装着。
その時、同じくアイゼンを装着している方と話をしたら、下界は気温 36度とのこと。途端に下山する気がなくなる。
ここは雪渓を吹き渡る風が涼しく心地よい。

ノド付近から爺ヶ岳を眺める。
以前、扇沢から鹿島槍ヶ岳に登った時は、 鹿島槍に登ることしか頭になく、この爺ヶ岳は単なる通過点としか思わなかったのだが、 こうしてみるとなかなか立派な山である。今度は途中の山々をじっくり味わいながら、 鹿島槍に登ってみたいものである。

この時間になっても雪渓の雪は緩むことなく、やはり軽アイゼンは必要であった。 その証拠に軽アイゼンをはずした後、最後の雪渓に入って雪渓尻に向かう際、滑って尻餅をついてしまった。 他のことに気を取られていたとは言え、やはり軽アイゼンがあった方が良い。 お陰でザックにベンガラがかなり付いてしまった。

13時38分に雪渓尻に到着。
簡易な木橋を渡る前に軽アイゼンを沢の水で洗う。
後は普通の登山道であるが、もうこの辺でかなり気温が上がってきている。ここから扇沢までまだまだ距離があり、これからは暑さが大敵になる。

左岸に渡り、岩場から振り返れば、雪渓の向こうに針ノ木岳が見えた。
今朝程は雪渓上部はガスの中であったことを思うと、この 7時間程の間における山の変化には驚かされるとともに、大変楽しいものであった。 コンディションが良くなったことに感謝。

やはりここからの山道は暑い。 吸う空気自体が暑いのである。熱中症のことが頭を過ぎり、水分の小忠実な補給を心懸ける。
大沢小屋には 13時59分に到着。立ち寄らずにそのまま通り過ぎたが、小屋の前には雪渓尻 ←→ ノド 間の通り方について、 今朝聞いた通りのアドバイスが掲示されていた。
林道手前の登山口には 14時29分に到着。その後、林道、登山道を混ぜ合わせながら進み、 ゲート横の登山口には 14時45分に到着。そして市営駐車場には 14時51分に戻り着いたのだった。 途中の自販機で買ったコーラが、冷えていて美味かった。
本日は 最初天候にヤキモキさせられたものの、最終的には好天となり、素晴らしい展望を得られて楽しい登山であった。 満足。



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