針ノ木岳 蓮華岳 ( 針ノ木岳:2,820.6m ) 2011.8.10 登山



【PHOTO & 記録 針ノ木岳、蓮華岳 2】

河原に下り立ち、雪渓を見上げる。この時期、雪渓は大分小さくなっているようで、岩がむき出しになっている場所もかなりあり、 日本三大雪渓の 1つという迫力は感じられない。
こういう状況であるから、先程の小屋番の方が言われたように、雪渓を進むのは危ない箇所もある訳で、 向かって左側の夏道をできるだけ利用するというのが正しいところであろう。
まずは、雪の洞から出てくる勢いのある流れを、木製の簡易な橋にて渡り、右岸に移る。
ここは 『 雪渓尻 』 という場所らしく、また雪渓のずっと上方に幅の狭い急斜面があるが、 そちらは 『 ノド 』 と言うらしい。このことは、 先程擦れ違った小屋番の方に教わったもの。

まずは軽アイゼンを付けずに雪渓に足を踏み出す。
雪はスプーンカット状。結構締まっている。
傾斜はそれ程でもないので、凹んでいるところに足を置けば、軽アイゼンは不要である。
雪渓は先まで続いていたが、雪庇のようになっている箇所もあるので、ここは忠告に従って、途中から夏道の方に移る。
ただ、夏道も雪融けや雨などで結構荒れており、慎重に進む必要がある。また左上方からの落石にも注意が必要である。

暫く夏道を進み、傾斜の急な雪渓が現れた所で軽アイゼンを装着。やはり、 歯が雪に食い込み、効率よく進むことができる。

雪渓の上にはベンガラが巻かれており、それなりに道が見えるが、うっかりすると時としてベンガラから外れてしまった所を歩いていることに気づく。
ベンガラと埃による汚れとが区別しにくくなっている上に、先達の軽アイゼンの跡が、かなり色々な所についているからである。
ただ、かなり雪融けが進んでいるようなので、あまりベンガラから外れることは避けねばならない。

振り返れば、爺ヶ岳、岩小屋沢岳が見える。
爺ヶ岳は 南峰、中央峰、北峰の3つのピークがあったはず。そう言えば、 先程は 1つに見えた頂上が今は 2つになりつつある。

雪渓は 『 ノド 』 に差し掛かる。
大きな岩が両岸から迫る一番狭い部分を通過する。
岩の根元を見れば、岩と雪の間に隙間ができており、雪の厚みが良く分かる。雪の量は少なくなっているとはいえ、 この部分はまだまだ相当の量である。
また、雪の上には 枕ほどの大きさの岩が結構散らばっている。落石に注意すべく、この辺では休んではいけないところである。

結構 急な斜面をアイゼンを効かせて登る。
ふと気がつくと、雪渓上部にあったガスはすっかり消えて、青空が広がっているではないか。 グッとテンションが上がってくる。

『 ノド 』 と呼ばれる部分を含む雪渓の登りは 18分くらいであったろうか。
最後は傾斜が緩み棚のような場所を進み、やがて雪は全く無い、河原に到着する。
ペンキ印や赤い旗に導かれて河原を進み、小さな雪渓を渡ったら、もうそこからは夏道であった。
実際には雪渓はまだ細々と続いており、雪の上にベンガラも残っていたが、土の斜面と雪の間に隙間が見えたので、 ここは雪の上を進まない方が良いと判断した次第。

先程、 雪渓の上部にあったガスが取れて青空が見えたと喜んだのだが、針ノ木岳があると覚しき方向を見上げると、こちらはまだガスが残っており、 山の上部は完全に隠れてしまっている。
また、少しテンションが下がってしまったが、状況としては、山の左側から良くなってきている感じがするので、 このまま行けば、針ノ木岳近辺のガスも無くなる可能性も考えられる。
兎に角、ガスが消えることを祈りつつ先に進む。



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