2002年8月後半
8月31日(土)
杉本京子写真展 象(かたち)=コニカプラザサッポロ(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階)
おすすめの写真展です。
コップの水の光が反射したテーブル、わずかに凹凸のある雪野原、雨に濡れた木道の表面、オレンジ色に輝く水面、雨粒のついたガラス窓など、ささやかでさりげない光景をとらえています。それらは、まるで、抽象画のようにすっきりとしていて、うつくしいのです。
自然の造形のおもしろさを撮る人はおおぜいいますが、杉本さんの場合はアプローチが若干違っていて、いろいろなものがもっているひそやかな美しさをとらえているのだと思いました。
9月2日まで。
ほかに、大星睦美展=パークギャラリー(南10西3、パークホテル内)と、ケイト・ポムフレット展=池内(南1西3)を見ました。
8月30日(金)
きょうも訃報から始めなくてはなりません。
道内でもっともめざましく活躍していた彫刻家のひとり、丸山隆さんが亡くなりました。47歳でした。
突然のことで、おどろいています。
たしかに昨年、病気で入院されていましたが、その後退院したあとは、12月のHIGH TIDE展、12−1月の道立近代美術館の恒例の親子向け企画展「A★MUSE★LAND」への出品、3月の「札幌美術展」に選ばれ出品と、おそろしく多忙でした。どれも、かなりの大きさの立体の新作を出していたのです。
その前、昨年4月にCAIで開いた個展は、すごかった。
会場いっぱいに鉄のネットをはりめぐらせたインスタレーション。
ちょうど、蜘蛛の巣の中央を突出させて、漏斗状(あるいは百合の花のかたち)にしたようなかたちに、太い針金が縦横に張られ、ギャラリーを訪れた人はその上に乗ることもできました。ところが、作品の外側にいたはずの人は、中央の漏斗の管の部分まで来ると、いつのまにか作品の内側にきているのです。
空間の性質や、物の表と裏(あるいは外と内)といったことを考えさせる作品でした。
丸山さんは長野県穂高町生まれ。
穂高は、日本の近代彫刻の先駆けである萩原守衛の生地であり、小学校時代は、碌山記念館の掃除なども当番でやっていたそうです。
信州大を経て、東京芸大に入学し、彫刻科を卒業。
大学院修了後の85年に道教大助手となり、その後助教授に就任して現在にいたります。
パブリックアートは数多く、札幌の真駒内駅前、札幌市中央図書館のエントランスホール、室蘭市入江運動公園のモニュメントなどを手がけています。
また、道内の中堅彫刻家グループCINQ(サンク)の一員として、石山緑地(札幌市南区)のプロジェクトにもたずさわりました。
札幌彫刻美術館が隔年で開く「北の彫刻展」にも86年から2000年まで出品しています。
筆者が丸山さんの作品を初めて見たのは、1996年の「北の彫刻展」でした。
彫刻美術館の玄関の前に、金属の作品「不可視コード」が、まるでUFOが墜落したみたいにごろんとおかれているのを見て「なんじゃこりゃ」とおどろいた記憶があります。
丸山さんは、彫刻とはなにか、表と裏とはどういうことをいうのか、立体と平面とはなにがちがうのか−といった、根源的なことを問う作品をつくりつづけていたのです。
さらに彫刻家の業績にくわえ、道展会員、道教大助教授として後進の育成に努めた点も、見落とすことはできません。
道内の公募展のなかで、道展の彫刻部の若手の作品が、だんぜんユニークなのは否定できません。ちょっと思いつくまま挙げても、藤本和彦さん、加藤宏子さん、竹居田圭子さん、出田郷さん、長谷川裕恭さんといった、いっぷう変わった作り手が道教大からつぎつぎ輩出しています。
以前
「やっぱり、マルセル・デュシャン以後と以前はちがうっていうのは、基本としておさえてもらわないと」
と話していらっしゃいました。
門下からコンセプチュアルアート的作品に取り組む新鋭が多く出ているのもうなづけます。
筆者は、昨年のHIGH TIDEで、作品のテキストを書かせていただく機会に恵まれましたが、われながら会心のできの文章とはいいがたく、次の機会があればこんどはいい文章を書こう−と心にひそかにちかっていました。
その機は永遠にうしなわれてしまいました。
先日、コンチネンタルギャラリーで開かれた「CINQ10周年記念展 石山緑地をめぐって」が生前最後の発表になりました。ただ、自身のコレクションを展示した「アフリカの仮面展」が終わってまだ5日しかたっていません
なお、9月11日から11月4日までギャラリー門馬で開かれる「Northern Elements Part2」にも、出品が決まっています。さらに、故・劉連仁さんの記念碑の序幕もこれからのはずで、まさに志なかばの死としか言いようがありません。
道内美術界・美術教育界のうしなったものの大きさははかりしれません。
ご冥福をお祈りします。
さて、この2日間で見た展覧会について。
まず、31日で終了するもの。
「人間模様シリーズ」大地康雄の油絵展=ギャラリーノルテ(中央区北1西6、損保ジャパン札幌ビル=旧・安田火災ビル=3階)
昨年独立賞を受けるなど、がんばっている札幌の画家、おおちさん。
基本的には昨年の個展とおなじです。
屏風型に折れ曲がったキャンバスに、白い裸婦と、朱や金といった派手な地で構成された絵を描き、人間の虚飾や真実を、日本的な仕掛けのなかで暴いている作品だということができるでしょう。
画面ぜんたいに明るい色の点がとびちり、さらにこの個展の後で色ガラス片をちりばめるそうですから、なかなかにぎやかな絵といえます。
左の写真は、傾いてしまいましたが、4人の裸婦をまとめています。上の裸婦は、顔がふたつついているみたいですが、これはキュビスムのように、時間の経過をあらわしていると解釈することもできます。
大地さんは
「かいているときはほんとにタイヘンでね。吹雪みたいなのをかく段階まできたらもう鼻歌交じりなんだけどね。それまで、どう構図を決めるかが苦しくて…。アトリエに入りたくないもんなあ」
と笑いながらこぼすとともに
「宴のシリーズはそろそろ終わり。モニュメントとしての人間像、抵抗する人間、そんなのをかいていきたい」
と、次のステップを見据えていました。
出品作は「妖宴」「饗宴」「誘宴」「翻宴」「醸宴」「艶宴」=写真=。
小品は「プロテスト」レジスタンス」「リボリュウション」「誇示」「モニュメント」など28点。
大地さんは全道展会員。
野島理の世界 サッポロなつかし通り=ギャラリーたぴお(北2西2、道特会館)
カラフルなイラストレーションとエッセーの個展。
案内状には、札幌・山鼻地区にのこる昔ながらの商店街としてけっこう有名な「新通市場」の絵がのっていたので
「まあ、ありがちな選択だな」
とおもって、じつはそれほど期待しないで行ったのですが、いや〜、目のつけどころがけっこう筆者と似てるんですわ。おもわず
