編笠山_西岳( 編笠山:2,523.7m ) 2010.4.24 登山



【PHOTO & 記録 編笠山_西岳 5】

雪の斜面を快調に下り、最後は大きな岩の間をペンキ印に従って進んで、青年小屋には 10時40分に到着。わずか 13分の所要時間であった。 先に青年小屋に戻っていったアルバイトの青年の足跡も大いに役立ってくれたのは言うまでもない。

錆びたトタンからなる青年小屋の入口前に立ち中を覗くと、 先ほどの青年とご主人らしき人が窓越しに見えた。
小屋には寄らず、雪に埋もれた指導標を見て行くべき方向を探す。残念ながら、標識には 権現岳の文字しか見えず、 西岳への方向指示は見つからなかったが、 確か、水場方面に道があったはずと思い、小屋の裏手に回ってみる。

小屋の裏手には平らな場所があり、 テン場になっているようである。日当たりが良いのであろう、雪はほぼ溶けている。
振り返れば、小屋の向こうに編笠山が見える。
やはり登山道は編笠山を真っ二つに割るようにしてつけられているようだ。山腹に見える縦の雪の筋が山道であろう。

テン場の脇を通って水場に向かう。雪の上に足跡が多いので、 中には西岳に向かう足跡もあるのかもしれない と思いながら進む。

少し進むと、雪の洞があり、その中に水が湧き出ていた。
ノドはあまり乾いていなかったが、折角だからと、水を飲んでみる。冷たくて美味しい。この水場は 『 乙女の水 』 と呼ばれているようだが、 昔、行者達は 『 金命水 』 と呼んでいたらしい。 個人的には、『 金命水 』 の方が好みの名である。
この水場から左に進めば、西岳に至るようだ。 小さな表示板がそれを知らせてくれた。
なお、期待した雪の上の足跡は、水場までで、そこから先はほぼ消えかけている。 雨と雪によって消されたらしい。逆に考えれば、源治新道の本日 最初の通行者となるということである。

シラビソの林の中を木々に付けられた赤テープに従って進む。 木々は整然と並んでおり、まるで杉の植林帯を歩いているようである。先にも述べたように、雪の上の踏み跡は薄いが、赤テープに加え、 道の部分の雪が少し凹んでいるので、迷うことはない。
そして、このところの 異常気象 (4月下旬というのに寒い) によって、雪は固く締まっており、 腐った雪に足を取られることがないのがありがたい。
よく見ると、所々に深く足が入ってしまったような穴がある。 つい最近までは、雪が腐っていて足を踏み抜くような状況だったのだろう。

道は多少の登下降はあるものの、傾斜は緩やか。快調に足が進む。
林の中にも日が差し込んでおり、周囲は明るく、気分も弾む。

時折、樹林が切れて、左手に 編笠山が見える。
編笠山の斜面は右に長く伸びており、先ほどまであの斜面を登っていたこと。
そして、あの青空に浮かんでいる頂上にて 40分近く景観を楽しんだことなどを思うと、とても不思議な感じがする。

少し登って後ろを振り返ると、 ギボシが見える。
先ほど編笠山頂上から見ていたそれとは、 趣がガラッと変わっていることに驚く。
地図を見て冷静に考えれば、編笠山から見ていたギボシ&権現岳を、 約45度近く北に角度を変えた場所から見ていることになるので、様相が変わるのも当然である。
編笠山頂上では山が重なって良く分からなかったノロシバ付近の高みや、双耳峰のようになっているギボシなど、その見え方の違いに驚かされる。
また、この角度では権現岳は見えないようだ。



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