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札幌の美術2003 19+1の試み展 | 2003年3月16日 札幌市民ギャラリー(中央区南2東6) |
川上りえ ワークショップから |
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第一線で活躍する札幌とその周辺の美術家19人および1団体の新作を紹介する「札幌の美術」は、出品者の全員が、何らかの形で公開制作やワークショップ、ギャラリートークなどをおこなうのが特徴です。 そのなかから、川上りえさんが16日に会場で実施したワークショップのもようを、ご本人が撮影した写真をまじえてご紹介します。 まず、会場に、つぎの文章を掲示し、参加を呼びかけました。 壁面左側からお好きなかけらを手に取り、色鉛筆などの画材で着色し、あなた自身のイメージする「錆びたかけら」に変身させて壁面右側に取り付けてください。かけらを付ける位置は同壁面内であれば、左側にあった状態と同じでも違ってもかまいません。あなたの意志で決めてください。また、参加した人には、つぎのように書かれた紙をくばりました。 参加型作品制作コラボレーション以下、川上さんのメールから適宜抜粋して、模様を紹介します。 じっさいには、壁面ではなく、柱状の形態をパズルのように分割 した鉄の破片を地べたに敷き詰め、参加者には好きな破片をお取りいただき、「あなたのイメージで錆を表現してください」ということでクレヨン、色鉛筆などを使って着色していただきました。着色した破片は、私の作品会場の一面を使って展示しました。これもまた各自の思い思いの場所に取り付け、破片は壁面上でちりぢりに飛び散りました。 破片の数は約200枚ほどあったのですが、90名前後の参加者により150枚くらいの破片が壁面に取り付けられました。 上は、ワークショップの会場風景です。なかなかにぎわっていますね。 つぎに紹介するのは、その「破片」の写真です。 思い思いに描かれた破片の内容は、予想通り、絵あり、模様あり、メッセージあり−といった感じです。お世辞抜きにおもしろいです。みんなアーテイストですよ。本当に。 壁面の最後の状態を全景で撮影した画像をご覧になればおわかりの通り、壁面に飛び散った破片による形状は、その輪郭をとらえづらい状態となっていますし、個々の個性的な表現をみることは難しいです。 でも私は、この全体像の方に興味があります。 集団となったとき、個々の意志は深層に潜んでしまう。 しかし個々の意志が重要な要素となっている事には変わりないわけです。 「個」と、それらが集まって生み出される「集」の関係は、世の中のあらゆる事に相似するように思います。 社会現象にも言えそうですが、私としてはもっと宇宙スケールでイメージをふくらませています。大変神秘を感じるし、その気持ちを作品で表現したいと思っているのです。 皆さん、ご参加ありがとうございました。 川上さんは元来が彫刻家なので、これまで発表された作品をみても、やはり形態がメーンで、色彩は(すくなくても見る側としては)二の次だった部分があります。今回のワークショップでは、たくさんの参加者が、川上さんの作品空間をカラフルに変貌させてしまったようです。 川上さん、どうもありがとうございました。 ▲ |
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川上りえさんのおもな関連ファイル ■「北の創造者たち」(2000年12月−01年3月)=芸術の森美術館が企画したグループ展。作品のほか、かんたんに参加できるワークショップの記録もあります。 ■川上りえ個展〜浸透痕〜(01年6月)=アリアンスフランセ−ズでひらいた個展。 ■北の彫刻展(02年8−10月)=札幌彫刻美術館が隔年で開催している。写真なし ■水脈の肖像(02年6月)=道内の30−50代の作家と、韓国の作家が参加した大規模なグループ展。写真なし |