「うんうん、このへんの街並み、イイんだよな」
とうなずいていまいました。
狸小路9丁目のひょうたん横丁、西屯田通のやよい市場、木造家屋のたくさんのこる大通東5丁目界隈、山鼻の銭湯、平岸街道の旧道…、どれも「いいなあ」と目をつけていたところです(その証拠に、ひょうたん横丁とやよい市場の写真は、クリックすると見ることができます)。
札幌は、小樽・函館はもちろん、旭川や釧路とくらべても古い街並みが壊滅状態の都会で、味のある家屋なんかはちょっと油断しているとすぐにマンションになってしまいます。
野島さんのイラストには、ものすごくたくさんの人が登場します。むかしのようににぎわってほしいな、という願いだとおもいます。
2002自由美術北海道グループ展=札幌時計台ギャラリー(北1西3)A・B室
昨年とおなじ14人の出品ですが、顔ぶれは若干かわっています。
これまで出品のなかった彫刻部から、米坂ヒデノリさん(空知管内栗沢町)が、小品「まどろむ猫」を出品しているのが目を引きます。アンモナイトのようにまるまっちい猫です。
ことしも抽象画が多いです。まあ、自由美術ですから当然ですが。
大崎和男さん(十勝管内新得町)はことしも「オロッコの詩」と題した抽象画2点ですが、斜めの構図を強調した昨年までの作品にくらべ、赤や青が自由に配されているという印象を受けました。
川森巧さん(札幌)「光景−『都市』」「R-2002・1」。灰色の抽象のかたちが飛び散り、ダイナミックな画面になっています。
高橋靖子さん(江別)は、例によってびっしりと細かいローマ字で画面を埋め尽くした「2002(緑)」。赤と緑の補色の関係で目がちかちかします。
もう1点の、まるで染織みたいに見える「2002(記)」は、縦長の和紙にグワッシュで、日付やイニシアルなどをかきいれたもの。これは、札幌・JR琴似駅裏の再開発のために、先日惜しまれつつ幕を閉じたれんが造りのフリースペース「コンカリーニョ」を惜しんだものだそうです。じつは、コンカリーニョをささえてきた高橋さんとは、靖子さんの次男とのこと。
コンテンポラリーダンスや演劇などでは、まさに道内の拠点でしたから、マンションを建てるために壊すとは、いくらもともと古い倉庫だとはいえ、もったいない話です。
佐々木美枝子さんが出していらっしゃらないので心配でしたが、ご本人はいたってお元気でした。
ほかの出品者は次のとおり。
佐々木俊二「疑影」=室蘭。(6月の個展はこちら。作品写真あり)
森山誠「memory02-2」=札幌。(6月の個展はこちら。作品写真あり)
杉吉篤「けん引」「心」=同。(昨年12月の個展はこちら。「けん引」の写真あり)
佐藤榮美子「初夏へT」「初夏へU」=十勝管内芽室町
中間弥生「たまねぎ注意報」「チョット泣いてみたい日」=北広島。(中間さんのサイトはこちら)
鈴木豊「発芽A」「発芽B」=同
黒田孝「MONUMENT」「矢臼別」=伊達
深谷栄樹「森の中へA」「森の中へB」「森の中へC」=釧路
工藤牧子「芽ぶきT」「芽ぶきU」=札幌
井上すみ子「対の陽とメソポタミア」「幻の陽とインダス」=空知管内南幌町
安藤康弘銅版画個展=同C室
想像上の植物や花、昆虫の変態などを微細に描いています。
なまめかしく、どこかエロティシズムもただようようです。
「変異的子体」は、楕円形の画面が、木口木版を思わせます。
三崎かおる個展 Simple life=同D室
シンプルな抽象画。色遣いや輪郭から、シャープさよりもあたたかみがつたわってくる、独特の画面です。「耕す」のリズミカルな感じ、いいなあ。
そんななかで「樹の記憶」は、黄色の飛沫がちょっとはげしい感じです。
洞爺湖畔から福島県にアトリエをうつしましたが、新道展会員です。
第13回まうんと展=同E・F室
NHK文化センターの教室展。内野みち子さん「初夏」がなかなか。緑の扱いがうまく、構図もまとまっていて、空気感がよく出ています。
第4回クレール展=同G室
女性6人のグループ展。
渋谷美智子さん(新道展会員)の花の絵がさすがにまとまっています。
以上31日まで。
つづいて9月1日までの展覧会。
第28回女流書作家集団展=スカイホール(南1西3、大丸藤井セントラル7階)
社中や流派を超えてあつまった道内の女性書家のあつまり。年々発展をとげて、ことしは76人の出品となりました。そのぶん、作品サイズは小粒になりましたが、書が好きなら見逃せない展覧会です。
創作がおおいのですが、初心者が取り組むような題材の臨書もあり、バラエティーはゆたかです。
墨に煤やボンドをまぜて独特の墨色を追求する安藤小芳さん「娑」は、文字を上下で断ち切った造型感覚がおみごと。
田中瑞舟さん「緑荷」は、CG(コンピューターグラフィクス)で処理したような、もっさりした書体がおもしろかったです。
太田欽舟さん「涛」は、簡素な字体がさわやかでした。
しかし、鬼気迫る書としておもわずたちどまってしまったのが糸藤紅陽さんの「山川草木」でした。病床でやっとのことで書いた4点と、粘土でこしらえた篆刻ですが、闘病中という事情を知らずとも、素朴さと剛直さがあいまった筆つかいで、たとえば舟越保武の彫刻を連想させます。一日もはやい快復をお祈りします。
星宙風景画展=さいとうギャラリー(南1西3、ラ・ガレリア5階)
欧米や、札幌市内の風景の水彩画展。
丹念な処理に好感が持てます。ハイライトを紙のまま残したり、紙の質感に頼るのではなく、色を丁寧につくり、地道に筆を置いているところがすてきです。
とりわけ「サンジミニヤーノ 丘の上から」は、はるばるとした広がりの感じられる佳作。
ヴェネツィアを描いた「ゴンドラ遊覧」は、運河の濁った水をとおして建物の水面下の部分がわずかに見えるあたり、まったくうまい。
でも、「ホシ・ヒロシ」なんて本名かなあ。
PETIT PETIT IKUO OHASHI MACHIKO SAKURAI=同
大橋郁夫さんと櫻井マチコさんが、サムホールの絵だけを展示しています。
大橋さんは札幌の風景など。
櫻井さんは、コーヒーの袋に地塗りをした上から、魚やかに、エビの絵を描いたおしゃれな連作です。題名も「ヨコヨコ」とか、おちゃめ。
第2回グループEN油彩展=ギャラリー大通美術館(大通西5、大五ビル)
本間洋子、荏原綾子、砂場忠子、田上万司の4氏による絵画展なのですが、うーん、田上さんのインパクト強すぎ。
正面に飾られた「最後の晩餐をする縄文人」は、例によって、新聞紙を体に巻きつけたはにわくんたち13人が横一列になって食事をするという、レオナルド・ダ・ヴィンチもびっくりの、縦1・62メートル、横3・12メートルの超大作です。
中空でらっぱをふいている天使も、やはり踊っているはにわです。
新聞紙の種類も、それぞれのはにわで性格づけというか分類がなされていて、ある使徒は死亡記事、またある記事は不景気、中央のイエスは雅子さん懐妊−などとなっています。
