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右手に甲斐駒ヶ岳を望みながら、
急斜面を登る。
先程のミヨシノ頭への登りと違って、天候も良くなり、景色も素晴らしいのであまり疲れは感じない。
ここで本日 このコース 2人目の登山者と擦れ違う。この時期というのに本当に人の少ない山域である。
そして、ハイマツの中を登って行くと、やがて目の前に大きな岩が現れ、
その上にアサヨ峰と書かれた標識が立っていたのだった。到着は 11時28分。
三角点はこの岩の下、南側にある。 |
頂上には 1人先客がおられたが、
すぐに栗沢山へと向かわれたので、頂上独占状態となる。
ここからの展望は先程のミヨシノ頭と同様に抜群である。ただ、この頃になるとかなりガスが湧き上がってきており、
周囲の山もどこかしらガスに隠されてしまっている。
登り来たりし方を見やれば、鳳凰三山の 地蔵岳、
観音岳、薬師岳が見え、高嶺は
観音岳の手前になっていて見えにくくなっている。富士山も見えるが、
ガスや雲で見えなくなるのは時間の問題であろう。
登ってきた尾根も緩やかに弧を描いており、その尾根上には早川尾根小屋の屋根も見ることができる。 | |
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甲斐駒ヶ岳の方は
登ってくるガスに完全に隠れてしまったかと思えば、ガスが流れて姿を現すということの繰り返しになっている。
甲斐駒ヶ岳の左、このアサヨ峰から続く尾根上には栗沢山も見ることができる。ここからは先程までのハイマツ中心の道ではなく、
岩稜帯が続くようである。
また、鳳凰三山と
甲斐駒ヶ岳の間のスペースに見えていた奥秩父の山々や
八ヶ岳連峰は
既にガスに飲み込まれてしまい、その姿を見ることはできない。 |
南を向けばこちら側はまだガスの手が伸びておらず、
北岳の姿がよく見える。
先程、アサヨ峰の斜面から見えたように、北岳の右には間ノ岳、
三峰岳、そして塩見岳などの山を見ることができる。
塩見岳の右に見える山はもしかしたら小河内岳かもしれない。
また、北岳の手前には小太郎山の姿が見えるが、その堂々とした姿も、
北岳の懐に入ってしまうと ほとんど目立たない。 | |
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仙丈ヶ岳の方にはガスが掛かり始めており、
時々 その頂上や小仙丈ヶ岳、そして直下の小仙丈カールがガスに隠れてしまう。
時間に余裕があるので、頂上で 20分程過ごす。
この間、小生一人きり。夏山シーズンのさなか、本当に静かな山である。
11時48分、アサヨ峰を後にして栗沢山へと向かう。
想像した通り、栗沢山へと向かう道は岩場が多い。但し、危ない場所は皆無であるし、道もしっかりしていて迷うことは無い。 |
岩場を下って振り返れば、アサヨ峰、北岳が並んで見える。
この栗沢山への道は
甲斐駒ヶ岳を展望しながら進むことになる。
迫力ある甲斐駒ヶ岳を間近に見続けながら登ることができるのは嬉しい限りであるが、
その姿形には少々は違和感を覚える。
同じ早川尾根上にある高嶺から見た甲斐駒ヶ岳は美しいピラミダルな姿をしており、
アサヨ峰に至るまでに見た甲斐駒ヶ岳も先程述べたようにベストに近い姿である。
しかし、アサヨ峰に近づくに連れて徐々に平べったい富士山のような姿に変わっていき、
この栗沢山に向かう道から見るそれは小生の好みではなく、一番美しくない姿を見てしまった気がして少々残念である。 | |