編笠山_西岳( 編笠山:2,523.7m ) 2010.4.24 登山



【PHOTO & 記録 編笠山_西岳 2】

道は開放感のある小さな広場のような場所に出た後、徐々に登りがきつくなり、やがて本格的な急登が始まる。
出だしでは道の両側に トラロープが張られ、そこには茸 (きのこ) 採取を目的とした入林 一切禁止の警告板がぶら下がっている。 登山道以外は入ってはいけないということである。
傾斜はドンドンきつくなり、道はジグザグ道に変わる。足下には苔むした岩や倒木が現れ始め、 先ほどまでの陽の当たる明るい道とはガラッと雰囲気が変わる。
時折、左手の樹林越しに西岳の三角錐が見え隠れするが、 写真が撮れるほど見通しは良くない。

急坂を喘ぎながら登る。 顔を上げると、上の方の樹林の間から太陽が見える。 サングラスをかけているので周囲が暗く、まるで洞穴の出口に向かって登っているようだ。

足下はやや濡れていて滑りやすい。前日までの雨が道を洗い流したという感じである。 そしてそのことは、古い足跡なども流してしまっており、今進んでいる道には人の足跡らしきものは一切見えない。 ということは、当然 小生が本日このコースを歩く最初の人間ということになるようだ。
編笠山へのもう一方の登り口である観音平は、 そこまでの道が閉鎖されている可能性もあるので、小生が編笠山一番乗りの公算が強い。 モチベーションが上がる。

登山道も苔の中を進んでいるうちは、道の部分だけが土なので分かりやすかったのだが、 途中から落ち葉と土の道に変わると、少々分かりにくくなる場所が現れた。
無論、写真のような標識もあるし、木にはピンクのテープなどが付けられているが、テープの間隔は意外と長い。 そのせいか、ある場所では 踏み跡らしきものがいくつもあったため、道を誤ってしまった。 途中で、道の気配が消えたので、間違えたことに気がついたが、油断があったのかもしれない。
なお、写真の標識を通過したのが、8時17分。計算では 編笠山に 9時27分に着くことになる !!。

ここまで全く足下に雪は見られなかったのだが、 2,100mの標識を過ぎた頃から土や落ち葉の上に雪が鹿の子模様となって現れ始めた。 つまり、昨日の雨はこの辺では雪に変わったということである。ただ、鹿の子模様なので、この高さでは積もるほどではなかったようなのだが、 ここより上の方はどうであろう。
やがて、足下に残雪も現れ始め、標高が 2,200m近くになってくると、完全に登山道を覆うようになった。 残雪はほとんどがアイスバーンになっていたことから、ここで軽アイゼンを装着することにする。固い氷にアイゼンの歯を叩き込むようにして進む。 滑ったりするロスが全くなくなり、快調である。

いつしか、周囲はシラビソの密度が高くなり、木々の中を縫うように進むようになる。 足下は完全に雪。白い雪の下に硬い氷が隠れているところも多々ある。
この辺になると、雪の上に足跡はほとんど残っていないが、今度は密度の濃い木々の間にできた隙間がそれとなく道を教えてくれ、迷いようがない。

雪の道を快調に登っていくと、やがてシラビソの回廊の天井が開け出し、 青い空が覗くようになる。 そして、すぐに樹林帯を抜け出すこととなり、先ほどまでとは打って変わって、 大きな岩が積み重なった上を進むこととなった。

振り返れば、南アルプス方面が見える。 しかし、肝心の仙丈ヶ岳甲斐駒ヶ岳北岳などは、 その特徴ある頂上部分が完全に雲に覆われており、どこにどの山があるのか全く分からない状態である。 これでは先日の西岳よりも状況が悪い。
せめてもの慰めは、本日 登ろうと考えていた雨乞岳 (写真の右端の茶色い三角錐) がハッキリ見えることだが、雨乞岳に登っていたら、 恐らく目当ての甲斐駒ヶ岳は見えなかったであろう。最終的にこちらの山を選んで正解だった。
こうなると、この青空のもと、権現岳、 ギボシから始まる八ヶ岳の姿に期待するしかない。 早く頂上に着きたいものである。



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