ことしの全道展に出した「トランプをする縄文人」(今回は不出品)では、全道展に気を使ったのか道新ばかりでしたが(全道展は道新も主催)、こんどの超大作は、朝日、読売もくわわり、バージョンアップしました。
筆者は仕事柄、じぶんの組んだ紙面などが絵の中にあるとついうれしくなってしまいます(^.^)。
ビロードのテーブルクロスや、左右の聖母像など、質感を描く力量も、たいしたものです。
同ギャラリーでは、全道展会員・水野スミ子さんの教室の「第14回そらいろ展」も開催中。
前川康子陶芸展=コンチネンタルギャラリー(南1西11、コンチネンタルビル地下1階)
ふたもの、平らな皿が1000円以下とかなり安い。「ふたもの」は、たぶんポプリなんかを入れるのにおあつらえむきなんだろうな。
無釉の皿もあったけど、備前などとことなり、赤茶色がスマート。
野蔓と組み合わせた皿もあり、食卓にならんだときのことを最大限考えているという点では、なかなかのものだと思いました。
第15回花いろの会・水彩展 第4回アップルグリーン水彩展 第2回ザップグルーン水彩展=札幌市資料館(大通西13)
3つとも、寺井宣子さん(札幌。道展会友)の教室展。若松汪江さんの秋刀魚、おいしそう。
ほかに、IMY油絵3人展も見ました。チューブから出してそのままの色をはげしく塗っています。
もう朝の7時だ。寝ます。
8月29日(木)
訃報です。
すでに、新聞、テレビニュースなどでご存知の方も多いとおもいますが、道内の戦後画壇を代表する画家の小川原脩さんが亡くなりました。91歳でした。
小川原さんは1911年(明治44年)、倶知安村(現在の後志管内倶知安町)に生まれました。
東京美術学校(現・東京芸大)の在学中から帝展に入選していましたが、卒業後はシュルレアリスムに接近。39年(昭和14年)には、美術文化協会の旗揚げに参画します。
しかし、戦火が拡大したため、画壇のホープとして過ごした時期はみじかく、また、44年には陸軍から戦争記録画の制作を依頼されます。戦争への協力が、戦後の協会などで批判されたため、その後は中央画壇と距離を置くようになり、疎開で帰郷した倶知安にとどまります(このへんのいきさつは宇佐見承著「池袋モンパルナス」=集英社文庫=にくわしい)。
一方で、道内では、全道美術協会の創立に参加します(45年)。
戦後の一時期は、アンフォルメルの影響を受け、動物や人物を抽象的に構成しますが、70年ころからは、おおむね写実的なタッチで犬などを描くとともに、チベットや桂林などをさかんに旅行し、当地の風物を題材にした作品を多く発表しました。簡素な構図と、うすい絵の具の塗りが特徴です。
代表作には、40年の「大北海道」などがあります。
81年には、倶知安町文化福祉センターで、88年には道立近代美術館などで大規模な回顧展もひらかれました。また、同美術館編集のミュージアム新書からモノグラフ(「小川原脩―はるかなるイマージュ)も出ています(北海道新聞社刊)。
最晩年には、倶知安に、小川原脩記念美術館もオープンしました。
いっぽうで、97年ごろから体調をくずし、毎年秋にひらいていた札幌時計台ギャラリーでの個展や、全道展への出品もなくなっていました。
筆者は、70年ごろに描かれた、犬の連作がすきです(筆者の勤め先の北海道新聞社にも所蔵作がある)。
犬がめんこい(かわいい)のもその理由ですが、群れる犬から1匹だけはなれて、そっぽをむいているヤツがえがかれています。
人間社会のゴタゴタに嫌気がさし、ひそかに中央から離れた場所で独立して生きる一匹狼の画家としての自画像が、そこに投影されているように感じられるのです(その意味では、これらの絵は、金子光晴の詩「おっとせい」とすごく共通するものがあるとおもう)。
生前、羊蹄山を描いてやるんだ、とおっしゃっていた小川原さんを思い出します。
「あまりに身近にあって、かえって描きづらかったけど、やってみるんだ」
その思いは果たされませんでしたが、あのチベットを描いた晩年の作品のような、あたたかみある世界に、小川原さんの魂がやすらいでいますように。
道内では、先月小谷博貞さんが亡くなられたばかりで、なにやらひとつの時代の終わりをしみじみと感じます。
とりあえず、きょうはここまで。
北海道女流書作家集団展、星宙風景画展、グループEN展などについては、追って報告します。
スケジュール表はかなり更新しています。
8月28日(水)
まずは、なにを措いても、井上まさじ展=ギャラリーミヤシタ(中央区南5西20)
今回は、ふたつある作品系列のうち、色彩だけによる作品18点が展示されています(いつものように、すべて無題)。
毎回うつくしいのですが、今回はとりわけうつくしい。
ことばをあやつる人間としては失格なのですが、そうとしか形容のしようがないのです。
作者がそんなことを漏らすのはめずらしいのですが、ギャラリーの宮下さんに話したところによれば、前回のテーマが「風」で、今回は「水」なのだそうです。
なるほど、言われてみれば、寒色系が多いです。
色合いのことなる緑色がまだらになった作品。あるいは、やはり色調の微妙にちがう青がまだらになっている作品などです。
かたちのない、色彩とマチエールだけのある平面がどうしてこんなにうつくしいのか。
筆者にはわかりません。
宮下さんによると、ギャラリーをおとずれて井上さんの絵を見ているうちに突然、感動のあまり涙を流してしまう人が毎回ひとりかふたりはいるそうですが、今回は何人も見たということです。
なかには「帰りたくない」と言った人もいたそうです。
わかるような気がします。
もし、ここに写真を載せたとしても、だいたいどんな作品なのか見当はついても、なぜそれが感動的なのかは、けっしてHPを見ている人にはつたわらないでしょう。
そして、このHPをはじめてから、今回ほどじぶんのことばの無力さを痛感したことはありません。
くりかえしになりますが、不定形の色彩と、光沢のある複雑なマチエールだけからなる平面が、どうしてこんなにうつくしいのか、説明できないのです。
9月1日まで。
Northern Elements Part 1=ギャラリー門馬(中央区旭ヶ丘2)
ますます元気な門馬よ宇子さんが、自宅を改造して、企画ギャラリーのギャラリー門馬と、貸しギャラリーで、長さ15メートルの細長い形状をしたギャラリー門馬アネックスをオープンさせたので、遅ればせながら行ってきました。
しかし、ふつう、80歳の女性が、自宅をギャラリーにするか? ほんとにすごい人だとおもいます。
個々の作家については、またあす以降あらためて書きます。ごめんなさい。
筆者は、円山公園駅のバスターミナルから「旭山公園線」に乗り、「界川」で下車しました。
「ロープウエイ線」で「旭丘高校」で下車するのがベストですが、この方法でも、徒歩6分ほどです。
