恵那山( 恵那山:2,191m 三角点のある場所は 2,189.8m ) 2011.5.4 登山



【PHOTO & 記録 恵那山再登山 5】

快調に下ってきたが、後ろからもっと速いスピードで下ってくる人がいた。先程、山頂で一緒になった 2人のうちの 1人である。
かなりのスピードなので、小生も慌てたのか、途中で道が分からなくなってしまった。その方は小生を抜いて先に行こうとしたが、 どうやらルートが違うらしい旨を告げ、一緒にルートを探す。
結局、左の方に赤テープを見つけ、正しいルートに戻ることができたのだったが、慌てると碌なことがない。
やがて、所々で、前方の展望が開けるようになってきた。この先は明るい尾根が待っていそうである。

登山道の残雪も少なくなってきたので、軽アイゼンをはずす。

先程見えた高みを越えていくと、 その後方に広がる景色が見えるようになってきた。今までとは違う伸びやかな光景である。ただ、何となく春霞がかかったようで、スッキリしない。
道の方はと言えば、下り一辺倒という訳にはいかないようで、これから、いくつかの高みを越えていかねばならず、ちょっとしんどそうである。

また、よく見ると、手前に見える高みの所、並びに2つ先の高みの向こうに、 かなりガレた斜面が見える。手前が天狗ナギ、後方がウバナギだと思われる。

やがて、先程の高みから見えた天狗ナギと覚しき崩壊した斜面が近づいてきた。
先日登った丸盆岳近辺も崩壊が激しかったが、 この天狗ナギもかなり崩壊が進んでいる。
また、そのむき出しの岩肌は見るからに脆そうである。恐らくここも、ドンドン崩壊が進んでいるに違いない。
砂遊びの棒倒しと同じく、周辺が削られれば、仕舞いには砂山の頂上にある棒も倒れてしまう訳で、 ササ原とコメツガなどの木々の生える美しい高みは 今や大ピンチである。

天狗ナギを有する高みを越えると、 気持ちの良いササ原とその中を進む登山道が見えてきた。そして登山道はササ原を登って、どっしりとした高みへと続いている。 大判山に違いない。
そして、さらに気になるのが、大判山の後方に広がる山々である。いかにも気持ちの良さそうなササ原が山頂付近を中心に尾根を覆っており、 思わず歩いてみたいという気にさせられる。
地図を見ると、神坂山、富士見台らしいが、そうならば、あの下には中央道 恵那山トンネルが通っていることになる。
しかし、そんなことは全く感じさせない、素晴らしい景色である。惜しむらくは、何遍も言って恐縮だが、黄砂が飛んでいるのか、 霞がかかっているようで 今ひとつピリッとしないことである。

気持ちの良いササ原の中を進み、やがて大判山への登りにかかる。
高度を上げて振り返れば、お馴染みの櫛形をした恵那山の姿が見えるようになってきた。
やはり、恵那山はこの姿・形でなくては・・・。

大判山の頂上には 11時2分に到着。
ここには三角点が有るものの、キチンとした標識はない。標柱の残滓の様な木の棒に、手書きで大判山と書かれているだけであった。
振り返れば、恵那山が大きい。

大判山では休まずにそのまま通過する。
少し進むと、ウバナギの大崩壊地が見えてきた。こちらの崩壊も凄まじい。しかも、先程の天狗ナギよりもスケールが大きく、迫力がある。

また、神坂山、富士見台といったササに覆われた山の後ろに白い頂の連なりが見えるようになってきた。
まだ 薄ボンヤリ程度の見え方であるが、富士見台の後方に見えるのはどうやら南駒ヶ岳空木岳らしい。
その左には東川岳、熊沢岳、伊那前岳、宝剣岳と続いているようだが、南駒ヶ岳の左に空木岳、 さらに左に宝剣岳が見えるという位置関係に若干の戸惑いを覚える。

10分程進んで、そのウバナギの横を通ることとなった。まさに凄まじい崩壊である。
崩壊部分は山頂近くまで達している。そして、ササの根の部分なのだろうか、崩壊地の上側に沿って、皮膚のように薄く張り付いている皮のようなものが見える。
そうなると崩壊地の方は、皮膚が破れ、大怪我をして、肉自体がむき出しになってしまっている状態といったところであろうか。 正に重傷である。



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