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少し樹林の中を進めば、後はハイマツと岩の中の登りとなる。
途中、赤く錆びた金属製の祠があり、そこからすぐに頂上であった。時刻は 11時18分。
頂上には もう一つの祠があり、その傍らには標柱が立てられている。三角点の方は 祠から少し離れた場所にある。
小屋前では数人が憩っていたが、頂上には誰もおらず、
展望独り占めである (尤も 後から 2名やって来たが・・・)。
ここからの展望は抜群。しかし風は少々冷たいものの、全般的には気温が高いのか、見える山々はやや薄いベールが掛かっているような感じである。 |
それでも十分展望を楽しむことができる。
まず目が行くのは、先日登ったばかりの鹿島槍ヶ岳。
先程 途中で見えた鹿島槍ヶ岳は、爺ヶ岳が手前に重なって双子の兄弟のようであったが、
今はハッキリ 鹿島槍ヶ岳が爺ヶ岳の後方に大きく、高さの違いを見せている。
南峰、北峰、そしてその間を結ぶ吊尾根もよく見える。
イヤイヤ、ここから見る鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳はやはりよく似ている。
特に、両方とも頂上からこちら側に下ってくる尾根が途中で分かれる所や、双耳峰に見える所などソックリである。
まあ、個々に見れば見紛うはずはないのだが。 | |
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そして、鹿島槍ヶ岳、
爺ヶ岳の左手前には蓮華岳、針ノ木岳が見える。
こちらも今年登った山なので少々嬉しくなる。
この 2つの山の間にある針ノ木峠もハッキリ見え、そこにある小屋まで見えるような錯覚まで起こさせる。
また、針ノ木岳の右にはスバリ岳も少し見えているようである。 |
針ノ木岳の左後方には
剱岳、
立山が見える。
ここから見る剱岳は、針ノ木岳から見たその形とほぼ同じである。
先日 鹿島槍ヶ岳から見た
剱岳とはやはり微妙に違う。
鹿島槍ヶ岳から剱岳はほぼ真西にあり、
針ノ木岳やこの餓鬼岳からの剱岳は南東から見ることになる (つまり、
剱岳は北西に位置する)。
山は不思議なもので、少し見る角度が変わるだけで印象が随分違うものである。
鹿島槍ヶ岳から見た剱岳はまさに深田久弥氏が言う岩ぶすまであった。 | |
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立山の左に目をやれば、
浄土山、龍王岳などの山々があり、それを過ぎると、すぐ手前の唐沢岳が目に止まる。
なかなか魅力的な山であるが、地図上ではここから往復で 5時間20分を要するらしい。
とても無理なので諦める。
唐沢岳の左後方には台形の山が見える。
この山は、恐らく不動岳と思われる。実はこの山は大凪山からの尾根上の道でもチラリと見えたのだった。
その時は餓鬼岳頂上からも見えるのだろうと写真に撮らなかったのだったが、
何とこの餓鬼岳頂上からは唐沢岳が邪魔でその台形がよく見えない。 |
唐沢岳の左には南沢岳、
そして懐かしの烏帽子岳 (= 裏銀座縦走時に登った。
写真中央) が見える。
となると、烏帽子岳の左のピークは前烏帽子岳となり、その左から手前右下へと下ってきている尾根は、
あの 三大急登の 1つであるブナ立尾根かもしれない。 | |