9月5日まで。なんと無休。
ギャラリー門馬から、Free Space PRAHA(中央区南15西17)まであるきました。約10分。
LIBRARY PROJYECT IN PRAHAという展覧会がひらかれています。
これは、東北地方のわかいアーティストがはじめたプロジェクトらしく、アートを、図書館に置いてある本のように、一般の人が借りてゆけるという形態の発表です。
ギャラリーという場から美術作品を開放していく、おもしろいこころみであることはたしかです。
ただし、図書館がお手本ですから、どうしても、本の形におさまるサムホールくらいの平面とか、ちいさなオブジェなどに限定されます。
それと、ここであえて苦言を呈すれば、東北地方の場合は、メディアパークせんだいという、多くの人があつまるところでおこなったことに意義があったのであって、こんな住宅街の中にある“知るひとぞ知る”スペースでやったところで、当初の「アートをもっと多くの人に」という課題は達成されないとおもうぞ。
ま、それはそれとして、返却日は9月1日ですから、それまでタダの絵を壁に飾りたいという人は、のぞいてみるのも一興かも。
十勝日誌は、小林満枝日本画の世界、しかおいウィンドウ・アート展、とかち環境美術展、池田緑展、とかち広域美術展などを書いたところで、いったん打ち止めにしました。
とにかく、膨大な量のテキストと写真をアップした3日間でした。ごゆっくりごらんください。
大友良英さんの新プロジェクト「ANODE」は、客席と舞台の枠を取っ払って、奏者が客席の中などさまざまな場所で演奏することによって、これまでにない音響効果を目指すそうです。
いいなあ、オーディオじゃぜったい体験できないものなあ。でも筆者は仕事で聴きにいけません。
8月27日(火)
休み。
「展覧会の紹介」に、「ACT5」と「極東ロシアのモダニズム展」を追加しました。
9月の札幌のギャラリースケジュールもアップしました。
十勝日誌はまだ途中です。
8月26日(月)
休み。
「展覧会の紹介」に、「渋谷俊彦展」「リレーション・夕張」を追加しました。
8月25日(日)
黒沢宏子展=コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階)
油彩と、パリを中心としたスケッチ。
もし記憶違いならもうしわけないのですが、以前の黒沢さんは、ばら色と水色を主に、花などを描いていたと思います。
今回の油彩の大作は、がらりとおもむきを変えました。「街2002」は、奥に欧州のまちなみ、手前に、パレットやドライフラワー、水差しなどの静物を配した、いわゆる構成画です。
このみでいえば、断然こちらのほうがすきです。
街は夕日を浴びて、オレンジにかがやいています。手前がわりあい写実的なのにたいし、奥が、あたりのような黒い輪郭線をのこしているのには、なにか意図があるのでしょうか。それでも「街2000」以降、年ごとにその線は目立たなくなっています。「写実への後退」と言う人もあるかもしれませんが、作品のまとまりという点ではだんぜん「街2001」「街2002」がすぐれている。来て良かった、とおもいました。
25日で終了。
長畑ふみ子個展=札幌市資料館(大通西13)
クロッキー、油彩、淡彩デッサン、陶の絵皿と、なんでもありの個展。
とくに、風景を描いた淡彩は、「積丹美国港」「伊予大洲」など、描くことがほんとにたのしくてしかたない、という感じにあふれていました。
25日で終了。
このほか、古書ザリガニヤ(大通西12、西ビル2階)で、松川修平展を見ました。裸婦、女性の腰のあたりだけ描いたキャンバス、抽象などがばらばらに壁をうめていました。
ところで、ひさしぶりにこの本屋に来てみたら、また店内の模様替えをしたらしく、美術書もだいぶ増えていました。あれこれまよいましたが、小池寿子「描かれた身体」と谷新「北上する南風」を買いました。
きのうの香取正人展で、香取さんを事務局長としましたが、すでに鈴木秀明さんに交代しています。新道展の方にはごめいわくをおかけしました。おわびして訂正します。
きのうの日経に、おもしろい広告が出ていました。
日本近代文学館が編集・刊行する「初版本復刻 近代文学の名作」全23冊です。
漱石「吾輩ハ猫デアル」、鴎外「雁」、独歩「武蔵野」、有島「生れ出る悩み」、太宰「晩年」など書架にあったら良さそうなラインナップ。毎月1、2冊で、月8000円なので、たぶんもうしこまないでしょうけど。
ところで、女性がひとりもいないのと、文学といっても小説だけで、詩歌・戯曲・評論がまったくないのはいかがなものでしょう。
思想家の柄谷行人と浅田彰が中心となって発行されてきた季刊誌「批評空間」が、第3期4号をもって終刊となることが20日決まりました。
内容がむずかしいので、筆者はあまり熱心な読者ではありませんでしたが、哲学・思想のみならず、文学や美術にもページをさいていました。昨年話題になった岡崎乾二郎「ルネサンス 経験の条件」(筑摩書房)も、この雑誌に連載されていました。
ゴッホ展(道立近代美術館=中央区北1西17)が終了しました。
入場者数はおよそ28万2600人で、道内美術展の新記録です。おそらく、しばらく(あるいは二度と)破られないでしょう。
これほど、中味でなく、「混雑の具合」ばかりが話題になった展覧会もめずらしいと思います。
スケジュール表からは、いっきに11の展覧会が消えました。なんだか、夏が終わったなーというさびしい感じですね(気象的には夏がこないまま、という雰囲気ですけど)。
8月24日(土)
けさ、テレビの天気予報で
「冷え込みは一段落するでしょう」
と言っていました。
「8月なのに『冷え込み』はないだろう」
と思ったけど、たしかにきのうの糠平(十勝管内上士幌町)の最低気温は2.9度。大雪山系では雪が降り、そう表現するのも無理はありません。
北海道にはことし夏がありませんでした。日本の大半では猛暑、欧州や中国では洪水。異常気象ということばを安易につかいたくはありませんが、やれやれであります。
香取正人展=ギャラリーどらーる(中央区北4西17 HOTEL DORAL)
香取さんは風景画家です。
小樽運河、雄冬など道内にくわえ、京都なども描いています。
おおむね写実的ともいえますが、見ようによってはかなり個性的で、興味深い絵です。
まず、筆の運びが非常にはやい。雑さにおちいる一歩手前のスピーディーさは、画面に軽快感をもたらしています。
また、色調が明るく、それぞれのモティーフに陰影がほとんどない。もちろん、影に当たる部分には暗い色が入れられているのですが、おなじ面でグラデーションがかけられることはありません。それぞれのモティーフは固有色で処理され、そのため、コントラストがじつにあざやかです。固有色といっても、夕映えは山吹色、空は灰色がかった薄紫で描かれるなど、独特の色彩感覚があります。
へたをすると、この方法では、平面的な切り絵・貼り絵のようになってしまいそうですが、いま挙げた筆の運びの速度と、画面の主調色をさだめることによって、画面を平板さと乱雑さから救っています。言い換えれば、なんでもかんでも色を散らしているわけではない。
たとえば「黄色い橋」では、海の群青、橋の黄色、空の薄紫色が主軸になっているようです。あるいは「雄冬 夕景」では山吹色の夕空と濃い灰色の雲の対照が鮮明です。それらの色は、手前の海面にも反射しています。
「戸隠 鏡池」では、山塊がくろぐろとした色で堂々と描かれ、手前の白樺の黄緑はあくまで明るい。生っぽい色ですが、おなじ色がひとつところにかたまり、あまりあちこちに散らされていないのも、案外色にリアリティーをあたえているのかもしれません。
香取さんの絵は、風景画を見ることのたのしみをたっぷりと味わせてくれるのです。
香取さんは新道展会員。札幌在住。
31日まで。
出品作品は次のとおり。
100号:「運河」「嵯峨野路T」
80号:「運河遠望」「漁火」「黄色い橋」「戸隠 鏡池」
50号:「石狩河口夕景」「雄冬 夕景」
30号:「瀬棚夕景」「嵯峨野路U」
20号:「秋」
12号:「嵯峨野路V」
6号:「初景滝」「秋の恵庭湖」「小樽港」「雪の町」「北浜橋からの運河」
4号:「春」
3号:「聚富(しっぷ)」「夏」「トムラウシU」
0号:「すすき」「上富良野風景」
川井博写真展「そよ風にさそわれて」=富士フォトサロン札幌(北2西4、札幌三井ビル別館)
奈良在住、大阪に事務所のある写真家が、日高に通い詰めて撮ったサラブレッドの写真。
そういえば、ついこないだもサラブレッドの写真展って、ここでやってたよなあ。
かわいいのは「順番ですよ!!」。水を飲むためにょきっと首をもたげている4頭の馬。
この写真家は排列がうまい。馬を小さく画面に入れたスケール感ある風景写真を随所に入れています。
富士フォトサロン札幌さまから画像をいただいたものをスキャンしてありますので、どうぞ、こちらで画像をごらんください。
9月4日まで。
8月23日(金)
訂正について、各方面からご指摘をいただきました。
まず、表紙の小樽文学館の電話番号がまちがっていました。かけた人がいたら、どうももうしわけありません。
大友良英さんのプロジェクト名が違っていました。「ANODE」が正しいです。
22日の広河さんのことば、「占領」が「染料」になっていました。
いずれも、訂正してあります。
おっちょこちょいもこれ極まれり。猛省します。
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)に行く時間のある今週唯一の日。
今週は、札幌以外からの出展がめだちます。
A室、工藤善蔵個展は室蘭。
裸の男女が何人も重なり合った絵を描きつづけています。
といっても、性的なかんじはまったくなく、人間存在の重みを背負ったなまなましさがつたわってきます。
どれも腕がないのは、うるささを避けるためでしょう。ですが、そのため、生身の人間というより、屍体のような感じもします。ひとりひとりに、赤い棒がささっています。光の線のようにも、ロンギヌスの槍のようにも見えます。
陰影にはとぼしく、さまざまな色がぬられていますが、おおむね、いわゆる「肌色」やばら色、白の系統でまとめられています。
油彩16点。ほかにパリなどの風景画。
室蘭の街並みを描いた小品は、表現主義的な激しさをもった筆致です。
工藤さんは全道展会員。
B室、金澤博子版画展は帯広。
布のしわのような模様のついた、藍色や茶色のシルクスクリーンが中心。
といって、しわ模様だけだと、壁紙みたいになってしまうので、円や太い線を入れるなど、作品らしくするくふうがみられます。
「水の記憶」「水の炎」など、題名もなかなか。
金澤さんは道展会員。
C室は仲尾啓子個展。
抽象の平面。丸とか、波打つ太い線とか。
D室「絵と人形で紡ぐ二人展」の、篠木輝子さんと皆川優子さん親子は北見。
篠木さんは絵画。
左の「しろい花のとぶ bQ」は、スプレーで描いた作品。このほか、静物画や、小さい四角の反復と具象画を組み合わせた作品など計15点。
皆川さんは人形。
多種類の粘土を使い、顔の表面や衣服は和紙でできています。が、6体中5体はギリシャ神話を題材にしており、いわゆる伝統的な人形よりはかなり西洋風なおもむきです。
こういう人形は、意外と道内では作っている人がいなさそう。
しかも、背の高さも50センチくらいはありそう。10頭身以上というプロポーションも独特です。
右の写真は「Hera」。嫉妬深い女神は、赤いマニキュアをしているというイメージなのかな。
E、F室は第2回二友展 中村友子・みずきひろこ 住所はわかりません
以前は故・砂田友治さん(独立展・全道展会員。回顧展のもようはこちら)の教室で絵をならっていた二人が、昨年から展覧会をはじめました。
それぞれ15点前後。いちばん大きいのは50号です。
静物画、人物画など多彩。
陰影がなく、多彩な色彩を同時につかうのは砂田風。しかし、構図的にはよくまとまっています。
G室はグループ風雅
松木由美子さん、永井漾子さん、丹野見気さん、伝法つね子さんの4人展で、15回目。水彩が多いです。伝法さんの、猫と静物ののん気さや、丹野さんのどこか切羽詰った抽象。4人の作風がばらばらなのがおもしろい。
いずれも24日まで。
きょうは5時半起床、7時50分出発、8時45分会社着、23時20分帰宅という日だったので、このへんでカンベンしてください。
8月22日(木)
広河隆一写真展 アフガン・パレスチナ−戦火の中の子供たち−=サッポロファクトリー二条館地下(中央区北2東4)
衝撃を受けました。みなさんにもぜひ、見てもらいたいです。
前半がパレスチナ、後半がアフガニスタンという構成になっています。
会場に貼ってあったあいさつ文によると、広河さんが最初にイスラエルを訪れたのは1967年とのこと。第3次中東戦争の地すべり的圧勝で大きく領地を増やした直後のイスラエルで、占領に反対する若者たちは、次のように言っていたそうです。
占領は抵抗運動をうみ
抵抗運動は弾圧をうみ
弾圧はテロをうみ
テロは対抗テロをうむ
わたしたちは殺人国の国民になりたくない
ただちに占領地を放棄しよう
そして事態はそのとおりになった−。広河さんはそう書いていました。
写真は
1982年のイスラエルによるベイルート占領
レビン・イスラエル首相の暗殺を悼むユダヤ人の集会
パレスチナのテロを恐れて家に身を潜めるユダヤ人
銃を構えるヒズボラ(アラブ側民兵組織)の兵士
家宅捜索のためパレスチナ人の家の壁にイスラエル兵士が空けた大きな穴(ここまでしなくても…)
イスラエルの攻撃によって瓦礫になった、ジェニン(ヨルダン川西岸自治区)の難民キャンプ(なにもここまでしなくても!)
パレスチナ自治区に侵攻するイスラエルの戦車に投石する青年
など、中東のなまなましい現場をとらえています。パレスチナゲリラが、応戦するイスラエル軍から狙撃されて斃れる瞬間の写真もあります。ただし、首相とか、議長とか、えらい人は登場しません。
テロを恐れて外出しづらくなったユダヤ人も大勢いますから、現在おきている争いは、どちらも犠牲者です。
ただ、筆者には、やはりイスラエル軍は、やりすぎのように思えてなりません。
東エルサレムにあるPLO(パレスチナ解放機構)のビルをイスラエルが占拠したことに対して子どもたちがデモをしている情景を写した1枚がありました。
そこにあったプラカードには、こう書かれていました。(かっこ内は筆者による補足)
JERUSALEM (IS) CAPITAL OF 2 STATES
少年少女は、エルサレムがイスラエルとパレスチナの両方の首都だと主張しているのです。
ユダヤ人を追い出そうとしているのではなく、一緒に住もうというのです。
このプラカードは、どちらの言い分に理があるかを、雄弁に物語っているのではないでしょうか。
後半はアフガニスタンです。
広河さんが昨年10月に訪れた難民キャンプの惨状は、米国の空爆がもたらした“平和”がいかに虚構のものであるかを、まざまざと見せつけています。
尊厳を根こそぎ奪われた人々の表情がいかに空虚になるか。筆者はしばらく写真の前を離れられませんでした。
25日まで。
24日までは午後8時まで開催していますので、見てほしいです。
THE LIBRARY 2002 -Exhibition of the book object-=this is gallery(中央区南3東1)
東京のギャラリーが企画、募集した「本の形式の美術作品」展の札幌巡回展。けっして広くないthis
is galleryに91点が並び、壮観です。
どれも、手にとって見ることができます。
ただ、どうしても「本」といううつわにとらわれて、絵や写真 プラス 文や詩、というかたちの作品が多いのは、ちょっとざんねん。つぎに多いのが、単にオブジェを収めただけの箱で、ぶっ飛んだ発想の作品はそれほどありませんでした。また、詩みたいなものを書いている作品もずいぶんありましたが、はっきり言って、大半はお話にならない低水準。詩になっていたのは、長沢暁さんの、活字を糸の上に貼り付けて箱の中に入れた作品ぐらいでしょうか。
地元勢では、岡倉佐由美さんが、透明な箱のなかにプリント基板や頭蓋骨型のオブジェ、豆本を入れて、岡倉さんらしいなぞめいた世界を演出していました。
新明史子さんは、古い写真をモノクロコピーして綴じています。幼少のころ、初めて海に行ったときに撮ったスナップが元です。これも新明さんらしい。あまりひねりはないけど。
河田理絵さんは、引っかいてさまざまな文様をつけたアクリル板を数枚とじました。シンプルさがいい。
ほかには、コンラッドのペーパーバックスの特定のアルファベットを執拗に塗りつぶした森村誠さん、本と見せかけてガラスという坪井隆行さん、タイポグラフィによる実験をおこなった西尾彩さん、茶封筒にメッセージを印刷した藤田みゆきさん−といった人たちが、印象にのこりました。
24日まで。
表紙にも書きましたが、音楽・大友良英、朗読・島田雅彦の「ミイラになるまで」が、9月1日午後2時から、道立釧路芸術館でおこなわれます。
筆者は、97年に、札幌芸術の森で開かれた「ナウ・ミュージック・フェスティバル」で聴いています。
「朗読なんて退屈では」と思う方もいらっしゃるでしょうが、これがふしぎと、なかなか引き込まれるのです。音楽も、たんなる伴奏ではなく、といって朗読を妨げるのでもなく、先鋭な音で“場”をかたちづくっていく感じでした。
「ミイラになるまで」は、釧路湿原が舞台の小説ですから、開催地もぴったりですね。
なお、釧路芸術館からのお手紙ですと、今回が最後の「ミイラになるまで」の演奏になるかもしれない、とのことでした。
8月21日(水)
第24回 蒼晨会日本画展=スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階)
白崎博、増田和子、石川絢子、吉田京子、前田知都利、岡本潮子、久保田芳子、浅井律子の8氏による展覧会。写実的な画風による、日本画らしい日本画がならびます。
白崎さん「風の記憶V」は、フクロウ、紅葉、山並み、ウバユリの花などで構成した絵。赤、青などさまざまな色を使っていますが、まとまっています。
書峰社書道 創立50周年記念 第6回さわやか彩りの書展=同
11教室、計63人による、書と水墨画の展覧会。
書峰社のおもしろいところは、紫や緑など墨色が多彩なことと、わりあい名高い短歌や詩をとりあげて近代詩文に仕上げていることだと思います。ぱっと見た感じ、字の配列や優美な運筆は、かな作品に似ていますが、ちゃんと読めるので、近代詩文といっていいんじゃないかな。
正字で書いている作品はほとんどなく、新かな遣いの作品もあるなど、現代的です。
木島務油彩展=さいとうギャラリー(南1西3、ラ・ガレリア5階)
釧路の画家。
派手な色調の風景画など59点。中空に太陽、下半分に湿原などの風景−という構図の絵が多い。
いずれも26日まで。
きのう、「I LOVE YOU鉄バス」のことを書いておきながら、リンクを貼り忘れていました。ごめんなさい。
また、きょうの道新夕刊によると、RSRの入場者数は69000人だったそうです。ひえー。
8月20日(火)
夏休み最終日。
石狩と夕張に行ってきました。
時間配分を誤り、後半はだいぶ急ぎ足になってしまい、美術館の人にはあいさつをせずに札幌に戻ってきまして、どうもすいません。
自家用車で石狩に向かう途中、琴似栄町通を走っていたら「木の城感動館」が見えてきたので、渡會純价プロムナード展が開かれているのを思い出して、車をとめました。
開設されたばかりの「きのしろギャラリー」(北区北39西7)は、「木の城感動館」の3階にあります。
とりあえず中に入って用件を言うと、わたしどもで家を建てさせていただいた方ですか、と聞かれる。いや、案内状をいただいて…と答えると、女性の職員の方に案内されました(案内なしではたどり着けそうにないです)。
展示されているのは、銅版画22点に、油彩8点。かなり盛んに作品発表を行っている渡会さんでも、タブローというのはめずらしいんじゃないでしょうか。
絵画はいずれも、バイオリンなどを演奏する人がモティーフになっています。いちばん大きな「樹景」は100号。大きな木と四重奏の人々が重なり合って描かれています。
「譜」の4部作は、バイオリン奏者が2点、チェロ、フルートの奏者が各1点という構成でした。ほかに「緑のカルテット」「プレリュード」「PROVENCE」。「プレリュード」は、四重奏団の背景にある木がポプラです。
版画は、これまでの多彩な作風のものが並んでいます。「譜(エチュード)」がモノクロの抽象的な作品で、めずらしいかもしれません。
会期末は未定。無休。
渡會純价さんは、日本版画協会と全道展の会員。札幌在住。
アフリカの仮面展=Art Warm(石狩市花畔1の1)
彫刻家で道教大の丸山隆さんのコレクション約70点を展示したもの。
正直言って、そんなに見たいってほどじゃなかったんですが、実際に見ると、圧倒されました。
魚のかたちをしたもの、巨大な尾のようなものがついているもの、リアルな男の顔、5つの顔がついたものなどなど、その奇抜さ、想像力の奔放さには、おどろかされます。
今回は、どこのいつごろのもので、用途はどうだった−という、博物館的な説明はいっさいありません。それがかえって、造型物として衝撃力を感じさせる要因になっているのかもしれません。
25日まで。オススメです。
右の写真は、会場の外観です。赤い文字の看板が目印です。
ここから、当別、新篠津、岩見沢を経由して夕張に向かったのですが、これが長かった!
途中、美流渡の奥にある、毛陽センター(行政区域は岩見沢市)に立ち寄ったら、新道展会員の有村尚孝さんの大きな絵が5点展示されていました。
「早朝の街」「雨上り」「山麓の街」「陽だまりの街」など、どれもおなじ地点から岩見沢の中心部とおぼしき市街地を描いた風景画。タッチは写実的で、色調は明るくハイキーです。
古里ゆうばり百景 渡辺利博展=夕張市美術館(旭町4)
道内で活躍するイラストレーターによる、ほのぼのとしたイラスト、淡彩スケッチ、油彩、絵手紙など約100点。故郷の夕張を題材にしたものが大半ですが、それ以外の道内の風景を描いたものもあります。油彩の「本町1丁目」なんて、民家の2階の窓から白い猫がひょいと首をもたげていたりして、ナカナカいい味を出しています。
ただ、ちょっとふしぎに思ったのが、大半の絵が、本町や社光、鹿の谷など、市の北部を題材にしていたこと。千代田、若菜、清水沢、南部、鹿島、富野といった南の地区の作品はあまり多くありません。作者が福住(現在の「石炭の歴史村」のちかく)の出身だからしかたないのかな。
9月1日まで。100円。
RELATION 夕張・夏・芸術祭’02=同館、創作の館(夕張市清水沢清陵町)
けっこうバラエティーに富んだ作品が集まっていて、たのしめました。
どうして2会場で開かれているのかが、いまいちわからなかったけど。
それにしても、筆者は清水沢地区というのがあれほど大きな集落だというのは知りませんでした。国道を自家用車で走っているだけでは、街のようすというのはなかなかわからないものですね。
詳細は後日。
なお、夕鉄バスの時刻表については、HP「I LOVE YOU鉄バス」に載っていますので、ご参考に。
札幌発、夕鉄バス本社前行きのバスは、清水沢方面行きのバス(市内南行線)にうまいぐあいに接続しているようです。
その反面、JRは、札幌から行くのではあまり使い物にならないようです。
8月19日(月)
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2002 in EZO(以下、RSRと略す)で夜通しロックを楽しんだ後、3時間ほど眠り、午後から職場の送別会に出席していたので、2日間更新をさぼりました。ごめんなさい。
RSRの感想を書く前に、会場に、札幌の若手美術グループARTNETによるコーナー「ART has no design on ROCK」と題したがあったことを報告しておきたいと思います。
7月下旬に急きょ参加が決まったとのことで、会場の中ではあるのですが、ふたつのブロックの間の道路上という、ちょっと分かりにくいところにありました。でも、参加者の大半はかならずちかくをとおるので、いずれは気づきやすいかも。
コーナー名は
「アートはロックにかなわないというところから始めてみよう」
という冷徹な認識? をふくんでいるそうです。でも、色を変えた字だけつなげて読むと、ART
and ROCKと読めるあたり、ウマイ。
筆者が最初に存在に気がついたのは、この巨大イチゴ。
これは、昨年8月に札幌の中心部で開かれたユニークな野外展「地上インスタレーション計画」で、スガイビルの前にあった、野上裕之さん「鉛の造型物2」です。
いや、今回は作品タイトルがなかったし、もしかしたらちがう作品かもしれませんけど。
彼は、ファイアーダンスなるものを披露する予定でしたが、おこなわれませんでした。ざんねん。
通行人の注目をいちばん集めていたのは、CAIのグループ展などで活躍中の高幹雄さんのライブペインティングじゃないでしょうか。
脚立にのぼり、長い柄のついたローラーで、巨大な平面に絵の具を塗っていた高くんは、ときおり「楽しいなー」「イエー」などとさけびながら、夜通し格闘していたようです。
菱野史彦さんの彫刻(左下の写真)はひさしぶりに見ました。昨年は道展には出していなかったようなので。
あいかわらずのスカスカ構造ですが、フォルムがどこか宇宙ステーションみたいです。中央部分はくるくる回転するようです。
このほか、一般の人に、横断幕に自由にメッセージを書いてもらうという趣向もありました。
筆者はここで、アートとロックの関係について語る用意はありませんが、ただ、このことだけは言っておきたい。美術を美術の領域だけで純粋化する方向にはどんな未来もないと思います。ひとつの分野だけで自足するのではなく、たえず異なる表現とシャッフルすること。そのほうがぜったいスリリングですよ。
来年はより正式なかたちで参加することになるかもしれないそうなので、期待したいと思います。
ほかの出品作の写真も、下に続けてアップしましたので、ごらんください。
さて、RSRです。
以下、ロックに興味のない人は、文章はとばしてください。
1999年に始まったこの催しは、全国で唯一、夜通しロックなどの音楽をたのしめる野外ライブの祭典です。
毎年、顔ぶれの大半がかわりますが、ほぼ国内のバンドやミュージシャンです。
筆者は、年がいもなく、毎年見に行っています。
ことしの特徴は、ひとことでいうと、大規模化です。
第1回は、土曜昼から日曜朝にかけ、ひとつのステージで13前後の出演者が演奏するという形式でしたが、第2回にテント会場(第2ステージ)が、昨年に金曜昼〜夜の日程がくわわりました。ことしは、金曜にもメーンステージでライブが繰り広げられたほか、ステージがぜんぶで4つになり、出演者も計70組に倍増しました。
おもな出演者だけ挙げると、モンゴル800、元ちとせ、東京スカパラダイスオーケストラ、奥田民生、井上陽水、ドラゴンアッシュ、キック・ザ・カン・クルー、ミッシェル・ガン・エレファント、エゴ・ラッピン、UA、たま、石野卓球、ザ・ブームといったところです。
会場も、おなじ石狩湾新港のなかのもっと広い遊休地に移りました。(それにしてもいったいどれだけの土地があいているんだ)
その結果、主催者発表で入場者は5万人を超えたそうです。昨年が17000人、一昨年が8000人ですから、たいへんな増加です。
ライブエリアと地続きで設けられているテントサイトの券が売り切れ、周囲で野宿する人が続出。前回までは、お気に入りのアーティストが演奏していれば、途中からでも前のほう(スタンディングゾーン)に行って聴けたのですが、ことしは、演奏前からスタンディングゾーンが聴衆であふれ、入場できなくなることもしばしばでした。
フェスティバルが多くの支持を得て年々発展していくのはもちろん良いことなのですが、あまりの人の多さにちょっとくたびれました。会場が拡大したぶん、各ステージ間の距離も広がりました。第1、2回のときは奇跡的にすくなかった会場のごみも増えました。ま、しかたないんでしょうけど。
とはいえ、入場数が増えれば、いろんなアーティストを呼べるのもたしかで、今回はどれを見ようかとなやんだほどです。毎年、未明に休憩するのですが、ことしはトリまで徹夜しました。
個人的にいちばんノッたのは、ROVOというバンド。
エレクトリックバイオリン奏者で、多くのバンドを掛け持ちする勝井祐二と、ギターの山本精二を中心に、ツインドラム、ベース、シンセサイザーなど計7人で結成。トランスに、スリリングなリズムが加わったようなサウンドで、はじめのうちは宇宙的な音にほわわーんと浸っているのですが、途中からドラムが入って、かってに体がおどりだしてしまいます。しかも、どんどんテンポが速くなるので、もう腕がもげそうでした。
筆者はもういい年なので、あまりはしゃぎすぎないように自制しているのですが、ROVOのライブでは完全に理性がふっとびました。
ちなみに勝井君は、筆者の高校の2年後輩です。
LOVE JETSは、宇宙の果てからやってきた3人の使者というアホな設定を大真面目にやっている覆面バンド。ヘルメットに銀の衣裳は、昔のテレビのSFヒーローものに出てきそうです。でも、ボーカル兼ギターの歌声は、どう聴いても忌野清志郎にしかきこえないのです。
MCは
「ワレワレハ、ラ、ラ、ラ、ラブ、ジェジェジェジェジェ、ジェッツ…ダ」
と、宇宙人がしゃべっているような感じですが、演奏はべらぼうにうまく、ノリノリのロックンロールを立て続けに演奏。
最後は、RCサクセションの名曲「雨あがりの夜空に」もやってくれて、すごい盛り上がりでした。
清志郎は、ほかに「忌野清志郎&矢野顕子」名義でも出演。しぶい大人のバラードを聞かせていましたが、この組み合わせはこの夏かぎりのようです。
モンゴル800(略称モンパチ)は、沖縄在住の学生バンド。
昨秋出したインディーズ(自主制作)アルバム「MESSAGE」が、口コミで記録的なロングセラーとなり、インディーズ初のアルバムチャート1位という金字塔を打ち立てた3人組です。でも、ステージ上では
「北海道、アツいね」
など、素人のような素朴なMCで、イイ若者だなーという印象でした。
「MESSAGE」を聴いたときは
「これはブルーハーツだな」
と思ったのですが、1年たって歌も演奏もそうとう進歩して、独自のものになってました。
故郷・沖縄を愛し、戦争のない世界と、自然を破壊しない世の中を訴える彼らのロックは、いまの時代にはめずらしいほどの剛球一直線。聴いていてさわやかな気持ちになりました。
あとは、GREAT3が良かったとか、予想通りスカパラ(東京スカパラダイスオーケストラ)のステージに奥田民生が現れ「美しく燃える森」を歌ったとか、ナンバーガールの向井君が会場にふらりとあそびにきてアコースティックライブをやったとか、いろいろありました。
ことしは、昨年とちがって、放送・音楽の業界関係者にはまったく会わず、ちょっとさびしかった反面、何人かの美術関係者にばったり会いました。
このライブが終わると、アー、夏も終わったなあという気持ちになります。
街路樹のナナカマドがはやくも色づきはじめ、高い空にトンボが飛んでいます。
やっと、デメーテルについて書きました(「十勝日誌」と題したテキストです)。
筆者はけっこう高く評価しているつもりなのですが、また「辛口だ」とか言う人がいるんだろうな、きっと。
順次、十勝地方でおこなわれた他の展覧会にもふれていきます。お楽しみに。
8月16日(金)
きょうは午後からライジングサン・ロックフェスティバル2002・イン・エゾへ出かけ、いまいったん帰宅してこれを書いています。
出発前に急ぎ足でまわったギャラリーでは、さいとうギャラリー(中央区南1西3、ラ・ガレリア5階)の服部篤浩個展がおもしろかったです。
1975年日高管内浦河町生まれの若手画家。北見工大を経て、多摩美大に入学、今春から大学院在学中とのことです。
「FILM」は150号の油彩。室内の人物を描いており、どこか映画の一場面のような、ドラマティックな1枚です。
写実的な画風ではなく、かなり色なども自由に置いているようです。
左手の寝台には、スリッパをはいた裸の男が腰掛けています。右端にも寝台が見えますが、女? の足しか画面には出ていません。その間にテーブルがあり、10個入り卵パックのようなものが見えています。
画面の上半分はいちめんの壁ですが、中央にドアがあって、開け放たれています。右側には3段の低い書棚があり、ドアの左側にはなにやらいろんなものが貼ってありますが、暗いため何かは確認できません。
「午睡」「コロナ」も室内の風景。画面に登場する男は、なにかを考えているようにも、つかれているようにも見えてきます。卓上には、果実や花瓶が置かれています。
「LANDSCAPE」は、切り開かれて荒地になった林を大きくフィーチャーした大作。広がり感と、空疎感のようなものが、粗いタッチからつたわってきます。
18日まで。
同ギャラリーでは、関建治個展も開かれています。
佐々木春江油画展=エルム画廊(北2西2、チサンホテル本館2階)
エルム画廊ではめずらしく若手の絵画展。77年札幌生まれで、服部さんとおなじ時期に多摩美大二部に学んで、今春卒業しています。東京在住。
花など静物が中心。黄色、山吹色、レモン色など明るい色彩が、モティーフにも地にも使われ、あふれています。
17日まで。
北海道イラストレーターズクラブα MY WORK 23原画展=スカイホール(南1西3、大丸藤井セントラル7階)全室
道内のプロのイラストレーター45人の作品展。
半数以上は、道新の紙上などでみたことのあるおなじみの顔ぶれ。
プロなので、見ごたえがありますが、おもしろいのは、よく知られた画風・技法と違ったことをしている人がいること。
たとえば「JR HOKKAIDO」の表紙などでおなじみの切り絵画家藤倉英幸さんは、めずらしく油彩(アクリル?)です。濁りのない色彩などはそのままですが、藤倉さんの作品に筆のタッチの跡があることじたい、おもしろいです。
人形イラストレーションの杉吉久美子さんは、今回は、布を張り合わせた平面作品でした。
当HPからリンクを貼らせてもらっている中田ゆう子さんも出品しています。
18日まで。
山本紘正個展=ギャラリー大通美術館(大通西5、大五ビル)
パリや道内の風景が中心。油彩、水彩、淡彩デッサンあわせて53点ありますが、すべて20号以下です。
生な絵の具をつかわず、丁寧に色をつくっているのには、好感がもてます。そのためか、画面から受ける印象は、たいへん穏やかです。
「冬の樹」と題した水彩の連作は、白の階調が豊かです。紙を塗り残して雪を表現するのではなく、いったん絵の具を塗ってからそれを削り取るなどして、白さを出しているとのことです。
恵庭在住、道展会友。
18日まで。
札幌市資料館(大通西13)で、水彩油彩三人展、第3回三彩会水彩画展、しん美術会展を見ました。
8月15日(水)
終戦記念日。
とかち国際現代アート展「デメーテル」を、ようやく見てきました。
そのほか、十勝管内の各地で展開されている美術展を、いろいろ見てきたので、来週から特集として、順次くわしく書いてゆく予定ですので、お待ちください。
結論だけ書いておくと、デメーテルは、横浜トリエンナーレの縮小版みたいな感じで、現代美術にしたしむことができました。
ただ、いわゆる「現代美術」だけです。絵画や彫刻はありません。
この分野に興味のない人は、ちょっとつらいかもしれない。
先にも書きましたが、各地で展開されている関連事業は玉石混淆です。
というわけなので、ほかの町村にも回ろう−とは、筆者はあまりおすすめしません。
帯広以外でおすすめできるのは鹿追です。
第2回しかおいウィンドゥ・アート展は、鹿追の市街地の窓辺に、道内を代表する画家やガラス作家の小品42点を展示しているもの。窓の反射でちょっと見づらいですが、一原有徳さん、米原眞治さんら一線級が並んでおり、見て損はしないと思います。
くわしくはこちら。
9月1日まで。
また、鹿追町民ホールで8月19日まで開催中の「刷り師 木村希八の仕事」展は、片岡球子、相原求一朗、香月泰男ら戦後を代表する画家のリトグラフや銅版画がならび、ひそかに豪華な展覧会だったりします。
どうして来週から書くのか、というと、16日から18日朝にかけて、ライジングサン・ロックフェスティバル・イン・エゾに行くためです。
ことしから金曜にもメーンのステージでのライブがあり、出演アーティストも大幅に増えました。
でも、あしたは徹夜ではないので、いったん家に帰って更新する予定です。
しかし、けさは5時起きで、車で帯広まで日帰りしたので、けっこうくたびれています。
これであしたから大丈夫なのか!?